基本ノウハウ

コンテンツSEOとは?概要・メリット・作り方の手順を徹底解説

コンテンツSEOとは?概要・メリット・作り方の手順を徹底解説

良質なコンテンツによって売上やCV率向上を目指すマーケティング施策の一つに、コンテンツSEOがあります。コンテンツSEOは大きな成果が期待できるマーケティング施策ですが、やみくもにコンテンツを量産すれば良いという単純なものではなく、正しい知識と正しい手順で行う必要があります。本記事では、コンテンツSEOの概要やメリット、具体的な実施の手順などについて解説します。

目次

1.コンテンツSEOとは

SEOは検索エンジンの検索結果で上位に表示されるための施策全般を指しますが、SEOの分類の1つにコンテンツSEOがあります。本章では、「コンテンツSEOとは何か」の概要を解説します。

「そもそもSEOとは何か」については、下記の記事を参照してください。
関連記事:SEOとは?用語の基礎知識を初心者にも分かりやすく解説

良質なコンテンツ制作によるSEO施策

コンテンツSEOとは、ユーザーにとって価値のある良質なコンテンツを制作することで、検索エンジンからの評価を高めて検索上位を目指す、SEO施策の1つです。

良質なコンテンツの定義はさまざまですが、代表的な例として以下のようなものがあります。

良質なコンテンツの定義

・ユーザーの悩みを解決する
・ユーザーの潜在的な疑問や質問に先回りして回答している
・他サイトにないオリジナルの情報を提供している
・内容の信頼度が高い
・デザインが見やすく分かりやすい

良質なコンテンツは、ユーザーの満足度を高めるだけでなく、検索エンジンからも高い評価を獲得できます。特にGoogleはユーザーにとって有益であるかを評価基準として重視する方針を掲げており、ユーザーに喜ばれる良質なコンテンツの制作が検索順位を決める重要な要素であることは間違いありません。良質なコンテンツによってユーザーからの高評価が集まれば、結果的にSEOの効果も高まるのです。

コンテンツマーケティング施策の一部

コンテンツSEOは単に検索上位を目指すためだけの施策ではなく、コンテンツマーケティング施策の一部です。

コンテンツマーケティングとは、良質なコンテンツの提供によってユーザーのエンゲージメント(つながり)を生み出し、売上やコンバージョンへとつなげるためのマーケティング活動を指します。そのゴールは、あくまでも売上アップやコンバージョン率の向上です。

そのためコンテンツSEOにおいても、最終的なゴールは売上やコンバージョンであり、ただ単純に検索上位を目指してアクセスを増やせば良いというものではありません。いたずらにアクセス数を増やすのではなく、成果へとつながる自社製品・サービスの見込み顧客の獲得を目指すことこそがコンテンツSEOの本質であるということを忘れないようにしてください。

関連記事:コンテンツマーケティングとは?BtoB企業が取り組むべき理由やメリット、コンテンツ例を紹介

2.コンテンツSEOの3つのメリット

次に、コンテンツSEOを行うメリットについて解説していきましょう。コンテンツSEOには、以下の3つのメリットがあります。

  • Webサイトの訪問者数が増える
  • コンテンツが資産になる
  • ブランディングの効果も期待できる

Webサイトの訪問者数が増える

ユーザーの悩みや課題を解決できる良質なコンテンツは、まだ製品・サービスに対するニーズが芽生えていない潜在顧客にもアプローチできます。ユーザーが自身の抱えている悩みや課題について検索した結果、自社サイトが表示されれば、自社製品・サービスの知識を持っていない相手であっても関係なく流入を促し、訪問者数を伸ばすことが可能です。

また検索エンジンを通して多くのユーザーと接点を持てるようになれば、それだけ売上やコンバージョン率のアップに近づきます。良質なコンテンツをSNSや他サイトで拡散してもらえれば、本来アプローチが難しかった層にも情報を届けられるようになり、訪問者数を爆発的に伸ばせる可能性もあります。

コンテンツが資産になる

作成したコンテンツは、自ら削除しない限りWeb上に残り続けるため、ユーザーに対して継続的なアプローチができます。広告のような一過性のものとは違い、一度作成したものを資産として積み上げられるのは、コンテンツSEOならではの利点といえるでしょう。

ただし、公開したコンテンツすべてが上位表示を獲得できるわけではないほか、上位を獲得しても順位を維持し続けられるとは限りません。必要に応じた追記やリライトなどのメンテナンスを実施する必要があります。作成したコンテンツを資産として長期にわたり活用し続けるためにも、定期的なメンテナンスは欠かせません。

ブランディングの効果も期待できる

良質なコンテンツによってユーザーが抱える悩みや課題が解決できれば、そのユーザーが自社や製品・サービスのファンへと成長し、自社のブランド力を向上させるきっかけになる可能性もあります。多数のファンを獲得し、自社ブランドを確立できれば、新商品やサービスを出した際により好意的に受け入れてもらいやすくなるでしょう。

また特定の領域に特化してコンテンツを作成していけば、その分野の社会課題を解決する第一人者(ソートリーダーシップ)として認められ、確固たる地位を築けるかもしれません。

ソートリーダーシップについては「ソートリーダーシップとは?社会貢献で新しい市場を生み出す戦略」の記事で詳しく解説しています。

3.コンテンツSEOの3つの注意点

コンテンツSEOにはさまざまなメリットが存在しますが、一方でデメリットもあります。以下3点のデメリットを押さえた上で、効果的なコンテンツSEOを実施できるようにしましょう。

  • すぐに効果が出るものではない
  • コンテンツ作成には工数が必要
  • 定期的な分析・改善が求められる

すぐに効果が出るものではない

コンテンツSEOは実施してすぐに効果が出るものではなく、中長期的な施策である点に注意が必要です。特に新規サイトは、効果を実感できるようになるまで半年から1年程度の期間がかかるとされています。検索エンジンのクローラーがサイトを発見し、巡回した上で登録・評価するまでに一定の時間がかかるためです。

一方で、コンテンツが蓄積されればされるほどサイトへの評価が高まり、効果が出やすくなります。コンテンツSEOでは即時的な効果を期待せず、根気強く良質なコンテンツ制作を続けられるようにしましょう。

どうしても早く成果を上げたい場合は、最初のうちはWeb広告と併用し、コンテンツSEOの効果が出始めたら広告の比重を減らすなど、複数の施策を同時進行させることも大切です。

コンテンツ作成には工数が必要

コンテンツの作成には多くの工数がかかる点にも注意が必要です。コンテンツの作成には、競合調査に始まりキーワード選定や構成案の検討といった多くの下準備が求められます。また、原稿の執筆にも時間が必要なため、制作体制やスケジュールを万全に整えておかなければなりません。

社内のリソースだけでコンテンツ作成の工数を確保できない場合は、制作会社やSEO会社などへの依頼も検討する必要があります。

定期的な分析・改善が求められる

競合サイトの出現や評価基準の変化など、サイトを取り巻く環境は常に変化しているため、コンテンツは一度作成して終わりではなく、常に分析や改善の必要があります。新しいコンテンツを作成する一方で定期的な改善施策も求められるため、その工数も確保する必要がある点に注意しましょう。

コンテンツの表示順位やコンバージョン状況などを定期的に分析し、課題のある記事に関してはタイトルや見出し、リード文を変更するなどして徐々に改善範囲を広げていきます。情報が古くなってしまった場合は内容の追記やリライトを行い、常に情報をアップデートしましょう。

4.コンテンツSEO実施の手順5ステップ

本章ではコンテンツSEOを実施する手順5ステップについて具体的に解説します。

  • 【STEP1】ペルソナを設定する
  • 【STEP2】カスタマージャーニーマップを作成する
  • 【STEP3】キーワードの洗い出し・選定を行う
  • 【STEP4】コンテンツを作成・公開する
  • 【STEP5】分析・改善を行う

【1】ペルソナを設定する

「これから制作するコンテンツを誰に届けようとしているのか?」を明確にするため、まずはペルソナを設定します。ペルソナとは、製品・サービスの典型的なユーザー像のことです。名前や性別、職業、役職、趣味、抱えている悩みなど、あたかも実在する人物であるかのように詳細に情報を設定します。

性別や年代といった属性のみを想定するターゲットよりも、ペルソナはより深くリアリティのある人物像になるため、ユーザーニーズを満たすキーワードやコンテンツを検討しやすくなります。また、コンテンツを届けるユーザーのイメージを社内で共有することで、全員が同じ目線でユーザーの課題や悩みを発見できるようになります。情報があふれているインターネット上で、「これこそ自分の知りたい情報だ」とユーザーに思ってもらうコンテンツを設計するために、ペルソナ設定は欠かせないのです。

ペルソナについては、「ペルソナの作り方とは?BtoCとBtoBマーケティングの違いまで徹底解説【無料設定シートダウンロード】」の記事で詳しく解説しています。

【2】カスタマージャーニーマップを作成する

カスタマージャーニーマップを作成し、見込み顧客の行動や心理状態の変化を把握します。カスタマージャーニーマップとは、顧客が製品・サービスを購入するまでの体験プロセスを可視化したもので、ユーザーに適切なタイミングで適切な情報を提供するために活用します。

カスタマージャーニーマップの作成では、ゴールの設定が重要になります。「メルマガを登録してもらう」というゴールであれば比較的短いリードタイムが想定され、まずは認知を拡大することが重要になるでしょう。一方、「成約につなげる」というゴールは中長期的な戦略が求められ、認知された後も継続的に良質な情報を届けたり、成功事例やホワイトペーパーといった自社独自の情報を提供したりすることが求められるはずです。カスタマージャーニーマップのゴールを設定した上で、そのゴールに至るまでにユーザーはどのような悩みを抱え、行動するのかを考えましょう。

カスタマージャーニーマップについては、「BtoBにおけるカスタマージャーニーマップとは?【無料テンプレ配布中】ペルソナ記入方法付き」の記事も参考にしてください。

【3】キーワードの洗い出し・選定を行う

設定したペルソナとカスタマージャーニーマップを踏まえて、キーワードを洗い出して選定します。その際に重要になるのが、自社の製品・サービスに関連するキーワードから選定することです。自社が提供しているものと全く無関係のキーワードや、関連性の薄いキーワードでコンテンツを作成しても、コンバージョンにはつながりません。まずは自社にとって軸となるキーワードを定め、そこからユーザーの課題や悩みの連想を膨らませてキーワードを広げていきます。

また、カスタマージャーニーマップの段階によって、ユーザーが求める情報が異なる点もおさえておくべきです。企業や製品・サービスを認知する前の段階では企業名や商品名を知られていません。そのため、製品・サービスの具体的な情報ではなく、それらが解決する課題を軸にキーワードを選定し、コンテンツを展開すると良いでしょう。一方、競合製品・サービスと比較検討する段階であれば、より具体的な情報や導入事例を知りたいと思うものです。このように、カスタマージャーニーマップに沿ってキーワードを選定していくことが大切になります。

【4】コンテンツを作成・公開する

キーワード選定が完了したら、そのキーワードを盛り込んだコンテンツを作成します。最初から文章を書き始めることはせず、どのようなキーワードや情報を盛り込むべきか企画を立て、構成案を作成してから原稿を執筆しましょう。構成案の段階でチームとすり合わせておけば、情報の抜け漏れや重複を防ぎ、手戻りを減らせます。また、ユーザーが求める情報を網羅したコンテンツに仕上がるでしょう。

執筆では、以下の要素を押さえて執筆を進めます。

要素 ポイント
タイトル ・コンテンツの内容を的確に表し、ユーザーが思わずクリックしたくなるような内容にする
・タイトルに含まれるキーワードはSEOに影響するため、必ずキーワードを含める
・左から右に文章を読むため、重要なキーワードはできる限り左側に配置する
見出し ・各ブロックで何の情報が記載されているのかが一目で分かる、端的な見出しを作成する
・見出しのHタグはSEOに影響するため、できる限りキーワードを含める
リード文 ・タイトル下に記載する冒頭文のこと
・コンテンツを読み進めれば何が得られるのかを提示し、記事の価値を感じてもらえるようにする
本文 ・端的かつ分かりやすい文章を心がける
・起承転結を意識した構成にする
・各コンテンツのトンマナを統一する(ですます調、だである調など)
・本文の内容理解を促す画像や図を適宜挿入する
デザイン ・読みやすい文字のサイズや行間にする
・適切な余白を設けて読みやすくする
・強調したい箇所はマーカーをひいたり太字にしたりする

コンテンツが完成したら、いよいよ公開です。公開前に誤字脱字や情報の誤りがないか、再度確認しておきましょう。

【5】分析・改善を行う

コンテンツは公開して終わりではありません。その後も定期的に分析し、課題に応じて改善を行います。分析では、コンテンツの検索順位やアクセス数、コンバージョン率などをモニタリングします。検索順位やアクセス数が伸び悩んでいる場合は、タイトルや見出しを変更したり、本文をリライトしたりすると良いでしょう。コンバージョン率が低い場合は、コンバージョンにつながっている他のコンテンツの内容を参考にして、内容を改善します。

検索順位で上位表示されても、コンテンツを放置したままだと順位が下がってしまうリスクがあります。古くなった情報は見直し、リライトや追記を行って、常にコンテンツの改善を図りましょう。

5.まとめ

コンテンツSEOは、中長期的な集客やブランディングにつながるマーケティング施策です。一方で、戦略的にコンテンツを作成しなければ、思った成果を得られないでしょう。ペルソナやカスタマージャーニーマップを設定し、ユーザーが抱える悩みや求める情報を精査した上で、ニーズを満たす良質なコンテンツを作成することが重要になります。新規コンテンツの公開と既存コンテンツの改善に取り組み、サイトへの検索流入を増加させてコンバージョンにつなげましょう。


この記事に関連するお役立ち資料

あわせて読みたい

この記事を書いた人

BeMARKE編集部
BeMARKE編集部

BeMARKE(ビーマーケ)は、BtoBマーケティングの課題解決メディアです。 BtoBマーケティングのあらゆる局面に新しい気づきを提供し、リアルで使える「ノウハウ」を発信します。

SNS:TwitterYouTube

BeMARKEナビゲーターが
無料で相談にのります。

  • 自社に合う
    サービスを
    知りたい
  • 施策の
    進め方が
    わからない
  • Webで
    引き合いを
    増やしたい
  • 営業活動の
    DXを
    進めたい
BeMARKEナビゲーター