基本ノウハウ
コンテンツマーケティングはBtoBマーケティングでよく取り入れられている施策です。しかし「たくさん種類があって何を選べばよいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、コンテンツマーケティングの種類とそれぞれの特徴について紹介します。さらにコンテンツ選びのポイントについても説明しています。これからコンテンツマーケティングを始める方、成果が出ず悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングとは、消費者に対して有用で魅力的なコンテンツを提供し、そのコンテンツを通じて商品やサービスのブランド認知度を高め、顧客を獲得するためのマーケティング手法です。ユーザーの興味関心にあったコンテンツを発信し、リード獲得や育成、購買といった企業が得たい成果へつなげるマーケティング手法のことです。
まずはコンテンツマーケティングとは何か、従来のマス・マーケティングとの違いを踏まえながら解説します。さらにSNSの発達で、コンテンツマーケティングが重要視されるようになった理由もあわせて確認していきましょう。
コンテンツマーケティングでは、ユーザーの興味関心に寄り添ったコンテンツを提供していきます。ユーザーのニーズに応えることで、リード獲得や育成、購買といった企業が得たい成果へつなげることが、コンテンツマーケティングの目的の1つです。
従来のマス・マーケティングのように、企業が伝えたい情報の一方的な発信ではなく、ユーザーにとって価値のある情報を発信します。企業が伝えたい情報や商品価値だけを発信してしまうと、ユーザーのニーズに合わず興味を持ってもらえません。
すでにニーズが顕在化している層だけでなく、潜在層へのアプローチもできるため、マーケティングのあらゆるプロセスで活用できます。様々なメディアを使って拡散することができるため、SNSとの連動を考えた戦略を立てて取り組みましょう。
「コンテンツ」とは、公開されている情報や作品のことを意味します。マーケティングにおいてコンテンツは、ユーザーに知ってもらうために、データを加工したり、情報をまとめて公開したものです。
コンテンツは情報の中身そのものを指しますが、データをそのまま公開するだけではユーザーにとって価値ある情報になりません。ユーザーに伝わるようメッセージ性や主張を持った文章や映像にして公開します。
コンテンツマーケティングでのメディアとは、コンテンツを配信する媒体のことです。コンテンツマーケティングでは主にオウンドメディア、ブログサイト、Web広告、SNSなどのメディアで配信されます。
コンテンツや届けるユーザーも意識してメディアを選びましょう。
コンテンツマーケティングには多くの種類がありますが、ここでは代表的な7つを紹介します。
「記事」はコンテンツマーケティングにおける代表的な施策です。事例紹介、ノウハウ、専門家へのインタビューなどをオウンドメディアやブログサイトで発信します。
ユーザーの興味関心を分析し、コンテンツを制作していくため、コストがかかります。コンテンツが充実し、ユーザーのニーズに応えられるようになると、検索上位が狙え、長期流入へとつながります。
「ホワイトペーパー」とは、自社サービス、調査レポートなどをまとめた資料のことです。課題の解決策や企業が持つノウハウがまとめられているため、ユーザーの問題解決に役立ちます。
自社のWebサイトからのダウンロードや、メールマガジンなどでの配布が一般的です。「ホワイトペーパー」は、リード獲得から育成、リードの関心調査というように、マーケティングプロセスで幅広く利用されています。自社の営業活動での説明資料としても活用できるため、コンテンツマーケティングの最初の取り組みとしておすすめです。
ホワイトペーパーの目的と制作については、こちらの記事で詳しく紹介しています。参考にしてみてください。
「動画」とは事例や使い方紹介、セミナー、インタビューなどを映像や音声を使って紹介するコンテンツのことです。視覚と聴覚に訴えるため、文字だけでは伝わりづらい情報も伝えられます。
動画はユーザーへ届く情報量が、同じ接触時間でも文字情報より多く、さらにGoogle検索でも動画検索が表示されるようになってきたことから、力を入れる企業が増えてきました。
イギリスとアメリカをベースにした世界的アニメーション解説動画制作会社のWyzowlの調査によると、企業の86%が動画をマーケティングに活用し、そのうち93%が動画はマーケティング戦略において重要だと答えています。2016年の調査結果から41%も伸びており、動画コンテンツの利用は今後も増加していくことでしょう。
「メールマガジン」とは、Eメールを使ったコミュニケーション施策のことです。新製品、イベント情報、業界ニュースなどを、定期的にユーザーに直接発信します。ホワイトペーパーやセミナーなどで獲得したリードに対し発信することで、リード育成をし、購入へとつなげます。
低コストで実施でき、認知度の向上、ユーザーの興味関心の復活が期待できます。宛名の変更や、ターゲット属性で内容を差し替えるなど、カスタマイズしたアプローチが可能です。特にビジネスシーンではメールの利用率が高く、BtoBマーケティングにおいて、おすすめのマーケティング手法と言えます。
メールマガジンで成果を出すコツは、こちらの記事で詳しく紹介しています。参考にしてみてください。
→「読まれるメルマガのコツ9選!すぐできる開封率やクリック率を高める書き方を解説」
「プレスリリース」とは、主に記者や媒体向けに新商品やサービス、イベント開催、調査結果などを文章で告知、発表用にまとめたものです。幅広いメディアで拡散することができるため、認知度向上につながります。自社の調査結果などは、自社サイトの被リンクの獲得につながるためおすすめです。
プレスリリースの書き方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。参考にしてみてください。
→「【ポイントは6つ!】プレスリリースの書き方は?具体例や掲載されるコツまで紹介!」
「ウェビナー」とはオンライン上で実施するセミナーのことで、パンデミック以後急速に拡大した手法です。専門家などによるノウハウ、事例紹介を行います。
時間と場所を選ばず、一度に多数へ向けて発信できることが特徴です。リアルタイム配信では、双方向のコミュニケーションも可能です。セミナーを録画した動画をコンテンツとして公開することもできます。
ウェビナーの開催に関しては、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。
→『CPA2,300円!?担当者が語る「なぜウェビナーで350人集客できたのか」』
「ランディングページ」とは、商品やサービスを紹介し、購入につなげるWebページのことです。特定の商品、サービスについて紹介した広告としての役割が強いコンテンツです。
他サイトへのリンクが少なく、サービスの購入やお問い合わせの促進という明瞭な目的が特徴です。1ページに情報が集約されていて、デザイン性が重視されます。広告感を弱めユーザーに寄り添うには、読み物型の記事LP(ランディングページ)を作成します。一般的なランディングページでは顕在層にコンバージョンを促すことに対し、記事LPでは潜在層へアプローチすることもできます。
ランディングページの制作方法に関しては、こちらの記事を参考にしてみてください。
→「ランディングページとは?特徴や制作メリット・留意点を解説」
コンテンツマーケティングでは、ターゲットや流入経路によって最適なコンテンツが異なります。コンテンツを選ぶ際にまず考えることは、「どのような成果を得る」ために、「誰に」、「どんなコンテンツ」を届けるのかということです。
施策を始める際に、コンテンツの種類を選ぶポイントを3つ紹介します。
コンテンツマーケティングの目的は、自社の課題解決です。目的に応じて効果のあるコンテンツが異なるため、目的を定めずに始めても成果は出ません。なぜコンテンツマーケティングを実施するのか、今抱えている課題を整理することから始めます。
例えば新規のリード獲得であればホワイトペーパーやウェビナーなど、リード育成であればメールマガジンなどです。現状の課題をもとに、コンテンツを使ってユーザーにどのような態度変容をもたらすのか、具体的な成果を定めましょう。
コンテンツマーケティングの目的が明確になったら、ペルソナを設定してコンテンツを届ける相手を明確にします。ペルソナはターゲットとは異なり、年齢や職業だけでなく趣味や価値観のようにライフスタイルについても細かく設定します。
コンテンツマーケティングで重要なのは、ユーザーに寄り添うコンテンツを作成することです。ペルソナを設定することで、ユーザーの興味や抱えている悩みを発見しやすくなります。
ペルソナを設定する際に気をつけることは、自分たちにとって都合の良いユーザーにしないことです。
ペルソナの作り方はこちらの記事で詳しく紹介しています。参考にしてみてください。
→「ペルソナの作り方とは?BtoCとBtoBマーケティングの違いまで徹底解説【無料設定シートダウンロード】」
コンテンツの中身については、マーケティングプロセスに沿って検討しましょう。
ユーザーの態度変容を「認知」「検討」「決定・購入」の段階で分けた場合のコンテンツ例を紹介します。
段階 | コンテンツ | 情報の例 | 期待する効果 |
---|---|---|---|
認知 | 記事 動画 |
お役立ち情報 事例紹介 |
興味を持つ |
検討 | 記事 ウェビナー メールマガジン ホワイトペーパー ランディングページ |
事例紹介 サービス紹介 セミナー案内 |
購入後のイメージを持つ 他サービスとの比較 |
決定・購入 | ランディングページ | サービス紹介 | 購入を後押しする |
ここで挙げたのは一例です。目的やペルソナにも合わせて、効果的なコンテンツを選んでいきましょう。
カスタマージャーニーマップを作成し、ユーザーの状況に合わせたコンテンツを提供していくことも効果的です。
カスタマージャーニーマップの作り方はこちらの記事で詳しく紹介しています。参考にしてみてください。
→「BtoBにおけるカスタマージャーニーマップとは?【無料テンプレ配布中】ペルソナ記入方法付き」
コンテンツマーケティングは課題が明確になっている「今すぐ層」ではなく、潜在層にアプローチする施策です。成果を出していくためのポイントを2つ解説します。
コンテンツマーケティングは始めてから成果がでるまでに時間がかかります。そのため中長期的な成果を見据え、施策を打っていきます。
例えばオウンドメディアの記事は、Webサイトが検索エンジンから評価されないと検索結果上位に表示されず、コンテンツへの流入が増えません。検索エンジンに評価されるためには、質の高いコンテンツの数を増やしていくことが必要です。
オウンドメディアに限らず、コンテンツの質と数の充実は、ユーザーの興味に応えることができます。そのため、施策を始めてから効果が出るまで数ヶ月以上の期間がかかると考えておきましょう。
コンテンツマーケティングは長期的に取り組む施策のため、目標や評価を定期的に見直します。
施策を始めた頃は、コンテンツに人を集めることを目標にし、コンテンツの充実化を行います。コンテンツマーケティングで目指す最終的な目標を、ステップに分け、それぞれの目標を設定することも成果を出すポイントです。ユーザーの期待に外れていないか確認することも必要です。
ステップごとに成果を評価し、コンテンツの見直しを行うことで、最終的な成果へとつなげます。
コンテンツマーケティングは、複数のコンテンツを組み合わせて展開することで成果を得やすい施策です。1つのコンテンツで対象とするユーザーは絞られますが、複数のコンテンツを展開することで幅広いユーザーに訴求できます。
スマートフォンの普及で、BtoBでもSNSの利用が増えています。SNSを活用することで、複数のコンテンツをリンクさせることができ、コンテンツの拡散につながります。SNSを利用してコンテンツへと誘導している例を2つ紹介します。
サイボウズでは、Twitterで自社のオウンドメディア記事の紹介、セミナー開催情報を発信し、誘導のきっかけにしています。
DXサービスを提供するSanSanでは、Facebookで報告書ページへの誘導をしています。さらに製品情報、導入事例などを紹介し、1つのコンテンツとしてユーザーへの情報発信として活用しています。
SNSはユーザーから評価されると、さらなる拡散が期待できます。他のコンテンツと連携させ、上手に利用していきましょう。
コンテンツマーケティングには様々な種類があることを紹介しました。目的を定めずにコンテンツを選び、施策を進めても効果はでません。コンテンツによって期待できる効果や届ける層が異なります。自社の課題を整理し、明確な目的のもとに最適なコンテンツを選びましょう。
短期間で成果を出すことが難しい施策のため、定期的にコンテンツの見直しを行うことも大切です。まずはユーザーのニーズに合わせたコンテンツの充実化を進めましょう。またSNSを利用し、コンテンツの拡散を行っていくこともおすすめです。
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