基本ノウハウ
コンテンツマーケティングへの参入を考えたり、スタートしたりしたものの、失敗するのではと不安だったり、なかなか結果が出なかったりして悩んでいませんか?
コンテンツマーケティングが失敗する9つの原因を要因別に分析。失敗の原因を知り、成功させるための3つのポイントを詳しく解説します。
コンテンツマーケティングの失敗には、さまざまな要因があります。まずは計画段階で起きてしまいがちな失敗パターンを見てみましょう。
コンテンツマーケティングの特徴については「コンテンツマーケティングとは?BtoB企業が取り組むべき理由やメリット、コンテンツ例を紹介」をご覧ください。
目標設定がはっきりしていないとアクセスの増減だけで一喜一憂してしまったり、コンバージョン率(CVR)は上がっていないのにアクセス数だけを追い求めてしまったりといったミスマッチが生じます。明確な目標を設定し、そのためのコンテンツを展開する必要があるでしょう。
例えば売り上げを伸ばすためにコンバージョン率を上げる、認知を広げるためにPV/UUを増やすなど具体的な目標(KGI.KPI)と数値を設定することが重要です。
コンバージョン率(CVR)については関連記事「CVRとは?計算方法とCVRをUPさせるための6つの施策を紹介」で詳しく解説しています。
ターゲットが絞り込めていなかったり、ターゲットを広くしすぎたりしてしまうと誰にも響かない記事になってしまう場合もあります。
例えば「ビジネスマン向けの記事」などと幅広い年代や業種に向けた情報を発信しようとしても、誰もが知っている事柄の羅列になってしまうかもしれません。新たな発見や深い知識もなく、役に立たないコンテンツになってしまうでしょう。その記事を読んで欲しいターゲット像(ペルソナ)を細かく設定し、そのターゲットが求めている価値のあるコンテンツを作ることが重要です。
特定の分野や悩みに向けた情報に絞ることで、そのペルソナにとって有意義なコンテンツとなるよう意識しましょう。ペルソナの設定方法については「ペルソナの作り方とは?徹底解説【無料設定シートダウンロード」で詳しく解説しています。
自社本位のコンテンツになってしまい顧客のニーズをつかめていない場合にも、アクセスやコンバージョンは見込めません。自社が売りたい商品やサービスについてのアピールや自社目線のコンテンツではなく、顧客のニーズや悩みに寄り添った良質なコンテンツとなるよう心がけましょう。
潜在的な悩みや不安点を解消してくれる記事など、ユーザーにとって利益となるコンテンツが検索結果で上位に表示され、結果としてサイトへの流入増加やコンバージョンなど自社の利益にもつながります。
良質なコンテンツについては、こちらの関連記事「コンテンツSEOとは?概要・メリット・作り方の手順を徹底解説」も参考にご覧ください。
次にコンテンツマーケティングに関わるコストを設計する際の失敗パターンを紹介します。
サイトの構築段階で初期投資に予算をかけすぎると、コンテンツの制作費用が足りなくなってしまいます。
コンテンツマーケティングでは継続して良質なコンテンツを掲載していくことが重要なため、構築にかかる予算の比重が大きくなりすぎないように気をつけましょう。コンテンツ制作費用が十分に賄えるよう、構築段階の初期投資はできる限り抑え、予算計画は慎重に検討することが大切です。
コンテンツマーケティングの要といえる良質なコンテンツを制作するためには、ある程度の予算が必要です。少なくとも立ち上げ時には100記事ほどは用意しておきましょう。外注する場合、1記事1万円だとしてもざっと100万円、1記事3万円なら300万円は必要な計算になります。
記事の単価は原稿の質にも響くため、コンテンツの制作費を削りすぎれば本末転倒です。格安で記事を量産してもエンゲージにはつながらないため、ある程度の質が保てる単価を設定する必要があります。どの程度の専門性が必要かによっても記事の単価は大きく変わるため、予算を立てる際には底値ではなく正しい相場を知っておくようにしましょう。
人的要因でコンテンツマーケティングが失敗するケースもあります。
コンテンツマーケティングではSEOの知識やWebサイト運営の経験が必須です。それらの経験に乏しい人が記事を書いたり運営したりしていては、タイトルのつけ方、コンバージョンやCTAへの導線などを効果的に作りこめず、成果が期待できません。
質の低い記事は離脱の原因や自社への信頼低下につながってしまうかもしれません。社内で運用する場合でもプロのライターや編集者に外注したり、軌道に乗るまでは専門知識のある方にサポート役をお願いしたりして、効果的なコンテンツを作成するための体制を整えましょう。
CTAの効果的な設置方法については「CTAとは?BtoBのサイトで成功させるポイントや効果測定の方法も解説」もご覧ください。
続いてコンテンツマーケティングの運用段階での失敗例を紹介します。
コンテンツマーケティングに対する社内上層部の理解がないと、広告のようにすぐ効果が出ないため短期間で見切りをつけられてしまう場合もあります。コンテンツマーケティングは、SEOやGoogleのクローラーなどさまざまな要素が絡み合っているため、短期間で成果が出るものではありません。
短期間で見切りをつけてしまうのではなく、はじめから長期的なメディアの育成を見据えた予算配分や担当者決めなどの体制構築が重要です。長期的な目線でファンを獲得しサイトを成長させていくという共通認識をもてるよう、社内で働きかけていきましょう。
マニュアル化やルール化ができていないせいでコンテンツの品質が保てない場合や、人によって判断が分かれて失敗してしまうパターンもあります。
コンテンツマーケティングでは立ち上げ時にしっかり意図や目的が共有できていても、関わる人が必然的に多くなっていく段階で品質の低下や内容のブレなどが起こるのはよくあるパターンです。制作段階から目的やペルソナなどを共有した上で、しっかりしたマニュアルやレギュレーションで統一し、チェック体制を整えてコンテンツ品質の低下を防ぐ必要があります。
PDCAがきちんと回せていないせいでコンテンツマーケティングが失敗に終わる場合もあります。
PDCAを回せない原因は大きく分けて2つあり、1つは専任の担当者がいなかったり、いても忙しすぎたりして対応できないパターン、またはアクセス解析など効果測定の知識や経験が乏しく、正しい改善案や方法が分からない場合です。PDCAをうまく回すためには、専任の担当者を決めておき、改善するための時間を確保するなどして、計画的にPDCAを回せるように備えておく必要があります。
PDCAを効果的に回し続けるための方法については「PDCAの意味とは? メリットから実践のステップまで解説」の記事もご覧ください。
失敗パターンを踏まえて、コンテンツマーケティングを成功させるために欠かせない3つのポイントを押さえましょう。
コンテンツマーケティングにおいては効果測定と改善のサイクルをできる限り早く回していくことが重要です。成果はすぐにはあらわれないことを念頭に置き、定期的な効果測定・改善を図るための体制を構築しましょう。
新しいコンテンツへのアクセス数やどういった経路で流入しているのか、コンバージョン率などからユーザーの動きを可視化し、他に求められているコンテンツの強化や、既存コンテンツの改善を図れます。失敗から学ぶことも多いので、試行錯誤を繰り返しながらPDCAを素早く回していく意識を持ちましょう。
コンテンツマーケティングでは、新規のコンテンツをアップすると同時に過去記事のブラッシュアップや最新の情報に更新していくことも重要です。
最新版の情報を追加したり、新しい関連記事とのリンクなどでサイト内での流れをスムーズにしたりすることも役立ちます。競合サイトの記事などもチェックして、自社のコンテンツに不足している内容がないか、情報量や読みやすさなども比較した上でブラッシュアップを図りましょう。
コンテンツマーケティングでは長期的な目線が重要です。コンテンツの品質が正当に評価され、検索順位が上がるまでには数か月から1年以上かかることもあります。
コンテンツを成長させていくためには時間がかかることを認識し、関係者間で目的意識を持って運用体制を整えていきましょう。結果の出ない期間でも運用担当者や予算を安定的に確保する意識が必要です。
コンテンツマーケティングが失敗する9つの要因や、成功に導くための3つのポイントを解説しました。
なかなか結果が出ていないと感じる場合でも、サイトを長い目で見守り、コンテンツの品質を保ち、PDCAを回していくことで結果につながります。効果的なコンテンツマーケティングの戦略立案については「コンテンツマーケティングとSEOはどう違う?マーケティング成功のポイントを分かりやすく 」の記事も参考にしてください。