基本ノウハウ

PDCAの意味とは? メリットから実践のステップまで解説

PDCAの意味とは? メリットから実践のステップまで解説

「PDCAを回していく」という表現は、ビジネスの現場でよく聞かれます。しかし、その意味をきちんと理解できていないという方も多いのではないでしょうか。

PDCAは、物事を計画・実行して終わりではなく、その検証と改善も行い、繰り返すことで成果を高めていくフレームワークです。本記事を読み、PDCAの考え方を身につければ、さまざまな業務や施策に適用でき、業務効率化や、成果の向上につなげることができます。PDCAの理解と実践のため、本記事を参考にしてください。

目次

1.PDCAの意味とは

PDCAについて理解を深めるため、PDCAという言葉の意味や、核となる「仮説立て」の考え方について解説します。

PDCAは計画・実行・検証・改善を繰り返すフレームワーク

PDCAはPlan(計画)Do(実行)Check(検証)Action(改善)の頭文字を取ったもので、アメリカの統計学者ウィリアム・エドワーズ・デミング博士によって提唱された業務改善のフレームワークです。

PDCAでは、目標を実現するために計画を立て、実行し、結果を検証し、検証に基づいて計画を改善します。この一連の行動を繰り返しながら改善を進めていくため、PDCAサイクルとも称されます。PDCAは直感的に理解しやすい考え方であり、汎用性も高いため、ビジネスで広く使われているフレームワークです。

PDCAは仮説を立てることが重要

PDCAは、まず仮説を立ててから、失敗を恐れず実行し、結果を素早く検証し改善していくことが大切です。仮説とは、物事に取り組む前に、「まだ具体的な根拠がある訳ではないが、◯◯が正しいのではないか」という仮の説を持つことです。

例えば、自社サイト経由の売上を伸ばすという目標があった場合に、「売上が伸びていないのは自社サイトが認知されていないからではないか」「ターゲットが多くいそうなSNSに広告を出せば訪問者数を伸ばせるのではないか」と原因や解決策などを仮定することを仮説と呼びます。仮説を持つことで初めて仮説を検証でき、より良い結果に結びつくよう改善が可能になるのです。

2.PDCAを回す3つのメリット

PDCAを回すことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。本章では、以下3つのメリットを解説します。

  • 課題を明らかにし業務を改善できる
  • 社員や企業全体の生産性向上につながる
  • ミスやトラブルの再発防止ができる

課題を明らかにし業務を改善できる

PDCAは、目標達成のために改善すべき課題を明らかにできます。「PDCAを回す」とは、目標と現状の差を認識し、その差をいかに埋めるかを繰り返していく作業ともいえるでしょう。日々の業務にただがむしゃらに取り組むことは建設的とはいえず、常に課題がどこにあるのかを意識することが業務の改善には大切です。

PDCAに取り組めば、目標達成のために不足している部分を明確にし、そのための施策を考えられるようになります。さらに、その施策も検証に基づいて改善しながら進めていくため、着実に業務の改善につなげられます。

社員や企業全体の生産性向上につながる

PDCAは、業務に取り入れることで社員の成長を促すため、企業全体の生産性を向上させるのに役立ちます。

PDCAは、目標達成のために解決すべき課題は何か、どうすれば解決できるのかを自ら仮説立てし、実行・検証・改善を繰り返すという試行錯誤の経験を積むことが可能です。この方法を定着させることで、社員の思考力や問題解決能力の向上を促進し、ひいては企業全体の生産性アップにつながります。

ミスやトラブルの再発防止ができる

PDCAは、ミスやトラブルの再発防止に役立ちます。PDCAを回し続ける過程で、実行・検証・改善の結果データを記録していくことで、トラブルやミスの原因を分析し、再発防止策を講じられます。また、再発防止策についてもPDCAで継続的に検証可能であり、より良い形へ修正していくことで、安定した成果を出せるようになります。

3.PDCA実践の5つのステップ

PDCAの各ステップについて解説します。PDCAは4ステップで一巡するように見えますが、本記事ではPDCAの準備段階として最初に追加の1ステップを設けています。

  1. PDCA実践の前にゴール(目標)を決める
  2. Plan(計画)
  3. Do(実行)
  4. Check(検証)
  5. Action(改善)

【STEP1】PDCA実践の前にゴール(目標)を決める

PDCAを実践する上では、最初に何のためにPDCAを回すのかゴール(目標)を決める必要があります。PDCAは、あくまで目標達成のために行うという意識を忘れないようにしなければなりません。方向性が定まっていない状態では、何を基準に仮説立てや検証を行えば良いかが分からなくなってしまいます。

ゴール設定は、なるべく定量的かつ具体的な内容にし、行った施策が有効であったかを評価できるように設定しましょう。PDCAは「目標達成に近づけたか」を繰り返し検証するため、達成度が見極めにくい曖昧な目標ではモチベーションを保ちづらくなります。

【STEP2】Plan(計画)

Planはゴール到達のための仮説を立て、仮説に基づき行動内容・スケジュールを計画する段階です。前項で定めたゴールに至るための中間目標を設定し、中間目標の達成のために何をするのかを具体的な行動に落とし込みます。「誰が、いつ、どこで、何を、なぜ、どのように」の5W1Hの観点から行動を設定できると、実施の段階で迷うことなく進められるでしょう。

PDCAの対象が、チームで携わっている業務や施策であるなら、設定したゴールや計画に問題がないかを必ず上司に確認しましょう。

【STEP3】Do(実行)

Doは、Planで決めた計画を実行する段階です。重要なのは、結果を細かく記録することです。PDCAは検証と改善までを行って初めて1セットですが、検証の対象となるデータが少ないと改善につなげられません。活動内容やその効果、判明した課題などを記録できるフォーマットを準備して、記録しやすい体制を整えておきましょう。

【STEP4】Check(検証)

Checkは、実行した結果を検証する段階です。結果が目標達成の観点から成功であっても失敗であっても、必ず振り返りの時間を取ります。振り返りの内容は、下記4点を軸にすると良いでしょう。

  1. 目標の達成度はどれくらいか
  2. 問題がどこにあったか
  3. 問題を解決するためにどうすれば良いか
  4. 継続すべきことは何か

検証のスパンは、長すぎると業務改善のスピードが落ち、成果が出にくくなります。1週間単位での実施がおすすめです。

【STEP5】Action(改善)

Actionは、検証の内容に基づき、施策を改善する段階です。検証の結果によっては、より成果を上げるための改善を行う場合もあれば、施策そのものに無理があったと判断し中止する場合もあります。

Actionで盛り込む改善策は、必ず具体的で実行可能な内容にします。例えば、確認漏れによるトラブルが発生していた場合、「次からは忘れないようにする」といった根性論ではなく、「ダブルチェックの体制を作る」「チェックリストを準備する」「確認のための時間をスケジュールに組み込む」といった具体的な対策を立てる必要があります。

4.PDCAに挫折しないため意識したい3つのポイント

PDCAは多くの場面で応用可能な有効なフレームワークでありながら、継続できず挫折してしまうケースもあります。PDCAに挫折しないために、実践の上で意識したい3つのポイントをまとめました。

  • 失敗は当たり前の精神で素早く回す
  • 必ず検証の時間を作る
  • 実現可能な範囲の目標を設定する

失敗は当たり前の精神で素早く回す

PDCAは、改善を前提に取り組む考え方であるため、失敗を恐れず素早く何度も回すことが大切です。PDCAは回し続けることで精度を高めていくフレームワークであり、失敗したという結果もデータとして蓄積されます。

失敗しないようにと慎重を期し、長時間をかけて情報収集をしていては、なかなか成果を上げられません。また、時間をかけている間に状況が変わってしまい、計画を立てるための情報収集が無駄になってしまう可能性もあります。

必ず検証の時間を作る

PDCAを回す際には、検証についても「必ず実行しなければならないタスク」という認識を持ち、定期的な検証の時間を確保しましょう。周囲と相談しながら最初に方向性を決める「計画」や、施策を実際に行動に移す「実行」「改善」と比べると、「検証」は重要性が伝わりづらくおざなりになってしまう場合があります。しかし、「検証」を飛ばしては、次の「改善」を適切に行うことができません。

チームでの取り組みであれば、毎週のスケジュールに固定時間を確保し、検証内容を話し合いながら進めるやり方がおすすめです。

実現可能な範囲の目標を設定する

PDCAの中間目標は、実現できる範囲の内容に設定しましょう。実現の難しい高すぎる目標設定を行うと、PDCAを回していても一向に目標達成に近づけず、モチベーションが続かなくなる恐れがあります。また、実際に行動しようとしても実現できない場合もあります。

最終的なゴールは高い目標でも構いませんが、計画における中間目標(およびその実現のための行動目標)は低めに設定し、PDCAを回す過程で目標を高く修正していくといった工夫を行いましょう。

5.PDCAはもう「古い」のか?

PDCAは生産管理のために誕生したフレームワークであり、もともとは決まった工程の中で生産性を高めるために利用されていました。そのため、常に状況が変化していくなかで臨機応変に利用するには向いていないとして、「古い」という批判の声や、代替にOODAというフレームワークを利用すべきという声があります。しかし、本当にPDCAは「古い」のでしょうか。 

PDCAは現代でも活用できる

PDCAは仮説から実行・検証の過程で多くの教訓や学びを得て、自身を成長させられる考え方であり、現代でも十分に活用できるフレームワークです。

PDCAはシンプルな構造で理解しやすく、さまざまな場面で応用が可能です。PDCAの考え方を利用する例は、ビジネス上での業務効率化や施策の改善のみならず、自己学習や、日々の生活の中にもあります。瞬時に結果を出す必要があるときは別のフレームワークを利用した方が有効ですが、そういった限られた場面を取り上げて、PDCAを一括りに「古い」と判断するのは適切ではないでしょう。

OODAはPDCAの代わりにはならない

OODAは、「観察(Observe)」「状況判断(Orient)」「意思決定(Decide)」「実行(Act)」の頭文字を取った、アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐が提唱したフレームワークです。

戦場で状況に応じた戦術を決定するために考案されたといわれており、臨機応変な意思決定を重視する考え方で、PDCAの代わりに取り沙汰されることが増えています。しかし、下記に示したように、OODAはPDCAの代わりになるものではなく、別のフレームワークです。

PDCAとOODAの比較表
名称 PDCA OODA
用途 ・業務改善
・「どのように」を考える
・意思決定
・「何が」を素早く判断する
期間 中長期 短期
使用する状況 ・定型業務
・計画を立てて実行する場合
・課題や課題解決に向けた工程が分かっている
・緊急時
・(外部環境が関わるなど)想定外の事情を考慮する場合
・課題や課題解決に向けた工程が明確ではない
メリット 継続的に業務を改善できる 急な変化に対応できる

PDCAは順序立てて業務を徐々に改善していく中長期的な目線の取り組みです。一方、OODAは緊急時の対応や、素早く意思決定し結果を出したい場合に力を発揮します。必要となる場面が異なるため、場面に応じて使い分けることをおすすめします。

6.まとめ

PDCAの意味や、挫折しないためのポイント、OODAとの違いなどを解説しました。PDCAは計画を立てて中長期的に取り組みたい場合に、継続して業務を改善できる非常に優れたフレームワークです。意味を理解した上で、正しく活用し、目標の達成に役立ててください。


この記事に関連するお役立ち資料

あわせて読みたい

この記事を書いた人

BeMARKE編集部
BeMARKE編集部

BeMARKE(ビーマーケ)は、BtoBマーケティングの課題解決メディアです。 BtoBマーケティングのあらゆる局面に新しい気づきを提供し、リアルで使える「ノウハウ」を発信します。

無料
相談
社内でマーケティングの
お悩みを相談できない方へ

BeMARKE ナビゲーター

マーケティング施策の進め方や
サービスの選び方を無料でナビゲート!

BeMARKEナビゲーター BeMARKEナビゲーター