基本ノウハウ
BtoBにおけるコンバージョンとはどういったアクションを指すのでしょうか。この記事では、BtoBマーケティングに特化しているBeMARKEが、コンバージョン率の計算方法や計算する際の注意点を解説します。
BtoBマーケティングにおけるコンバージョン率の目安となる数値や、コンバージョン率を上げるためにどのようにWebサイト改善を行うべきか、6つの具体的な施策を紹介します。Webサイトのコンバージョン率改善に役立ててください。
CVRとは、Conversion Rate(コンバージョンレート)の略で、CV率という場合もあります。
コンバージョン率は、アクセス数のうち、実際にコンバージョン(成約・成果達成)した割合を表します。Webサイト全体やページごとのコンバージョン率を細かく計算し、分析することでサイトの改善に役立ちます。
例えば、Webサイト全体のアクセス数が多いのにコンバージョン率が低い場合、効果的な訴求ができていない可能性があります。その場合は、セールスポイントやアピールポイントなど、訴求軸を見直しましょう。
逆に、Webサイトへのアクセス数は低いものの、コンバージョン率が高い場合は、訴求軸はニーズとマッチしているので、集客の改善により高い成果が見込めます。サイトへの流入経路を分析し、広告やSEO対策を改善し、集客アップを目指しましょう。
コンバージョンとは、Webサイト上でそのサイトの目的としている成果が達成された状態を指します。
BtoBのWebサイトでは、一例として以下のようなアクションがコンバージョンに設定されています。
どのようなアクションをコンバージョンとして設定するかによって、コンバージョンの達成しやすさや、目安となるコンバージョン率にも影響します。
コンバージョン率を計算するには、全体のアクセスから実際にアクション(コンバージョン)が達成された割合を計算します。計算する際に注意が必要なのが、分母となるアクセス数の求め方です。
基本的なコンバージョン率の計算式は、以下の通りです。
成約や問い合わせなどの成果数÷アクセス数やクリック数の総数×100=CVR(%)
例えば、資料請求を促すサイトでアクセス総数もしくは訪問者数が1000件(人)だったうち、実際に資料請求が50件あったと仮定すると、コンバージョン率は5%になります。
50件÷1000件(人)×100(%)=5%
コンバージョンの性質によって、分母を全体のアクセス総数(延べアクセス回数)とするのか、UU(ユニークユーザー/訪問者数)とするのか決める必要があります。
例えば、もしアクセス総数は2000件、ユニークユーザー(訪問者数)は半分の1000人と仮定した場合、同じ50件のコンバージョンでもコンバージョン率は大きく変わってしまいます。
50件÷2000件×100(%)=2.5%
50件÷1000人×100(%)=5%
コンバージョン率を計算する際の分母の決め方は、基本的に1回の成約なのか、リピートする内容なのかを検討します。業種や業態にもよりますが、会員登録やメルマガ登録など、一度購入や成約をすると数年は必要のないサービスの場合はユニークユーザー(訪問者数)を分母とします。セミナーや各種資料のダウンロード、その時々に応じた問い合わせなど、何度もリピートが見込めるサービス内容である場合は、アクセス総数(延べアクセス回数)を分母にして計算しましょう。
BtoBマーケティングにおけるコンバージョン率は、何を目的とするのかや、業種により異なります。
問い合わせや資料請求などハードルの低いコンバージョンの場合では約10%、商品購入や成約をCVとしている場合は2%前後と差があります。特に扱う商品価格が高く、成約へのハードルが高いものはコンバージョン率が下がる傾向があります。
他社や一般的な数値との比較よりも、自社サイト内での分析やコンバージョン率の推移をウォッチングすることで、基準となる数値や考え方がわかるようになります。
コンバージョン率を改善するための6つの施策を紹介します。
【1】サイトコンテンツの見直し
【2】サイトの導線やCVに至るまでの工数の見直し
【3】リンクやバナーのデザインを見直し
【4】ユーザー目線の不便さを解消する
【5】FV改善やメリットを提示して訴求率アップ
【6】目標とするCV自体の見直し
まずは、Webサイトへのアクセス解析をして、どのようなKWや経路でユーザーが集まっているのかを分析します。そのKWに関連する記事などのコンテンツをさらに充実させたり、広告の訴求力を見直しましょう。
現在のターゲット設計が適切かを分析し、成果(コンバージョン)に繋がりやすいターゲットを絞り込んでWebサイトのコンテンツのさらなる充実を図りましょう。
コンテンツについて詳しくは、「コンテンツとは?意味・種類・関連用語を分かりやすく解説」の記事でも説明しています。
コンバージョンに至るまでの導線がわかりにくくないか、ページ数が多すぎないかなどを、ページの離脱率や直帰率から分析します。
例えば、問い合わせフォームや申し込みフォームでの離脱が多い場合、必須項目数が多すぎるのかもしれません。途中で面倒に感じたりちゅうちょして離脱されないためには、必須項目を最低限に絞り込み、問い合わせへのハードルを下げる方が得策かもしれません。
最低限の連絡先や担当者名を入手できれば、そこから先は直接コンタクトをとる中で必要な事項を確認していけばよいでしょう。
また、Webページ上の階層は多ければ多いほど、目的となるコンバージョンがわかりにくく、顧客にとってもメリットが見えにくくなってしまいます。適切な工数、最低限の手数でコンバージョンまで至れるようにサイトの設計を見直し、わかりやすいWebサイトを目指しましょう。そういった点において、1枚の長いWebページで構造が簡単なランディングページは注目されています。ランディングページを制作するメリットやコンバージョンを獲得する方法については「ランディングページとは?特徴や制作メリット・留意点を解説」の記事で解説しています。
コンバージョン率を上げるためには、リンクやコンバージョンを促すCTAボタンを配置する場所や、デザインも重要です。CTAボタンはサイドカラムやフッターに配置するほか、文中にも適切な回数で登場させて、コンバージョンを促します。
次のアクションがわかりにくいボタンはクリックしにくく、コンバージョンへの心理的ハードルが上がってしまいます。クリックしてもらうには、資料請求・問い合わせ・会員登録など、次に何が起こるのか予想できるようにしておくのがベター。起こしてほしい次のアクションを予告し、それによるメリットを提示しておけば訴求力をアップできます。
また、諸説ありますが、CTAボタンの色や形状が適切かも検討する必要があります。コンバージョンを達成しやすい色といわれているものと、避けたほうがいい色があります。CTAボタンの周囲のデザインとの相性や目立ちやすさも関係します。
ランディングページの場合は、複数のページを用意して、A/Bテストなどを行い、ページごとのコンバージョン率の違いを検証し、最適なものに変えましょう。試行錯誤を繰り返してコンバージョン率の改善を図れます。
Webサイト全体のコンバージョン率が低い場合、サイトを閲覧するユーザーの環境や状況によってわかりやすい・使いやすいサイトになっているかも検討すべきポイントです。
メニューの配置やジャンル分けは適切か、必要な情報をすぐに探せるか、必要に応じてサイト内検索機能などの設定も必要かもしれません。BtoB向けのサイトでも、実はPCよりもスマートフォンやタブレットなどからの閲覧が多い場合もあります。スマートフォンやタブレットの場合は特に、画面が小さくわかりづらくなってしまったり、デザインがずれてしまったりするとユーザー側は不便に感じ、離脱の原因となります。
また、Webサイトの表示や読み込みのスピードもチェックしておく必要があります。担当者が出先で閲覧することが多いWebサイトの場合、サイトの読み込みが遅いと離脱に繋がってしまうかもしれません。サイトが重く、読み込みに時間がかかってしまう場合は、サイト内を整理したり画像データを圧縮したり、サーバーの環境を改善したりして表示速度を上げる必要があります。
FV(ファーストビュー)の印象をより良いものにする、メリットがわかりやすいものにすることも重要です。ファーストビューとは、Webサイトを開いたときに一番初めにスクロールせずに見える部分のデザインのこと。
ユーザーは無意識のうちにWebサイトのイメージや信頼性を判断するので、ファーストビューや、検索から飛んで一番初めに目にする記事のアイキャッチ部分などの第一印象は、コンバージョンや直帰率に大きな影響を与えます。
ファーストビューやアイキャッチを一目でわかりやすいデザインにし、動画や写真を用いてユーザーにとって有益なサイトであると印象づけるようにしましょう。Webページのほんの少しの違和感や誤字脱字などが、そのサイトの信頼性やイメージに直結してしまいます。ユーザー目線でおかしいと感じるところがないか徹底的に洗い出し、メリットが一目でわかるようにしてコンバージョンに繋げましょう。
目標としているコンバージョンが商品購入なのか、資料請求など費用負担が発生しないものなのかによってもコンバージョン率は変わります。
費用が高かったり、検討しなければならない事項が多かったりするほどコンバージョン率が下がるので、初めから商品購入や契約申し込みなどをコンバージョンとするのではなく、問い合わせやメルマガ登録、資料請求などハードルを下げるのも一手です。
コンバージョンに至りやすい成果を設定し、まずは顧客情報を入手し、顧客との関係性を深めてから商品購入や契約に誘導するほうが、心理的ハードルは下がります。時間をかけて信頼を獲得していけば、後々の成約率を上げられるでしょう。
コンバージョン率はその時々のニーズや広告・SEOなど、流入経路の変化により日々変動します。施策ごとの変化を記録し、丁寧な分析を積み重ね、コンバージョン率を改善できます。
分析とトライ&エラーを繰り返しながら、コンバージョンの確度をあげていき、ユーザーのニーズとマッチしたWebサイトに近づけていくように努めましょう。