基本ノウハウ
BtoBのサイトで集客や売上アップを図る上では、効果的なCTAの設置が必要です。しかし、「CTAとはどのようなものか」「効果的なCTAにするには、どうしたら良いか」と疑問に思う方も多いでしょう。
本記事ではCTAの意味や重要性を踏まえながら、BtoBのCTAを成功させるポイントを解説します。CTAの効果を測定する方法もあわせて解説するので、CTAの基礎知識を知りたい方やコンバージョン率を改善させたい方はぜひ参考にしてみてください。
CTAはコール・トゥ・アクション(Call To Action)の略であり、行動喚起と訳されます。つまり、CTAはWebサイトに訪れた方へ、購買や登録など具体的な行動(コンバージョン)を促す役割があるのです。
CTAの形はテキストやボタンなどがあり、促したい行動の内容やターゲットによって使い分けます。BtoBサイトで促す行動の例として、次のようなものが挙げられるでしょう。
Webサイトの最終的な目標はコンバージョンであり、CTAはコンバージョンを促すものです。このことから、CTAはWebサイトの目標達成に直結するものといえます。
CTAは適切な場所に設置できれば、ユーザーの離脱を防ぎ、コンバージョン率の向上が図れる重要な要素です。例えば、ある程度ページを読み進めた興味・関心の高いユーザーに対しては、スムーズに次の行動に移れるよう、ページ下方にCTAを設置するケースが多くあります。
また、コンバージョン率の改善を目指す際には、CTAの見直しだけで達成できるケースも少なくありません。サイト全体をリニューアルしなくても、CTAの文言やデザインを変更するだけでクリック数の改善が十分期待できます。
サイト全体からするとCTAの存在は小さく見えますが、その重要性は見た目以上に大きいのです。
CTAは、Webサイトの最終目標であるコンバージョンを促す大切な役割があります。その効果を最大限生かすためには、設置する場所や方法の工夫が必要です。
ここでは、BtoBのCTAを成功させるポイントを7つ見ていきましょう。
最近のWebサイトはシンプルなデザインのため、ユーザーの視線は左上から右下へ流れるケースが多くなっています。この視線の流れはグーテンベルク・ダイヤグラムと呼ばれ、左上から右下にかけて、数行飛ばしながら視線が動く形で、既存のZ型やF型とはまた違った形になっています。
視線の流れを踏まえると、次のいずれかのうち最低2ヵ所にCTAを設置するとユーザーの印象に残りやすいでしょう。
次項の「3.CTAの効果を測定する3つの方法」で解説するヒートマップを活用し、ユーザーの注目度が高い箇所に設置するとより効果的です。
CTAを成功させるためには、「資料請求はこちら」「登録はこちら」などリンク先で得られる情報を明示することをおすすめします。リンク先で得られる情報は自分にメリットがあるのか、クリックしても大丈夫なのかとユーザーを迷わせてしまうと、せっかく生まれていた行動意欲が失われかねないためです。
ユーザーに何をしてほしいのか、CTAボタンの上や中に記載するのも良いでしょう。例えば、「こちらをクリック」というCTAボタンの上に「続きを読むには」と記載すると、何のためにどのような行動をするのか一目で分かります。
ただし、コンテンツの途中にCTAを設置する場合、ユーザーの興味を惹きつけるために、「続きはこちら」とだけ記載するのも効果的です。どのような誘導方法が良いかは、次項の「3.CTAの効果を測定する3つの方法」で解説するA/Bテストで比較検討してみてください。
BtoBは決裁者が担当者と異なり、製品・サービスの購入に関する検討期間がBtoCよりも長い点が特徴的です。そのため、BtoBのサイトでは顧客がさまざまなパターンを検討できるように、複数のCTAを設置するケースも増えています。
また、BtoBの場合、購入の前には必ずと言っていいほど、その企業や製品についての情報収集が入念に行われます。企業や製品に興味を持っている、あるいは他社製品と比較しているなど見込み顧客の立ち位置はそれぞれ異なるため、次のようにコンバージョンを段階的に設定するのも効果的です。
なお、複数のCTAを設置する際は、メインのCTAを目立たせてメリハリを持たせたると良いでしょう。
ターゲットによっては、資料請求や無料トライアルのCTAを設置しても「よく分からなかった」という感想で終わり、十分に訴求できません。このような事態を避けるためには、電話や説明会などアプローチ方法の異なったCTAの設置が必要になります。
また、営業リソースの状況によってCTAを使い分けるのも1つの方法です。例えば、営業リソースが十分あるときは、相談会や電話など直接やり取りするCTAを設置します。対して、繁忙期はネット上で手続きが完結するよう、料金プランや資料のダウンロードなど非対面のCTAを充実させましょう。
CTAを成功させるためには、アクションに対するユーザーのハードルを下げることも大切です。特に、登録情報の入力は「時間がかかりそうで、めんどう」と感じる方も珍しくありません。
そのような方には、「1分で完了!今すぐ登録」「たったの3ステップ」など具体的な時間や手間を示すと心理的ハードルが下がります。
また、CTAに記載する言語は英語やカタカナ語ではなく、日本語がおすすめです。「Enter」と「送信する」とでは、後者の方がどの年代のユーザーでもクリックしやすいでしょう。クリック後に起きることが一瞬で分かり、ためらいなく次の行動に移れるよう、分かりやすいCTAの設置を心がけてみてください。
CTAはユーザーが迷わずクリックできるよう、目立つ色で強調しましょう。ここでいう目立つ色とは、Webサイト全体に使用されるメインカラーの捕色に近い色です。一部分だけ異なる色を使用することで、ユーザーの目に留まりやすくなります。
また、BtoCではカーソルとCTAボタンが重なったとき、色が変わるなど動きがあるものも少なくありません。しかし、BtoBのサイトの場合、過度な装飾はブランドの雰囲気にそぐわないケースもあるため、取り入れるかどうかを考慮する必要があります。
CTAにおける最後の一押しとしては、「今なら〇%オフ」「先着〇社様限定」など、緊急性をアピールするような文言が効果的です。これは、行動を決断するにあたっては損をしないことを優先するという損失回避性の原則が関係しています。
ただし、この手法では「〇%オフ」などの特典が切れるとリピートしない、つまり休眠顧客になってしまう企業が増える可能性があります。そのため、どちらかというとリード顧客の獲得や顧客分析などを主眼に置いたCTAで役立つでしょう。
特に相性が良いのは、「今登録するなら〇%オフクーポンをプレゼント」など会員登録やメルマガ登録を促すCTAです。メールアドレスなどでつながりを持てれば、メルマガの配信やWeb広告の追跡など追客施策にも生かせます。
CTAを成功させるためには、効果的な設置場所やデザインを見極めることが必要です。ここでは、その際に役立つ3つの方法について解説します。
ABテストとは、デザインなど異なる2パターンをランダムに表示してクリックされやすいパターンを検証する方法です。CTAボタンのABテストでは、主に次のような要素について比較します。
A/Bテストが実施できるツールは、Google OptimizeやKAIZEN UXなどです。他の方法よりも低予算で効果測定できるため、CTAの改善を目指す際は積極的に導入していきましょう。
ヒートマップとは、ユーザーの閲覧状況に関するデータを色で表現した分析ツールです。生物の熱分布を分析するサーモグラフィーのWebサイト版、と考えると分かりやすいのではないでしょうか。
ヒートマップでは、次のようなユーザーの動きがチェックできます。
特に、閲覧時間が長く注目度が高い場所にCTAを設置すると、コンバージョン率の向上が大いに期待できるでしょう。
ヒートマップについて詳しくは「ヒートマップとは?分析のポイントや無料で使えるツールを紹介」をご覧ください。
Googleアナリティクスでは、次のような効果測定が可能です。
イベントトラッキングは、ページ内でクリックされたところをチェックできます。電話やダウンロードボタンなど、ページの遷移を伴わないCTAのクリック数も計測可能です。
拡張リンクアトリビューションは、ページにアクセスするだけでクリック数などのデータが表示されます。リンク先が同じCTAが複数あってもクリック数が合算されず、それぞれの数値を計測できるため、よりクリック数の多いCTAを残し他を削除するという判断もできます。
パラメータ付与は、ページのURLに目印(パラメータ)となる文字列や変数を追加します。検索エンジンやメルマガなど、流入経路によって付与するパラメータを分けることで、コンバージョンまでの流れについて詳細な分析が可能です。
いずれもCTAの効果測定を効率的に進める上で非常に便利なため、ぜひ導入してみてはいかがでしょうか。
CTAはWebサイトの訪問者に対し、購買や登録などの具体的な行動を促す役割があります。Webサイトの最終目標であるコンバージョンに直結する要素であり、その設置場所や設置方法には工夫が必要です。
基本的には目立つ色や形、魅力的な文言が必要ですが、過度な装飾はBtoBのサイトにはふさわしくありません。Webサイト全体のトンマナと合わせつつ、A/Bテストなどで効果測定しながらCTAのデザインを決めていくことが大切です。
コンバージョン率を向上させたい方は、今回解説したポイントを参考に効果的なCTAを設置していきましょう。