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ソートリーダーシップとは?社会貢献で新しい市場を生み出す戦略

ソートリーダーシップとは?社会貢献で新しい市場を生み出す戦略

近年注目を集めているソートリーダーシップという言葉をご存じですか? 環境問題や社会問題が複雑化するなかで、企業にはそれらの課題解決の姿勢が求められるようになったことから、ソートリーダーシップが重要視されるようになりました。ここでは、ソートリーダーシップの意味や、ソートリーダーシップの発揮によって得られる効果などについて解説します。

目次

1.ソートリーダーシップとは

近年よく耳にするようになった「ソートリーダーシップ」という言葉は、どのような意味があるのでしょうか。その内容を具体的に見ていきましょう。

問題提起と解決策の提示で分野の第一人者となること

ソートリーダーシップ(Thought Leadership)とは、直訳すると「考えの主導者」という意味になります。具体的には、特定の分野や課題において、自社の哲学を表明して革新的なソリューションを提示し、人々に議論を引き起こし共感を生み出す活動を指します。

ソートリーダーシップを発揮している企業の代表例は、スターバックスがあげられるでしょう。スターバックスはファーストプレイス(自宅)やセカンドプレイス(職場)に次ぐ「サードプレイス」という概念を提唱し、コーヒーショップを居心地の良い第三の場所ととらえてもらうマーケティングを実践しました。また、Googleは自社の利益ばかり考えるのではなく、ユーザーの利便性を徹底的に追求する姿勢で検索エンジンを開発し、多くのユーザーから支持を得ています。課題を明らかにして思想や解決策を提示し、新たな知見を市場にもたらしたこれらの企業は、その分野の第一人者として社会的にも認められています。

注目されている2つの理由

問題提起と課題解決を通して業界の先駆者となるソートリーダーシップですが、なぜ今注目されているのでしょうか。主な理由は以下の2つにあります。

  • 企業に社会課題の解決が期待されている
  • 市場の創出やポジション獲得につながる

企業に社会問題の解決が期待されている

近年はグローバリゼーションが進み、SDGsをはじめとする概念に注目が集まるようになりました。そのようななかで、企業は単純に事業を展開するのではなく、地球環境の持続可能性や社会的課題の解決に配慮するCSR(社会的責任)が求められるようになりました。時代の変化にともない、環境に配慮した製品づくりなどを通した社会問題の解決が企業にも期待されるようになったのです。

市場の創出やポジション獲得につながる

ソートリーダーシップを発揮して、顧客が気づいていなかった課題を問題提起すると、潜在的な課題が明らかになり社会が課題を認知しはじめます。そして、競合他社もまだ気づいていない新たな市場、ブルーオーシャンを生み出すことにつながります。それまで存在しなかった新たなコンセプトを持つ商品やサービスを生み出せば、グローバルなビジネスチャンスをつかめるだけでなく、新たな市場での強固なポジション獲得にもつながるでしょう。

2.ソートリーダーシップにより実現できること

ソートリーダーシップを獲得すると、企業にとってどのようなメリットが得られるのでしょうか。ソートリーダーシップにより実現できることについて、以下の2点を解説します。

  • 企業のブランド力を高める
  • 自社コンテンツへの検索流入を増やす

企業のブランド力を高める

分野や業界の第一人者となることで、企業のブランド力が向上します。ソートリーダーシップを発揮して分野の第一人者になると「〇〇といえばこの企業」という強固なブランド力が生まれ、顧客からの信頼が高まり、影響力のあるポジションを確立できるのです。顧客や消費者からの信頼が高まれば、商品やサービスの売上向上にも期待できますし、社員のモチベーション向上にもつながるでしょう。そして、良質なブランドイメージを確立すれば、社員も自社の評判を落とさないような行動を心がけるようになります。高まったブランド力を維持するためのアクションを自然にとれるようになるのです。

自社コンテンツへの検索流入を増やす

ソートリーダーシップを発揮して有益なコンテンツを発信すれば、高いSEO効果を発揮し、検索流入の増加につながります。Googleの検索エンジンはコンテンツの内容や権威性を評価します。そのため、ソートリーダーならではの高い専門性と視座に立った情報を発信すれば、その内容が検索エンジンに評価されるでしょう。検索者のニーズを満たすコンテンツが評価されると、ユーザーによって拡散される可能性も高まります。ソートリーダーシップの獲得は、デジタルマーケティングの側面においても有効なのです。

3.ソートリーダーシップを取るための3つのポイント

市場に新たな知見をもたらすソートリーダーシップを取るためには、以下の3つのポイントをおさえましょう。

  • ソートリーダーになれる市場を選択する
  • 有益なコンテンツを継続的に発信する
  • 社会に貢献する姿勢を持つ

ソートリーダーになれる市場を選択する

ソートリーダーシップを取るためには、まだソートリーダーが定まっていない市場を見つけることが大切です。競合他社が食い込んでおらず、なおかつ自社の専門性や知見が活かせる領域は何なのかを探し、その市場における第一人者となることが、ソートリーダーになるための第一歩となります。

有益なコンテンツを継続的に発信する

自社がソートリーダーになるべき市場を選択した後は、その中で顧客が抱える課題や社会問題に対する解決策となるような、有益なコンテンツを発信していきましょう。専門性の高い知見に裏付けされた質の高いコンテンツを継続的に発信していくことで、ソートリーダーは自社だという認識を周囲に広めていくのです。オウンドメディアで記事コンテンツや動画を配信したり、ホワイトペーパーやSNSで発信したり、独自の研究や書籍を出版したりなど、発信していくための手段は数多くあるため、人々の認識が定着するまで継続的に情報発信をしていくことが大切です。

社会に貢献する姿勢を持つ

ソートリーダーシップを獲得するためには、即時的な利益を求めて自社PRや売り込みをするのではなく、社会に貢献する姿勢を大切にしましょう。ソートリーダーとして発信する情報は、顧客や社会の課題解決を目指すものとし、あくまでも主役は顧客であるという姿勢を貫くことで、周囲が自社をソートリーダーとして認めてくれるようになるのです。

4.まとめ

ソートリーダーシップについて、その概要や注目される背景、効果や目指し方について解説してきました。ソートリーダーシップを獲得すれば、自社のブランド力が向上してポジションを獲得できるだけでなく、コンテンツへの検索流入の増加も見込めます。ソートリーダーは簡単になれるものではありませんが、そこを目指すことによって得られるメリットは大きく、自社に大きな利益をもたらすきっかけにもなります。まずはソートリーダーシップとは何なのかをしっかりと理解した上で、一つひとつの取り組みを真摯に行っていきながら、未来のソートリーダーを目指してみましょう。


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BeMARKE編集部
BeMARKE編集部

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