基本ノウハウ
ドメインパワーはSEO対策を進めるなかで、必ずと言って良いほど耳にする言葉です。しかしWeb担当者になって間もない方は、「何を示す数値なのか」「どのような方法で調べられるのか」などの疑問があるでしょう。
本記事ではドメインパワーとは何か、平均や目安とともに解説します。チェックツールを使った調べ方や、0から上げる方法もあわせて紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
まずはドメインパワーとは何か、基礎知識を押さえていきましょう。SEOとの関係性についても解説するため、オウンドメディアなどのWebマーケティング施策を担当している方はぜひ参考にしてみてください。
ドメインパワーとはWebサイトの質をGoogleなどの検索エンジンが評価し、数値化したものです。数字が大きいほど、ドメインパワーが強いといえます。海外ではドメインオーソリティとも呼ばれ、世界のWeb担当者が日々注目している指標の1つです。
実はドメインパワーの評価基準は、明確に示されていません。しかし実情を踏まえると、いくつかの要素がドメインパワーに影響しているのではないかと推測されています。その一部が下表に挙げるものです。
ドメインパワーに影響する要素 | ドメインパワーを上げる要因 |
---|---|
インデックス数※1 | 多い |
コンテンツの質 | 内容が充実しており、かつ見やすい・使いやすい |
被リンク | 関連性が強く、質の高いWebサイトからの被リンクを獲得している |
運用期間 | 長い |
更新頻度 | 定期的、かつ最新情報を反映している |
※1インデックス数:検索結果に表示されるコンテンツの量
もちろん上記以外の要素も大いに考えられるため、実際に計測しながら適宜改善を加えていく必要があります。
ドメインパワーを強くすべき理由は、SEOで有利になりやすいためです。ドメインパワーが高まると検索エンジンからの評価が上がり、上位表示されやすくなります。またWebサイトを巡回するクローラーが新しいページを発見しやすくなり、インデックスまでの時間が短縮されます。
結果として増えるのが、Webサイトがユーザーの目に入る機会と流入です。流入後の満足度も高いと検索エンジンから判断されれば、さらにドメインパワーが強くなる好循環に発展します。
なお検索順位を決めるのは、次に挙げる3つの要素です。
極端な例を挙げるとコンテンツの質がやや低めでも、ドメインパワーが高いと上位表示されるケースもあります。SEOの基礎知識について振り返りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
関連記事:「SEOとは?用語の基礎知識を初心者にも分かりやすく解説」
ここではドメインパワーを調べられる計測ツールを、無料版と有料版に分けて解説します。SEO対策に役立つツールについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
関連記事:「【2023最新】SEOツールおすすめ14選!無料ツールからBtoB企業向けツールをご紹介」
無料のドメインパワー計測ツールは、次の3つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
パワーランクチェックツールは、株式会社アクセスジャパンが提供する計測ツールです。ゲストユーザーは1日3回、無料会員は1日10回まで利用できます。
パワーランクチェックツールでは、複数の有料ツールをもとにドメインパワーを算出します。参照元のツールがメンテナンス中の場合は正確な数値を算出できないため、時間をあけてから再度入力しましょう。
THE HOTHは、海外の計測サイトです。会員登録は不要であり、利用は完全無料となります。シンプルなUIのため、ドメインパワーの計測が初めてだという方も簡単に操作できるでしょう。
やや難点なのは海外サイトゆえに、英語表記の点です。翻訳機能を使えば内容はある程度把握できますが、正確かつ詳細な情報を得たい方は使いにくさを感じる可能性があります。そのような方はあくまで参考程度に使い、国産のツールで本格的に調査すると良いでしょう。
Domain Authority Checkerは、後述のAhrefsが提供するサービスの一部です。ドメインパワーの数字を確認するだけであれば、無料で利用できます。
被リンクやリンク切れをチェックできるSEOツールも、あわせて使用可能です。手軽に確認したい方は無料版を、より詳細な分析に生かしたい方は有料版を使うと良いでしょう。
有料のドメインパワー計測ツールは、次の4つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Mozは国外産のドメインパワー計測ツールです。会員登録すれば、30日間無料で利用できます。ドメインパワー計測以外の機能は、主に次の通りです。
料金プランは3つあり、14ドル/月〜720ドル/月となっています。最もスタンダードなプランは、99ドル/月のMoz PROです。無料トライアルでの感触が良かった場合は、有料プランへの切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。
Ahrefsは60万人ものユーザーがいる、世界的に有名なSEOツールです。ドメインパワー計測以外の主な機能は、次のようなものが挙げられます。
有料プランは4つあり、金額の幅は89ドル/月〜899ドル/月です。年払いにすると2カ月分の料金が無料になる、お得なサービスもあります。まずは月払いで使用感を確認し、成果を実感できるようになったら年払いに切り替えるのも良いでしょう。
UberSuggestは、海外のNEILPATEL社が提供するSEOツールです。ドメインパワー計測以外の主な機能は、次のようなものが挙げられます。
ドメインパワー計測自体は無料で利用できますが、フル機能を使用する場合は有料プランへの登録が必要です。料金プランは3つあり、2,999円/月〜9,999円/月となっています。また30日間の返金保証付きで、買い切りも選択可能です。
特に「有料でフル機能を使いたいけれども、なるべくコストは抑えたい」という企業に、おすすめのSEOツールとなっています。
Majesticも国外産のSEOツールですが、日本語に対応しているため比較的使いやすくなっています。ドメインパワー計測以外の主な機能は、次の通りです。
料金プランは3つあり、49ドル/月〜となっています。最上位は解析ユニット数でさらに3つのプランに分かれ、金額は399ドル/月〜1,599ドル/月です。アカウントのアップグレードは随時可能なため、必要な機能や分析対象が増えてきたタイミングで切り替えるのも良いでしょう。
ドメインパワーは実際にどれくらい必要なのか、平均の出し方や目安について解説します。前述のツールで計測してみた方も、自社サイトの数値と平均とを照らし合わせてみましょう。
ツールによって数値は若干異なりますが、既存サイトのドメインパワーはおおむね30以上が目安です。例えば主要なWebサイトの数値をAhrefsで計測してみると、下表のようになります(2022年3月時点)。
企業名 | ドメインパワー |
---|---|
99 | |
PR TIMES | 90 |
東京都公式サイト | 90 |
トヨタ自動車株式会社 | 82 |
エプソン | 79 |
またパワーランクチェックツールでは、ドメインパワーのランキングも閲覧可能です。2023年3月時点で5,353ドメインが登録中であり、業界や業種が近い企業サイトを分析する際の参考になります。
なお上位サイトのドメインパワーを調べて平均値を算出すると、対策キーワードで上位表示されるために必要な数値がおおよそ分かります。自社サイトの数値が平均値よりも低い場合は、当該キーワードのSEOを一旦保留し時期を見て再チャレンジすると良いでしょう。
残念ながら新規サイトは検索エンジンからの評価がないため、ドメインパワーは0です。まずは10以上を目指し、コツコツとSEO対策を進める必要があります。
ただし新しいページの評価が定まるまでは、最低でも1〜3か月はかかります。それを踏まえて新規サイトのドメインパワーが上がり、SEO対策の成果を感じられるまでには半年から1年はかかるでしょう。そのため新規サイトでは既存サイト以上に長期的な視点で、施策の実行と効果測定を繰り返すことが大切です。
なお既存サイトから新規サイトへデータを引き継ぐ際も、一時的にドメインパワーがダウンし回復まで時間がかかります。ただしWebサイトの通信暗号化、つまりSSL化では2〜3週間ほどで回復するケースが少なくありません。SSL化はドメインパワーの低下を恐れず、積極的に進めてセキュリティ面を強化しましょう。
ここではドメインパワーを上げる方法を、3つ解説します。
ドメインパワーがずっと0という状態から脱却したい方は、1つずつ確認していきましょう。なおSEOに有効な改善方法はこちらの記事でも解説しています。ぜひあわせてチェックしてみてください。
関連記事:「成果に乏しいSEOを改善する手順とは?実施しやすい施策7つを解説」
大前提として意識したいのは、ユーザーファーストで高品質のコンテンツ作りです。具体的には次のようなポイントを押さえていきましょう。
有益かつ読みやすいWebサイトはユーザー満足度を向上させ、検索エンジンからの評価が高まります。良質なコンテンツが増えれば、その分ドメインパワーの強化も期待できるでしょう。質の高いコンテンツ作りに必要な考え方や具体的な施策について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
関連記事:「【2023年最新】SEO対策の基本10選!初心者でも分かる具体的なやり方から注意点まで解説!」
被リンクの獲得も、ドメインパワーを向上させます。被リンクとは第三者のサイトからリンクされることです。特に関連性が高く相手サイトのドメインパワーが強ければ、自社サイトの数値も上がりやすくなります。
ただし被リンクの購入は、ペナルティの対象となるためNGです。自然に被リンクを獲得する方法としては、インタビューや事例紹介の掲載などが挙げられます。
またSNSにおけるサイテーション(引用)の獲得も、被リンクと同様の効果が期待できます。質の高い被リンクの獲得方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
関連記事:「被リンクとは?調べ方からSEOに重要な良質な増やし方・対策まで徹底解説11選」
コンテンツの質を維持・向上させてドメインパワーへ還元するためには、定期的にブラッシュアップすることも大切です。具体的には既存コンテンツに最新情報や追加情報を反映する、リライトという作業を進めます。
つまりコンテンツは最初に完璧を求めるのではなく、ブラッシュアップを繰り返すなかで徐々に質を高めることになります。SEO対策の効果を上げたい方は新規記事を増やす、既存記事の質を高めるという2つの策を並行して進めていきましょう。
最後にドメインパワーに関するよくある質問とその回答を、Q&A形式で解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
新規サイトのスタート時点からある程度のドメインパワーを得る方法として、中古ドメインの購入は有効です。実際パワーランクチェックツールを運営する株式会社アクセスジャパンでは、中古ドメインを販売しています。
ただしペナルティ歴があるサイトは、SEOで不利です。中古ドメインを購入する際は慎重に比較し、信頼性が高いと判断できるサイトを選びましょう。
独自・共有といったドメインの種類はドメインパワーに影響がないため、どちらを選んでも良いといえます。
ただしサーバー乗り換えなどを考えると、独自ドメインの方が便利です。企業サイトは長期的な運用を視野に入れるケースが多いため、特別こだわりがなければ独自ドメインを選びましょう。
ドメインパワーはWebサイトの質を数値化したものであり、数字が大きいほどSEOで有利です。新規サイトの数値は0ですが、既存サイトになると30以上が目安となります。
新規サイトで10以上のドメインパワーを獲得するためには、コンテンツの品質向上や被リンク獲得などの施策が必要です。中長期的な視点で施策の実行と効果測定を繰り返せば、少しずつ成果を実感できます。
効果的なSEO対策で自社サイトへの流入を増やしたい方は、ドメインパワーの強化も意識していきましょう。
BeMARKE(ビーマーケ)は、BtoBマーケティングの課題解決メディアです。 BtoBマーケティングのあらゆる局面に新しい気づきを提供し、リアルで使える「ノウハウ」を発信します。