基本ノウハウ
自社サイトやコンテンツの効果を高めるためには、SEOに取り組んでいくことが必要不可欠です。そしてSEOは、一度取り組めばすぐに効果が出るというものではなく、定期的に改善を重ねていかなければなりません。しかしSEO改善を行うといっても、具体的にどのような手順や方法で行えば良いか、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。ここではSEO改善について、知っておくべき基礎知識や実施の手順、具体的な改善方法などについて解説します。
SEOとは、検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の略で、検索上位を目指す施策のことです。自社サイトやWebコンテンツの訪問者数を増やし、受注増や売上増などの成果につなげていくためには、単にSEOに取り組むだけではなく、状況に合わせて改善を行っていく必要があります。まずは、SEOを改善する上で必要となる基礎知識について解説します。
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Googleをはじめとした検索エンジンは、「Webサイトを巡回するクローリング」「収集したデータを登録するインデックス」「インデックスの情報を評価して順位付け」という3つのステップで上位表示するサイトを決定しているため、SEOの改善は各ステップに対応した施策の実施を意味します。
SEOを改善するためには、クローリング・インデックス・順位付けの各段階において、現状のSEO対策で成果が出ていない理由は何なのか、自社コンテンツのボトルネックを探す必要があります。例えばクローリングに課題があるにもかかわらず順位付けの対策に注力しても、大きな効果は期待できません。
SEO改善は、実行後すぐに効果が出るものではないため、定期的に改善し続けることが大切です。
また一度は検索上位を取れたとしても、競合サイトの台頭や評価基準の変化などによって順位が落ちてしまうケースもあり、検索上位を獲得しても油断できません。定期的に効果測定を行い、その時々のボトルネックを探しながら繰り返し改善施策を行うことで、初めて検索上位および順位のキープがねらえるようになります。
SEO改善を行っていくための手順について見ていきましょう。近道しようとせず、一つひとつの工程をしっかりと踏んでいくことが大切です。
SEOを改善する最初のステップは、現状の把握です。アクセス解析ツールなどを利用し、サイトの状況を細かくチェックしましょう。
各ページがどれだけ見られているかのアクセス数を見ることはもちろんですが、他にもユーザーがどのようなサイト内行動を行っているのか、どのような検索ワードで自社サイトにたどり着いているのか、各ページごとの滞在時間や離脱率に違いはあるかなど、なるべく多くのデータを収集するようにしてください。
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ツールによってサイトの現状が把握できたら、今度はSEOによるアクセス数やコンバージョン率などの目標値と比較し、課題(ボトルネック)を見つけていきます。
例えば検索上位であるにもかかわらず想定よりもアクセス数が少ないのであれば、タイトルやディスクリプションがユーザーのニーズをとらえていないのかもしれません。離脱率が高ければ、ページの表示速度が遅かったり、ユーザーを満足させられない内容になっていたりといった状況が考えられます。
アクセス数やコンバージョン率など、数字が芳しくないところには必ず理由があるものです。それを自社の課題とし特定することで、次に取るべきアクションを定められます。
課題を発見できたら、その課題を解消するために必要な施策を検討し、優先度の高いものから実行していきましょう。
例えばページの表示速度の問題で離脱率が高いと考えられる場合、いくらコンテンツの中身を充実させたとしても、表示速度が変わらないままでは離脱率は大きく改善されないことが予想されます。いち早く検索上位を目指していくためには、今まさに課題となっている点への施策を最優先とし、スピード感を持った着手が大切です。
改善策を実行したあとは、その取り組みが正しいものだったかをチェックする意味でも、必ず効果検証を行うようにしましょう。前述した通り、改善は一度やって終わりではありません。効果検証を定期的に行い、成果が出るまで改善を繰り返すようにしてください。
SEOを改善するための具体的な方法を7つ解説します。改善のための手法はさまざまな内容がありますが、なかでも緊急度が高く実施しやすい対策から始めてみましょう。
分類 | 改善方法 |
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【1】クローリング対策 | 内部リンクを整える、画像を最適化する |
【2】インデックス対策 | モバイルフレンドリー対応を行う、XMLサイトマップを送信する |
【3】順位付け対策 | キーワード選定の方法を見直す、質の高いコンテンツを増やす、既存のコンテンツをリライトする |
クローリング対策とは、検索エンジンのクローラーに向けたSEO改善施策のことです。クローラーはインターネット上に存在するサイトを巡回し、その内容を読み込んでデータベース化した上で検索順位を決めます。
逆に言えば、作成したサイトやコンテンツは、クローリングされなければ検索エンジンに載ることはありません。だからこそクローリング対策は重要なのです。
クローラーにとって読み込みやすい構造のサイトであれば、自社サイトの情報が収集されやすくなり、検索順位にも良い影響を与えます。実施しやすい改善策の例として、「内部リンクを整える」「画像を最適化する」を解説します。
サイト内で、同サイトにある他のページにリンクをつなぐことを内部リンクといいます。内部リンクを整えると、クローラーがサイトのさまざまなページに巡回しやすくなるのがメリットです。また、サイト内のコンテンツの関連性を高められるので、テーマ性や専門性が強調されて検索エンジンから評価を得やすくなります。
クローラーに対して巡回を促す施策ですが、ユーザーに対しても読みやすいコンテンツを提供できるメリットがあります。また、関連コンテンツへのリンクを表示することで、サイトの回遊率や滞在時間、ユーザー満足度などを高められるでしょう。良質なコンテンツを作成し、関連するコンテンツへの内部リンクを適宜貼ることで、SEOの改善を図りましょう。
関連記事:SEOに効果的?内部リンクがもたらすメリットを徹底解説
画像の容量を圧縮したり、altタグを指定したりすることで、画像を最適化しましょう。
画像の容量が大きくページを開くのに時間がかかると、ユーザーはストレスを感じて離脱してしまいます。また、Googleは表示速度も評価の対象になりうることを自社のガイドラインで示しています。ページの表示速度はSEOに影響を与えるのです。ページの表示速度を改善するためにも、画像の圧縮ツールなどを活用して軽量化を図りましょう。
altタグは画像の説明文のことで、画像そのものを認識できないクローラーが何の画像であるかを判断する際に用いられます。また、エラーなどで画像が表示されなかった場合には、altタグの情報がテキストとして表示されるためユーザーにとっても大切です。コンテンツの内容に関連する画像を使用し、クローラーに何の画像であるかをaltタグで示すようにしましょう。
検索エンジンのデータベースにサイトの情報が登録されることをインデックスといいます。どれだけ良質なコンテンツを作成しても、インデックスされなければ検索エンジンに表示されません。検索エンジンに、サイトやコンテンツを正しく認識してもらうためのインデックス対策として、「モバイルフレンドリー対応を行う」「XMLサイトマップを送信する」を解説します。
スマートフォンの利用率が高まったことから、Googleはモバイル向けサイトの評価を主軸にインデックスする「モバイルファーストインデックス(MFI)」を実施しています。そのため、スマホで見やすいモバイルフレンドリーなサイトにすることが求められます。
モバイルファーストインデックスが実施されていると、PC向けサイトにしか掲載されていない情報はインデックスされず、検索結果に表示されなくなる可能性があります。そのため、モバイル向けサイトとPC向けサイトはできる限り同じ内容としましょう。
XMLサイトマップとは、検索エンジンにサイトやコンテンツの情報を伝えるためのXML形式のファイルを指します。XMLサイトマップを送信することで、検索エンジンは効率的にクローリングしてインデックスできるようになります。
XMLサイトマップはxmlタグで記載する必要があります。無料の作成ツールも提供されているので、ツールを活用して用意するとよいでしょう。作成したサイトマップはGoogleサーチコンソールの「サイトマップ」から送信がおすすめです。サイトやコンテンツを正しくインデックスしてもらうためにも、XMLサイトマップの送信は忘れず行いましょう。
検索結果で上位表示を狙うためには、良質なコンテンツの作成が何よりも大切です。順位付け対策として「キーワード選定の方法を見直す」「質の高いコンテンツを増やす」「既存のコンテンツをリライトする」を紹介します。
キーワードの選定方法を見直し、ユーザー心理に合わせた適切なキーワードを選定できているかを確認しましょう。検索ニーズの高いキーワードは検索量が多い一方で、競合サイトが多く検索結果で埋もれてしまう可能性が高くなります。また、競合サイトは少ないもののあまりにもニッチなキーワードであれば、そもそもの検索量が少なくサイトへの流入が見込めません。一定数の検索ボリュームがあり、競合サイトもあまり多くないキーワードは、検索上位表示を狙う上で押さえたいところです。また、2種類以上の単語を組み合わせたキーワードも有効です。Googleキーワードプランナーなどのツールを活用し、検索ボリュームを調査した上で適切なキーワードを選定しましょう。
また、ユーザーが検索する際には、何らかの課題を抱えているものです。ユーザーの検索意図をとらえ、その心理に合わせた適切なキーワードを選定し、コンテンツを作成しましょう。
良質なコンテンツを増やし、コンテンツを集客の要とします。
Googleがコンテンツを評価する基準は「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の3点で、これらは「E-A-T」と呼ばれています。なかでも専門性は重要で、単に競合サイトを真似したコンテンツや、自社サイト内の焼き増しコンテンツは評価されません。ユーザーの検索意図をとらえて、ユーザーのニーズに的確に応えられるオリジナルのコンテンツを作成しましょう。
また、企業情報や実績、著者のプロフィールなどを掲載することで、自社サイトの信頼性を示すことができます。コンテンツの信頼性は近年特に重視される傾向にあるため、信頼性を担保する情報をコンテンツに盛り込みましょう。
コンテンツは作成して終わりではなく、課題に応じてリライトし改善することが重要です。例えば技術的なSEO対策を実施しているにもかかわらずコンテンツの公開から半年以上経ってもアクセスが伸びない場合、コンテンツの質や内容に問題がある可能性があります。タイトルやリード文、見出しに重要なキーワードを盛り込む、表現方法をより分かりやすく変更するなどのリライトを実施しましょう。
また、コンテンツの情報が古くなると、検索評価が下がってしまう可能性があります。最新のトレンドやユーザーの検索意図を押さえた既存コンテンツのアップデートが大切です。
関連記事:SEOに効果的なリライトとは?リライトすべき記事の選定方法と手順を解説
SEOを改善するためには、検索順位の仕組みを正しく理解し、適切な箇所に適切な施策を打つ必要があります。そのためには定期的に効果測定を行い、自社のボトルネックを把握し、具体的な対応策を講じるようにしてください。また、こうした改善施策を一過性のものにせず、定期的に行っていくことができれば、検索結果の改善が期待できるでしょう。