基本ノウハウ
SEOライティングを取り入れたいと思っても、どのような点に注意すべきか分からずお困りの方も多いのではないでしょうか。SEOライティングではさまざまなテクニックがあるものの、テクニック以上にユーザーに役立つ記事づくりが大切です。
本記事では、SEOライティングとは何か、手順やテクニック、意識すべきポイント、注意点について解説します。
SEOとは検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の頭文字を取ったものです。検索エンジンから評価されるために必要とされる取り組み全般のことを示します。SEOライティングはSEO対策をし、検索エンジンから評価されやすいようなライティングの手法です。
具体的な評価基準についてはGoogleから明示されておらず、日々評価基準はアップデートされているため、詳細には分かりません。しかし「Google が掲げる 10 の事実」によると、Googleの良質なコンテンツが評価されるとしており、良質なコンテンツづくりがSEO対策上重要です。
大まかには、ユーザーと検索エンジンの両方に配慮したライティングがSEOライティングだと考えれば良いでしょう。
なお、SEO対策は内部対策と外部対策に分かれており、SEOライティングは内部対策に含まれます。内部対策と外部対策について、より詳しく知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。
「SEO外部対策とは?具体的手法10選!効果測定のツールからやってはいけないことまで解説」
SEOライティングで成果を出すためには、適切な手順で進めることが大切です。ここでは、どのような手順で進めれば良いか解説します。
ライティングを進める前に設定するのが、ターゲット(ペルソナ)です。ペルソナとは、想定読者を具体化したもので、Webサイト自体にも設定しているものですが、ブログ1記事にも設定します。
ペルソナを決める際には、どのような背景でSEOキーワードを調べるのに至ったのか、その背景を想像することが大切です。
例えば「ギター 選び方」というキーワードであれば、「ギターを始めたいが、どんなギターがあるか分からない」「ギターの種類が多く、どのような基準で選ぶべきか分からない」などの背景が考えられます。
ニーズを設定し、そのニーズから、到達できるゴールは何か設定します。記事のゴールを設定することで、ユーザーのニーズから、どのような情報を伝えることでゴールに到達できるのか、逆算して考えられます。
「ギター 選び方」というキーワードであれば、「ギターを選ぶ基準が分かり、自分にあったギターを購入できる」ということがゴールとして考えられます。
上記で設定した、記事のニーズとゴールから、必要なコンテンツを盛り込んだ構成を作成します。記事構成では、記事の見出し内容を考え、誰に、どんな内容を伝えるのか、どの順番で伝えるのか、方向性を示したものです。「ギター 選び方」というキーワードの場合には、以下のような流れが考えられます。
・初心者がギターを選ぶ場合の予算は
・ギターの種類と特徴
・初心者におすすめのギター
ギターの選び方について、金額や種類について、説明し、おすすめのギターを紹介するという流れで構成していきます。ニーズから、必要な情報は何か想像しながら、構成を固めていくと、ゴールまでスムーズに進められるでしょう。
設定したニーズやゴール、構成に沿って、実際に記事を作成します。ライティング時に意識すべきことは次の見出しで詳しく紹介しますが、ユーザーと検索エンジンの両方が読みやすい形を心がけることが大切です。
ユーザーも検索エンジンも、内容をスムーズに内容を理解できる記事を作るには、検索エンジンが評価する「良質なコンテンツ」を作成することが重要です。以下「良質なコンテンツ」として評価されるとされているポイントを紹介します。
さらにこれらの条件を実際に実現するためには、以下のポイントを押さえることが大切です。
それぞれの内容について、次で詳しく解説します。
Googleが記事の内容をスムーズに理解できるようにするためには、記事の内容に適度にキーワードを盛り込むことが重要です。タイトルや見出し、文章の中にも、適度にキーワードを盛り込むように意識しましょう。
ただしキーワードを盛り込みすぎて、文章が不自然にはならないように注意が必要です。必要以上にキーワードを盛り込んでしまうと、ペナルティの対象となり、検索順位が下がる要因になります。
読者はできるだけ「早く、簡単に」情報や結果にたどり着きたいと考えています。検索した答えがこの記事にあるかどうかを冒頭で知らせ、ユーザーが読み進める価値があることを伝えましょう。
ユーザーがどういった意図でそのキーワードを検索するのか想像し、その「悩み」を解決する答えや手段が書かれていることを提示します。読者の離脱を防ぎ、読み進めてもらうことができれば、その分SEO的評価へつながるでしょう。
ライティング時に、指示語を多用しすぎないようにすることも大切です。「これ・それ・あれ・どれ」のような指示語は何を指しているのか考える必要があります。その結果、文章の内容が分かりにくくなる要因になるためです。
指示語を使う際にはできるかぎり名詞に置き換え、何を指しているのか分かりやすくすることで、ユーザーも検索エンジンも内容を把握しやすくなります。
EEATとは、Googleの検索品質評価ガイドラインにより、定義されたWebサイトの評価基準です。
・Experience(経験)
・Expertise(専門性)
・Authoritativeness(権威性)
・Trustworthiness(信頼性)
以上の4要素で構成されており、これらの要素を押さえたライティングをすることで、SEO上も効果が期待できます。それぞれの要素について、次で解説します。
経験とは、コンテンツ作成者が記事作成に必要な経験を積んでいることです。イヤホンについての記事であれば、実際にイヤホンを使ったことがあることなどが、重要視されるということです。
検索エンジンや公式サイトで調べられることではなく、実際に使うなどして、よりリアルな情報を届けることを意識する必要があります。
専門性とは、Webサイトや記事の製作者が、記事に関するテーマについて専門性があることを意味します。専門的な分野に関わった実績がある、資格を持っている、教育を受けているなどの要素が重要視されます。
権威性とは、コンテンツの内容を誰が発信しているかということを重視する指標です。権威性はWebサイトが運営されている期間や実績、被リンクの質、評判などが影響します。
信頼性とは、ユーザーにとって、発信されている情報やWebサイト、運営者が信頼できるかどうかです。この信頼性は、コンテンツの質とWebサイトの運営元がはっきりしているかどうかが重要視されます。
運営元を証明する情報として、会社名や住所、電話番号、メールアドレスなどがしっかり記載されているか、コンテンツの内容に誰が責任を負うのか明記しておきましょう。
マークアップとは、Webサイトのコンテンツの文章構造や視覚表現について、コンピューターが認識できるように、HTMLタグをつけて意味づけをすることです。例えば「<p>〇〇</p>」というようにマークアップされていれば、「〇〇」という文章が、1つの段落であることを示します。
タグ自体は非常に種類が多いのですが、ここではSEOライティングで特に重要なものをピックアップして紹介します。
見出しタグは<h2>や<h3>のようなタグで表現され、本でいう目次の役割を果たすタグです。<h1>から<h6>まであり、数字が大きいほど大きな階層として扱われます。
見出しを適切に設定し、見出しだけで読者がどのような内容について書かれているか、見出しだけで判断できるようになっていることが重要です。この条件を満たすことで、ユーザーが読みやすく、検索エンジンからも評価されやすくなります。
箇条書きは「・」でまとめられたものが<ul>、「1.」のように数字でまとめられたものが<ol>と記載されます。箇条書きは読者が見やすくなるということだけではなく、検索エンジンからの評価を受ける上でも効果的です。
他のサイトや参考資料から引用したことを示すタグが<blockquote>です。引用タグがない場合、引用部分を Googleがコピーコンテンツと見なす可能性があり、そのような事態を回避する上でも重要な役割を果たします。
また、引用した際にはタグを使うだけではなく、引用元について、明記しなければいけません。
表を作るタグが<table>タグです。表を作ることで、ユーザーは視覚的に情報を把握しやすくなり、検索エンジンの評価も高まります。
記事内に画像を添付する際に使うのが<alt>タグです。このタグを使うことで、画像にはどのような意味があるのか、検索エンジンに伝える役割があります。
例えば、りんごの画像をただ添付しているだけだと、Googleはりんごの画像だと認識できません。<alt>タグにりんごと記載しておくことで、Googleは添付されている画像がりんごだと認識できるようになります。
記事作成時には、網羅性と独自性が確保されていることが重要です。他のWebサイトで記載されている内容が幅広く網羅されていること、コンテンツの内容に他のWebサイトにはない内容が含まれていることがポイントとなります。
特に他のWebサイトと差をつけるのに重要なのが、独自性です。できるのであれば、会社独自のリサーチ内容や、体験談などを盛り込むと、他のWebサイトにはない独自性のあるコンテンツが作成できます。
Webサイトの文章は専門性が重要ですが、専門的な文章を分かりやすく伝えることが大切です。専門用語は専門知識がないユーザーには意味が伝わらず、ユーザーにとって分かりにくい文章となってしまうためです。
専門用語を使用するときには、専門用語を一般的に使われる言葉で説明し、意味が分かりやすくなるように心がけましょう。
1文で伝えるメッセージは1つにし、文章はできるだけ短くするよう心がけましょう。文章が長くなるほど、内容が分かりにくくなる上、文章そのものがおかしくなる要因にもなります。
句読点は多くても3つ程度までに抑え、単文にすることがポイントです。単文とは、主語と述語が1文に1つ含まれる文章です。文章構造も意味もシンプルになり、読者が混乱するのを回避できます。
図や表を必要に応じて取り入れることもSEOライティングでは有効です。図表は文字と比べると、短い時間で簡単に情報を伝えられます。
文章のみのコンテンツはユーザーが疲れてしまいやすく、離脱の原因にもなるため、離脱防止策としても効果的です。
SEOライティングでは、PREP法を取り入れて文章を作成すると良いでしょう。PREP法とは、話の構成を「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(再結論)」の順にすることで、要旨を分かりやすく相手に伝える手法です。
PREP法は短い文章量で効果的に内容を伝えるために使われます。PREP法についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
参考記事:『PREP法とは?相手に「伝わる」文章構成を例文と共に分かりやすく解説』
GoogleのAIは読者がどのような行動を取ったのか、詳細に分かると言われています。記事を読んで満足し、そこで同じキーワードでの検索を止めた場合、「記事の満足度が高い」と評価されます。逆に同じキーワードや似たキーワードで再度検索し、他の記事を読まれるということは、満足度が低いと評価されるということです。
読者のためのコンテンツ作りが最終的には一番大事だとも言えます。「どうしたら満足度の高い記事になるか?」を常に考えてライティングをしましょう。
SEOライティングをする際には多くのポイントに加え、特に注意の必要な点もあります。場合によってはペナルティの対象にもなるため、ここで紹介するポイントに注意することが大切です。どのような点に注意すべきか、解説します。
SEOライティングでは、テクニック以上にユーザーにとって分かりやすい記事を書くことが重要です。Googleは、「ユーザーに焦点を当てて情報発信すること」を重要視しており、テクニックを盛り込んだ結果、意味が伝わりにくくなると、逆効果になります。
そのため、テクニックは文章の意味が伝わる範囲で盛り込むように心がけることが大切です。
SEOライティングではコピペの文章とならないよう、細心の注意を払う必要があります。コピペされたコンテンツは、Googleからペナルティを受けるリスクが高まり、対象となってしまうと、検索結果から除外される対象になる可能性があります。
コピペの文章となっているかどうかは、「CopyContentDetector」などのツールでも簡単に調査可能です。そのため、記事作成時には、コピペの可能性がないか、確認しておきましょう。
SEOライティングでは文字数が焦点になることもありますが、文字数は直接検索順位に影響しません。検索順位の上位に表示されているWebサイトは、文字数が多い傾向にあります。読者が求めている情報を盛り込んだ結果、文字数が増えたためというのが、検索順位が高い要因としては適切です。
そのため、文字数を意識するのではなく、網羅的に情報を盛り込んだ結果、文字数が多くなったという状況になるよう心がけましょう。
本記事では、SEOライティングとは何か、手順やテクニック、意識すべきポイント、注意点について解説しました。SEOライティングではさまざまなテクニックがありますが、テクニック以上に「ユーザーに役立つ情報を記載できているかどうか」を意識することが大切です。
SEOライティングで、コンテンツの質を高めるためには、どのような記事を作るべきか、分からない方は以下の記事も参考にしてください。