基本ノウハウ
自社サイトを運営しているものの、検索結果ではなかなか上位に表示されず、集客が難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。
Googleをはじめとする検索エンジンで上位表示されるためには、SEO対策が必須です。ユーザーがGoogleで検索した結果、自社サイトが上位表示されるかどうかで、サイトへのアクセス数は大きく変わります。この記事ではSEOの観点から、どのようにすれば自社サイトが検索結果で上位表示されやすくなるのか、分かりやすく解説します。
自社サイトを検索結果の上位に表示させるためには、SEO対策を行い、ユーザーと検索エンジンに評価されるサイトを作らなければなりません。
有名な検索エンジンは複数ありますが、日本における検索サイトのシェアを考えると検索=Googleと考えて問題ないでしょう。2022年12月時点の日本における検索サイトのシェア率は、Google:76.97%、Yahoo!:14.53%となっています。(参考:statcounter)
この章では、SEOで自社サイトを上位表示させるために知っておくべき基本を解説します。SEOの概要を知りたい方は、「SEOとは?用語の基礎知識を初心者にも分かりやすく解説」の記事もご確認ください。
自社サイトが検索結果に上位表示されるためのヒントは、Googleの公式サイトに記載されています。
Google でサイトが自動的に掲載順位 1 位になるための秘訣は(残念ながら)ご紹介していませんが、このガイドで示すおすすめの方法を取り入れると、検索エンジンがより容易にあなたのコンテンツをクロールし、インデックスに登録し、把握できるようになることを期待できます。
Googleの公式サイトでは、どのようにすれば検索上位を取れるかという仕組みは公開されていないものの、検索エンジンに評価されやすくなる方法について上記のように詳しく解説していることを明かしています。サイトを運営する際は、このガイドラインを頭に入れておくと良いでしょう。
自社サイトを更新した場合、すぐにGoogleの検索結果に反映されるわけではありません。クローリング、インデックス、ランキングの3ステップを経て、初めて検索結果に表示されます。
【1】クローリング | 検索エンジンのロボット(クローラー)がWeb上の情報を取得する |
【2】インデックス | 取得したテキスト、画像、動画ファイルの情報を解析し大規模なデータベースに保存する |
【3】ランキング | 検索されたキーワードとの関連性や品質からユーザーが求めていると判断されたコンテンツが上位表示される |
検索結果で上位を獲得するためには、Googleに情報を収集・登録してもらいやすくなる取り組みを行った上で、ユーザーにもGoogleにも分かりやすいコンテンツを作って「良いサイトである」と認められる必要があります。これらの取り組みがSEO施策です。
SEOの代表的な施策として、内部対策・外部対策・コンテンツSEOの3つがあります。
項目 | 施策の例 |
---|---|
内部対策 | ・タグ設定 ・表示の高速化(画像の最適化) ・内部リンクの設置 |
外部対策 | ・被リンクの獲得 ・SNSからの流入 ・拡散されやすいコンテンツ作成 |
コンテンツSEO | ・市場ニーズ・競合を調査 ・キーワード選定 ・有益なコンテンツ作成 ・専門性の高いコンテンツ作成(E-E-A-T※) |
自社サイトの現状を分析した上で、どのような課題があるのかを把握し、課題に応じて必要な対策を行いましょう。
自社の現状を分析して課題を把握し、改善に役立てるためのポイントについては「SEOの分析とは?目的達成の手がかりを得る分析手法4ステップ」で解説しています。
SEO施策は数多くあるものの、技術的な難易度が高く実践しづらい内容も含まれます。ここでは比較的取り組みやすく効果が大きいといわれるクロール対策、インデックス対策、ランキング(クリック率)対策について解説します。
クローラーはWeb上を巡回し膨大なサイト情報を取得するGoogleのロボットです。自社サイトを検索上位にするためには、まずクローラーに自社サイトを認識してもらう必要があります。「内部リンクの設定」と「画像の最適化(軽量化)」は専門的な知識も不要ですぐに取り組めるためおすすめです。
内部リンクとは、Webサイト内のページ同士をつなぐリンクのことです。新規のコンテンツを公開した場合、そのページが孤立している状態では、クローラーはすぐにページを認識できません。コンテンツを内部リンクでつなぐことで、クローラーの通り道ができ、ページを認知してもらいやすくなります。
クローラーに自社サイトを認識してもらうためには、サイト全体のリンク構造から考え、認識してもらいやすい状態に整備することが大切です。
画像のファイルサイズを最適化できると、画像がクローラーに認識されやすくなります。軽量化によりサイト表示が高速化され、クローラーが巡回しやすくなるためです。
また、画像が最適化されると、ユーザーがページを読み込む際にストレスを感じにくくなるため、ユーザーファーストの視点でもプラスになります。
クローラーによって認識されたページがGoogleのデータベースに登録された状態を「インデックスされる」といいます。インデックスされることで、初めてGoogleの検索結果にコンテンツが表示されます。またGoogleは世界中のサイトすべてを等しくインデックスするわけではなく、ユーザーの役に立つサイトや、有益な情報が載っているサイトをインデックスしようとします。Googleに、価値がない・有害だと判断された場合、インデックスされません。
インデックスされるための施策として、「<h1>~<h6>のタグ設定」「重複コンテンツの回避」を解説します。
タグ設定を行うと、コンテンツの文章構造を正しくGoogleに伝えることができ、インデックスされやすくなります。また<h1>から<h6>のタグ設定は、見出しとして表示されます。下記は、本記事で設定したタグの例です。
タグ | 対応箇所 |
---|---|
<h1> | SEOで自社サイトを上位表示させるには?すぐできる施策を解説 |
<h2> | 2.上位表示のための優先的取り組みたいSEO施策 |
<h3> | 【2】インデックス対策 |
<h4> | <h1>~<h6>のタグ設定 |
タグ使用時の注意点は、<h1>の下に<h2>、<h2>の下に<h3>のように、使用する順番に明確なルールがある点です。例えば、<h2>タグの下で、<h3>タグを飛ばして<h4>タグを配置してしまうと、文章構造が正しくないため、ユーザーが読みにくいだけでなく、SEOの観点からも望ましくありません。
タグ設定を正しく行うことで、ユーザー目線でも見栄えの良い記事となり、文章を理解しやすくなります。
重複コンテンツがあると、Googleからインデックスされにくくなるだけではなく、リンクの獲得も分散されてしまう可能性があるため、SEOの観点でマイナスといえます。
クローラーがサイトを巡回するなかで、自社サイトと外部サイトのコンテンツが類似していると判断された場合、重複コンテンツと見なされる場合があります。加えて注意すべきは、自社サイト内での重複コンテンツも避ける必要がある点です。
重複コンテンツについてGoogleの公式サイトでは下記のように定義しています。
一般に、重複するコンテンツとは、ドメイン内または複数ドメインにまたがって存在する、同じ言語の他のコンテンツと完全に同じであるか非常によく似たコンテンツのブロックを指す
競合サイトの内容を、言葉尻だけを変えて自社サイトに掲載するような低品質のコンテンツを掲載していると、Googleからペナルティを受ける可能性もあります。
また、意図せずに同一サイト内に重複コンテンツが作成されてしまう場合も考えられるため注意が必要です。同一サイト内に重複コンテンツが作成される例を、Googleの公式サイトでは以下のように挙げています。
・通常ページとモバイル デバイス用の簡易ページの両方を生成するディスカッション フォーラム
・複数の異なる URL で表示またはリンクされるオンライン ショップの商品
・ウェブページの印刷用バージョン
Google Search Consoleを使用することで、重複コンテンツがないか調査できます。左上のメインメニューから「セキュリティと手動による対策」>「手動による対策」を順にクリックし、重複コンテンツがなければ「問題は検出されませんでした」と表示されます。
ランキングは、インデックスされたページがGoogleの200を超えるアルゴリズムにより順位付けされることを指します。Googleに有益と判断されたサイトは、検索結果の上位に表示されやすくなります。また、ユーザーが記事を読むために実際に自社サイトを訪問したことを示すクリック率も、ランキングと同様に大切です。
ランキングとクリック率を上げるために有効な施策として「ページタイトル」「アンカーテキスト」「モバイル対応」「メタディスクリプション」を解説します。
ページタイトル(タイトルタグ内のテキスト)は、Googleに評価されやすい文言にすることが大切です。タイトルを見ただけでこの記事が何を伝えてくれるのかが一目で分かるようにし、かつ定型文や同じキーワードの繰り返しを避けた内容にします。
また、ユーザーは一目見て「自分の悩みを解決してくれる記事だ」と判断できるタイトルをクリックするため、クリック率の観点からもページタイトルはユーザーニーズをとらえた具体的な内容にしましょう。
アンカーテキストは、リンクが張られたテキストのことです。読者もクローラーも、アンカーテキストを見てリンク先の内容を判断します。
クローラーがアンカーテキストをもとにリンク先の内容を判断することで、どのようなページがあるのかという情報をクローラーに認識させるのに役立ち、SEOへの好影響が期待できます。
モバイル(スマートフォンなど)ユーザーの増加にともない、Googleはモバイルサイトを優先的にインデックスするモバイルファーストインデックスを採用しているほか、モバイル対応サイトの作成を強く推奨しています。
モバイルユーザーに表示されるPC対応のみのサイトは、ユーザーの利便性を損ねているケースが多々あり、途中離脱の原因となりかねません。また、モバイルサイトのコンテンツをPCサイトコンテンツより減らすことも、Googleが認識するコンテンツ量を減らすことになるため推奨されていません。
Googleの公式見解では、モバイルファーストインデックス適用の有無が検索順位に影響を与えるわけではないとされているものの、モバイルユーザーが増加するなかでのモバイル対応は必須といえます。PCサイトしか持っていない企業は、モバイルフレンドリーなサイトへの移行を検討しましょう。
メタディスクリプションは、記事の概要を説明する文章を指します。近年は検索順位に影響しないとされているものの、ユーザーが検索結果画面で記事の内容を判断する上でメタディスクリプションは重要です。適切な文言はクリック率の向上にもつながるため、必ず記述することをおすすめします。
自社サイトを運営していても、訪問者がいなければ機能しているとはいえません。今回紹介した内容や、Googleの公式サイトなどを参考に、上位表示されるための適切なSEO施策を行いましょう。すでに上位表示されている競合サイトを参考に、どのようなサイトがSEOで評価されているか調べることも重要です。そして何より、ユーザーファースト、つまりユーザーの役に立つサイトを目指しましょう。