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PREP法とは?相手に「伝わる」文章構成を例文と共に分かりやすく解説

PREP法とは?相手に「伝わる」文章構成を例文と共に分かりやすく解説

PREP法とは、話の構成を「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(再結論)」の順にすることで、要旨を分かりやすく相手に伝える手法です。特にビジネスの現場で多く利用されています。本記事ではPREP法の意味や、PREP法を使うメリット・デメリット、活用例を解説します。

目次

1.PREP法とは

PREP法とは、話の構成を「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(再結論)」の順にすることで、要旨を分かりやすく相手に伝える手法です。特にビジネスの現場で多く利用されています。

PREP法がいかに分かりやすいかを理解するために、「社員が上司に出張のキャンセルを申し出ている」という想定で書かれた2つの例文を見てみましょう。

(1)時系列に沿って話した場合

先ほど◯◯さんから連絡がありました。
どういう内容かというと、A社でプロジェクトに関する認識違いがあり、社内が混乱しているそうです。プロジェクトを白紙に戻したいという声も上がっているとか。

そのため◯◯さんとしては、私たちに質疑応答の機会を設けてほしいとのことです。また、先方の都合がつく直近の日付は◯月◯日で、その日にオンライン会議を行いたいと。

こちらの方が緊急性の高い案件と思われるため、その日に入れている出張はキャンセルしたいと考えていますが、許可していただけますか。


(2)PREP法にのっとって話した場合

お伺いしたいのは、◯月◯日の出張のキャンセルが可能かどうかです。

キャンセルの理由は、A社とオンライン会議を行うためです。A社のプロジェクトで認識違いがあり、◯◯さんから質疑応答の機会を設けてほしいという要望を受けています。直近で都合の良い日が◯月◯日だそうです。

A社ではプロジェクトを白紙に戻したいという声も上がっており、対応を遅らせると失注してしまうかもしれません。
出張キャンセルを許可していただけますか。

2つを比べてみると、後者の「PREP法にのっとって話した場合」の方がスムーズに話の内容を理解できたのではないでしょうか。(2)をPREPで分割すると下記のような構成になっています。

Point(結論) お伺いしたいのは、◯月◯日の出張キャンセルが可能かどうかです。
Reason(理由) キャンセルの理由は、A社とオンライン会議を行うためです。
A社のプロジェクトで認識違いがあり、◯◯さんから質疑応答の機会を設けてほしいという要望を受けています。直近で都合の良い日が◯月◯日だそうです。
Example(具体例) A社ではプロジェクトを白紙に戻したいという声も上がっており、対応を遅らせると失注してしまうかもしれません。
Point(再結論) 出張キャンセルを許可していただけますか。

社員が上司に最も主張したいことは、「出張キャンセルを許可してもらえるか(できれば許可してほしい)」です。次に「出張をキャンセルしたい理由」を述べ、その次に「キャンセルできない場合に起こる良くない例」を示して上司の説得を促しています。最後に主張を繰り返すことで、一番尋ねたいことを強調します。

以上のように、PREP法を利用することで簡潔に分かりやすく要点を伝えられるのです。

2.PREP法の3つのメリット

PREP法の利用によって得られる下記3つのメリットについて解説します。

  • 話をスムーズに理解してもらえる
  • 説得力を持った伝え方ができる
  • 文章をまとめるスピードが向上する

話をスムーズに理解してもらえる

PREP法を利用すれば、相手に話を分かりやすくスムーズに伝えられるため、理解してもらいやすくなります。

なぜならPREP法は、最初に結論を伝え、その結論を補強する構成だからです。これから話す内容の「結論」(主張したいこと)を最初に伝えることで、聞き手は「話の到達点」、いわば目的地が分かります。

例えば、私たちが目的地を知らされないまま旅に出なければならないとしたら、進む道が分からず、到達までに時間と体力を使うでしょう。これが会話であっても同じことです。結論を最初に示されていない話は、話がどこへ向かうのか分からないまま聞き続けることになり、理解に時間と労力を要します。結論を最初に示し、その後に詳細を述べるPREP法であれば、スムーズな理解を促せるのです。

説得力を持った伝え方ができる

PREP法を意識すれば、説得力を持った話し方ができ、単に自分の主張を並べるよりも意見を通しやすくなります。

なぜならPREP法は、1つの「結論」に対し、結論を補強する「理由」と「具体例」がセットで必要になるからです。特にビジネスの現場では、企業が常に合理的判断を目指すため、あらゆる判断において根拠が求められます。会議で提案を通そうとするとき、上司を説得しようとするときに、根拠なき主張はできません。

PREP法にのっとった話し方を身に付ければ、自分の主張と根拠を切り分け、説得に必要な情報を漏らさず考えられるようになるのです。

文章をまとめるスピードが向上する

PREP法にのっとれば、文章をまとめるスピードを向上させることができます。PREP法の「結論」「理由」「具体例」「結論」に沿うように文章を埋めていくことで、構成に迷わず、書く内容に集中できるからです。

例えば案件の報告をしなければならないとき、報告内容をどのようにまとめれば良いか書き方に頭を悩ませる方も多いでしょう。最初から型が決まっていれば、型通りに文章を考えれば済みます。PREP法を繰り返し使って構成した文章であれば、読み手にとっても結論が分かりやすく、論理的な構造を保った説得力のある文章がスピーディに作成できます。

3.PREP法の2つのデメリット

PREP法は話を分かりやすく伝える便利な手法ですが、利用には向かない場面も存在します。PREP法のデメリットを2つ解説します。

  • 事例のインパクトが薄くなる
  • ストーリー性がある内容には向かない

事例のインパクトが薄くなる

「具体例」「事例」に重きを置いた話の場合、PREP法を利用するとインパクトが薄くなってしまう可能性があります。なぜならPREP法は結論を先に伝えて迅速に相手の理解を促す手法であり、どうしても「答え」が先にきてしまうからです。

例えばイベントのスピーチで過去の体験を事例として語り、「この後どうなったと思いますか?」と聴衆に語りかけ、当時のことを想像して楽しんでもらいながら結末を明らかにするといった進め方は、PREP法にのっとった話し方では難しくなります。具体例や事例を中心に話を進めたいなら、PREP法を用いない方が良いでしょう。

ストーリー性がある内容には向かない

前項で述べた事例を含め、小説や脚本のようにストーリー性がある内容を主軸に扱う場合、PREP法は向いていません。なぜならストーリー性のある文章は、相手の感情を揺さぶることで思考に影響を与える、または感情を動かすことそのものがゴールだからです。

もしストーリー性のある文章を「結論」「理由」「事例」と型通りに構成したとしたら、「これからどうなるのか?」という読み手の共感や好奇心が生まれる前にすべてが論理的に明らかにされてしまい、相手の感情を十分に動かせません。PREP法の文章構成は、ストーリー性がある文章の目的にそぐわないのです。

4.PREP法の活用例

ビジネスの中でPREP法を活用できる場面と、例文を紹介します。PREP法にのっとった文章を考える際の参考にしてください。

  • 報告や相談をするとき
  • プレゼン(提案)を行うとき
  • ライティングを行うとき

報告や相談をするとき

報告や相談など、限られた時間内に必要な情報を伝えて相手に判断を仰ぎたい場合、PREP法が役に立ちます。下記の例文のように、口に出す前にPREPに当てはめて考えてみましょう。

Point
(報告の要点/尋ねたい・依頼したいこと)
◯月◯日、AさんにはB社との商談に参加していただきたいのです。
Reason
(上記の理由)
Aさんにお願いしたい理由は、非常に重要な商談のため、プロダクトに詳しい方に同席してもらい、着実に商談を進めたいからです。
Example
(理由の詳細/Pointの実施でできることの具体例)
最もプロダクトに詳しいAさんに参加いただければ、先方の急な質問にも対応できると考えています。
Point
(Pointを改めて確認)
◯月◯日のB社との商談参加、ご検討のほど宜しくお願いいたします。

プレゼン(提案)を行うとき

会議で自らが提案を行わなければならないときや、パワーポイントのスライドを利用する場合にも、PREP法を活用できます。ビジネスにおける提案の場合は、理由・根拠に客観的なデータを用意する必要があります。

Point
(提案したいこと)
私はMA(マーケティングオートメーション)の導入について、検討が進められている製品Aではなく、製品Bの導入を提案します。
Reason
(上記の根拠)
理由は、製品Bであれば、既存のCRMと連携可能だからです。
Example
(根拠の詳細/提案内容の実施による具体的なメリットの例)
製品Bを導入した場合、CRMの情報を再度MAに登録し直す手間が省けるため、製品Aと比較して◯%の工数削減になります。また、カスタマーサポート部門とマーケティング部門との連携がスムーズに行えるため、データ受け渡しの工程についても◯%の工数削減ができます。
Point
(Pointを改めて提案)
以上により、製品Bの導入を行うべきです。

ライティングを行うとき

記事や提案書の作成など、ライティングを行う際にもPREP法を利用してみましょう。実は、本記事もPREP法を意識して構成されています。下記のように、「PREP法とは何か」を主題として、目次の構成がPREPに近い形になっているのです。

Point(結論) PREP法とは◯◯である。 1.PREP法とは
Reason(理由) PREP法が◯◯である理由は、PREP法には△△のメリット(または▲▲のデメリット)があるためである。 2.PREP法の3つのメリット
3.PREP法の2つのデメリット
Example(具体例) PREP法は、□□といった場面で利用できる。 4.PREP法の活用例
Point(再結論) PREP法とは◯◯である。 5.まとめ

また、各節の内容も、おおむねPREP法にのっとった書き方をしています。下記は2章3節の「文章をまとめるスピードが向上する」の構成です。

Point(結論) REP法にのっとれば、文章をまとめるスピードを向上させることができます。
Reason(理由) PPREP法の「結論」「理由」「具体例」「結論」に沿うように文章を埋めていくことで、構成に迷わず、書く内容に集中できるからです。
Example(具体例) 例えば案件の報告をしなければならないとき、報告内容をどのようにまとめれば良いか書き方に頭を悩ませる方も多いでしょう。最初から型が決まっていれば、型通りに文章を考えれば済みます。
Point(再結論) PREP法を繰り返し使って構成した文章であれば、読み手にとっても結論が分かりやすく、論理的な構造を保った説得力のある文章がスピーディに作成できます。

以上のように、各項目をPREP法で構成し、全体の章もPREP法に従うことで、迷わず論理的なライティングが可能になります。

5.まとめ

PREP法とは、要旨を分かりやすく相手に伝えるために利用される、「結論」「理由」「具体例」「再結論」からなる文章構成です。

PREP法は伝えたい内容によって合う・合わないがあり、どんなときでも使用にこだわる必要はありません。しかし報告や提案の手段として汎用性が高く、特にビジネスシーンでは、情報を相手に分かりやすく素早く伝える上で役に立つでしょう。必要なときにはいつでも活用できるよう、PREP法の考え方を身に付けておくことをおすすめします。


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BeMARKE編集部
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