基本ノウハウ
SEO対策は自社サイトを上位表示させ、流入数を増やす上で必須の施策です。しかし実際に取り組んでみたものの、なかなか成果が上がらないと「失敗したのではないか」と悩む方も多いでしょう。
本記事ではSEO対策で失敗する原因と対策を、設計時・コンテンツ制作時・運用時というフェーズごとに分けて解説します。失敗させないための予防策も、あわせて紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
そもそもSEO対策の失敗とは、なかなか上位表示されずに流入数やCV数が増えない状態を指します。ここでは失敗の原因と対策を、3つのフェーズに分けて見ていきましょう。
SEOとは何か、基礎知識や施策の全体方針などについて振り返りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
関連記事:「SEOとは?用語の基礎知識を初心者にも分かりやすく解説」
Webサイトの設計時に多いSEO対策の失敗例は、以下の5つです。
Webサイト設計の流れや成功させるコツについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
関連記事:「【テンプレート付き】Webサイト設計の流れから役立つツールまで解説」
Webサイトや各コンテンツのターゲットが明確でないと、施策を最適化できず成果につながりません。例えばサイト全体のターゲットが不明瞭だと方向性が定まらず、ターゲットの知りたい情報に特化した専門性の高い競合他社のサイトに勝てないでしょう。
また各コンテンツのターゲット、つまりどのような人に読んで欲しいのか、読了後に何をして欲しいのかが不明確な場合も失敗します。読者が何を求めているかを絞り込めず、検索意図を考慮していないタイトルをつけてしまいクリック率が上がらないためです。例えクリックされたとしても、コンテンツの内容がニーズに沿っていなければ直帰してしまうでしょう。
対策としては、下記2つのペルソナの設定が挙げられます。
ペルソナとは、ターゲットユーザーを実在する人物のレベルにまで掘り下げた顧客像です。悩みや検索意図がより具体的になるため、以下の流れでペルソナを考えていきましょう。
1つのサイトで複数のジャンルを扱う場合は、テーマやカテゴリーごとにターゲットを明確にします。ペルソナの作り方や作成例について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
関連記事:「ペルソナの作り方とは?徹底解説【無料設定シートダウンロード】」
競合サイト分析が不十分だと、SEO対策の効果を引き出せず失敗します。SEO対策が目指す検索順位の上昇は、競合サイトとの相対評価によって決まるためです。
競合サイトの良いところを踏襲しつつ、弱いところは自社サイトが上回るよう作り込むことで順位上昇の可能性が高まります。そのため、SEO対策を進める際は競合サイトのアクセス状況やコンテンツの内容を分析しましょう。
競合サイトの分析内容 | 分析項目 |
---|---|
アクセス状況 | 流入数、流入キーワード、流入経路など |
コンテンツの内容 | ドメインパワー、記事の設計、構成やデザイン、被リンクなど |
ドメインパワーが大きいなど、そもそも競合のサイトが強すぎる場合は、当該キーワードで上位表示を狙わないのも1つの方法です。ロングテールキーワードでアクセス数を積み重ね、着実に集客数を増やすと良いでしょう。競合サイトの分析内容や流れについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
関連記事:「競合サイト分析チェック必須の7項目|流れから役立つ無料ツールまで解説」
設計段階でキーワードリストが整理されていないと、Webサイト全体の評価が低下する可能性もあります。キーワードがWebサイトのテーマに即さず、かつ一貫性もないと専門性が低くなり、検索エンジンからの評価が上がりません。
またキーワードの関連性に基づいてカテゴリページを設定するなど、ユーザーの動線を考えたサイトマップになっていない場合、次項で挙げるようにユーザーやクローラーが巡回しやすいサイト設計ではないためSEOで十分な成果を出せない可能性があります。
対策としてはWebサイトのテーマに立ち返り、キーワード選定を見直すことが挙げられます。例えばBtoB企業の営業をメインに扱うWebサイトであれば、下記のようにテーマに即したキーワードを選ぶと良いでしょう。
またCV数を増やすためには、行動意欲の高いユーザーの流入が必要です。「○○とは」などのKnowクエリばかり対策するのは避け、BuyクエリなどCVにつながりやすいキーワードも選定していきましょう。
SEO対策におけるキーワード選定の方法や手順などについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
関連記事:「簡単SEOキーワード選定方法!5つの手順とおすすめツール5選」
ユーザー・クローラーともに巡回しにくいサイト構造だと、適切なSEO評価を受けられず失敗する可能性があります。この場合の対策は、テクニカルSEOを施すことです。
テクニカルSEOとは下記のような方法でクローラー(Googleのロボット)のWebサイトの発見や巡回を促進し、収集されたページの情報を素早く登録させる施策を指します。
上記のような対策はユーザーの利便性向上にもつながり、SEO評価の改善も期待できます。テクニカルSEOの具体策や注意点などを詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
関連記事:「テクニカルSEOとは?Googleから評価を得るための技術的な10の施策」
SEOの目的はWebサイトへの流入数とCV数の増加ですが、単一の施策だけでは実現できないケースも少なくありません。そのため流入数の増加にはSNSやWeb広告、CV数改善にはEFOなどの施策も並行して実施すべきです。
SNSは認知拡大から第三者による言及(サイテーション)機会の増加、被リンクや指名検索の増加へとつながっていくことが期待でき、SEOへ間接的に好影響を与えるためおすすめの施策です。
EFOはエントリーフォーム最適化を指し、入力中の離脱防止を目的としてフォームを改善する施策を指します。 入力フォームのページにたどり着いたユーザーを確実にCVへつなげるためにも、SEOに注力する際はEFOも同時に改善していきましょう。
またEFOについては、こちらの記事で解説しています。対策の例やツールの選び方など詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:「EFOとは?BtoB企業での必要性や対策の例を解説|役立つツールも」
コンテンツ制作時に多いSEO対策の失敗例は、以下の3つです。
実際にユーザーの目に触れるコンテンツの質が悪いと、SEO対策は失敗しやすくなります。検索エンジンが上位表示させるのは、ユーザーが満足できるような良質なコンテンツであるためです。
そもそも高品質なコンテンツとは、ユーザーの検索意図に対する答えを明確に提示し、さらに新たな「気づき」や「次に何をすれば良いか」まで示します。そのためSEO対策を意識したコンテンツづくりでは、以下の3つに留意しましょう。
なおE-E-A-Tとは、以下の4つを意味するWebサイトの評価基準です。
E-E-A-TをはじめとしたSEOライティングのコツについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
関連記事:「SEOライティングとは?初心者必見!プロも使う11のコツ」
重複コンテンツとはテキストや構成などがまったく同じ、あるいは非常によく似たコンテンツを指し、放置するとSEO評価に悪影響を与えます。具体的には記事のクリック率や評価の分散(カニバリゼーション)が起きてしまい、適切なSEO評価を受けられません。
最も基本的な対策は重複コンテンツの削除ですが、301リダイレクトやcanonicalタグを設定する方法もあります。301リダイレクトとは、URLの永続的な変更を検索エンジンに伝える転送処理コードです。またcanonicalタグは、検索エンジンに優先すべき正規のURLを示す際に利用できます。
canonicalタグの使い方や必要性について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
関連記事:「『カノニカル』とは?マイナス評価を回避するためにURLを正規化しよう」
ペナルティ対象の手法を使うと当然ながらSEO評価は下がり、失敗する原因となります。
いわゆるブラックハットSEOと呼ばれる方法は一昔前まで主流でしたが、検索アルゴリズムのアップデートによりペナルティの対象になりました。例えば下記のような手法を用いると、検索順位の下落やインデックスからの削除などのペナルティが課せられます。
SEO対策を進める際はGoogleが提示するポリシーを読み込み、どのような手法がペナルティにあたるかを理解した上で回避することが大切です。
参照:Google検索セントラル|Googleウェブ検索のスパムに関するポリシー
Webサイト運用時に多いSEO対策の失敗例は、以下の3つです。
効果測定をしていないと実施した施策を適切に評価できず、失敗の回避・軽減が難しくなります。また「検索順位が上位になった」「クリック率・CV率が上がった」「流入数が増えた」などの成果が出た場合も、再現性の獲得やさらなる改善を施すチャンスがなくなり、結果として多くの機会損失につながりかねません。
そのためWebサイトのリリース後は、以下のようなツールを活用しながら定期的に効果測定しましょう。
測定項目としては、以下を最低限押さえておきたいところです。
SEOツールの選び方や代表的な製品を知りたい方は、こちらのガイドをぜひ参考にしてみてください。
関連記事:「【2022年版】BtoBマーケにおすすめのSEO・キーワード調査ツール選び方ガイド!機能・価格・立ち位置を解説」
またGA4の使い方は、こちらの記事で解説しています。導入手順や実践的な活用方法について詳しく知りたい方は、あわせてチェックしてみてください。
関連記事:「これから始めるGA4の使い方!基礎・初期設定の手順・実践例まで解説」
効果測定に基づいた機能・デザインの改善や記事のリライトなどを実施しないと、大きな成果が出ていない場合も一時的に成果が出た場合も、検索順位はいずれ下がってしまいます。そのため前述の効果測定後は、結果に基づいて改善策を検討・実行しましょう。具体的な改善策としては以下が挙げられます。
改善ポイントの抽出や手順について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
関連記事:「サイト改善のチェックポイント7選!課題別の方法から成功事例まで解説「セルフチェックリスト120」【無料ダウンロード】」
SEO会社にWebサイトの制作・運用を委託すると、選定会社のミスやコミュニケーション不足などによって投じた費用のわりに成果を上げられない事態になる可能性があります。特に関連業務を丸投げした場合、運用に失敗していても原因が分からず、改善策を検討するヒントも得られません。
費用対効果を維持・向上させつつ、成果の上がるWebサイトにするためには、以下に挙げる3つのいずれかを選択する必要があります。
なおSEO対策の依頼先としておすすめなのは、以下のような会社です。
SEO対策は中長期的な施策となるため、長く良好な関係性が築けそうなSEO会社を選んでいきましょう。
最後にSEO対策を失敗しない、あるいは失敗による悪影響を拡大させないために必要な対応を3つ解説します。
SEO対策を失敗しないためにも、Googleのガイドラインは必ずチェックしましょう。SEO対策により上位表示されるサイトは、検索エンジンからの評価が高い、つまりガイドラインを守っているサイトであるといえます。
Googleは検索エンジンのうち80%以上のシェア率を誇るため、SEO対策とはGoogleからの評価を向上させることとほぼ同義です。内製・外部委託問わず、Webサイトの担当者はガイドラインに一通り目を通し、理解しておきましょう。
施策が走り出したあとに失敗しないよう、運用体制を整えることも大切になります。SEO対策は中長期的な視点で取り組むものであり、設計から運用までいずれも人的・金銭的リソースが必要なためです。
運用体制が整っていない状況でSEO対策に取り組んでも、効果測定できず改善策を施せない状態になったり、コンテンツの品質を保てなかったりといった事態に陥る可能性があります。社内だけでは対応が難しい場合は、次項を参考に外部の専門会社へアウトソースするのも1つの方法です。
SEO会社へ依頼する際は、Webサイトの運用・改善を二人三脚で進められる会社を探しましょう。前述したように、SEO会社へ丸投げすると失敗に気づかず、投じた費用が無駄になるケースもあるためです。
SEO会社を選定する際は企業自体の評価はもちろん、実際にコミュニケーションしていく担当者との相性も見極める必要があります。将来的に内製化したい場合はノウハウを蓄積しつつ、徐々に委託範囲を狭めていくと良いでしょう。
SEO対策の失敗は運用時だけではなく、設計やコンテンツ制作といったWebサイトリリース前のフェーズにも原因があるケースも少なくありません。特に設計段階での失敗は、Webサイトの土台にもかかわる事項でもあり、大きな損失にもつながる可能性があります。
失敗を避けるためには、着手前からGoogleガイドラインを読み込み、運用体制の整備を進めることが大切になります。社内のリソース不足が懸念される場合はSEO会社へ外部委託し、二人三脚で施策を進めるのがおすすめです。
SEO対策の失敗を回避して自社サイトの成果を上げたい方は、現状分析した上で改善策を検討・実行していきましょう。