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サイトリニューアルがSEOに与える影響とは?検索順位が下がるのを防ぐ11の注意点

サイトリニューアルがSEOに与える影響とは?検索順位が下がるのを防ぐ11の注意点

自社サイト全体のデザインや機能性に課題がある場合などには、リニューアルが有効です。しかしSEOにどのような影響が出るか分からず、最初の一歩をなかなか踏み出せない方もいるでしょう。

本記事ではサイトリニューアルがSEOに与える影響を解説します。リニューアル時にチェックしたいSEO上の注意点や、実行するベストなタイミングもあわせて紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

目次

1.サイトリニューアルがSEOに与える影響

結論から言うと、サイトリニューアルはSEOに影響があります。具体的には検索順位の下落と上昇の双方に関与するため、それぞれの原因や要因を見ていきましょう。

検索順位が下がる

サイトリニューアルによってSEOの評価が下がり、検索順位が下落する場合があります。原因は主に次の5つです。

  • SEOの評価対象として重要なテキスト量が大幅に減少した
  • 1ページあたりの画像が増え、表示スピードが低下した
  • リダイレクト設定の不備により、旧サイトの評価が引き継がれていない
  • 内部リンクの減少など、クローラーが巡回しにくいサイト構造になった
  • エラー表示ばかりで、目的のページにたどり着けない など

リニューアルはWebサイトの抜本的な改善に向けて行われますが、新しさを求めるあまり重要な要素まで削除・減少するとSEOに悪影響を与えます。改善後も旧サイトの評価が引き継がれるよう、手を加える部分の取捨選択や範囲は慎重に見極めましょう。

検索順位が上がる

サイトリニューアルによってSEOの評価が上がり、検索順位が上昇する場合があります。要因は主に次の3つです。

  • 低品質ページの削除により、サイト全体の評価が底上げされた
  • 見やすい・読みやすいページ設計により、ユーザビリティが向上した
  • 内部リンクやサイトマップが整理され、クローラビリティも改善した など

なお上記によって表示順位が上昇するのは、リニューアルからしばらく経過したあとがほとんどです。そのため直後の一時的な下落で一喜一憂せず、長期的な視点で数字を追うようにしましょう。

2.サイトリニューアルにおけるSEO上の注意点

サイトリニューアルにおけるSEO上の注意点を、以下の4つに分けて解説します。

  • サイト構造
  • リダイレクト設定
  • コンテンツ内容
  • その他

公開準備を進めている方も、各項目について最終チェックしてみてください。

サイト構造

サイト構造で注意する必要があるのは、次の4点です。

  • 内部リンクを大量に削除していないか
  • meta要素を適切に設定しているか
  • XMLサイトマップを設置しているか
  • 表示デバイスごとに最適化しているか

内部リンクを大量に削除していないか

サイトリニューアル後に内部リンクが大幅に減ると、適切なSEO評価を受けられません。内部リンクはユーザーの回遊性を高めるだけでなく、コンテンツ同士の関係性や重要なページをクローラーに伝える役割を持っているためです。

なおリニューアルで自社サイトのURLを変更した場合は、内部リンクのURLも新しいものに変える必要があります。後述のリダイレクトを挟む方法もありますが、移動時間が伸びる分、ユーザーの離脱につながる恐れがあります。

内部リンクは減らしすぎず、かつユーザーのページ間移動を促すよう、より関連性の高い遷移先を設定しましょう。

meta要素を適切に設定しているか

meta要素の適切な設定も、サイトリニューアル時に重要です。meta要素とはWebサイト上にあるデータの説明情報であり、次のような種類があります。

  • タイトルタグ
  • ディスクリプション
  • 見出し(h1) など

meta要素に入れていたキーワードを削除すると、当該キーワードでのSEO評価が下がりかねません。

しかし、meta要素を個別に設定できないタイプのCMSをサイトリニューアルにともない導入してしまうと、キーワードを別途titleに入れられないなどの問題が起きる可能性があります。テンプレートでの一括変更とページ個別での変更、双方が可能なCMSの利用がおすすめです。

既存のCMSによる変更・管理がスムーズに進まない場合は、サイトリニューアルのタイミングにあわせて新しい製品へ乗り換えるのも良いでしょう。CMSの種類や選定基準などについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

関連記事:CMSとは? メリット・種類・選ぶ基準などわかりやすく解説

XMLサイトマップを作成・送信しているか

新サイトにおけるクローラビリティは、XMLサイトマップを作成しサーチコンソールと通じてGoogleへ送信することでも改善します。Webサイトのページ情報がまとまっており、クローラーへコンテンツ内容を伝える役割があるためです。

なおXMLサイトマップは、sitemap.xml Editorなどによって自動で生成できます。特に社内エンジニアがいない企業では、ツールを有効活用すると良いでしょう。

表示デバイスごとに最適化しているか

サイトリニューアル時はスマホユーザーでも見やすいよう、表示デバイスごとの最適化が大切です。パソコンとスマホとで表示を最適化する方法は、下表に挙げる3つになります。

最適化の方法 内容 モバイル用コンテンツ モバイル用URL URL変更にともなう対応
ダイナミックサービング 1つのURLに対しHTMLが2つあり、アクセスするデバイスによって表示するHTMLを切り替える あり なし 必要
セパレート 2つのURLに対しHTMLが2つあり、アクセスするデバイスに合わせて適切なURLへリダイレクトする あり あり 必要
レスポンシブ 1つのURLに対しHTMLが1つあり、アクセスするデバイスに合わせてコンテンツの表示自体を変化させる なし なし 不要

運用のしやすさで考えると最も理想的なのはレスポンシブ、次点がダイナミックサービングといえるでしょう。

リダイレクト設定

リダイレクト設定で注意する必要があるのは、次の2点です。

  • 404エラーを適切にリダイレクトしているか
  • 301リダイレクトで新サイトへ転送しているか

URLの変更(ドメイン変更やSSL化も含む)がある場合、リダイレクトは必須になります。設定はエンジニアなどの技術部門と協力し、少しずつ進めることが大切です。エンジニアがいない場合は.htaccessファイルを使用し、1つずつ丁寧に作業しましょう。

404エラーを適切にリダイレクトしているか

削除して存在しないページや表示が乱れるページは、404エラーページ(Not Found)を設定します。あるいは次のような方法も有効です。

  • 不具合を個別に解消してページを残す
  • 新しいページへ301リダイレクト(次項を参照)

またソフト404エラー(※2)になっていないかも、チェックが必要です。ソフト404エラーを放置すると、ユーザーは目的のページを見つけられません。

※2存在するページとしてステータスコード200を返す動作

リニューアル後のSEO評価に悪影響を与えないためにも、エラーページは1つ残らず対処しましょう。

301リダイレクトで新サイトへ転送しているか

旧サイトにたどり着いたユーザーが新サイトの同ページへ遷移できるよう、301リダイレクトの設定も大切です。301リダイレクトとはURLの永続的な変更を検索エンジンに伝える転送処理コードを指し、旧サイトの評価を引き継ぐ上でも必須となります。

新サイトに同じページがない場合は、下図のように1つ上の階層へ転送しましょう。

301リダイレクトの転送先
301リダイレクトの転送先

コンテンツ内容

コンテンツ内容で注意する必要があるのは、次の2点です。

  • テキストを削減しすぎていないか
  • 表示速度は落ちていないか

テキストを削減しすぎていないか

テキストはSEO上、重要な評価対象の1つであるため、サイトリニューアルにともない削減しすぎないように注意してください。

もちろん不要な文言は削除する必要があります。しかしテキストには、制作者側が知らぬ間に検索エンジンが高く評価している単語や、文章が含まれている可能性があります。必要な情報まで大幅に削除すると、評価が下がりかねません。

特にデザインを刷新する際は、サイトのデザイン性を高めるためにテキストの画像化や削除が発生しやすく要注意です。画面上に表示する文字数を減らしたい場合は、アコーディオンやタブを利用すると良いでしょう。

表示速度は落ちていないか

表示速度の低下は、視認性を追求するあまり画像の挿入が多くなっていることが原因です。このケースは、前述したテキストの削除にともなって起きやすい傾向にあります。

サイトリニューアル時に表示速度を落とさないためには、主に次のような対処が必要です。

  • ユーザーにとって不必要な画像は挿入しない
  • 1枚あたりの容量を減らす(フラットデザイン/WebPの利用も可)
  • 遅延読み込みの利用 など

なお遅延読み込みとは、画面上に表示されるまで画像の読み込みを遅らせる方法であり、遷移直後におけるページの読み込み速度を向上させるメリットがあります。画像については、Webデザイナーと相談しながら挿入の可否や容量削減などを検討しましょう。

その他

サイトリニューアルで上記以外に注意する必要があるのは、次の3点です。

  • クローラーを拒否していないか
  • noindexを外しているか
  • Googleサーチコンソールにサイト移転を知らせているか

クローラーを拒否していないか

クローラーの拒否は、robots.txtの外し忘れが原因です。robots.txtとは、アクセス可能な範囲(URL)を示すファイルになります。

リニューアルの作業中はサイトを非公開にする、あるいはクローラーを拒否するケースが多いでしょう。しかし作業完了後はrobots.txtを外し、クローラーが適切に巡回できるよう整えることが大切です。

noindexを外しているか

noindexによってインデックスを拒否すると、適切なSEO評価を受けられません。前述したrobots.txtと同様に、リニューアル作業中は設定するケースが多いものの、外し忘れには十分注意してください。

新サイトにおいて価値が低いと判断されるページにあえてnoindexを設定し、重要ページが優先的に評価されるようにする方法もあります。運用後にページの効果測定を進め、必要に応じて設定を変えていきましょう。

Googleサーチコンソールにサイト移転を知らせているか

リニューアルの際はGoogleサーチコンソールに対し、ドメイン変更やサイトマップの更新などを知らせる必要があります。検索エンジンにサイト移転を知ってもらい、かつインデックスの促進を図るためです。

SEOに好影響を与えられるよう、早めにアドレス変更ツールでクロール申請しつつ、サイトマップを送信しましょう。

GoogleサーチコンソールでのXMLサイトマップ送信
GoogleサーチコンソールでのXMLサイトマップ送信

なおリダイレクトが適切にされていない場合、Googleサーチコンソールではエラーを検知し通知するようになっています。不適切な箇所を早期発見し対処するためにも、早急かつ正確に新サイトの情報を登録することが大切です。

3.サイトリニューアルを進めるベストなタイミング

サイトリニューアルを進めるタイミングとしては、主に次の5つが挙げられます。

  • サイト構造が複雑化している
  • デザインが古い
  • ページの表示速度が遅い
  • スマホで見にくい
  • SSL化していない など

Webサイトに関連するトレンドや技術は、日々変化しています。その分古い・使いにくいと感じるとユーザーは直帰してしまい、時間をかけて作ったWebサイトも効果を発揮できません。

Webサイトを通じたCV数などが伸び悩んでいる場合は、上記に該当していないかを振り返り、必要に応じてリニューアルを検討しましょう。なおタイミングの詳細や外注時の注意点を詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

関連記事:Webサイトリニューアルの成功手順とは?具体的な方法や失敗の要因を初心者でも分かりやすく!

4.まとめ

サイトリニューアルの仕方によっては、SEOに好影響だけでなく悪影響も与える可能性があります。投じた費用以上の成果を上げるためには、検索順位を落とさないよう、さまざまなポイントへの注意が必要です。

サイト構造を整えるだけでなく、リダイレクトの設定やコンテンツ内容の見直しも重要になってきます。またGoogleサーチコンソールへサイト移転に関する情報を登録すると、エラーの早期発見と解決に役立てられます。

自社サイトをリニューアルする際は、SEO上の注意点も意識しながら作業を進めましょう。


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この記事を書いた人

野坂 早希
野坂 早希

文章での価値創出に関心があり、製造業から転身後、BeMARKE編集部でBtoBマーケティングを専門に年間およそ70本の記事執筆・編集を担当。「読者に分かりやすく品質の高い記事を届けること」をモットーに日々制作に励んでいる。

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