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CMSとは? メリット・種類・選ぶ基準などわかりやすく解説

CMSとは? メリット・種類・選ぶ基準などわかりやすく解説

WebサイトにCMSの導入を検討しているが、CMSがどのようなものか分からない方もいるのではないでしょうか。CMSを導入することで、Webサイトの更新がしやすくなるものの、自社に合わないCMSを選ぶと、失敗する可能性があります。

本記事ではCMSの意味、機能、導入のメリット、種類、注意点について解説します。自社にCMSを導入する際の参考にしてください。

目次

1.CMSの意味

CMSとは「Contents Management System」の頭文字を取ったもので、コンテンツ管理システムを意味します。

通常のWebサイトは、HTMLやJavaScriptなどのプログラミング言語で行うため、プログラミングの知識がなければの制作・管理できません。しかし、CMSであればプログラミング言語を使わずに管理できるため、初心者でも管理しやすいことが特徴です。

CMSとブログの違い

初心者が扱えるWebサービスとして、CMS以外には、ブログがあります。ブログとは「Weblog」の略称で、簡単に記事が書けるWebサイトのことです。ブログに特化したCMSもあり、ブログの一部がCMSである場合もあります。

CMSとブログの大きな違いとしては、CMSはブログ機能を含め、サイト全体を体系的に管理するシステムのため、ジャンルや役割に合わせて、コンテンツを自由に表示させやすくなっています。ページやレイアウトの変更、機能拡張が簡単にできる点が特徴です。

ブログは記事作成しやすいCMSであり、作成した記事が時系列順で表示されるレイアウトになっていることが多く、CMSと比べて表現できる範囲は狭まります

2.CMSの主要な機能

CSMにはさまざまな機能がありますが、大まかに以下3つの機能に分けられます。

  • Webコンテンツ作成・編集
  • Webサイト、ユーザー管理
  • Webマーケティング管理

それぞれの機能がどのようなものか、次で解説します。

Webコンテンツ作成・編集機能

CMSではコンテンツの作成や編集を、簡単にできるようさまざまな機能があります。

代表的な機能の1つがインライン編集機能です。インライン編集により、Web上で完成形の状態を視覚的に確認しながら、作業できます。この機能がない場合、編集時には、HTMLなどのプログラミング言語を入力し、完成形はプレビューを見なければ確認できませんでした。見た目の状態が分かりやすくなるため、ミスが少なくなり、コンテンツ作成や編集の難易度が下がることがメリットです。

CMSはWebページ全体のレイアウトやデザインをまとめて更新できるため、編集負担が小さいことも特徴です。CMSを使用しない場合、Webページそれぞれにデザインの設定が必要で、作成負担が大きいだけではなく、デザインなどの大きな変更がしにくい点が問題でした。しかし、CMSでは全体のデザインを1回で変更できます。

スマホとパソコン両方に対応したレスポンシブ対応も、CMSでは簡単にできます。レスポンシブ対応をすることでユーザーの利便性が高まるだけではなく、SEO上も良い影響があります。

Webサイト、ユーザー管理機能

CMSでは、特定のページに対して、公開日の設定や、公開・非公開の設定が簡単にできます。重要なページには、特定の人物しか編集や公開ができないようにするという管理もでき、効率的な管理が可能です。記事の予約投稿をワンクリックでできるため、記事公開のタイミングを調整しやすくなります。

Webページを編集した際の更新履歴、具体的には記事の内容、編集者、最後に編集した日を、CMSでは残すことが可能です。何らかのトラブルがあった場合に、以前の内容の確認や復元もできます。編集者も記録されるため、トラブルの原因追求をしやすく、責任の所在も明らかにしやすくなります。

Webマーケティング管理機能

CMSでは、Webサイトにアクセスした人の情報解析や、アンケートやメルマガの配信機能、SNS連携など、Webマーケティングをサポートする機能があるものもあります。GoogleAnalyticsのような分析ツールとの連携が簡単にでき、アクセス数や離脱した人の割合、検索順位などが簡単に把握可能です。

SNSと連携し、TwitterやYouTubeのコンテンツをWebサイト上に直接表示させる、Webサイトの更新内容をSNSに自動投稿させるなどの設定もできます。

3.CMSを活用する5つのメリット

CMSを活用する以下5つのメリットについて解説します。

  • 更新スピードを上げられる
  • 運用コストを削減できる
  • 属人化を防ぐ
  • SEO対策ができる
  • コンテンツマーケティングに取り組みやすい

更新スピードを上げられる

CMSを利用すれば、社内での更新が容易になり、スピーディな更新ができます。その理由は2つあり、1つ目の理由は、外注せず、社内で更新できる体制を整えやすいことです。

操作が簡単なため、Webサイトの専門家ではない従業員でも更新作業ができます。外部の制作会社に頼む際には、見積もり依頼、検討、更新内容の打ち合わせ、発注などの時間がかかりますが、そのような負担がありません。特に新製品の情報公開のようにスピーディさが求められる内容は、打ち合わせに丁寧な時間をかけることが難しく、外注する際には大きな負担がかかってしまいます。

2つ目の理由は、Webサイトのレイアウト変更に複雑な作業を必要とせず、簡単な操作で変更できることです。一般的なWebサイトの場合はHTMLの知識がなければ、編集することもままならない状態になりますが、CMSであれば、デザインのテンプレートがあり、初心者でも編集の手間が大きくありません。

更新スピードを上げることは、SEO対策としても効果があり、集客を増やすことにもつながります。

運用コストを削減できる

CMSを導入するメリットは運用コストを削減できることです。理由は2つあり、1つ目の理由は、外注費が少なくなることです。CMSは更新が簡単なため、Webサイトの更新を外注する必要がなく、低コストで管理維持できます。

2つ目の理由は、更新のための工数を削減できることです。CMSを使わない場合と比較すると、CMSは簡単な操作で工数が少なくなるため、業務が効率化でき、残業代などの人件費の削減効果が期待できます。

属人化を防ぐ

CMSを利用するメリットは、特定の人しか対応できない状態である、業務の属人化を防げることです。業務が属人化すると、担当者不在の場合、退職した場合に、Webサイトの修正や変更が難しくなります。

CMSであれば、操作が簡単なため、業務の属人化が起こりにくく、Webサイト内の分業体制を簡単に構築できます。CMSではユーザーごとに権利を付与、管理でき、退職時の引き継ぎも簡単にできます。

SEO対策ができる

Web集客で重要なSEO対策に必要な設定をCMSを利用すれば、簡単にできます。SEOとは「Search Engine Optimization」の頭文字を取ったもので、検索エンジン最適化を意味し、GoogleやYahoo!での検索順位を上げ、Webサイトへの訪問者を増やすための手法です。

CMSを利用すれば、SEO対策として必要な設定である、タイトルタグやメタディスクリプションタグなどの設定が簡単に設定でき、SEO上効果があるWebサイトの構成を自動的に構築してくれます。そのため、SEOの専門知識がないような方であっても、CMSを利用すれば、ある程度のSEO対策が可能です。

関連記事:検索エンジンとは?SEO対策で押さえておきたい3つのポイントを徹底解説

コンテンツマーケティングに取り組みやすい

CMSはコンテンツマーケティングを導入しやすい点がメリットです。コンテンツマーケティングとは、顧客にとって価値ある情報を発信することで、顧客のアクセスを増やし、顧客情報の獲得や取引につなげていくマーケティング手法です。

CMSを利用することで、更新が簡単になるため、顧客情報の獲得など、取引につながりやすくなります。また、CMSはアクセス解析が利用できるため、集客状況を分析し、課題発見が容易です。そのため、PDCAを効率的に回しやすくなり、効果的なコンテンツマーケティングを実施しやすくなります。

関連記事:コンテンツマーケティングとは?BtoB企業が取り組むべき理由やメリット、コンテンツ例を紹介

4.CMSの種類と特徴を比較

CMSは無料か有料かによって、特徴が異なります。大まかに特徴は以下の表をご覧ください。

タイプオープンソース型クラウド型商用パッケージ型
支払い方法-定額課金 or  従量課金買い切り
導入費用無料無料 or 安価高価
カスタマイズ性高い低い低い
セキュリティ脆弱性などが問題視される事業者のサポートあり事業者のサポートあり

ここでは、CMSの種類による特徴を比較しながら解説します。

オープンソース型

オープンソース型とは、CMSのプログラムコードが外部に公開されているCMSです。代表的なものがWordPressです。WordPressは誰でも無料で利用でき、ライセンス料金がかかりません。

ソースコードを自由にカスタマイズでき、無料のテンプレートを利用すれば、誰でもデザインが整ったWebサイトを構築できます。ただし、セキュリティの脆弱性に問題があり、大規模なアクセスには対応しきれません。企業で使用する場合には注意が必要です。

クラウド型

クラウド型とは、インターネット上で利用できるCMSです。システムをベンダー側で管理するため、定額課金で利用でき、利用期間中のみ費用を支払う形となっています。バージョンアップやセキュリティ対策もベンダー側で行うため、自社で行う必要がありません。

その反面、機能やデザインのカスタマイズ性は他の種類と比べると制限される点がデメリットです。また、トラブルが発生した場合の対応はベンダー側に任せるしかありません。

商用パッケージ型

商用パッケージ型とは、システム開発を手がける事業者が独自に提供するCMSです。買い切り型であり、サイトの規模によって金額が高くなります。

費用は他のCMSと比較すると高くなりがちですが、セキュリティ対策は整っていることが多く、提供元のサポートが受けられるため、安心して利用しやすい点がメリットです。

5.CMS導入の前に確認すべきポイント

CMSはWebサイトに導入することで、さまざまなメリットがありますが、あらかじめ確認しておかなければいけない点もあります。

CMS向きではないケースを理解する

CMSは利便性が高く、さまざまなメリットがありますが、CMSが向いていないタイプのWebサイトもあります。

例えば、クリエイティブ重視で特殊な構成のWebサイトや、ページごとにデザインが大きく変わるWebサイトの場合が該当します。CMSはテンプレートのデザインで対応することが多く、複数ページを同じデザインで統一され、サイトの構造も制限されているケースが多々あるためです。

更新をそれほどしないWebサイトや、ページ数が少ないWebサイトの場合もCMSは向いていません。CMSの導入費用に対して、得られるメリットが小さくなりやすいためです。

CMSで解決したい課題を明確にする

CMSを導入して、自社のどのような課題を解決したいのか、明確にしておくことが大切です。CMSは種類ごとに操作方法や、デザインの自由度や更新のしやすさ、セキュリティ性に違いがあります。自社に合わないCMSを選ぶと、更新時に不便さを感じる、セキュリティ上の問題が発生するなどのリスクがあります。

そのため、CMSを導入する際には、どのような機能が必要で、どの程度のセキュリティが求められるか、費用はどこまでかけられるか、あらかじめ確認しておくことが大切です。

6.まとめ

CMSはWebサイトの作成や管理をする上で、非常に便利なサービスです。SEO対策が簡単にでき、専門知識がなくても、ある程度整ったWebサイトが簡単に作成できます。

しかし、CMSの種類によって、機能や金額、セキュリティ性に違いがあるため、自社で解決したい課題は何か、事前に把握しておくことが大切です。自社に合ったCMS選びや導入の参考にしてください。


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この記事を書いた人

BeMARKE編集部
BeMARKE編集部

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