基本ノウハウ
Webサイトのリニューアルを検討しているものの、いつ行うべきなのか、どう進めるべきなのかが分からずお困りではないでしょうか。
Webサイトのリニューアルは大掛かりなものだと多くの費用や工数がかかるため、「実施しても思ったような成果が出なかった」といった結果は避けたいところです。失敗がないよう入念に準備し、慎重に進める必要があります。
本記事ではWebサイトのリニューアルを行うべきタイミングはいつか、また具体的な手順やWeb制作会社選びのポイントまで解説します。本記事を参考に効果的なサイトリニューアルの進め方を理解し、サイトリニューアルを実施すべきかの判断に活用してください。
サイトリニューアルとは、Webサイトのデザインやシステムを大きく作り直すことです。
Webサイトのトップページからヘッダー、フッター、システムそのものなど、サイトリニューアルはWebサイトの根幹に関わる仕組みやデザインの変更をともないます。一部のページを変更・追加することはサイトリニューアルとは呼ばず、「改修」や「更新」といった表現を用います。
サイトリニューアルは一般的に上図のような流れで進みます。サイトリニューアルを委託する場合は、業者によって「サイトリニューアルの工程のうちどこまでを依頼するのか」を明確にしておく必要があります。
サイトリニューアルはサイトをほぼ1からつくりかえることになるため、高額な費用がかかります。そのため、サイトリニューアルのタイミングは慎重に検討する必要があります。大まかな目安でいえば、自社の経営戦略において現状のWebサイトが障壁となる場合にはサイトリニューアルを検討すべきでしょう。
サイトリニューアルを検討すべきタイミングとして、具体的には下記が挙げられます。
企業がブランディングを進める上でサイトデザインとの不一致を感じた場合、またはリブランディング(ブランドを定義し直すこと)を行う場合は、サイトリニューアルの検討タイミングです。
ブランドは「ユーザーが該当の企業や製品を思い浮かべたときに抱くイメージ」を指します。企業の顔となるコーポレートサイトやサービスサイトであれば、ブランドイメージと一致したデザインにすることでユーザーの印象に残りやすくなり、ブランド力強化につながるでしょう。
具体的にはブランドのコンセプトに合わせた新しいキービジュアルやロゴ、カラー、フォント、アニメーションなどの動きのある要素を取り入れてサイトに統一感と独自性を出し、訴求力を高めます。
SEO対策は実施しているが成果が上がらずサイトの設計や構造自体に問題があると考えられる場合、サイトリニューアルの検討タイミングです。
SEO対策とは、多数のユーザーの流入を期待して自社サイトがGoogleなどの検索結果で上位に表示されるようさまざまな取り組みを行うことです。サイトリニューアルにより以下が実行されると、SEOに良い影響を与え、Webサイトの検索順位の上昇が期待できます。
設計から長い時間が経っているWebサイトは、事業の変化などにともないページを後から付け足していくことになり、結果として当初は想定していなかった複雑なサイト構造になってしまっている場合があります。こうしたWebサイトは、ユーザーにとってもクローラーにとっても巡回しづらく、Googleからの評価を下げる要因となるため、サイトリニューアルによって全体を設計し直す手段が検討されるでしょう。
ただし、サイトリニューアルをすれば必ずSEOが改善される訳ではなく、かえってGoogleからの評価を落としてしまう場合もあるため注意が必要です。
関連記事:「サイトリニューアルがSEOに与える影響とは?検索順位が下がるのを防ぐ11の注意点」
システムや構造上の問題でサイトを利用した際のユーザー体験が悪かったり、ユーザーが安心して利用できなかったりといった問題がある場合、サイトリニューアルの検討タイミングです。
具体的には下記のような状況が挙げられます。
ユーザーに安心してサイトを利用してもらうためにも、セキュリティ対策は必須です。安全性に問題があるなら即座に対応できる方法がないか確認し、現状のサイトで改善が難しいようならサイトリニューアルに着手しましょう。
またページの表示速度はユーザーの離脱率に大きく関わり、SEOにも影響するといわれています。ただし、サイトをリニューアルをするだけが表示速度を改善する方法ではないため、原因を調査した上で、必要があればサイトリニューアルを検討すると良いでしょう。
関連記事:「Webサイトのリスクに備えるセキュリティ対策とは?すぐできる8つの対策を解説」
WebサイトがPC表示にしか対応しておらずスマートフォンなどのデバイスでの表示に問題がある場合は、サイトリニューアルの検討タイミングです。
総務省の調査によると、世帯別に見たインターネットを利用する際の機器は「スマートフォン」の割合が90.2%と最も高く、次いで「パソコン」(73.9%)となっています。 この結果から見ても、多くの人はPCよりもスマートフォンからWebサイトを閲覧しています。
企業は業務にPCを利用している場合が多いものの、企業に所属する社員はモバイル端末を利用して日々の情報収集などに活用していると考えると、BtoC企業・BtoB企業問わず自社サイトのスマートフォン対応は顧客に良い印象を与えられるでしょう。
ただし、ターゲットである消費者がスマートフォンを主体で利用しているBtoC企業と違い、BtoB企業の場合はスマートフォン対応が必須という訳ではありません。例えばPCからの流入が9割のサイトである場合は、スマートフォン対応を行っても費用対効果が合わないケースもありえます。ユーザーの状況に合わせて対応を判断しましょう。
サイトリニューアルによるスマートフォン対応の具体例としては、画面サイズが異なるデバイス(PC・タブレット・スマートフォンなど)にレイアウトやデザインを自動で調節して表示するレスポンシブデザインを実装するなどが挙げられます。
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を導入していないためにWebサイトの更新にタイムラグや都度の費用が発生し、Webサイト運用の目的を達成する上で支障が出ている場合は、サイトリニューアルの検討タイミングです。
CMSは、HTML/CSSやJavaScriptなどの専門的な知識がなくとも、管理画面にログインすればサイト更新が簡単に行えるシステムです。多くの企業が更新作業の簡便化のためCMSを導入し、サイトの構築・運用を行っています。知識がなくWebサイトの更新を外部に委託していた企業であれば、CMSの導入によって更新作業を社内で完結できるようになり、スピーディーな更新と発注費の削減を実現できます。
関連記事:「CMS導入のメリットは?費用目安や導入手順・導入事例も解説」
サイトリニューアルを実施するには、多くの手順を踏む必要があります。どのような手順が必要なのか確認しましょう。
サイトリニューアルを検討する前に、経営戦略を整理しましょう。
サイトリニューアルは単独の施策として考えるのではなく、経営戦略に紐づいている必要があります。まず経営上の目的があって、その目的達成の手段にWebサイトやサイトリニューアルがあるからです。
経営戦略を整理する上では、サイトリニューアルがなぜ必要なのか、今リニューアルを行おうとしているWebサイトが戦略においてどのような役割を果たすのかを明確にします。こうした役割を明文化しておくことで、方針をぶれさせずサイトリニューアルを進めるためです。場合によっては戦略的に見て優先度が低く、サイトリニューアル自体を行わない選択肢もあるかもしれません。
Webサイトは大きく分けると下表のような種類があり、どのタイプのWebサイトのリニューアルを考えているかによって役割も変化します。自社にとっての位置付けを明文化しておきましょう。
Webサイトの種類 | 種類の説明 | 各種Webサイトの役割の例 |
---|---|---|
コーポレートサイト | 企業の看板となるサイト | 信頼の置ける企業であることをユーザーにアピールし認知拡大・ブランディングにつなげる |
サービスサイト | 製品・サービスの紹介に特化したサイト | ユーザーに自社の課題解決に役立つ製品・サービスであることを認知してもらい、商談・受注につなげる |
採用サイト | 採用情報を掲載するサイト | ユーザーに自社の魅力を知って「ここで働きたい」と思ってもらい、自社にマッチする人材の採用数を増やす |
ECサイト | 製品の販売を行うサイト | 製品・サービスを販売する |
オウンドメディア | 企業が保有するメディアサイト | ユーザーの集客、自社製品・サービスへの興味関心の育成とファン化を促し、将来的に受注につなげる |
例えば企業が「◯◯業界の新規顧客数を拡大」という経営戦略を取る場合、企業が保有するオウンドメディアは中長期的な取り組みの中で「◯◯業界のユーザーからの認知拡大・集客装置」といった役割を果たすと考えられます。サイトリニューアルは、この役割を果たす上で課題となっている部分を改善するために実施するのです。
また、コーポレートサイトのリニューアルについては下記の記事でも解説しています。
関連記事:「コーポレートサイトのリニューアルどうする?費用・期間・進め方まで徹底解説!」
経営戦略におけるサイトリニューアルの役割を明らかにしたら、サイトリニューアルによって達成したいKGI・KPIを設定します。具体的な要件や数値目標に落とし込みましょう。
Webサイトの種類 | KGIの例 | KPIに落とし込んだ例 |
---|---|---|
コーポレートサイト | 認知拡大により◯◯業界で第一想起される割合を◯%伸ばす | ・指名検索流入数◯件 ・問い合わせ数◯件 ・紹介系サイトからの被リンク◯件 |
サービスサイト | Webサイト経由の受注数を◯%伸ばす | ・資料請求/問い合わせ数◯件 ・商談数◯件 ・受注数◯件 |
採用サイト | 自社に適性がある社員の新規雇用を毎年◯名実現する | ・応募者人数◯人 ・採用◯人 ・入社後3年内の離職率◯%以下 |
ECサイト | 顧客単価の大きいユーザーのリピーターを◯%増やす | ・会員登録数◯件 ・リピーター数◯件 ・顧客単価◯円増加 |
オウンドメディア | 業界地位を確立し新規リード獲得・育成につなげ受注率を◯%伸ばす | ・PV/セッション数 ・リード獲得数◯件 ・被リンク獲得数◯件 ・ホットリード創出数◯件 |
経営戦略に基づいてKGIとKPIを設定できたら、これらの達成のために現状のWebサイトではどのような課題があるのか、自社の現状分析や競合他社分析を通して考えます。
Google Analytics 4やGoogleサーチコンソール、その他のWeb改善ツールなどを利用し、自社サイトのアクセス解析を実施します。訪問者の属性や行動の傾向を分析し、目標値と現状の数値の差分を見て、現状のサイトのどこに課題がありそうかを調査しましょう。
下記のような観点も課題の発見に役立ちます。
例えば「◯◯業界のユーザーからの認知拡大・集客装置」が役割のオウンドメディアを調査した場合、「サイトの構造上SEOで上位を取りづらく流入が少ない」などの課題が見つかるかもしれません。
こうした自社の現状分析に利用できるGoogle Analytics 4(GA4)については、下記の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:「これから始めるGA4の使い方!基礎・初期設定の手順・実践例まで解説」
Keywordmap(キーワードマップ)やAhrefs(エイチレフス)などの競合サイトの分析機能があるツールを利用して、競合サイトの分析を行います。直接的な競合サイトのみがユーザーを取り合う訳ではないため、ユーザーが必要な情報を探す際に訪れる可能性があるサイトも分析しましょう。
競合サイト分析は、下記の要素を自社サイトと比較することで課題の発見に役立ちます。
例えば「◯◯業界のユーザーからの認知拡大・集客装置」が役割のオウンドメディアと競合サイトを分析して比較した場合、「競合サイトの方が◯◯業界の情報サイトであるとトップページやコンテンツから分かりやすく、自社サイトは名称・コピーともに分かりづらい」「競合サイトにない自社サイトの強み・特徴を打ち出せていない」などの課題が見つかるかもしれません。
関連記事:「競合サイト分析チェック必須の7項目|流れから役立つ無料ツールまで解説」
こうして発見した課題に対しては、「SEOで成果が出やすいようにサイト設計をし直す」「◯◯業界向けのオウンドメディアであることをユーザーに印象づけるためブランドコンセプトとデザインを刷新する」などが解決策として考えられます。仮説立てた解決策は、その後の実施計画に反映させましょう。
KGI・KPIを設定できたら、サイトリニューアルをどのように実施するのかWebサイトの要件定義を作成します。
要件定義とは、サイトリニューアルの方針から完成後の仕様、計画までを具体的に定めることです。制作体制やスケジュールなども言語化して関係各所と共有し、サイトリニューアルに関わる社員や外部の制作会社が一貫したプロジェクトを進行できるようにする目的で作成します。
5W1H | 要件定義の例 |
---|---|
Why(なぜ) |
・Webサイト制作/リニューアルの背景や目的 ・現状分析の結果と抽出された課題など |
When(いつ) |
・制作/リニューアルの着手時期 ・Webサイトの公開時期など |
Where(どこで) |
・社内(担当部署) ・Web制作会社など |
Who(誰が) |
・担当者 ・チームメンバーなど |
What(何を) |
・機能 ・デザイン ・セキュリティなど |
How(どのように) |
・開発言語/プラットフォーム ・公開後の運用保守など |
要件定義については下記の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:「Webサイトの要件定義書に必要な9項目|進め方からテンプレートまで解説」
サイトリニューアルにおいては、既存コンテンツを整理し必要なコンテンツを修正・移行させる工程と、新規コンテンツを作成する工程が必要です。
既存コンテンツをリニューアル後にどうするのか、対応について整理しましょう。必要なコンテンツはリニューアル後も残す一方、不要なコンテンツを削除する、もしくは新規コンテンツに内容を統合するといった対応が考えられます。
既存コンテンツはExcelなどのツールを利用して一覧化し、重複コンテンツがないかを確認します。また各コンテンツの流入数・CV率などのアクセス解析結果や、ユーザーニーズを踏まえての重要度などを併記して、評価の基準を決めておくと良いでしょう。
ただし、コンテンツを削除しすぎるとSEOに大きく影響し、トラフィックが極端に減ってしまうおそれがあります。不要なコンテンツであるかどうかは慎重な検討が必要です。
既存コンテンツになく新規に作成する必要があるコンテンツを洗い出し、明確にします。必要なコンテンツの洗い出しにあたっては、ペルソナの設定・カスタマージャーニーマップの作成を行いましょう。
ペルソナとは、実際のデータに基づいて作り込んだ、自社製品・サービスを利用する架空の顧客像を指します。カスタマージャーニーマップは、ペルソナが製品・サービスを認知してから購入に至るまでの行動や心理の変化について可視化したマップです。
作成したカスタマージャーニーマップをもとに「ペルソナを次のステージへ進ませるために必要なコンテンツは何か」を考えるようにすると、新規コンテンツの案を出しやすいでしょう。
関連記事:「ペルソナの作り方とは?徹底解説【無料設定シートダウンロード】」
リニューアル後のサイトマップや構成を作成します。サイトマップを決める際には、ユーザーの行動の流れを意識し、「ユーザーにとって利用しやすいサイトであるか」を考えながら作成を進めましょう。
サイトマップができたら、デザインやどのようなページが必要なのか、具体的に決めていきます。Webサイトの制作のプロセスに入ると、デザイン変更や構成変更は難しくなるため、注意が必要です。
関連記事:「成果につながるWebサイト構成とは?作成手順とおすすめツールまで紹介!」
ワイヤーフレームとデザインを作成します。ワイヤーフレームは画像や文章の配置などを決める図面です。ユーザーにとって情報が伝わりやすいレイアウトは何か、ユーザーが次の行動を起こしやすいリンクやボタンの配置になっているかなど、UX(ユーザー体験)への影響も含めて最適なレイアウトを検討する必要があります。
また、Webサイトをどのようなデザインにするかはブランドイメージを構築する上で重要です。Webサイトリニューアルの目的に応じて、ターゲットへ訴求できるデザインにしましょう。
関連記事:「優れたUIデザインを実現するには?作り方から勉強に役立つ本・参考サイトも解説」
ここまでのプロセスで定めた内容に基づいてWebサイトのコーディングを実施し、テストなどを行って運用に問題がなさそうか確認できしだい、公開作業に移ります。
コーディングの過程では、作成したいページに合わせて原稿や画像などの素材が必要になります。スムーズに作業を進めるためには、必要なものを洗い出し、あらかじめ整理しておかなければなりません。素材の準備でリニューアル作業が停滞しないよう、前々から用意しておきましょう。
また、リニューアルが完了したら一度下記の事項を確認し、問題がないか確認しましょう。
分類 | 確認内容の例 |
---|---|
デザイン |
・テキストの誤字・脱字・表記ゆれがないか ・指示通りのデザインになっているか |
コーディング |
・リンク切れや間違いがないか ・各端末やブラウザで正しく表示されているか ・リダイレクト設定がされているか ・404エラーページが設定されているか |
SEO |
・title、descriptionなどタグが設定されているか ・xmlサイトマップが設定されているか ・GA4などの解析ツールのタグを設定しているか ・Googleのクローリング・インデックスを許可する設定にしているか |
セキュリティ | ・SSLで暗号化通信ができているか |
サイトリニューアルが完了したら、サイトリニューアルの効果を最大化させるために下記に取り組みましょう。
サイトリニューアルが完了したら、「サイトリニューアルを実施したこと」を告知しましょう。告知方法としては、リニューアル後のサイト内告知、SNS、メール、プレスリリースなどがあります。
告知によって、自社サイトを利用していた既存ユーザーにサイトデザインの変更を伝えられるため、訪問時に「違うサイトに入ってしまった」と誤解を招いてブラウザバックされるような状況を回避できます。また、サイトリニューアルがニュースとして拡散されれば、認知の拡大や新規ユーザーの獲得が期待できるでしょう。
サイトリニューアル後、Webサイトの効果測定・改善を行いましょう。Webサイトはリニューアルして終わりではなく、作った後も成果を測りながらコンテンツづくりを進めるなどの継続的な運用が欠かせません。
リニューアル後は1カ月後をめどに効果測定を行います。アクセス数など事前に決めた数値目標をどの程度達成できているのかを確認しましょう。想定通りの成果が出ていない場合には、原因分析と改善を実施し、目標達成まで改善を繰り返します。
関連記事:「サイト改善のチェックポイント7選!課題別の方法から成功事例まで解説」
サイトリニューアルの費用は、Webサイトの規模やWebサイトのシステム、設計にかかる工数、外注先などによって大きく変わります。あくまで目安ですが、どの程度の金額が必要であるか押さえておきましょう。
サイトリニューアルは、20ページ程度の企業サイトでも100万円~数百万円程度の費用を見込む必要があります。
見た目のデザインを整えるだけであればそれほど高額にはなりませんが、CMSなどを導入しサイト構成全体を見直す場合には同様に数百万円規模の予算が必要になるでしょう。
サイトリニューアルにかかる費用の内訳は、主に下表のようになっています。
費用 | 内容 |
---|---|
ディレクション費 |
プロジェクトの管理、スケジュール調整や交渉など ディレクターの稼働日数で費用が決まるケースもある |
サイト設計費 | キーワードリサーチ、SEO対策にも対応したサイト設計など |
デザイン費 |
ブランディングに合わせたWebサイトのデザインなど トップページは10万円、その他のページは数万円程度かかるケースもある |
コンテンツライティング費 |
記事などのコンテンツ制作費 1記事あたり数万円程度、取材や写真撮影が入る場合は10万円を超える場合もある |
コーディング費 |
HTMLコーディングやCMSの構築など コーディングは1ページあたり1万円~数万円程度、CMS構築は10~数十万円程度かかる |
テスト費 | 複数のデバイスやブラウザで表示崩れなどがないか検証する |
また、サイトリニューアルを実施すれば終わりではなく、サイトリニューアル後もSEO対策費やコンテンツ制作費、有料のサービスを利用していればその月額料金などのランニングコストが発生します。費用を抑えるためには、複数企業から見積を取る、リニューアルに必要となる素材はなるべく自社から提供するなどの工夫が必要です。
社内にエンジニアやデザイナーがそろっておりサイトリニューアルを自社で実施できる企業でなければ、外注が必要です。また、社内に人材がそろっていたとしても、サイトリニューアルやSEOに関するノウハウがない場合は成果を上げることが難しいため、同様に外注をおすすめします。
外注先となるWeb制作会社の選定においては、下記を必ず確認するようにします。
このほか、制作会社を選ぶ上で押さえておきたいポイントを確認しておきましょう。
サイトリニューアルは自社が抱える課題解決のために実施するため、適切な課題解決の提案を行ってくれる制作会社であるか、またその実行能力がある会社であるかを確認しましょう。
例えば、サイトリニューアルの業務を請け負う個人事務所やフリーランスは多く存在します。費用自体は安く済む傾向があるものの、特に規模の大きいWebサイトのリニューアルであれば、リソース不足により制作の遅延などのトラブルが発生する可能性も大きくなります。Web制作会社の専門性、人的リソース、制作期間の目安などの情報を事前に仕入れておき、対応に不安がないか確認すると良いでしょう。
サイトリニューアルの内容に対して、費用が適切かどうかも確認しましょう。リニューアルは費用だけで選ぶと必要な改善が入っていないなどの問題が起こりやすいため、対応してもらえる内容を具体化した上で比較検討することが大切です。
自社で費用が適切かどうかの判断が難しい場合には、複数の会社から相見積もりをとっての比較がおすすめです。
サイトリニューアルを依頼すると一口にいっても、会社によって支援内容や範囲、得意分野が異なるため、自社の依頼にフィットする会社であるか実績を見て確認しましょう。
サイト設計においてSEOの領域に強みを持つ制作会社もあれば、クリエイティブやキャッチコピーにセンスがありブランディングを高めるサイト構築に強みを持つ制作会社もあります。主にどのような種類のサイトについてリニューアルを行ってきたのか、これまで請け負ったリニューアル件数はどれくらいかなど、過去の制作実績を確認することでWeb制作会社の得意・不得意を判断しやすくなります。
特に自社と同業種の制作実績が豊富かどうかは確認しましょう。同業種の制作実績があればその業界特有の特徴に合わせた提案をもらえる可能性が高くなります。
サイトリニューアルは一定以上の予算や時間がかかり、失敗すると大きな損失になります。ここでは、失敗の要因となるものは何かを解説します。
サイトリニューアル失敗の要因として、目的があいまいになっていることが挙げられます。サイトリニューアルはあくまで経営上の目的達成のために実行する「手段」に過ぎないため、目的が明確でなければ手段も具体化しづらくなるのです。
「デザインが古いためコーポレートサイトをリニューアルをしたい」といった考えから、目的を明確にせずリニューアルを進めてしまうケースがあります。しかし、こうしたケースでは「誰に何を届けるためのサイトなのか」の部分もあいまいなままで、サイト全体を通しての一貫性や主張もなく、見た目を整えただけで訴求力のないWebサイトになってしまいます。
リニューアル前に目的を深く掘り下げていれば、「自社のターゲットである◯◯業界の役職者から認知・信頼を獲得する」といったリニューアルのゴールを明確化し、「◯◯業界の人に刺さるデザイン・文言」を中心とした設計によって大きな成果が期待できたかもしれません。
サイトリニューアルは目的達成の手段であることを忘れず、目的は必ず明確にするようにしましょう。また、一度決めた目的や課題がズレないように注意が必要です。
サイトリニューアルの失敗の要因として、リニューアルが完了しただけで満足してしまい、その後の対策を取っていないことが挙げられます。サイトリニューアルは制作して終わりではなく、その後の運用や管理が大切です。継続的なコンテンツ作成や、アクセス解析などによる効果測定・改善を進めなければ、サイトリニューアルの目的は達成できません。
日々の運用体制の整備はもちろん、リニューアルでCMSの導入など大きなシステム変更があった場合は、スムーズな運用ができるように担当者へのレクチャーを実施しましょう。また、リソースなどの問題から自社のみの運用が難しい場合には、その後の運用も含めて制作会社や代行会社に依頼するなどの選択肢もあります。
サイトリニューアルの失敗の要因として、制作会社に多くを丸投げしてしまい、自社がプロジェクトに主体的に関われていないことが挙げられます。
Web制作会社はWebの技術的な部分については専門家ですが、自社の業界・業種に関する専門的な知識や、製品・サービスの詳しい情報、自社がターゲットにしているユーザー層についての情報は保有していません。制作会社に作業を委ねたきりになると、経営戦略にそぐわないサイトリニューアルとなり、目的が達成できないおそれがあります。
制作会社と情報を共有した上で、判断がつかない部分については制作会社に相談する形を取り、進行の意思決定は自社が主体となって行うようにしましょう。
サイトリニューアルの失敗の要因として、施策の責任者や決裁権を決めていなかった場合が挙げられます。責任者が明確になっていないと、個々の意見によって進行が左右され、なかなかサイトリニューアルに着手できなかったり、上司の見解で一度決まった内容が変えられたりといったトラブルが起きる可能性があるのです。
また、制作会社との話し合いで議題が上がるたび、上司に逐一確認を必要とするような状況だと、どうしてもプロジェクトの進みは遅くなります。サイトリニューアルを行うのであれば責任者を定めて、責任者にある程度の決裁権をもたせて円滑に進められるようにしましょう。
本記事ではWebサイトリニューアルのタイミングや手順、制作会社の選定ポイントについて解説しました。Webサイトのリニューアルは、マーケティング戦略の1つであり、全体の位置付けを明確にしてから進めることが大切です。制作して終わりではなく、その後の運用も合わせて考える必要があります。
そのため事前にWebサイトリニューアルの目的や課題を把握した上で、自社に合った制作会社を選ぶことが大切です。