基本ノウハウ
Webサイトのリニューアルをしたいと思いつつも、どう進めるべきか分からずお困りではないでしょうか。Webサイトのリニューアルは大掛かりなものだと費用もかかるため、慎重に進める必要があります。
本記事ではWebサイトのリニューアル手順や失敗の要因、Web制作会社選びのポイントまで解説します。
サイトリニューアルとは、どのようなものなのか、まずは目的や定義を知っておくことが大切です。
サイトリニューアルの明確な定義はありませんが、Webサイトのデザインやシステムを大きくつくり直すことです。
Webサイトのフッターやヘッダーなどのつくりなど、Webサイトの根幹に関わる仕組みやデザインの変更をともなうことが多いでしょう。
サイトリニューアルの目的はさまざまですが、以下のものが考えられます。
目的はさまざまですが、Webサイトで新規顧客の獲得などを通して、売上などの成果につなげるために行います。
サイトリニューアルはサイトをほぼ1からつくりかえることになるため、高額な費用がかかります。そのため、サイトリニューアルのタイミングは慎重な検討が必要です。大まかな目安でいえば、マーケティング戦略とズレが起きたときがやるべきタイミングが挙げられます。
そのようなズレが生じやすい要因について、それぞれ簡単に解説します。
Webサイトのデザインに古さを感じられる場合には、検討すべきタイミングかもしれません。Webサイトのデザインにははやり廃りもありますが、3〜5年以上経過している場合、古さを感じることも考えられます。
デザインに古さを感じることで、企業の信頼感を損なうこともあるでしょう。特に競合他社と比べて目に見えて、デザインの古さを感じられる場合には、影響が大きくなるかもしれません。
サイトリニューアルを通して、Webサイトのユーザーは好印象を持ちやすくなり、ブランディング効果が期待できます。
Webサイトは継続して運用し続けることで、サイトの構造が複雑になることがあります。WebサイトでSEO対策をするために、記事を増やしていった結果、記事が整理できなくなり、ユーザーが欲しい情報にアクセスしにくくなるなどの問題が考えられるためです。Webサイトが複雑になることで、サイトの離脱率は高まりやすくなります。
一般的には「ユーザーが3クリックまでに欲しい情報にたどり着ける」ことが良いとされています。そのため、コンテンツが多くなり、管理しきれなくなったタイミングで、サイトリニューアルを検討しましょう。
最新のブラウザに対応できていない場合、サイトリニューアルを検討しましょう。Webサイトを見るためのブラウザには、Google ChromeやSafari、Edgeなどがありますが、これらのブラウザは定期的にアップデートされます。
最新のブラウザで、サイト内の表示に問題が見られるようになったら、リニューアルを検討すべきタイミングといえるでしょう。
ページの表示速度が遅い場合、サイトリニューアルが必要な場合があります。ページの表示速度はユーザーの離脱率に大きく関わる数字です。Webサイトの内容がどれほどよくても、表示速度が遅く閲覧されないと意味がありません。
ただし、サイトをリニューアルをするだけが表示速度を改善する方法ではありません。そのため、原因を調査した上で、必要があれば、サイトリニューアルを検討しましょう。
スマホ対応が十分にできていない場合、レスポンシブデザインを導入したサイトリニューアルを検討しましょう。レスポンシブデザインとは、スマホとパソコン両方に対応したデザインのことです。
Webサイトをスマホで読む方の割合は年々増加傾向にあり、離脱率にも影響します。
サイトリニューアルは大掛かりなため、さまざまな手順を踏む必要があります。
それぞれ、自社でやるべきものと、Webサイト制作会社で対応すべきものに分けられます。そのため、自社でのみやる場合でなければ、どこまで自社でやるべきなのか、把握しておくことが大切です。
サイトリニューアルがなぜ必要なのか、マーケティング戦略全体から考えることが大切です。マーケティング戦略として、顧客の動きをイメージし、どのような関係構築をするのか考える必要があります。
マーケティング戦略の全体像が見えれば、Webサイトをどのような位置付けにあるのか、サイトリニューアルの必要性がどの程度あるか、判断しやすくなるでしょう。
サイトリニューアルで新しくつくるWebサイトの目的を明確にしましょう。集客や、業務改善など、大まかな目的はマーケティング戦略である程度決まります。しかしこのプロセスでは、数字目標や具体的な要件にまで落とし込むことが必要です。例えば以下のような目標が考えられます。
マーケティング戦略や目的、必要となる売上から、目標を決定しましょう。
現状のWebサイトではどのような課題があるのかや、競合他社の状態の分析を行います。さまざまな観点から、比較できますが、以下のような観点から考えてみると良いでしょう。
これらの観点から考えると、課題を把握しやすいでしょう。
Webサイト目標や改善すべき内容が明確になったら、要件定義を作成します。要件定義とは、サイトリニューアルで必要となる内容や、リニューアルで改善すべき内容を具体的に定めることです。
要件定義を明確にすることで、Webサイト制作会社が自社の抱えている悩みをより正確に把握し、自社の課題に合わせた提案をしやすくなります。
大まかなサイトマップや構成をWebサイト制作会社が作成していきます。サイトマップを決める際には、ユーザーの行動の流れに沿った形で作成を進めることが大切です。
サイトマップができたら、デザインやどのようなページが必要なのか、具体的に決めていきます。Webサイトの制作のプロセスに入ると、デザイン変更や構成変更は難しくなるため、注意が必要です。
ここまでのプロセスで決めた内容に基づいて、デザインの設定やWebサイトのコンテンツ作成、コーディングなどを行います。
作成したいページに合わせて、原稿や写真が必要になることもあります。そのため、スムーズに進めるためには、必要なものを把握し、余裕を持って準備することが大切です。
サイトリニューアルが完了後に、会社がやるべきことも多々あります。サイトリニューアルの効果を最大化させるためには、あらかじめ対応内容を把握しておくことが大切です。
サイトリニューアルが完了したら、サイトリニューアルの告知をしましょう。サイトのデザインが急に変わると、「見るサイトを間違えた」となる方も出てしまうため、サイトリニューアル前と後の両方でしっかり伝えましょう。
リニューアル前のサイトの告知や、SNS、メールなどの手段があります。
Webサイトの内容を事前に確認し、自社の要望が抜け漏れなく反映されているかどうか確認しましょう。
また必要なページにスムーズにアクセスできるか、表示速度に問題がないかなども事前に確認しておきます。
サイトリニューアル後、Webサイトの運用や効果測定をしましょう。Webサイトは作って終わりではなく、作った後のコンテンツづくりなどの運用が欠かせません。
またリニューアル後1ヶ月後を目安に、効果測定をします。アクセス数など事前に決めた目標をどの程度達成しているのかを確認しましょう。思ったような効果が出ていない場合には、原因分析と改善を実施し、目標達成まで改善を繰り返します。
サイトリニューアルの相場は、Webサイトの規模やWebサイトの内容で大きく変わります。見た目のデザインだけであれば、そこまで高額にはなりません。しかしブランディングなどを意識し、サイト構成全体を見直す場合には、数100万円規模の予算が必要です。
正確な言及は困難ですが、大まかには、15ページ程度の小規模な企業サイトでも300万円程度かかることが多いでしょう。
Webサイト制作会社はさまざまな会社がありますが、失敗しないためには、適切な制作会社選びが大切です。ここでは、失敗しない制作会社を選ぶポイントを解説します。
Web制作会社を選ぶ際のポイントは、制作会社の提案内容が自社の課題に合った内容になっているかどうかです。提案内容が自社の課題に合っていない場合、リニューアルの効果が発揮されず、費用に見合った効果が得られません。
制作会社の提案が間違う例としては、問い合わせ件数をアップさせたいのにデザインにばかりこだわり、Webサイトの動線がそこまで改善しないなどの事例が考えられます。
そのような事態を回避するためにも、自社の課題やサイトリニューアルの目的を確認しておき、提案内容が適切かどうか判断できるように準備しましょう。
サイトリニューアルの内容に対して、費用が適切かどうかも検討しましょう。また、リニューアルは費用だけで選ぶと必要な改善が入っていないなどの問題が起こりやすいため、内容を比較検討した上で選ぶことが大切です。
自社で費用が適切かどうかの判断が難しい場合には、複数の会社から相見積もりをとって検証するのがおすすめです。
Web制作会社を決める際には制作実績を確認しましょう。Webサイトのリニューアル件数や、過去の制作実績から、Web制作会社の得意不得意を判断しやすくなります。
特に自社と同業種の制作実績が豊富かどうかは確認しましょう。同業種の制作実績があればその業界特有の特徴に合わせた提案をもらえる可能性が高まります。
サイトリニューアルは一定以上の予算や時間がかかり、失敗すると大きな損失になります。ここでは、失敗の要因となるものは何か、解説します。
サイトリニューアル失敗の要因となるのは、目的の曖昧さです。サイトリニューアルの目的は事前に会社が考えるべきことであり、目的や現状の課題を明確にする必要があります。失敗する可能性が高い会社では「見た目が古いためリニューアルをしたい」など、改善の目的が明確ではない指示も少なくありません。
目的や課題が曖昧なままの場合、Web制作会社もどのようなWebサイトをつくるべきか的確に判断できなくなります。その結果、見た目だけかっこよくなったものの、実際の課題にマッチしないサイトリニューアルになってしまうというのがよくある失敗事例です。
また一度決めた目的や課題は、ブレてしまわないよう注意しましょう。専門家から、魅力的な提案があると、その方向に心が揺れてしまいがちです。しかしどれほど魅力的でも、当初の目的にマッチしないものは導入しない方が良いでしょう。
サイトリニューアルはつくって終わりではなく、その後の運用や管理が大切です。サイトリニューアルをすることを事前と事後に伝え、制作後のコンテンツ作成にも力を入れましょう。
自社でのみの運用が難しい場合には、その後の運用も含めてお願いできないか、相談してみることも選択肢です。
サイトリニューアルは責任者や決裁権について、決めておくことが大切です。責任者が曖昧になると、目的や課題がブレやすくなり、成果につながらないWebサイトになってしまいやすくなります。
例えばすべての工程において「社長や上司に問題がないか確認しないといけない」というような場合、決定が進まなくなる、一度決まったはずの決定が変わってしまうなどの問題が起こりがちです。そのためサイトリニューアルの責任者を決め、その方にはある程度の決裁権をもたせるようにしましょう。
本記事ではWebサイトリニューアルの手順や失敗の要因について解説しました。Webサイトのリニューアルは、マーケティング戦略の1つであり、全体の位置付けを明確にしてから進めることが大切です。制作して終わりではなく、その後の運用も合わせて考える必要があります。
そのため事前にWebサイトリニューアルの目的や課題を把握した上で、自社に合った制作会社を選ぶことが大切です。
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