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BtoBマーケティングの手法35選!課題に合わせた活用方法も紹介

BtoBマーケティングの手法35選!課題に合わせた活用方法も紹介

BtoBマーケティングでは、成果を出すためにさまざまな施策を行います。マーケティング担当者になって間もない方にとっては、「どのような手法があるのか」「成果を出すための良い手法を知りたい」というお悩みを持つ方もいるでしょう。

本記事ではBtoBマーケティングの基本プロセスに沿ってBtoBマーケティングの手法35選とそれぞれの特徴を解説します。事例ごとのおすすめ手法もあわせて紹介していますので、ぜひ手法選定の参考にしてみてください。

目次

1.BtoBマーケティングの手法を探す前に押さえるべき基本のプロセス

BtoBマーケティングの具体的な手法を紹介する前に、BtoBマーケティングのプロセスについて解説します。

BtoBマーケティングの特徴

BtoBビジネスは法人を対象としたビジネスゆえ、製品・サービスの単価が高く、購入に至るまでに複数人が関わるため意思決定が長いことが特徴です。そのため高品質な製品やサービスを提供するだけでなく、効率の良い商談の創出や営業組織の仕組み化を目指す取り組みが必要です。

BtoBマーケティングにおいては、見込み顧客への製品・サービスの認知度向上の施策から、受注後も継続利用してもらうための施策まで、各プロセスの成果を高めるためにさまざまな手法が用いられます。

BtoBマーケティングについて詳しい説明、全体像については以下の記事も参考にしてください。

関連記事:BtoBマーケティングって何するの?注目される背景や基本の流れを解説

BtoBマーケティングの購買プロセス

BtoBマーケティングに限らず顧客の購買プロセスは、認知→興味・関心→比較・検討→購入→継続の5つのフェーズで表せます。フェーズを経るごとに徐々にその行動を取る人数が少なくなることから、購買までのフェーズと人数を可視化したファネルで表されます。

ファネルの図

BtoBマーケティングの手法を選定する際は、このプロセスのどこに課題を抱えているのか把握、分析する必要があります。

購買プロセスについて、詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。

関連記事:ファネルとは?BtoBマーケティングでの活用方法を解説

BtoBマーケティングの5つの基本プロセス

BtoBマーケティングの基本プロセスは、顧客の購買プロセスに沿って、①広報・ブランディング、②リード獲得、③リード育成・絞り込み、④商談・受注、⑤カスタマーサクセスの5つのステップで進めていきます。

BtoBマーケティングの基本のプロセス
BtoBマーケティングの基本のプロセス

より多くの顧客が次のプロセスへ進むように、一連の流れを充実させる必要があります。BtoBマーケティングの手法は各ステップの目的を達成するための手段です。

各ステップの目的については、下の表を参考にしてください。

ステップ目的
広報・ブランディングニーズが顕在化していない潜在層に、自社や製品・サービスの存在を知ってもらい、好感を持ってもらう
リード獲得新規の見込み顧客の情報を獲得する
リード育成・絞り込みニーズが顕在化していない見込み顧客にアプローチを続け、顕在化した際に想起してもらうよう関係性を維持する
商談・受注ニーズの顕在化した顧客にアポを取り、商談を行い、受注につなげる
カスタマーサクセス受注後の顧客満足度を高め、LTVを最大化する

2.BtoBマーケティングの手法35選

5つのマーケティングプロセスごとの手法を紹介します。自社で扱う製品・サービスの特徴、マーケティング課題を踏まえて手法選定の参考にしてみてください。

マーケティング手法一覧

広報・ブランディングの手法8選

BtoBマーケティングでは、一般的な知名度よりターゲット市場において認知度と信頼度を上げ、潜在層のニーズが顕在化した際に第一想起されることを目指します。自社の認知度が低いことに課題のある企業は広報・ブランディングに注力しましょう。

【1】プレスリリースを出す

プレスリリースは自社の新製品などの情報をメディアや業界関係者に向けて発信する手法です。企業のブランド認知度を向上させ、業界や顧客に対して存在感をアピールします。

メディアの注目を集め、他媒体で取り上げられることで広く情報が拡散されます。企業の信頼性を構築し、業界での地位向上が期待できるでしょう。

多くの見込み顧客の認知を獲得したい、自社製品・サービスの認知向上を図りたい、企業の信頼感を上げたい場合におすすめです。

関連記事:【ポイントは6つ!】プレスリリースの書き方は?具体例や掲載されるコツまで紹介!

【2】ディスプレイ広告を出す

ディスプレイ広告はWebサイトやアプリ内で広告を表示する手法です。ターゲティングオプションがあり、特定の年齢層や興味関心に基づいて広告を配信できます。

ディスプレイ広告は表示回数、クリック数、コンバージョン率を収集し、広告キャンペーンの効果を評価できます。リターゲティングにも活用でき、Webサイトやアプリを訪れた顧客に対して、再度広告を表示しブランド認知度を向上させます。

自社製品・サービスの認知度が低いが、オウンドメディアなどの知名度獲得の手段を持っていない場合におすすめです。

関連記事:Web広告の7種類を解説 基礎知識や選定ポイントも紹介

【3】オウンドメディアで注目を集める

企業が自社で所有・運営するオウンドメディアでユーザーに対して情報や知識を提供し、認知度を高める手法です。ユーザーの悩みや問題を解決できるお役立ち情報を伝え、その解決に自社製品やサービスが役立つことを伝える形で運用します。ユーザーにとって気づきの多い有益なコンテンツを配信できれば、認知度の向上以外に、リード獲得や育成にも力を発揮する手法です。

オウンドメディアはSEO対策を行うことで、検索エンジンでの順位が上がり流入増加が見込めます。一方で成果が出るまで時間がかかるため、長期的にコンテンツを制作していく必要があります。

ターゲットとなる顧客が課題解決のために検索を行うなどWebでの訴求が有効な企業で、長期的な計画が可能であり大きな成果を求める場合におすすめです。

関連記事:オウンドメディアの意味とは?運用事例や成功のポイントまで解説

【4】ソーシャルメディアのアカウントを運用する

ソーシャルメディアの運用により、製品・サービスの認知向上を図る手法です。発信情報やターゲットを絞って運用し、企業のブランディングや、潜在顧客から顕在顧客の育成にもつなげます。

また、企業のWebサイトやオウンドメディアへの流入を促して集客数を伸ばし、リード獲得増加にもつなげられます。BtoB企業の場合、公式アカウントよりも代表や社員個人のアカウント、またはインフルエンサーによる情報発信の方が顧客との積極的なコミュニケーションを生み、拡散につながる場合が多くあります。

ターゲットとなる顧客層がソーシャルメディアを利用している、または定期的な情報発信を担う適正のある社員が社内にいる場合におすすめです。

関連記事:BtoB企業こそSNS活用を!顧客のLTV向上を実現するSNSマーケティング戦略とは【セミナーレポート】

【5】ソーシャルメディア広告を出す

Facebook、X(旧:Twitter)、Instagramなどのソーシャルメディア上にWeb広告を展開する手法です。キャンペーンやお役立ち情報へ誘導し、企業・サービスの認知度の向上だけでなく、リード獲得にもつなげられます。

特にFacebookは属性情報を登録しているビジネスユーザーや中高年層の利用が多いため、BtoBマーケティングでは情報を届けやすいソーシャルメディアの1つです。またFacebookはInstagramやMessengerなど関連アプリ/サービスに出稿でき、ターゲティング精度に優れています。

ターゲットとなる顧客層がソーシャルメディアを利用しており、自社製品・サービスの認知が低い場合におすすめです。

関連記事:SNS広告とは?特徴や実施のメリットを徹底解説

【6】オフライン・マス広告を出す

テレビ・新聞・ラジオ・雑誌のマス広告や、電車・タクシー内に掲示するオフライン広告を出し、広範囲から認知を得る手法です。Webでは訴求できない業界に対して、潜在層も含めて広く届けられます。

公共性の高いメディアの利用で、知名度、信頼感を高められます。一方、Web広告に比べ広告費用が高額になるケースがあります。

ターゲット範囲が広く、CMにより多くの見込み顧客からの認知が期待でき、Webが中心ではない業界におすすめです。

【7】外部メディアに出稿・寄稿する

外部メディアへ記事広告・メルマガ広告の出稿、または記事の寄稿により認知度を向上させる手法です。出稿先、寄稿先の顧客にリーチできるため、自社だけではアプローチできない顧客に自社の情報を届けられます。

ドメインパワーの高いサイトや自社のターゲット層に近い顧客を多く持つメディアへの出稿は、潜在層からの認知を拡大できます。外部メディアへの出稿・寄稿は自社サイトへの被リンクも獲得しやすく、SEOにも良い影響が見込めるため、Webサイトからの集客数増加が期待できるでしょう。

自社製品・サービスの認知度が低く、自社で保有する顧客リストが少ない場合、出稿を検討するメディアのユーザーが自社のターゲット層に近い場合におすすめです。

【8】ブログを執筆する

ブログ執筆は、自社の情報や伝えたいメッセージを好きなタイミングで自由に発信し、潜在顧客の認知度や信頼度の向上をねらう手法です。成果を上げるためには、ターゲット顧客が頻繁に検索するキーワードを選定するなどして、記事の露出を増やす必要があります。

ブログとオウンドメディアは文章主体のコンテンツを継続的に発信するケースが多い点で似ていますが、オウンドメディアはユーザーの問題解決に焦点を当てるのに対し、ブログは自社が伝えたい情報の発信自体に重点を置いているという違いがあります。

ブログはオウンドメディアほど戦略を持って取り組むケースは少なく、大きな成果を上げるのは難しいものの、設定するテーマや書く内容などは比較的自由度が高く低コストで運用できます。自社の状況やターゲットにあわせて使い分けると良いでしょう。

リード獲得の手法11選

新規の見込み顧客を獲得するには、企業から見込み顧客にアプローチするアウトバウンド施策と見込み顧客から企業にアプローチしてもらうインバウンド施策の大きく2パターンあります。自社のターゲット層はどちらの施策が有効か見極めて手法を選定します。保有リードが少なく、新規リードを獲得できていない企業はリード獲得に注力しましょう。

【9】リスティング広告を出す

リスティング広告は検索エンジンの検索結果の上部に表示されるテキスト広告です。特定のキーワードや条件に関連する製品・サービスが表示されるため、興味関心の強い顕在層にアプローチできる手法です。

広告がクリックされたタイミングにのみ費用が発生するクリック課金制で、広告を表示するキーワードを入札し出稿します。広告のクリック数、表示回数、コンバージョン率の情報が収集でき、成果を出すための定期的な検証・改善を行えます。

自社サイトへの流入やコンバージョンが少なく、短期間で成果を出したい場合におすすめです。

関連記事:【簡単5ステップ】リスティング広告のキーワード選定手順|注意点からツールまで解説

【10】ランディングページを公開する

ランディングページはサイトに訪問した見込み顧客に対し、資料請求やお問い合わせなどの特定のアクションを促す手法です。外部へ遷移せずに訪問者が目的を達成できるよう、製品・サービスの特徴を1ページ完結でまとめます。そのためページの改善点が見つけやすくPDCAを回しやすい点に特徴があります。

製品・サービスの魅力を伝えやすく、コンバージョンに誘導しやすいため、リード獲得に効果的です。

Webページからのコンバージョン率を高めたい、資料ダウンロードなどによりリード獲得を増やしたい場合におすすめです。

関連記事:ランディングページとは?特徴や制作メリット・留意点を解説

【11】ホワイトペーパーを公開する

ホワイトペーパーは、自社が持つノウハウや独自の調査レポート、顧客の課題解決策を提供するための資料です。Webページで顧客情報と引き換えにダウンロード可能とすることで、リードを獲得できる手法です。

顧客にとって有益な情報やノウハウをまとめたホワイトペーパーは、問い合わせや資料請求よりも気軽にユーザーにダウンロードしてもらいやすく、ニーズに沿った内容にすれば多くのリード獲得が期待できます。またメールやウェビナー参加者に配信し、リード育成にも活用できます。

Webサイトに一定の集客はあるものの、問い合わせや資料請求が少なく、Webからのリード獲得を増やしたい場合におすすめです。

関連記事:ホワイトペーパーとは?目的・テーマ・制作手順を解説

【12】展示会に参加する

展示会に出展または参加することで、顧客と名刺交換をし新規リードを獲得する手法です。

展示会では顧客と直接対話ができるため、Webのみでは伝えにくい商材の良さについても現物を持って伝えられます。他にも、市場のトレンドを理解し、競合他社の戦略を視察する良い機会でもあります。

自社が有形商材を扱っている場合や、ターゲットとしている層が展示会に参加しており一度に大量のリードを獲得したい場合などにおすすめです。

関連記事:イベントマーケティングとは?BtoB企業が陥りやすい課題と解決策を紹介

【13】ダイレクトメールを送る

ダイレクトメールは見込み顧客や既存の顧客に対して、個別にメッセージを送るマーケティング手法です。リード獲得においては、ターゲット企業に紙DMやメールを通じてパンフレットやセミナー・イベントの申込書を送付し、資料請求や申し込みを促します。

ダイレクトメールは開封率が高く、費用対効果が高い特徴があります。例えば特典やトライアルなどのお得情報によって、問い合わせやWebでの検索といった行動を促せます。

顧客のエンゲージメントを維持したい、特定の製品・サービスへの関心を喚起したい場合におすすめです。

【14】セミナーやイベントを主催する

オフラインやオンラインでセミナーやイベントを開催し、自社製品・サービスを広く認知してもらうための手法です。自社製品に関連性の高いテーマを設定したり、自社のノウハウを共有したりすることで集客を図り、参加者のリード情報を獲得します。

また、セミナーやイベントの共催も効果的です。著名人や業界人を講師に招くことで、新たなビジネスチャンスの創出や、信頼性の向上、業界における地位確立が期待できます。いずれも商談よりも気軽に参加でき、リード獲得だけでなく育成も期待できるでしょう。

オンラインのセミナー(ウェビナー)の場合は、開催後もコンテンツを有効活用できます。例えば、アーカイブを動画コンテンツとして再利用したり、内容をホワイトペーパーに活用したりすると、少ないコストでリード獲得のためのコンテンツを作成できるメリットがあります。Webでの訴求があり、リード獲得のためのコンテンツを増やしていきたい場合におすすめです。

関連記事:イベントマーケティングとは?BtoB企業が陥りやすい課題と解決策を紹介

【15】自社の紹介を依頼する(リファラル)

リファラルとは、自社の顧客やパートナー企業に協力してもらい、自社製品・サービスと親和性が高そうな他の見込み顧客を紹介してもらうリード獲得の手法です。

紹介が成立した際にマージンや謝礼を支払う成果報酬の形式が多く、顧客やパートナー企業が紹介を行う動機付けにもなります。知人などからの紹介は信頼感を持たれやすく、ニーズが顕在化した見込み顧客の紹介のために受注に直結しやすく、顧客獲得にかかるコストを削減できます。

具体的なアプローチ法としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 顧客経由紹介:既存顧客に新サービス・機能を紹介してもらうことで、信頼性や説得力を高められる
  • 株主・アドバイザー経由:株主やアドバイザーなどの有力者に新サービス・機能を紹介してもらうことで、影響力のある層へのアプローチが可能になる
  • インフルエンサー社員経由:インフルエンサー社員に新サービス・機能を紹介してもらうことで、多くの人へのリーチが可能になる
  • パートナー経由:パートナー企業に新サービス・機能を紹介してもらうことで、新たな販路の開拓が可能になる

【16】飛び込み営業をする

飛び込み営業は事前にアポイントを取らずに顧客のオフィスに訪れ、製品やサービスを直接担当者に紹介する手法です。訪問先で担当者と話ができれば、その場で資料や商材のサンプルやデモの提示、さらに顧客との関係構築につながります。

飛び込み営業は、個々の営業担当者が持つスキルと、製品・サービスの魅力の双方が重要です。時間とリソースがかかりますが、ビジネスの取引が人間関係に大きく依存する場合や中小企業を開拓する上では有効です。

ターゲットとなる企業がWebでの情報収集を積極的に行っていない場合におすすめです。

【17】テレアポをする

テレアポは電話を利用して潜在的な顧客アポイントメントを獲得する手法です。

見込み顧客と直接やり取りができるため、自社製品・サービスの説明などの他にも、相手が抱える課題のヒアリングなどをその場で行い、Web上のみでは得られない顧客情報を入手できる場合があります。話しながら得られた情報は、その後の商談に役立てられます。テレアポで成果を出すには、自社のターゲットに当てはまり、かつニーズのある顧客リストを事前に作成するなどの準備が必要です。

ターゲットが明確に決まっている場合、決裁者につながりやすい中小企業にアプローチする場合におすすめです。

関連記事:効果的なテレアポのコツ11選を解説【準備・実践・モチベーション】

【18】SEO対策をする

SEO対策は、自社のWebサイトが検索エンジンの結果ページで上位に表示されるよう対策を行い、サイトへの流入を増やす手法です。適切なキーワードの使用、Webサイトの構造の最適化、高品質なコンテンツの作成などを行います。

SEO対策を行うことで、潜在的な顧客が検索エンジンを通じて自社のWebサイトを見つけやすくなります。また、上位に表示されアクセス数が増加すると、問い合わせや資料請求からのリード獲得や、企業の信頼性向上につながります。

Webサイトからのリード獲得を増やしたい、自社製品・サービスの認知を向上させたい場合におすすめです。

関連記事:【2023年最新】SEO対策の基本10選!初心者でも分かる具体的なやり方から注意点まで解説!

【19】Web改善を行う

Web改善とは、WebサイトやLPのデザイン、ユーザビリティ、コンテンツなどの改善で、訪問者のコンバージョン率を高める手法です。

具体的には、以下のポイントについて改善を検討しましょう。

  • CV:訪問者が達成したいアクションを明確にする
  • キービジュアル:訪問者の興味を引く、インパクトのあるビジュアルにする
  • キャッチコピー:訪問者の共感を得られる、分かりやすいキャッチコピーにする
  • 事例紹介:ターゲットに訴求できる説得力のある事例を紹介する
  • 入力フォーム:入力項目を最小限に抑え、分かりやすいデザインにする
  • チャットツール:訪問者とリアルタイムにコミュニケーションをとることで疑問や不安を解消し、CV率を向上させる

これらの要素を改善することで、訪問者の興味や行動を促進できます。

Webサイトで質の良いコンテンツを発信できていてもコンバージョンにつながらない状態では、せっかくのコンテンツが活用できません。サイトの現状分析により課題を抽出し、顧客が求める情報を簡単に見つけられるようにする、クリック数を減らす、CTAを明確にするなど改善を行うことで、コンバージョン率の向上を図ります。

Webサイトの訪問者は多いがコンバージョン率が低い場合におすすめです。

関連記事:サイト改善のチェックポイント7選!課題別の方法から成功事例まで解説「セルフチェックリスト120」【無料ダウンロード】

リード育成・絞り込みの手法6選

ニーズが顕在化した際に自社を想起してもらうために、見込み顧客にコンタクトを取り続けるリード育成の手法と、受注の可能性が高い見込み顧客を見極めるための絞り込みの手法です。獲得したリードが受注に結びついていない場合はリード育成・絞り込みに注力しましょう。

【20】メールマガジンを配信する

メールマガジンの配信は、自社の製品・サービス、最新の情報、業界のトレンドなどを定期的に顧客に発信する手法です。

ニーズが顕在化していない見込み顧客に対し、接点を絶やさないようコミュニケーションを継続するために有効です。顧客にとって役に立つコンテンツやキャンペーンなどの情報を紹介することで、製品・サービスへの興味関心を維持、拡大できます。

少ない予算で見込み顧客との関係性を維持したい場合や、アプローチできていない見込み顧客情報が大量にある場合におすすめです。

関連記事:メルマガ配信とは?開封率の高いメールマガジンの作り方やテンプレートまで徹底解説

【21】インサイドセールスを導入する

インサイドセールスは電話やメールなどのデジタルコミュニケーション手段を利用して、非対面で営業活動を行う手法です。見込み顧客にヒアリングを行い、課題感の把握や受注の可能性について判断し、現場の営業担当(フィールドセールス)へ情報を引き継ぎます。

インサイドセールスを導入し営業活動を分業化することで、見込み顧客にアプローチできる数が増え、顧客の一次情報の吸い上げ、関係性の構築に取り組めます。また、選別した見込み度の高い顧客のみをフィールドセールスに引き継ぐと、営業活動の効率化、成約率の向上につながります。

フィールドセールスの人数に対して商談数が不足している、見込み顧客のニーズレベルが分析できずに商談を行い成約率が低い場合におすすめです。

関連記事:インサイドセールスとは?テレアポとの違い、実施の効果を解説

【22】リターゲティング広告を出稿する

リターゲティング広告とは、一度自社のWebサイトを訪れた顧客に対して後から広告を表示するマーケティング手法です。顧客が他のWebサイトやソーシャルメディアプラットフォームを閲覧しているときに表示されます。

リターゲティング広告は、すでに自社の製品やサービスに興味を示した見込み顧客に対して、再度関心を引くことが目的です。接触回数を増やしてサイトへの再訪を促し、自社製品・サービスが想起される機会を増やしてコンバージョンの獲得につなげます。

Webサイトへの訪問はあるが離脱する顧客が多い場合、失注顧客からリードを獲得したい場合におすすめです。

関連記事:Web広告の7種類を解説 基礎知識や選定ポイントも紹介

【23】ステップメールを配信する

ステップメールとは、あらかじめ設定したスケジュールに沿って自動的にメールを配信するメールマーケティングの手法です。顧客の行動を起点に資料ダウンロード直後のお礼、ダウンロード資料に関連したイベント案内など複数のコンテンツをメール配信します。

ステップメールは顧客の検討段階に合わせた情報を配信するため、見込み顧客の育成や営業活動の効率化に役立ちます。また、段階的な接触によってブランドの想起にもつながります。

検討段階が初期の見込み顧客を育成したい場合、新規リード数が多くフォローをできていない場合におすすめです。

関連記事:ステップメールとは?作り方・BtoB成功事例・ツールをご紹介【シナリオ例文あり】

【24】MA(マーケティングオートメーション)を導入する

マーケティング活動を自動化し、営業活動の生産性を高めるツールのMAを導入し、見込み顧客の育成・絞り込み業務の効率化を図る手法です。MAはメールマーケティング、スコアリング、Web分析など、多様な機能が統合されたシステムでマーケティング活動の効率化に役立ちます。

MAの導入で、リードの管理、育成、選別が1つのツールで可能になります。MAは見込み顧客の興味・関心度合いの把握と継続的なアプローチを効率化する機能が豊富で、獲得したリードを育成する過程で受注の可能性が高いリードを判定できます。受注の可能性が高いリード情報を多く営業担当に引き継げるようになれば、営業の成約率向上につながります。

ただしMAは多機能なツールのため、使いこなすためにはマーケティング課題の整理、運用体制の整備などの事前準備が必要です。

マーケティング活動を効率化したいと考えており、社内での運用体制を整備できる場合におすすめです。

関連記事:MA(マーケティングオートメーション)とは?機能や選び方のポイントを解説

【25】定期的に架電・訪問する

定期的な架電・訪問は、見込み顧客との関係を維持し強化する手法です。

見込み顧客との会話から最新のニーズや課題を把握することで、課題解決につながるサービスやコンテンツを提案できます。定期的な架電についてはインサイドセールスを導入し、顧客の一次情報の吸い上げを分業化すると営業活動を効率化できるでしょう。

Webでのコミュニケーション機会が少ない顧客との関係を維持したい場合におすすめです。

関連記事:インサイドセールスとは?テレアポとの違い、実施の効果を解説

商談・受注の手法4選

受注の可能性が高いと判断された見込み顧客にアポを取り、商談を行い受注につなげます。受注確度の高い見込み顧客への商談数はあるが、受注へつながらない場合は営業スキルの見直しに注力しましょう。

【26】SFAなどで受注・失注分析を行う

営業活動を見える化する営業支援システムのSFAを導入し、営業活動の効率化、成果向上を目指す手法です。SFAには受注・失注分析の機能が搭載されているものが多く、失注の要因を分析することで、営業活動の改善や受注率の向上に役立てられます。一方で、顧客・案件情報を管理、共有する機能もあるため、営業の属人化を防ぎ、営業全体のスキルの底上げを図ることも可能です。

営業活動の可視化により、ボトルネックの把握やデータに基づいた判断ができ、マーケティング活動と営業活動の連携が可能になります。ツールの運用・定着には運用リソースの確保や運用目的の社内共有などの事前準備が必要です。

ツール運用のためのリソースがあり、営業プロセスの可視化を行いたい、営業成果を最大化したい場合におすすめです。

関連記事:SFA導入で営業チームが得られる4つのメリットと成功のポイント

【27】アポイント獲得から商談までの活動を効率化・短縮する

商談までの活動を効率化・短縮することで、より多くの顧客と商談が可能になり、営業の生産性向上を実現できます。

具体的には、以下の4つのポイントを押さえるとよいでしょう。

1:コアタイムは会議を入れない
コアタイム(通常は10:00から17:00)には社内会議を入れないようにして、一日あたりの商談数の増加を目指しましょう。この時間帯は、顧客との商談や新規獲得に集中するための時間に充てます。しかし、顧客の業界や業種によってコアタイムは異なる場合があるため、ターゲットとなる顧客の行動パターンに合わせて、商談の時間を設定することが重要です。

2:商談に必要な事前調査フォーマットを作っておく
商談に必要な情報を一覧化したフォーマットを作っておくと、準備の時間を短縮できます。フォーマットには、顧客の基本情報、課題やニーズ、競合他社の状況などを記載しておくとよいでしょう。

3:商談にかかる移動活動を1時間以内にする
商談のために相手企業への訪問などが必要な場合は、移動活動を1時間以内に収めることを目標にしましょう。時間の短縮により、商談から受注まで効率的に進められます。1時間以上かかる場合はオンライン商談を活用し、移動時間の短縮を図りましょう。

4:商談前に事前のヒアリングをする
商談前に顧客の課題やニーズを把握しておけば、商談の際により効果的な提案を行えます。事前のヒアリングは、電話やメールで実施します。メールであればヒアリングシートを添付し記入を依頼しても良いでしょう。

関連記事:【新人営業マン必見】アポ取りの3つの手法と成功のポイントを解説

【28】クロージングコンテンツを作っておく

クロージングとは、営業活動の最終段階で、顧客から契約を獲得するプロセスです。クロージングを成功させるためには、顧客の決裁に必要な情報=クロージングコンテンツを用意しておくことが重要です。提案書や比較表、実績資料集など、顧客が決裁に必要な情報をまとめておきましょう。

これらの資料は、自社商材やサービスが顧客の課題を解決する上で最適かどうかを判断するための重要な情報となります。そのため、顧客のニーズや課題を理解した上で、分かりやすく説得力のある資料の作成が大切です。クロージングコンテンツを準備しておくことで、クロージングの際にスムーズに商談を進められるため、成約率の向上につながります。

関連記事:BtoBにおけるクロージングとは?今すぐ使えるテクニックやコツを簡単に解説

【29】営業ロープレを実施する

営業ロープレは、営業担当者が顧客との商談を想定してロールプレイングを行い、営業スキルを向上させ、案件化率・受注率を高めるためのトレーニングです。

営業ロープレ実施にあたっては、トップ営業のセールストークを共有して営業組織全体のスキルの底上げを図るだけでなく、マーケターも一緒にロープレに参加し学ぶ機会を設けましょう。顧客と普段から接する営業パーソンのロープレを観察することで、顧客が何に関心を持っているのか、どのような表現が効果的かなどの貴重な情報を得られるためです。得られた情報を商品やサービスの改善、営業プロセスの最適化に役立てれば、結果として受注率の向上につなげられるでしょう。

営業ロープレは習慣化し、定期的に実施するようにしましょう。

カスタマーサクセスの手法6選

受注後の顧客との信頼関係を構築し、顧客満足度を高めて、LTVの最大化を目指します。特にサブスクリプション型ビジネスで解約率が高い場合はカスタマーサクセスに注力しましょう。

【30】ハイタッチを実施する

ハイタッチは、LTVが高い顧客に対し1対1で綿密なサポートを行い、信頼関係構築を目指すための手法です。製品機能のカスタマイズ、ユーザーサポート、コンサルティング支援などにより、顧客ニーズを理解し、顧客とのつながりを深めます。

ハイタッチは、顧客の満足度を高めて信頼を得られ、長期的な関係構築に寄与します。企業の役員や部門長といった意思決定権者とつながりやすく、特に大口顧客との取引に効果的です。

顧客満足度を高めて顧客とのつながりを深めたい場合や、大口顧客との取引がある場合におすすめです。

【31】テックタッチを実施する

テックタッチは、LTVが低い多数の顧客に対しITツールなどを活用してコミュニケーションを図り、契約を継続してもらうための手法です。メルマガ、Webサイト上のチャット機能、オンライン学習サービスなど、デジタルな接点を介して行われます。

特にサブスクリプション型のサービスに有効で、顧客がサービスを利用し続けるために必要なサポートシステムやコンテンツなどの制作により顧客をフォローします。大勢の顧客と効率的にコミュニケーションを取り、コストを抑えつつ、顧客との関係性維持を図ります。

商材がターゲットの多いサブスクリプション型サービスで、大勢の顧客サポートを充実させたい場合におすすめです。

【32】新サービス・機能を紹介する

既存顧客へ最新の自社製品・サービスを紹介し、売り上げ単価を上げようとする手法です。顧客が購入済みもしくは購入を検討している製品・サービスよりも上位モデルを提案するアップセルと、顧客が購入した製品に追加で関連した製品・サービスを提案するクロスセルの2つの手法があります。

既存顧客へのアプローチは新規顧客獲得よりもコストが低く、顧客単価の向上につながります。一方でニーズとズレた製品・サービスを提案し続けないよう、顧客ニーズを理解し寄り添った提案を行う必要があります。

ターゲットとなる企業が少なく、新規リード、契約獲得が停滞している場合におすすめです。

関連記事:アップセル・クロスセルとは?違いや注目される背景、活用事例を学ぼう

【33】問い合わせフォームを整備する

自社Webページに問い合わせフォームを設置し、見込み顧客、既存顧客からの疑問や要望に応える手法です。問い合わせフォームは企業にとって顧客との接点となります。

問い合わせフォームから集めた情報を集約・分析すれば、サービス改善に生かせます。また問い合わせフォームの設置により、フォームを利用した顧客の情報を収集でき、顧客管理や分析などのマーケティングにも活用できます。

顧客との接点を作りたいがあまりコストがかけられない場合におすすめです。

関連記事:お問い合わせフォームの作り方を基礎から実践まで解説|無料ツールも

【34】ユーザーコミュニティを運営する

ユーザーコミュニティを運営することで、顧客の満足度を上げ、長期間にわたって製品・サービスを継続して利用してもらう手法です。ユーザーコミュニティでは、企業が提供する製品・サービスの疑問や活用方法について顧客同士が直接情報交換を行います。

ユーザーコミュニティでの体験が顧客にとって価値あるものであると、製品やサービスの価値を高めるだけでなく、顧客満足度を向上させ、長期的なロイヤルティの構築につながります。

サブスクリプション型のサービスを扱っており、長期的な利用を促したい場合におすすめです。

【35】既存客のサービスに対する満足度を評価する

既存顧客のサービスに対する満足度を評価し、製品・サービスの品質向上、顧客満足度を向上させるための取り組みを検討する手法です。

顧客満足度を測定するには、既存顧客へのアンケート、インタビュー、品質調査の手法や、CRMやSFAなどのツールに蓄積した情報を分析する方法があります。顧客満足度を上げることで、製品・サービスの長期継続利用だけでなく、口コミによる新規顧客獲得、企業価値の向上にもつながります。

解約率が高く長期的な利用を促したい場合、企業価値を上げたい場合におすすめです。

関連記事:CS(顧客満足度)向上のための具体的取り組み方法【成功事例3選】

3.課題ごとのおすすめ手法

数多くある手法の中から、どの手法から取り組むべきか悩む方も多いと思います。よくありがちな課題に対して、どの手法が有効か紹介します。

【課題1】新規サービスのWebサイトからリード獲得するには

IT企業などが新規サービスを立ち上げた際、Webサイトからリードを獲得するためのおすすめの手法はリスティング広告の出稿です。リスティング広告はニーズが顕在化している顧客にアプローチできるため、短期間での成果が期待できます。まずは最小コストで広告を出稿・検証し、成果が出てきたら施策を増やしていくと良いでしょう。

また、Webサイトの改善もリード獲得を増やすために効果的な手法です。コンバージョン率を上げるために、新規サービスの訴求ポイントや機能、魅力が顧客に伝わる設計になっているか分析し、見直すべき点は改善します。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

関連記事:新規サービスを立ち上げWebサイトからリード獲得したい。何から始めるべき?【お悩み回答】

【課題2】コンテンツマーケティングを始めるなら何からすべきか

「リードを獲得するためにコンテンツマーケティングを始めたいが、何から始めれば良いか分からない」という悩みを持つ担当者は多くいます。リード獲得を増やしたい場合は、ホワイトペーパーの作成、ウェビナーの開催といった手法がおすすめです。

他にも自社サイトで記事などのコンテンツを公開し、SEO対策で流入を増やして多くのリード獲得につなげる手法もありますが、成果を出すには長期的に取り組む必要があります。まずは短期的な取り組みでも結果が出やすいホワイトペーパーやウェビナーで少しずつ成果を出し、施策を拡大していきましょう。

また、コンテンツマーケティングは必ずしも新規リード創出を目的としなくても良く、企業によってはウェビナー、メルマガなどで失注顧客や休眠顧客にアプローチし売り上げにつながる場合もあります。自社がどのような目標を達成するためにコンテンツマーケティングを行うのかを最初に決めておきましょう。

関連記事:コンテンツマーケティングとは?BtoB企業が取り組むべき理由やメリット、コンテンツ例を紹介

コンテンツマーケティングでのリード獲得については、こちらの記事も参考にしてみてください。

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【課題3】リソースが足りない場合どう対策するか

人的リソースが不足している場合、どの手法から実施するか悩まれる方も多いでしょう。対策の1つとしてツールの導入で業務のデジタル化・効率化を図る手法が考えられます。

マーケティング業務ではMAの導入でリード育成・絞り込みの効率化、営業ではSFA・CRMの導入で顧客管理の効率化が期待できます。既存業務の効率化により生まれた時間で新たな施策が実施できます。ツールの導入は業務の効率化だけでなく、成果の向上にもつながるのです。

ツールの導入はコストがかかるため、すぐに導入できない場合は低コストで実施できる手法を検討しましょう。例えば営業リソースが足りない場合、サービスサイト改善や既存資料のコンテンツ化がおすすめです。すでに社内にある営業資料やノウハウをホワイトペーパーや記事などのコンテンツに流用すれば、コストを抑えてブランディングやリード獲得につなげられます。

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4.まとめ

BtoBマーケティングの手法をプロセスごとに紹介してきました。数ある手法の中から選定し、戦略的にマーケティング活動を進めていくには、自社のマーケティング課題の分析、施策を進めていく中で割けるリソースと目標設定も重要です。事前にこれらを明確にした上で、自社に合った手法を選定しましょう。


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この記事を書いた人

縫村 優
縫村 優 | ライター

サイエンス分野から一転、BtoBマーケティングの世界へ。BeMARKE編集部でコンテンツ制作を担当。読者が実践的な知識を得られるコンテンツを提供するため、BtoBマーケティングに携わる人たちの声に耳を傾けている。

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