セミナーレポート

BtoBマーケティングの活動計画を立てるための「3ステップ」とは?【セミナーレポート】

BtoBマーケティングの活動計画を立てるための「3ステップ」とは?【セミナーレポート】

株式会社シャノンが開催した「BtoBマーケティング活動計画のたてかた」オンラインセミナーの内容をレポートします。

本セミナーでは、顧客接点が複雑化するなかマーケティングの年間計画の立案に難しさを感じている方に向け、失敗しない活動計画のための3つのステップや目標予算から活動計画に落とす方法などを、株式会社シャノン マーケティング部の藤井 里名 氏と部長の村尾 慶尚 氏が解説しています。

目次

【登壇者】
藤井 里名 氏(株式会社シャノン マーケティング部)
株式会社シャノン新卒入社後、マーケティング部へ配属。インサイドセールスを経て現在はコンテンツ全般を担当している。
村尾 慶尚 氏(株式会社シャノン マーケティング部部長)
株式会社シャノンのマーケティング責任者。「SHANON MARKETING PLATFORM」を自ら活用してマーケティング課題を解決している。

※本セミナーでは、Excelのオリジナルのシートを活用した活動計画の立てかたが説明されています。セミナー参加後アンケートに回答した方はExcelデータをダウンロードできる形式でした。

「BtoBマーケティング活動計画の立てかた」を3つのステップで解説

村尾 慶尚 氏(以下、村尾):本日のテーマである「BtoBマーケティング活動計画の立てかた」について、大きく3つのステップでご説明をさせていただきます。

ステップ1は、「いくらお金を使っていくら商談を生むのか」という顧客獲得計画をまず立てるということです。ステップ2は、ステップ1で立てた計画を実現するための、施策の活動計画を立てます。ステップ3は、ステップ1・2の振り返りを行うという、この3つの順番でご説明していきます。

藤井 里名 氏(以下、藤井):なぜこの順番が良いのでしょうか。

村尾:マーケティングをやっていくとどうしても思い通りにいかないことがあり、施策を練り直す必要があるなど、さまざまな修正事項が出てくるため、いきなり「どの施策を実行するのか」という活動ベースで会社と合意を取ってしまうと、修正しにくいんですね

そのため、ステップ1の顧客獲得計画を立てていただいた後に、その施策の活動計画を立てる、というステップで進めていただければと思っています。

ステップ(1)顧客獲得計画

村尾:まず、「いくら商談を生むのか」を明確にする必要があります。受注目標と、受注率が分かってくると必要な商談数もおのずと決まってきます。もちろんお客様によって変動があるものですが、今日はご説明のため単純化して進めていきます。

藤井:これで目標商談数を計算することができました。次はどうしたら良いでしょう。

村尾:次は、マーケティング投資をして施策を実行するために、いくらお金を使うか、というところになってくるかと思います。ここで気をつけていただきたいのは、「販促費」と「その他費用」というのをちゃんと別々に分けて計上して管理をしていただきたいということです。

藤井:「販促費」はイメージがつきますが、「その他費用」はどのような項目が含まれますか。

村尾:例えば、Webサイト運営のような、特定の施策のためではないけれども、マーケティング全体の役に立つものを「その他費用」として計上しておくと良いでしょう。マーケティングオートメーションもここに分類されると思いますので、販促費ではないけれどマーケティング全体に役に立つものの費用もちゃんとつけていただきたいです。

藤井:なるほど、そういったツールなども、「その他費用」に入ってくるということですね。

村尾:はじめは事細かに設定するというよりも、大体いくらくらいの目標の商談数値があって、いくらくらい使うのかという、ざっくりした金額感をExcelなどのシートに入れてみてください。そうすることで、商談の獲得単価や、受注の単価などが見えてきますので、大まかな費用対効果が見合っているのかを確認していただくのが良いと思います。

企業様によってはここに人件費も計上して、マーケティングの費用、キャッシュアウトの費用と人件費を兼ねていくらの単価でいくらくらいの顧客獲得単価(CAC)になるのかという点を見ていただければと思います。

藤井:商談獲得単価や顧客獲得単価を割り戻すことで必要な数字が見えてくるということですね。ただ、予算の段階で、このように細かく設定していくことはとても難しいと思うのですが。

村尾:そうですね。数字を入れていくと途中で必ず手戻りしてきますので、まずはじめに、ざっくりの金額感と目標感を経営陣とすり合わせていただいて、単価ベースがペイするのかというところを見ていただければと思っています。

全体が見えてきたら次にやっていただきたいのが、カレンダーに落とすということです。例えば200件の商談を本気で作るということであれば、その200件を、いつ、どのタイミングで作るのかという計画が必要です。

例えば、BtoB企業であれば3月に山が来るからここで15件受注しよう、でも3月に受注するためには、商談期間を踏まえて2月もしくは1月に10件以上の商談が必要だ、など。また、9月の予算改定の時期に合わせて7件くらいの商談が必要なので、前月18件いるなというように、目標となる受注金額に合わせて商談数が月ごとに前後していくので、まずはじめに、年間のどのタイミングでどれくらいの商談数が必要なのかということを明確にしていきましょう

藤井:計画を作っていくと、3月の受注率が125%になっているなど(上記画像参照)、数値が大きく見えすぎたりズレが生じたりする場合も少なくないと思います。

村尾:おっしゃる通りですね。どうしても、BtoBマーケティングにおいては、商談の発生のところから受注のズレが生じてくるので、受注率については、通期の平均で見ていただく、もしくは、四半期・半期で集計して見ていただくというように、ある程度幅を持って見ていただければと思います

ステップ(1)まとめ

藤井:ではここまでのお話をまとめさせていただきます。

顧客獲得計画においては、まず受注の目標件数から商談目標件数を割り戻していただいて、そこから予算なども含めて、商談獲得単価、顧客獲得単価という数値を出し、大枠で合意するための計画を作っていただくというところが、まず1つ目のポイントでした。

全体像をつかんだ後は、季節指数などを含めながらいつどのタイミングで獲得するのかというスケジュールを立てていくというところが2つ目のポイントでしたね。

ステップ(2)施策活動計画

村尾:施策活動計画においては、まずはじめに、どういう施策を実行するのかという概要を洗い出してみましょう

どういうフェーズの方に向けたどういう施策があるのかということを、まずご自身で整理をしていただいて、どの施策を実行しようかということを考えていただければと思います。

藤井:施策の隣の列の「獲得」「引き上げ」にそれぞれ、マル・バツ・サンカクがついていますけどこれはどういう意味でしょう。

村尾:「獲得」は、お金を使って新規でリード獲得していくことに向いている・向いていないという観点から、マル・バツ・サンカクをつけています。

「引き上げ」は、既に獲得したハウスリストの方たちに対して、施策を実行してうまくいくのかというナーチャリングの観点から、マル・バツ・サンカクをつけています。

藤井:さまざまな特性を持つ施策のなかで、何からはじめたら良いでしょうか。

村尾:まずはじめに、前年の実績がある展示会やイベントを実施していただいて、次に広告出稿の実績がある方は広告を実施していただくのが良いでしょう。その後、施策の柱であるWebをやっていただいて、セミナーやナーチャリング施策を実行していただければと思います。

村尾:展示会については、まず、去年までの実績をまとめてください。シートでいうと(上記画像参照)6行目の部分のように、展示会で700件のリードを獲得して商談56件作るというように情報を整理していきましょう。

藤井:複数の展示会に出る場合は、どのように表記すれば良いでしょうか。

村尾:明細票に、展示会1、展示会2、展示会3、というように展示会ごとに細かく数字を明記しておきましょう。ここでぜひ、ホット・ウォーム・コールドというお客様の温度感に分けて、大体どれくらいの名刺を獲得するのか、という計画を作っていただきたいです。

藤井:ホット・ウォーム・コールドは、具体的にどのような基準で分けていけば良いですか。

村尾:1ヶ月以内に商談になりそうだという方がホット、6ヶ月以内に商談になるなという方はウォーム。それ以上時間がかかりそうだという場合はコールド、という基準で分けて管理していただければと思います。

藤井:ホット・ウォーム・コールドのそれぞれの商談化率はどのくらいになりますか。

村尾:一般的な数字ですと、ホットと判断した方から商談が生まれるのは40%から50%くらいを目指していただいて、ウォームは5%から10%くらい、コールドが1%くらいというのを目安としていただければと思います。

村尾:展示会は、開催される時期が決まっているため、どれくらいの時期にどれくらいの商談数かというのが見えてくるようになります。

藤井:続いて、施策活動計画における、広告やWeb施策について具体的に教えてください。

村尾:広告はコストがかかるため、まず、広告施策における数字を出していきましょう。CPAが5万5000円とかそれくらいで何件獲得するのかという計画を立て、さらにディスプレイ広告やリターゲティング広告でやる資料請求系をどれくらい獲得するのかという数字を出してみましょう。

計画の段階では、CPAはいつもより少し悲観的に入れておいていただいた方が、後々困らないと思います。

村尾:リード獲得・商談の柱であるWebについては、エクセルに月ごとの明細票をつけておりますので、昨年の分から埋めていただくのが良いと思います。

検索アクセス数をシートに入れていただき、そこからコンバージョンレート、獲得率を入れていただくとリードの獲得数が出てきます。その数字を参考に、今期はどれくらいリードを獲得して、どれくらい商談が生まれるのかという見込みをここで立てていただければと思います

藤井:施策活動計画を立てているときに、目標数値を考えながら計画していくと思うんですが、年々上がっていく目標に対して、そこを達成していこうとすると、施策において改善できるポイントはどこでしょうか。

村尾:Webは昨年ベースで数字を入力するのは簡単なんですけど、どう改善していこうかというのは難しいですよね。おっしゃる通り、検索のアクセスが増えていったら良いですが、BtoB企業の場合は、指名検索による流入が大多数なので、そこを増やそうとするとまたコストがかかってきます。

検索アクセス数を増やすのは難しいため、はじめに活動計画を立てていただくときは、この検索アクセス数は昨年ベースなんだけれども、例えばコンバージョンレートや商談化率といった「率」の方を改善していただいて、最終目標の商談につなげていくというチャレンジをしていっていただければと思います。

ステップ(2)まとめ

藤井:ここまでの話をまとめさせていただきます。施策活動計画においては、昨年実績のある展示会から計画シートに数値を入れ、次に広告、Webという順番に入れていきます

展示会はさらに細かく明細表一覧を作り、ホット・ウォーム・コールドから計算していただくとリアルな数字を入れることができるということです。

広告施策のポイントは、これまでの実績としてのCPAを基準に、どれくらい獲得して、どのくらいの予算をかけるのかという計算ができます。その際、CPAは少し悲観的に入れてく方が計画としては安全だということですね。

最後に、Web施策は、前年の実績である検索アクセス数から割り戻していきながら、CVや商談化率を重点的に見て改善していくということですね。

村尾:はい、そのように計画立案を進めていただければと思います。

「目標予算をオーバー」など計画中に発生しやすいお悩みのケーススタディ

藤井:計画を進めるなかでよくある問題が、先ほどのシートを埋めていくと、既に予算をオーバーしているけれど、先ほどの顧客獲得計画概要で合意した必要商談数にはまだ達していないというケースです。どうしていきましょう。

村尾:本当によくあるケースですね。ここでどうするのかというと、費用をなるべくかけずに商談を作る、ナーチャリングを行っていく必要があります。既にリード獲得しているところから商談を生むというナーチャリングをうまくやる計画を立てるということが、費用対効果に見合う計画にするための秘訣になると思います。

藤井:ナーチャリングの計画はどこから立てていったら良いでしょうか?

村尾:計画を立てていくところでいうと、セミナー開催が効果的だと思います。セミナーをどうやって当てていくのかというところでいきますと、まずは、どれくらいセミナーでリード獲得し商談につなげる必要があるかということを試算していただければと思います

サンプルのエクセルでいくと、目標2000万円くらいの想定だったんですけど、このまま使うとどうも2400万円くらい使っていて、480万円くらい足が出ているのに、目標商談数はマイナス55件出てるみたいな、結構もうにっちもさっちもいかない状態になってるとした場合。やはり製品セミナーから20件くらい商談を作り、さらに関心セミナーから5件くらい作ります。これでも足りないということで、ここからちょっとずつ200件くらい、年間で40件くらい作らないといけないというところで、大体、金額が合ってきた。しかし、足が出ている分をどうしようかという問題に対しては、リード獲得単価をコンサバに読んでいたところを5万5000円くらいに調整できるかなとか。

リード獲得の広告から少し減らして、Webをちょっと増やして、さらに商談の個々の製品も増やしていって、というように、これだけをやっていると数字遊びみたいになるのですが、やはりどの施策からどれくらい取っていくのかというのを、ここでまず合わせるということを実行していただきたいです。

セミナーをどのように開催するかという計画においては、まず展示会へ出展するのが良いでしょう。例えば、2月に展示会を実施する想定の場合、フォローアップの製品セミナーを開催して5件商談を取ろう、7月開催後は5件取ろう、というように、まずは展示会のフォローアップのセミナーでどれくらい取っていけるのかという計画を立てていただければと思います。

藤井:ただ、この5件ずつという数字であれば、商談数としてはまだまだ足りないと思うのですが。

村尾:製品セミナーだけだとなかなか難しいので、やはり、今日私達が開催しているようなお役立ち系の関心セミナーを実施し、ここからも2件取ろうと進めていくのが良いかと思います。関心セミナーを実施すると、その後に製品セミナーにお申し込みいただく方が増えていきますので、ここで8件に増やして、というような微調整ができるでしょう。

藤井:なるほど。これでもまだ足りないですよね。

村尾:これでもまだ足りない場合は、また6月に製品セミナーから4件取って、関心セミナーも取ろうとか、また10月にも取っていこう、というように数字を埋めていっていただくという流れになります。

「予算オーバーのケーススタディ」まとめ

藤井:ありがとうございます。ここまでのお話をまとめさせていただきます。

施策活動計画を作るなかで予算オーバーしてしまうというお悩みに対して、解決策としては、リードナーチャリングの施策を充実させていくということが1つ目のポイントでした。

製品セミナーや関心セミナーを組み合わせて実施し、季節指数などを見ながらスケジュールに落とし、計画を埋めていくというところもポイントですね。

ステップ(3)振り返り

藤井:最後は、年間カレンダーの調整をして振り返っていくという作業ですね。

村尾:ここまで、計画の大枠がかなり固まってくるかと思うのですが、それはあくまでもマーケティングチームとしてこういうスケジュール感で取りたいという計画であるため、経営陣と話し合い、会社の目的とズレが生じているようであれば調整を行っていくということが必要です

計画のすり合わせを行っていくなかで、やはり3月の商談数が足りないとか、8月くらいから人の採用を増やしていく予定だから後半はもっと商談数を増やして欲しいなどのズレが出てきます。また、月額ビジネスを展開している場合は、後半ではなくもっと前半に商談が欲しいという事情もあります。

会社の目的やビジネス環境などに合わせて計画を何度も見直していくというのが、リアルな活動計画の立て方になると思います。

藤井:現実的にはいろいろなシートを行ったり来たりしながら、計画が詰まっていくということですね。計画を詰めていったん完成させるためにも振り返りが必要ですね

村尾:おっしゃる通りですね。期初にできた計画を、実際にスタートさせたタイミングでどうだったのかというのは、施策単位と合計で、予定、予算と実績を月々ためていって、差異があるのか、あるとしたらどこなのかというのをきちんと見ていただきたいと思います。

まとめ

藤井:それでは本日の内容のおさらいをお願いいたします。

村尾:今日は、エクセルを使いながら「BtoBマーケティング活動計画のたてかた」についてご説明をしております。

実際にやっていただく順番としては、まずは顧客活動計画において、いくらくらいのお金を使ってどれくらいの商談を生むのかという大きなところを詰めていただく

その目標をカレンダーに落として、さらにその後、施策に落としていただく。

施策としては、ゼロから作っていくことは非常に大変であるため、前年実績がある展示会などの施策を埋めていただき、次は広告・Webという項目を埋めてていただく

計画を進めるなかで、予算が合わないという問題が出てくるかと思いますので、その場合は、ナーチャリングをどれくらい実行すべきかを検討いただくのが良いでしょう。ナーチャリングのスケジュール感などをエクセルにまとめ、活動計画を立てていただければと思います。

立てていただいた活動計画は、四半期・半期ごとに見直していく必要があるでしょう。

今後開催予定のセミナーはこちら>>https://www.shanon.co.jp/seminar/

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