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BtoBマーケティングは戦略が重要!立案に必要な要素を解説

BtoBマーケティングは戦略が重要!立案に必要な要素を解説

BtoBマーケティングは奥が深く、取り組みで成果を出すためには戦略を持つことが重要です。やみくもに広告を打つ、目的も明確にせずただツールを導入するといった戦略を持たないやり方では成果を出すことが難しく、運良くうまくいったケースがあったとしても再現性を獲得できません。

本記事では、BtoBマーケティングを行っているが期待する効果が出ていない方や、BtoCマーケティングしか経験がなくこれから初めてBtoBマーケティングに取り組むという方に向けて、BtoBマーケティングにおける戦略の重要性と、実行時に守るべきプロセスについて解説します。

目次

1.BtoBマーケティングにおける戦略の重要性

BtoBマーケティングにおいては、ただ単に商品・サービスの露出を増やすといった単純なマーケティングではなく、「どのような対象に」「どのような情報を」「どのようなタイミングで届けていくか」を、戦略立てて実行していかなければなりません。

BtoBビジネスは意思決定に複数人が関わり、意思決定までの期間も長期にわたる傾向があります。そのため、戦略を持たずにやみくもに広告・宣伝に投資しても、広告のターゲットが意思決定者と一致しておらず必要な相手から認知を得られない、購買検討の土俵に上がれないといった状況に陥る可能性があります。

正しい戦略にのっとったBtoBマーケティングであれば、ねらったターゲットに適切なタイミングで必要な情報を届けられ、売上増加だけでなく効率化によるコスト削減も期待できます。

2.BtoCマーケティングとの違い

BtoBビジネスとBtoCビジネスでは購買に至るまでのプロセスが大きく異なるため、マーケティングの考え方も大きく変わります。以下が、代表的なBtoBビジネスとBtoCビジネスの違いです。

BtoBビジネスBtoCビジネス
ターゲット企業個人
ターゲット数少ない多い
購買決定者利用者とは限らない・複数利用者本人
購買決定にかかる時間遅い早い
購買単価高額少額

BtoBビジネスはBtoCビジネスに比べるとターゲットとなる対象数が少なく、また購買決定者に利用者本人以外の人間が含まれるなど、より複雑なプロセスを経て購買へと至ります。また自分の好みで購入を即決できるBtoCビジネスと異なり、BtoBビジネスは製品・サービスが有益であると合理的に判断できなければ購入に至りません。

そのためBtoBマーケティングでは特にタイミングが重要となり、見込み顧客のニーズの芽生えを察知できるよう、また芽生えたタイミングですぐにアプローチができるよう、ニーズが生まれる前から継続的にフォローする必要があります。

3.BtoBマーケティングの実行プロセス

実際にBtoBマーケティングを行う際の実行プロセスについて見ていきましょう。BtoBマーケティングは、大きく分けて3つの手順に沿って実行します。

  • 【1】現状把握
  • 【2】戦略立案
  • 【3】PDCAを回す

【1】現状把握

まずは自社やマーケット、顧客の状況など、現状を把握するところから始めましょう。

把握すべき事項 見るべきポイントの例
市場について ・市場規模はどのくらいか
・市場は成長しているのか
商品・サービスについて ・自社商品の魅力・アピールポイントはどこか
・競合商品の魅力・アピールポイントはどこか
顧客について ・どのような課題を抱えているか
・購買履歴はあるか
・購買を検討されたことはあるか

自社の商品・サービスがどのような魅力やメリットを持っているのか、同業他社の商品・サービスにはどのような強みがあるのかについて理解を深めることは、自社がアピールすべきポイントを明確にし、差別化を図る上でも重要な要素です。

またターゲットとする顧客がどのような課題を抱えており、どのようなニーズを持っているのかについても、戦略を立てるために詳しく分析する必要があります。

こうした現状を正しく把握することで、戦略設計に際して具体的な記述ができるようになります。現状を把握するために、3C分析やSWOT分析といったフレームワークも活用しましょう。

関連記事:SWOT分析のやり方とは?効果的に実施するためのポイントや事例を紹介

【2】戦略立案

現状を踏まえた上で、「自社がどのようにマーケティングを行っていくべきか」の方針を固め、自社のリソースを何の施策に配分するか、実行の優先順位をどうするかなどの戦略を設計します。

ペルソナの作成

自社の商品やサービスを求める見込み顧客のペルソナを作成します。ペルソナとは商品・サービスの典型的なユーザー像のことで、業種や職種、役職、年齢など、まるで存在する人物かのように詳細に作りこみます。これにより社内が想定するターゲットのイメージを統一し、施策に一貫性を持たせられるようになります。

カスタマージャーニーマップの作成

ペルソナがどのような購買行動を取るのかをカスタマージャーニーマップに落とし込みます。カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品・サービスを購入するまでの行動や感情の変遷を可視化したものです。カスタマージャーニーマップを作成すれば顧客の目線からマーケティングを再考でき、購買プロセスにおける自社の課題が見えるようになります。見込み顧客の購買段階に応じて、どのような情報を提供すべきかを考える材料になるため、自社が取るべき施策を検討しやすくなります。

関連記事:BtoBにおけるカスタマージャーニーマップとは?【無料テンプレ配布中】ペルソナ記入方法付き

取り組みの具体的な計画を立てる

BtoBマーケティングに取り組むことで何を目指すのか、達成すべき目標を設定し、その目標に到達するための課題を洗い出します。

作成したペルソナ・カスタマージャーニーマップを参考にしながら、洗い出した課題に対する解決策として個別の施策をリストアップし、リソースと重要度を考慮して取り組む施策を検討します。施策が決まったら、予算、実行スケジュール、実施体制をどうするかなどの計画を立て、実行に移すのです。

【3】PDCAを回す

施策を実行した後は結果を検証し、すばやくPDCAを回します。実行した施策の効果が分からないままの状態が続くと、方向性が誤っており成果が出ていない場合にはかけたコストが無駄になり、効果が表れていた場合には勝ち筋として蓄積すべきデータを得られないままになります。

どの施策が効果を発揮したかを検証で正しく判断し、効果が出なかった施策に関しては課題点を見つけ出し、必ず改善を行いましょう。

4.戦略立案に必要な3つの要素

BtoBマーケティングの戦略立案においては、以下の3つの要素を押さえた上で成果を最大化できるようにします。

  • 顧客への深い理解
  • 部署間の連携
  • 具体的な目標

顧客への深い理解

顧客への深い理解は、戦略を考える上で最も重要です。顧客への理解がなければ、誰に、どのようなコンテンツを提供すれば成果を上げられるのかの指針のない状態で施策を行うことになります。「自社の顧客はどのような人物か」をインタビューなどの機会を設けて掘り下げ、戦略立案に生かしましょう。

同じ業種・職種であっても、担当者の役職によって携わる業務内容や抱えている悩みは異なります。例えば、営業部長と現場の営業のプレーヤーでは視座が異なるため、それぞれで課題感が違い、提案できる解決策も異なるはずです。決裁権を持っている営業部長にアプローチしようとすれば、プレーヤーに対してとは別のアプローチが必要になります。役職別の課題意識の違いも踏まえて理解を進めると良いでしょう。

顧客の特徴や抱える課題を理解し、セグメントに応じて適切な接点で効果的なメッセージを発信すれば、BtoBマーケティングの効果を最大化できます。

関連記事:マーケティングに欠かせない顧客理解 重要性や方法を徹底解説

部門間の連携

BtoBマーケティングはマーケティング部門だけでなく、営業部門やカスタマーサービス部門、システム部門などさまざまな部門間での連携を組み込んだ戦略立案が重要です。BtoBマーケティングを成功させるためにはリードの獲得から営業活動、受注、アフターサービスまで一貫して顧客との関係性を築く必要があり、全社的に関わっていく必要があるためです。

マーケティング部門が獲得し受け渡したリードが、その後どのような結果に結びついたかの情報を各部門が共有することで、どのようなリードが受注につながりやすいかの情報を蓄積でき、質の高いリードの見極めや、質の高いリードを創出する勝ち筋の発見ができるようになります。

目的の明文化

戦略を立案する際には、各施策の目的を必ず明文化しましょう。例えばMAを導入し活用する施策を考えていた場合に、「MAを利用して実現したいことは何か、解決したい課題は何なのか」「それは他の手段ではできないことなのか」を突き詰める必要があります。MAであれば「リードをセグメントごとに管理し、ステップメールを配信することで購買意欲の高いリードを10%増加させる」のように、具体的な内容を設定しましょう。

ツールを導入すれば成果が上がるという誤解により、とりあえず導入してみたものの使いこなせず定着しないというケースはよくあります。「この施策は何を達成するために行おうとしているのか?」が明確であれば、検討の段階で「MAではなくもっと安価なメール配信システムで十分だった」と判断でき、MAを導入するコストを削減できるかもしれません。

施策は目的を達成するための手段であることを踏まえて戦略を立案しましょう。

5.まとめ

BtoBマーケティングは「どのような対象に」「どのような情報を」「どのようなタイミングで届けていくか」の戦略立案が重要です。自社や顧客を正しく理解し、各施策の目的を明らかにした上で戦略を設計し、全社的な取り組みを行いましょう。施策を実行した後は効果検証を行いPDCAを回し、マーケティングの効果は最大化できるように取り組んでください。


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BeMARKE編集部
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