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デマンドセンターとは?役割と構築のメリットから必要な要素まで紹介

デマンドセンターとは?役割と構築のメリットから必要な要素まで紹介

デマンドセンターは、営業活動を効率的に進める上で重要な役割を担う組織です。しかし、デマンドセンターとはどのようなことを行う組織なのか、構築するには何が必要なのか、疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事ではデマンドセンターの役割とメリット、構築するための要素を紹介します。デマンドセンターの構築を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

目次

1.デマンドセンターとは

デマンドセンターとは、社内の顧客データを集約・管理し、デマンドジェネレーションを行うための組織のことです。中長期的な収益を見据え、商談機会を安定的に創出することで、営業部門が商談以降の後工程に集中できるような体制をつくります。

デマンドセンター

デマンドセンターは、見込み顧客の獲得から育成、選別といった顧客との接点を一元化し管理することで、一貫した顧客体験を提供できます。デマンドジェネレーションのプロセスの一元化は、見込み顧客の取りこぼしを防ぎ、効率的な営業活動への貢献にも役立つでしょう。

顧客データの集約・一元化には部門横断で取り組む場合が多いため、デマンドセンターにはマーケティング部門と営業部門の連携が求められます。

リードジェネレーションについては、下記の記事で詳しく解説しています。

関連記事:「デマンドジェネレーションとは?3つの構成要素について分かりやすく解説

2.デマンドセンターの役割

デマンドセンターの役割は大きく2つあります。

  • MQLを創出する
  • データマネジメントを行う

MQLを創出する

MQL(Marketing Ouqlified Lead)とは、マーケティング活動により創出された確度の高い見込み顧客のことで、ホットリードと呼ばれる場合もあります。デマンドセンターはMQLを創出し、フィールドセールスに振り分ける役割を持ちます。

MQLの創出には、デマンドジェネレーションにおけるリードクオリフィケーションのプロセスが重要です。見込み顧客リストの中から、案件につながる見込みの高い顧客を抽出します。MQLの抽出には、管理している見込み顧客の属性情報や行動情報をもとにスコアリングを行い、事前に設定した数値を超えた顧客をMQLと見なします。

購買意欲の低い見込み顧客への営業活動は、成果に結びつきづらく営業部門の疲弊につながる可能性があります。デマンドセンターで創出したMQLをフィールドセールスへ渡すことで、有効な商談数を増やせるでしょう。また、フィールドセールスから案件・商談結果のフィードバックを受け、MQLの見直しや改善を行い、より目的に合ったMQL創出を目指します。

MQLについては、下記の記事で詳しく解説しています。

関連記事:「MQLの意味は?なぜ重要?SQLとの違いや成功事例も紹介

データマネジメントを行う

デマンドセンターのもう1つの役割は、リードジェネレーションにより集めたリードを精査、管理するデータマネジメントの役割です。社内で所有する顧客データの名寄せを行い、必要なときに利用できる状態にしておきます。

データマネジメントは、リードナーチャリングにおいて顧客の属性やニーズを把握し、適切なアプローチを行うために役立ちます。そのためには、顧客の情報をリアルタイムで把握する必要があります。マーケティング施策による見込み顧客の反応や営業活動で得た顧客情報と連携し、効果的にマーケティングを進めていくためには、MAなどのツールの利用が欠かせません。

リード管理については、下記の記事で詳しく解説しています。

関連記事:「リード管理とは?課題と失敗しない手順をプロが解説!

3.デマンドセンターを構築するメリット

デマンドセンターを構築するメリットは下記の2つです。

  • 営業の効率を上げられる
  • ABMを効率的に進められる

営業の効率を上げられる

デマンドセンターで見込み顧客へのアプローチ情報を集約することで、営業の効率を上げられます。マーケティング部門と営業部門で別々に見込み顧客へアプローチし、それぞれのシステムで顧客情報を管理していると、顧客への効果的なアプローチが難しくなってしまうでしょう。デマンドセンターで顧客データを集約・一元管理できると、見込み顧客に対するアプローチに一貫性を持って、効率的にマーケティング、営業活動を進められます。

デマンドセンターではデマンドジェネレーションを一貫して行うため、施策の効果測定がしやすく、予算配分の最適化にもつながります。

ABMを効率的に進められる

ABM(アカウントベースドマーケティング)は、ターゲットに設定した顧客から売上の最大化を目指す手法です。ABMにおいてアプローチする企業の選別は、見込み顧客のデータ収集、蓄積から精査を行います。その際、デマンドセンターで顧客データを一元管理していると、ABMを効率的に進められます。

大きな売上につながりそうな企業に絞ってアプローチを行うには、マーケティング部門と営業部門が連携して課題やニーズを解決していくことが必要です。両部門間の連携と、顧客情報の活用によりターゲットにする企業の情報を抽出することで、デマンドセンターはABMの実施に貢献します。

ABMについては、下記の記事で詳しく解説しています。

関連記事:「【入門】ABMとは?必要性が高まる理由やメリット、進め方からツール活用まで分かりやすく解説

4.デマンドセンター構築のための3つの要件

デマンドセンターの構築のための3つの要件を紹介します。

マーケター

デマンドセンターを構築する際にマーケターは欠かせない存在です。市場調査やターゲットの設定、施策の実行のために顧客について深く知り、デマンドジェネレーションを遂行します。

デマンドセンターで求められるマーケターは、見込み顧客の獲得、育成、選別の経験や適正を持っていたり、展示会・セミナー企画やマーケティングツールを用いた業務経験を持っていたりする人が良いでしょう。

インサイドセールス

インサイドセールスとは、見込み顧客に対して電話やメールなど非対面で行う営業活動や部門のことです。主な目的はアポイントを取ることであり、マーケティング部門から営業部門への案件の受け渡しを行います。

インサイドセールスに求められることは、アポイントを取ることだけでなく、顧客のニーズをヒアリングし、適切に営業担当へ案件を割り振る能力です。マーケターと営業担当者の間で業務を行うため、部門間の連携を取り、デマンドセンターの機能を生かすための重要な役割を担います。

インサイドセールスについては、下記の記事で詳しく解説しています。

関連記事:「インサイドセールスとは?テレアポとの違い、実施の効果を解説

MA

デマンドセンターの構築には、見込み顧客を管理できるMAの活用が有効です。MAは情報収集の前段階から顧客をフォローでき、中長期的に見込み顧客を育成する特徴があります。

MAの活用で見込み顧客の管理、メールでのフォロー・アプローチを効率的に進められます。MAにはリード管理や見込み顧客のスコアリング、メールの自動配信機能など、デマンドセンターの活動に役立つ機能が多数あります。

見込み顧客リストを簡単に可視化し共有できるため、営業部門への情報共有にも役立ちます。

MAの効果的な使い方については、下記の記事で詳しく解説しています。

参考記事:「BtoBマーケティングにおけるMAの効果的な使い方とは?

5.まとめ

デマンドセンターは社内の顧客データを集約・管理し、デマンドジェネレーションを行うための組織です。社内の顧客データを管理し、見込み顧客の獲得から絞り込みまでのデマンドジェネレーションの活動を集約させることで、効率的にMQLを創出し、ABMの実施にも貢献できます。

デマンドセンターには社内の顧客情報を一元化し、管理・活用する役割もあります。デマンドセンターの活動を効率的に進めるためにはMAの導入・活用が役立ちます。

デマンドジェネレーションを効果的に行いたい、部門間の連携を強化したいと考えている方は、デマンドセンターの仕組みを取り入れてみてください。


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この記事を書いた人

縫村 優
縫村 優 | ライター

サイエンス分野から一転、BtoBマーケティングの世界へ。BeMARKE編集部でコンテンツ制作を担当。読者が実践的な知識を得られるコンテンツを提供するため、BtoBマーケティングに携わる人たちの声に耳を傾けている。

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