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インサイドセールスがMAフル活用のために押さえたい機能とポイント

インサイドセールスがMAフル活用のために押さえたい機能とポイント

インサイドセールスの業務効率化にMAが使えそうだと思っているが、いまいち使い方が分からず手つかずになっている」
「MAを導入することになり、せっかくなのでインサイドセールスでも活用したいと思っているが、具体的な方法が分からない」

このような悩みを持つインサイドセールス担当者も多いのではないでしょうか。
MAは非常に便利ですがコストも掛かるツールであるため、導入後いかに使いこなし成果につなげられるかが重要です。これから導入予定であるという場合も、MAの活用法を知った上で選定した方が、自社にとって使いやすいMAを選びやすくなるでしょう。
この記事では、インサイドセールスが業務でMAを活用する場合のポイントについてお伝えします。

目次

1.インサイドセールスとは

インサイドセールスは、見込み顧客に対し、メールや電話などを用いて非対面で営業活動を行うこと、またはその部門を指します。BtoBマーケティングを分業して行うためにインサイドセールスが部門として成立している場合は、マーケティング部門と営業部門(フィールドセールス)の中間に位置し、2部門の間でリードの受け渡しを調整する立場にあります。

主な業務は、マーケティング部門から引き継いだリードに対し電話やメール、企業によってははオンライン商談などを利用してアプローチし、購買意欲が高いと判断したリードをフィールドセールスへと引き継ぐことです。

インサイドセールスについて詳細を知りたい方は、「インサイドセールスとは?テレアポとの違い、実施の効果を解説」の記事をご覧ください。

2.インサイドセールスが活用できるMAの機能

インサイドセールスの業務を大幅に効率化してくれるのがMA(マーケティングオートメーション)です。MAを利用することで、大量の顧客情報を管理・分析したり、見込み顧客に対するアプローチを自動化したりすることが可能になります。
以下に、代表的な活用方法を解説します。

見込み顧客情報を一元管理する

インサイドセールスは、正確かつ漏れのない顧客情報を基に見込み顧客にアプローチする必要があるため、MAの顧客管理機能が役立ちます。

MAは、企業名、担当者氏名、役職などの見込み顧客の属性情報から、流入ルート、Webコンテンツでの行動履歴までを一元管理できます。情報が集約されているため、複数のリストを確認しながら架電を行ったり、メール配信の漏れがないかを逐一チェックしたりといった、非効率な作業時間を減らすことができます。

インサイドセールスにおいては、一元化された顧客情報を参照しながらの架電やメールであれば、必要な情報を漏らさず確認しながら、個別のアプローチを安心して行うことができます。

顧客の見込み度合いを判定する

インサイドセールスは、受注の可能性が高いと判定できたリードをフィールドセールスに渡す必要がありますが、その判定に役立つのがMAのスコアリング機能です。
インサイドセールスは多くの架電リストを抱えているため、限られた時間内でどの見込み顧客に架電を行うべきかの判断が重要になります。MAのスコアリング機能は、そうした架電の判断をサポートしてくれるのです。

スコアリング機能は、リードの属性や行動にあらかじめ点数を設定しておくことによって、指定の属性を持つ企業、指定の行動を起こした企業に点数を加算し、一定値に達したときにアラートを出します。例えば、ターゲットとしている業種の企業であれば属性スコアとして100点、とあるホワイトペーパーのダウンロードに行動スコアとして50点と設定し、300点を超えたら架電対象にするという判断基準を設けるのです。

スコアリングで一定値に達した見込み顧客に電話をし、ヒアリングで定性的な情報も確認すれば、顧客の見込み度合いを高い精度で判定できます。もちろん、MAの点数のすべてが正しいわけではありませんが、MAによってリードの判定を効率的に行えるようになるのは間違いありません。

顧客が閲覧していたWebコンテンツを確認する

インサイドセールスは見込み顧客に最初に接触する役割を持っていますが、その見込み顧客へのアプローチに役立つのがMAのトラッキング機能です。

MAのトラッキング機能は、見込み顧客が自社のどのWebコンテンツを閲覧していたかを記録でき、顧客のニーズの範囲を探ることができます。例えば、見込み顧客が自社サイトのQ&Aで特定の課題に長時間目を通しているようなら、見込み顧客がその課題を抱えていると推測できます。見込み顧客のニーズの範囲を推測できれば、電話やメールで接触する際に適切な情報提供ができるため、成果を上げやすくなります。

あらかじめ定めておいた対応を自動化する

インサイドセールスはいかに効率的に見込み顧客へアプローチできるかが業績を左右するため、定型的な作業を自動化できるMAのシナリオ機能が役立ちます。

MAのシナリオ機能は、見込み顧客の特定の属性・行動に応じたアプローチをあらかじめ設定できます。例えば、ターゲットとしている業種の見込み顧客が、メールに掲載したURLから自社サイトの製品情報を確認した場合に、セミナー開催のメールを自動送信するといった設定が可能です。

多くの見込み顧客に個別の対応が必要なインサイドセールスは、一律対応が可能な業務についてはシナリオ機能を生かして業務を効率化し、1対1の対応が必要な架電業務などに時間を割くことができます。

3.MAフル活用のために押さえたい4つのポイント

インサイドセールスやマーケターがMAをフル活用するために、前提として押さえておきたい4つのポイントがあります。特に、インサイドセールスを統括するマネージャー業務の方は、自社の取り組みがどうなっているかを含めて確認してみてください。

十分なリード数の確保

MAを活用する際には、十分な数のリードを確保する必要があります。MAは顧客のWeb上での行動を基準に業務を効率化するツールのため、十分な数のリードがなければ最大限の力を発揮できないのです。

また、リードが少ない状況でMAを運用しても、すぐに顧客リストが枯渇し、アプローチする相手がいなくなってしまいます。保有リードが少ない場合は、少なくとも月3桁のリードを確保できるように、リード獲得施策に投資することを検討した方が良いでしょう。

継続的に数多くのコンテンツ制作ができる体制づくり

MAのトラッキング機能やスコアリング機能、シナリオ機能を十分に生かすには、多くのWebコンテンツが必要です。少なくとも、見込み顧客のニーズ範囲を推測できるような情報が掲載されているサイトは必須です。定期的に配信するメールも、単なる製品の紹介などに終わらず、見込み顧客の興味・関心を引き出せる内容を制作しなければなりません。

また、MA活用のためには継続的なWebコンテンツ制作も必要です。更新が止まったきりのWebサイトでは、流入があったとしても再訪の頻度は少なくなり、顧客の見込み度合いの変化を測定することができません。Webコンテンツを「数多く」「継続的」に制作できる体制づくりができて、初めてMAをフル活用できる場が整います。

SFAと連携可能または一部機能を備えたMAを選ぶ

MAをこれから導入する場合には、SFAと連携可能なMAか、MAにSFAの機能が組み込まれているものを選びましょう。インサイドセールスの役目は、受注可能性が高いと判別できたリードをフィールドセールスへ渡すことですから、円滑な受け渡しができるツールを導入する必要があります。MAとSFAを連携させることで、見込み顧客へのアプローチに時間的なロスを生じさせることなく、フィールドセールスにリードを渡すことができます。
また、MAとSFAの連携は、一連のリード受け渡しの工程を可視化するため、インサイドセールスの受注への貢献度を評価しやすくするというメリットもあります。

予算が厳しく、MAとSFAのどちらか一方しか導入ができないといったケースであれば、SFAの一部機能を備えているMAを検討してみても良いでしょう。ただし、SFAがMAの一部機能を持っている場合もあります。MAとSFAのどちらを中心としたツールを選ぶのかは、他の部門との兼ね合いも考えながら慎重に検討する必要があります。

部門間の連携を強化しMAの機能を全体で生かす

インサイドセールスがMAを使いこなすためには、マーケティング部門や営業部門といった他部門とリード管理のルールを整備し、BtoBマーケティングに協力して取り組む意識づくりが必要です。

例えば、MAでスコアが一定値に達し、優先的に対応すべきと判断されたリードがあったとします。その後、インサイドセールスが架電を行いアポを取る以外にも、フィールドセールスが直接電話をかけ、商談へスムーズに移行する方法なども考えられます。この場合は、インサイドセールスとフィールドセールスで、リードを引き渡す状況やタイミングを相談し、細かく設定しておく必要があります。

さらにいえば、インサイドセールスがMAを活用して得られたデータは、マーケティング部門や営業部門の各業務にとっても助けになります。自分が担当する領域だけではなく、得られた情報を「BtoBマーケティングという枠組みで連帯する」意識でもって共有することで、総合的に見てより良い成果を出すことにつながるでしょう。

4.まとめ

インサイドセールスが使えるMAの機能、MAを活用する際の注意点についてまとめました。MAは、インサイドセールスの業務を効率化してくれますが、業務のすべてを自動化してくれるわけでも、いつどんなときでも利用できるわけでもありません。MAにできること・できないことを把握した上で、業務に活用してください。


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この記事を書いた人

BeMARKE編集部
BeMARKE編集部

BeMARKE(ビーマーケ)は、BtoBマーケティングの課題解決メディアです。 BtoBマーケティングのあらゆる局面に新しい気づきを提供し、リアルで使える「ノウハウ」を発信します。

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