BeMARKEが語る
MAの導入や活用が営業から反対されたり、良く思われなかったり、関心が低いといった問題はありませんか。例えば、「自分の見込み客のリストに勝手にメールを送るのは嫌だ」と言われたり、「MAを使ってWeb上で潜在顧客の育成をするより、一度接点のあった顧客に営業が直接フォローした方が有効だ」と言われたりする状況です。
MAをこれから有効活用していきたい会社のうち、こういった営業部門の懸念により活用プロジェクトがうまく進まない会社は、実は多く存在するのではないでしょうか。
顧客に直接触れてきた営業にとって、未知のツールの導入によって自らの活動が変化する状況に抵抗を感じて無理もない点があります。一方で、MAは有効活用すれば営業担当者自身の顧客フォロー活動をサポートしてくれるツールでもあります。
本記事ではMAと営業とのコラボレーションで、営業活動の後追いの効率や精度向上につながる点を解説します。
昨今のBtoBマーケティングにおいて、見込み客に早期に接触し長期的に信頼関係を築き、いざ検討段階に入った段階で自社を発注先候補にあげてもらう取り組み、一般的に言えば「顧客育成」が重要なことは理解している方が多いでしょう。
一方で顧客育成を実際に行おうと思うと、かなり難しいのではないでしょうか。法人の購買検討は、ちょっとしたコンテンツを送るだけで購買意思が生まれるほど単純で衝動的な意思決定プロセスではないです。
また検討期に入ったかどうかを見極めることも簡単ではありません。定期的に状況伺いの電話をしていれば察知できるかもしれませんが、営業にとっては直近の成約を完了させる方が優先度が高くなりがちです。重要な提案の合間で見込み客のフォローをするには相当の余裕が必要です。
顧客育成が難しい点は以下の3つに分けられます。
同じ経路で一度に大量獲得した見込み客は特に、後追いの優先度をつけることが困難です。例えば展示会で大規模なブースを出展している企業であれば、数千枚の名刺を獲得するはずです。接触から時間が経過したり、接触できない期間が長く続いていると直近の興味関心度合いもわからず、大量のリストを前にどこから架電するか判断する時間を必要とします。
架電専門部隊がいれば、すべてのリストに架電するといった方法も取れますが、クロージングを行う営業が顧客対応のすき間時間に新規開拓を行う場合、架電対象を迷っている間に時間がなくなってしまう可能性も考えられます。
個別フォローをする納得できる理由がないと、顧客側も何の脈絡もないところで営業を受けることになり、当然戸惑いが発生します。営業する側も何のきっかけで話を切り出すか迷う部分があるでしょう。いつまでも「○年の展示会でお会いして」と枕詞をつけるのも恥ずかしくなってきます。切り出すきっかけを探すくらいならば、ひとまずクロージング間近の顧客フォローに時間を使った方が良いと思うかもしれません。
しっかり顧客に接触ができ、ニーズをヒアリングできても、顧客ニーズに応えられるコンテンツを用意していないと育成につながりません。伝えられた顧客ニーズへの回答となるコンテンツを、自社でまだ制作したことがない場合、新しく制作する必要があります。
いくら提案書作成に慣れている営業担当者であっても、既存顧客フォローやクロージングのすきまに潜在顧客向けの資料制作を行うことは難しいでしょう。さらに制作ができたとしても、Web上で広く公開し多くの顧客に見てもらう機会を設けるには、Webに関する専門的な知識が必要となります。
MAを導入すると、Web上の行動や属性情報を元に点数をつけることができたり、特定の条件で絞り込みができたりするので、フォロー対象顧客の並び替え、順位付けが可能になります。従って、フォローすべき顧客の優先順位がつけられずに困ってしまう状態は回避できるでしょう。
※詳しくは次の記事をご確認いただけると、MAでできることがわかります。 「『導入すれば勝手にアポ獲得』は幻想?MAで成果を出す条件を確かめる」
Web上の行動や属性情報を元に点数をつけることができたり、特定の条件で絞り込みができたりするので、フォロー対象顧客の並び替え、順位付けが可能になります。従って、フォローすべき顧客の優先順位がつけられずに困ってしまう状態は回避できるでしょう。
顧客ニーズの推測に関しては、顧客がこれまでにどのようなページを見てきたか分析することができます。閲覧履歴を見れば、顧客の現在の興味についてある程度推測することができ、話のきっかけも作りやすくなります。MAのこのような価値により、フォローのきっかけ(顧客のニーズ)がわからない状態も避けられます。
フォローコンテンツについても、もちろんコンテンツ制作自体を誰かが対応する必要がある点は変わりませんが、公開や編集はMAを導入することで容易になります。資料ダウンロードを促すページやフォームの作成、視覚的に工夫を施したHTMLメールの作成が専門家でなくても容易に実行できます。MAのこのような機能のおかげで、フォローする道具(コンテンツ)も管理、共有が楽になります。
これまで述べてきた通り、MAは見込み客の育成に有効に活用できるツールです。特に営業に時間的余裕がない中で新規開拓を進める必要がある場合にも、優先順位をつけて効率的に育成を行うことをサポートしてくれます。
一方でこれまで説明してきたMAのメリットにはフォロー優先順位を決めるルールやWebコンテンツの存在等、前提条件が存在します。MAを導入しただけで顧客育成ができる、アポを自動で獲得できる訳では無いのでその点は注意しましょう。コンテンツマーケティングやマーケティングフローの整備とセットでMA活用を進められると理想的です。