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強いインサイドセールス組織をつくるには? プロが語る、リードの案件化数を高める戦略

強いインサイドセールス組織をつくるには? プロが語る、リードの案件化数を高める戦略

インサイドセールスを導入したものの、うまく成果を上げられていないと感じていませんか? よくある問題は、営業プロセスが分業化されたことにより、部門間の連携が不足していること。また、本来の目的であるはずの、効率化のための体制が構築されていないことではないでしょうか。

今回は、インサイドセールス導入後の部門間連携のポイントと、リードを商談につなげるための戦略について、BtoB企業の営業支援を行う株式会社ブレーンバディが、自社のノウハウを交えて詳しく解説します。

第1回では「インサイドセールスの導入ポイント」、第2回では「インサイドセールスの導入目的」についてお話していますので、インサイドセールスを成功させるために、ぜひこちらもあわせてご確認ください。

目次

一人の人間が担当しているかのような連携が理想

マーケティングの顧客解像度を高める

マーケティングには、顧客を理解し、顧客のインサイト(顧客自身も気づいていない思考や行動)を探り出すことが求められます。そのため、マーケティングが創出したリード(MQL)について、すべての顧客接点担当からフィードバックを貰える体制が望ましいでしょう。

各部門からのフィードバックにより、マーケティング部門は顧客解像度をより高めることができます。例えば、インサイドセールスがマーケティングに対して、「リードがどのような理由で商談に至ったか」「どんなホワイトペーパーを読んでいたか」といった情報を共有すれば、より質の高いMQLの創出が可能になるかもしれません。

部門間のフィードバック体制を構築する

The Modelの仕組みとフィードバックの逆プロセス

「The Model(分業型営業組織の概念)」では、マーケティング⇒インサイドセールス⇒フィールドセールス⇒カスタマーサクセスとプロセスが進みます。しかし、プロセスとは逆方向のフィードバックを各部門で実施し、組織として顧客理解を深める仕組みが必要です。

最終的な目的をお客様の課題解決と考えると、本来であれば、営業プロセスの最初から最後までを一人の人間が担当したほうが、顧客理解は深まり、顧客体験も高まるはずです。しかし、組織として考えると、生産性の限界が来てしまうので、「The Model」で分業化しているにすぎません。一人の人間が担当しているかのように情報や対応を連携させるには、各部門の双方向のコミュニケーションが不可欠なのです。

リードの商談化率をあげる戦略

リードにフラグを立て、優先順位を決める

インサイドセールスを導入したにもかかわらず、リードの商談化率があがらない場合があります。商談化率をあげるためには、まずリードの選別が重要です。

前回の記事でも触れていますが、リードには大きく分けて4つの段階があります。初期段階のリードは「Marketing Lead(ML)」として識別され、その後「Marketing Qualification Lead(MQL)」、「Teleprospecting Qualified Leads(TQL)」、そして「Sales Qualified Leads(SQL)」というステップを経て、購入意向の高いリードへと進化します。

インサイドセールスは、マーケティングから創出された見込みが高いリード(MQL)にただ、漠然と電話をかけるのではなく、そのリードに対して優先順位をつけてアプローチすると良いでしょう。

当社では、優良な企業(=アカウント)に分類して、その企業に最適化されたマーケティング施策をする手法であるアカウントベースドマーケティング(ABM)を取り入れています。そのため、リードに対して、「Tier1、Tier2」というフラグを立てています。展示会やウェビナーなどのマーケティング施策からCRM(顧客関係管理)に入って来た時点で、「この企業はTier1です」とフラグが立ちます。これらのフラグを見て、インサイドセールスは、MQLの中でも優先順位の高い層に戦略的にアプローチをしていくのです。

ここで注意したいのは、「アポイントや受注の取りやすさ」でフラグの設定をしないことです。当社の場合、「私たちのサービスでお客様の課題解決がされやすいか」の基準でフラグを設定しています。つまり、Tierが上位であればあるほど、当社のサービスで課題が解決できる顧客なのです。

フラグ立てには、カスタマーサクセスからの視点が重要

受注のしやすさでフラグ立てをおすすめしない理由は、顧客の成功を考慮に入れていないため、結果的に顧客が成功せず、早期に取引が終了し、LTVが低い顧客との取引が増大する可能性があるからです。そうなるとカスタマーサクセスが疲弊したり、LTVに対する顧客獲得コストが見合わなくなるでしょう。これではユニットエコノミクスが成立しません。

フラグを設定する際は、「どのようなお客様が成功しているか」「どんなお客様が長く利用してくれているか」などカスタマーサクセスからの情報も参考に設計することをおすすめします。

フラグ立てに必要な要素とは?

顧客セグメントについては、ツールを使用することでさまざまな角度から細かく切り分けることができます。そのうえで、マーケティングがフラグ立ての際に収集すべきは、どのチャネルから入ってきたリードなのか、リードがどのような課題を持っているのかの情報です。

例えば、リードが資料請求のみなのか、すぐに商談を希望しているのかといった情報は、事前にアンケートなどを実施して得るケースが多いです。これらのさまざまな情報の掛け合わせにより、リードに適切なフラグを設定していきます。

アンケートは、顧客ファーストであるべき

インサイドセールスがアポイントを取る前に、マーケティングである程度のリード情報を収集することはフラグ立ての観点からも大切です。しかしただ資料請求をしただけのリードに対して、あまりにも煩雑なアンケートがあると、顧客体験を損ねてしまう恐れがあります。アンケート項目を考える際も、顧客起点を忘れてはいけません

一番オーソドックスな方法は、リードが商談を希望しているときだけ、課題をヒアリングするためのアンケートを用意しておくことでしょう。インサイドセールスやフィールドセールスが事前に課題を認識していると、商談の場での顧客の負担も軽減されるので、顧客起点のアンケートと言えます。

案件化数を高めるアプローチの改善施策

アプローチプロセスに存在する課題の根本原因を特定する

最後に、インサイドセールスのプロセスをどのように振り返り改善していくか具体的な方法をお伝えします。

インサイドセールスを導入したのに、「案件化数が少ない」場合、まず、どこに課題があるかを特定します。案件化数が少ないのは、獲得数(商談化数)に問題があるのか、案件化率に問題があるのか、最初はこの2つで分岐します。次に、獲得数(商談化数)に課題があると判断した場合、架電数に問題があるのか、コネクト率に問題があるのか、それともコネクト後の獲得率に問題があるのかで、更に分岐します。ここで例えば、架電数に課題があるとした場合、架電時間に問題あるのか、時間当たりの架電数に問題があるのか、といった具合に、それぞれの課題の詳細を分析し、根本原因を特定していくのです。そして、それに対する具体的なアクションプランを立て、PDCAサイクルを回していきます

当社ではマニュアル化された課題特定シートを使い、毎日振り返りを行っています。そして、毎朝、前日の活動から得られた情報をもとに、その日のアクションプランを議論します。プロセスの見直しと改善を毎日行うことで、継続的に成果を出すインサイドセールス組織を作っているのです。

フィールドセールスと連携して課題特定をする

とはいえ、今ご紹介したような当社の取り組みを、全て網羅的に実践するのは現実的ではないでしょう。しかし、n数がたまったら、ある程度の傾向が見えてくるので、定期的に振り返る必要があります。インサイドセールスの課題を特定する基準として、最低限必要だと考えられる要素を以下に記載しますので、ぜひ参考にしてみてください。

【案件化数が少ない】

・獲得数(商談化数)に課題があるのか
・商談からの案件化率に課題があるのか
…フィールドセールスと連携した上で課題を特定

└獲得数(商談化数)に課題がある場合
・アクション数(架電数)に課題があるのか
・コネクト率に課題があるのか
・コネクト後の獲得率に課題があるのか

└商談からの案件化率に課題がある場合
・ニーズが発生していないのか
・ニーズ発生までに時間がかかるのか
・リードに予算がない、優先順位が低いのか
・ヒアリング情報が不足しているのか

フィールドセールスと連携しながら、上記にあげた2段階の分岐レベルまでは課題を特定し、改善施策を考えましょう

まとめ

今回は、インサイドセールスを導入したときの部門間連携のポイントと、インサイドセールスのプロセス改善施策についてを当社の具体例を交えながらお話しました。

インサイドセールスを導入したら、部門間でリード情報をフィードバックできる体制をつくり連携を取りましょう。

商談化数があがらない場合は、リードにフラグを立て優先順位を決めてアプローチしてください。

また、インサイドセールスは1日で100件以上のアクションをすることが多いので、定期的に振り返り改善施策を考えることが重要です。課題を特定するときは、なるべく詳細に原因を分析する方が、具体的なアクションプランを考えることができるでしょう。

しかし、そこまで時間を掛けられない場合は、今回ご紹介し2階層までの課題分析をできるだけ高頻度で行うことをおすすめします。

ぜひ今回ご紹介したポイントを、自社のインサイドセールス組織の見直しに役立ててください。

BeMARKE編集部より

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この記事を書いた人

大矢剛大
大矢剛大 | 株式会社ブレーンバディ 代表取締役

株式会社リクルート出身。その後、HRスタートアップに事業責任者として創業から携わり、営業組織の構築を行う。2021年4月、本格的にセールス・イネーブルメント事業を行うべく株式会社ブレーンバディを設立。学歴、職歴、働く場所、年齢などに関わらず、「一人でも多く、パフォーマンスを発揮できる機会を提供する」というミッションの実現を目指す。

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