Tips/寄稿
この連載はウェビナーマーケティングSaaS「Bizibl」を提供する株式会社Bizibl Technologiがお届けしています。多種多様な企業のウェビナー活用支援を通じて得た「ウェビナーが解決できるマーケティングの課題」や「他のマーケティング施策との違い」、「ウェビナー効果の最大化」など、ウェビナーに関するさまざまな役立つ知識やノウハウを、具体例を交えて解説していきます。
連載で紹介予定のテーマはこちらを参照:https://be-marke.jp/articles/tips-bizibl1
できるだけ分かりやすくお伝えするための工夫として、架空のマーケティング担当者「宇恵 比奈(ウエ ヒナ)」さんを主人公に、彼女が相談相手のアドバイスを受けながら成長していく対話・物語形式で進めていきます。(ちなみに、「宇恵」という名字は実在するんですよ)
第1回は、「ウェビナーの目的と意義—『なぜウェビナーなの?』に答えます」です。
宇恵比奈(ウエ ヒナ)さんは、プロジェクトマネジメントSaaSを提供する会社のマーケティング部に所属しています。最近、新たにウェビナーマーケティング施策を任されることになりました。
これまでは展示会出展やメール施策、ブログ記事の作成などに取り組んできたが、ウェビナーに関しては実務経験がなく不安を抱えています。
上司の指示とはいえ、限られたリソースでどのように成果を出せば良いのか。
忙しい日々の中で手探り状態の彼女が抱える、
「そもそも、ウェビナーをどのようにマーケティング施策で活用すればいいの?」
「どんな企画をつくって、どんなツールで運営して、どんな順番で開催すればいいの?」
という疑問は、多くのBtoBマーケターに共通する悩みでもあります。
ターゲット企業の担当者と直接接点を持つ機会が限られているなか、ウェビナーへの期待はありつつも、具体的にどんなメリットがあり、どのように他施策と連携するのかが見えず、一歩を踏み出せない状況です。
そんな折、上司が知り合ったというウェビナーの先生に、抱いている疑問について相談してみることにしました。
宇恵比奈(以下、ウエヒナ):先生、実はウェビナーを担当することになりました。でも正直、ウェビナーを今のマーケティング施策の中にどう組み込んで活用していけば良いのか、あまりイメージが湧いていないんです。
マーケティング部の上司は「そもそも自社サービスの認知度が低い」とか、「プロジェクトマネジメントは難しいという課題を抱えている見込み客はいるはずなのに、そうしたリードを十分に獲得できていない」とか、「展示会で獲得した名刺からの商談アポイント獲得件数が少ない」など、色んな課題を口にしてます。
先生:なるほど。課題はたくさんあるわけですね。実はウェビナーはそうした課題すべてに対して効果を出せる施策なんですよ。例えば、ウェビナーでは申し込み時やアンケートで、参加者の役職や課題を深く聞き取れるので、そこから見込み客のニーズを把握し、効率的に育成できたりするんです。
また、展示会で自社製品に興味を示した方に、追ってウェビナーへ案内すれば興味度を高められますし、そこから質の高い商談へつなげる可能性も高まります。
ウエヒナ:展示会でも名刺を集められますが、具体的な課題まではなかなか把握できません。ウェビナーなら申し込みフォームなどで、より詳しい情報が得られるということですね。
そうして得た情報によって、商談につながる確率が高くなるのであれば、今まで手探りだった部分を、うまく補完してくれそうですね。
先生:その通りです。ウェビナーは単発でも効果を出せますが、メールや展示会との組み合わせで見込み客を育成しやすくなります。これから順を追って具体策を一緒に考えていきましょう。
次に、ウェビナー特有のメリットやデメリットを考えてみます。それらを明確にしておくと、社内説明もしやすくなりますよ。
先生:ウェビナーのメリットですが、大きく三つ挙げられます。第一に、オンラインで全国、海外の見込み客とつながるハードルが低いこと。第二に、登録フォームやアンケートから詳細な情報を収集できること。第三に、開催コストを抑えられる点です。
ウエヒナ:確かに、オンラインなら場所的な制約が少ないですね。展示会やセミナーだと移動時間や会場費もかかりますし、その点は魅力的です。
先生:また、ウェビナーは参加者の興味度合いを把握しやすいです。実際に質問コーナーやチャットでのやり取りがあれば、どのようなポイントに興味を持っているかをリアルタイムでつかめます。使用するウェビナーツールにもよりますが、アンケートの集計や分析が紙に比べると圧倒的にラクですね。そうした情報を次回のコンテンツ改善にも、商談アポイント獲得にも生かせますよ。
ウエヒナ:なるほど。逆に、デメリットはどういったものがありますか?社内では「オンラインだと集中して参加しないんじゃないか?」という声もあるんです。
先生:確かに、オンラインの特性上、参加者が途中で離脱しやすい面はあります。自宅やオフィスで視聴する場合、ほかの作業をしながらの“ながら参加”もありますしね。さらに、デモ画面やスライドを使う場合、ネットワーク環境が悪いと視聴に影響が出ます。
また、オフライン開催と比較して参加者の様子を把握しにくい点があります。講師は、反応が見えにくいぶん、話すペースや内容を柔軟に変えづらいんです。
ウエヒナ:やはりオンラインならではの課題があるんですね。ただ、その分アンケートやチャット機能でしっかりコミュニケーションをとる工夫をすれば、参加者の温度感を把握しやすくなるのかなと思います。
先生:まさにおっしゃる通りです。デメリットは完全には消せませんが、うまく対策を立てれば十分メリットを生かせます。例えば、冒頭と終了時に拍手アイコンでちょっとした場の盛り上げを行い、適宜チャットを促すような進行を行うことで、参加者との双方向性を高められますよ。簡単なやり取りから始めればハードルは高くありません。参加者との接点を増やすことで、ウェビナーの効果も高まります。
次に検討すべきなのは、どのような社内課題に対してウェビナーが最適なのかという点ですでしょう。そこを押さえておくと、他施策との差別化も明確になりますよ。
先生:宇恵さんの会社で現在行っているマーケティング施策の中で、最も課題と感じているのは何でしょう?例えば、リード数が伸び悩んでいるとか、商談化率が低いとか。
ウエヒナ:一番の悩みは、展示会やメール施策で獲得したリードが、その後なかなか商談につながらない点です。名前とメールアドレスは手に入るんですが、どの程度興味を持ってくれているかまで把握できなくて……。今はとりあえず全員に同じメールを送っているだけなので、反応もあまり良くないんです。
先生:なるほど。ウェビナーであれば、参加申し込みの時点で詳細情報を得られますし、当日の反応やアンケート回答から興味の度合いを計測しやすいです。そこが、メールだけでは把握しにくい“見込み客の温度感”を見極めるカギになります。温度感が把握できれば、営業に渡すリストの優先度づけもやりやすくなります。
マーケティングオートメーション(MA)を導入している会社なら、ウェビナーの参加状況やアンケート回答を連携させ、優先度の高いリストを簡単に作成できます。商談獲得につながりやすい見込み客を見極められるので、営業サイドも効率的に活動できるんです。
ウエヒナ:まさに、それが理想です。うちの会社ではメール配信やフォーム管理にツールを使っていますが、ウェビナーとも連携させられたら便利そうですね。
先生:そう思います。ウェビナーは単体でも価値がありますが、他のツールや施策と組み合わせることで相乗効果が高まります。展示会のフォローイベントとしてウェビナーを開催したり、ブログ記事やホワイトペーパーが社内にいくつかあるような会社であれば、そこからテーマを広げてウェビナーを企画することで、準備もスムーズになるでしょう。
ウエヒナ:今日お話を伺って、ウェビナーがリード育成に強みを発揮することが分かりました。もう少し上司や同僚と相談して、まずは小規模でも試してみようと思います。
先生:社内で「なぜウェビナーが必要なのか」を理解してもらうことは大事です。見込み客獲得や育成、営業支援に関わるみんなが、ウェビナーを活用するメリットを共有しておくと、協力体制が整いやすくなりますからね。
また、最初から完璧を目指すのではなく、まずはやってみて課題を洗い出す。そこから改善を繰り返せば、きっとウェビナーマーケティングが大きな成果をもたらしてくれるはずですよ。
ウエヒナ:先生、どうもありがとうございました。
ウェビナーを成功させるためには、ただテーマを決めるだけでは不十分です。自社の製品やサービスを活用して、「ターゲット(参加者)がどんな成果を手に入れるのか」をイメージすることが重要です。
次回は、ターゲットを具体的にイメージする方法や、そのターゲットのニーズに応じたウェビナーのテーマ設定の仕方を詳しく解説。「ターゲットが参加してくれるだろうか?」という不安を解消し、ターゲットとテーマのつじつまのあった企画を考えられるようになる土台づくりを行います。
【収録予定内容】
・ウェビナーで成果を得るためのターゲットとテーマ設定の方法
・過不足なく、自社に必要なウェビナーの種類を洗い出す方法
・洗い出したウェビナーを作成、開催する順番を決める方法
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