セミナーレポート

アフターバブルにおけるウェビナーの在り方【セミナーレポート】

アフターバブルにおけるウェビナーの在り方【セミナーレポート】

BeMARKEは2022年12月15日に、「BtoB企業のための、2023年を見据えた最新リード獲得施策総まとめ」と題した5社共催セミナーを開催しました。本セミナーでは、BtoBビジネスにおけるWeb活用を先導してきた企業様を登壇者にお迎えして、それぞれSEO、広告運用、SNS活用、Web改善、ウェビナー運用の5つのテーマで語っていただきました。

株式会社Bizibl Technologies 最高収益責任者 堅田 遼 氏には、「アフターバブルにおけるウェビナーの在り方」と題して講演いただきました。本セミナーでは、ウェビナーについてのバブル期が終了した今、どのようなウェビナー施策をすべきか解説します。また、アフターバブルにおけるウェブナーの在り方を考察するとともに、集客を最大化するウェビナー運営のノウハウも紹介します。

目次

【登壇者】
堅田 遼 氏(株式会社Bizibl Technologies 最高収益責任者)
京都大学 経済学部 卒業後、不動産業界特化SaaSを提供する株式会社いえらぶGROUPに新卒入社。新規法人営業部責任者を務める。 2021年よりウェビナーマーケティング事業の株式会社Bizibl Technologiesに参画し、最高収益責任者に就任。 BtoB業界で活躍するマーケターをゲストに迎え、ウェビナー活用について徹底ディスカッションするプログラム「THE WEBINAR」発起人。 自身も月に30本近くのウェビナー配信をする。

改めて「ウェビナーとは何か」を定義する

堅田 遼 氏:「アフターバブルのウェビナーの在り方」についてお話する前に、前提として、現在インターネット広告の重要性が増しているという状況があります。インターネット広告費がマスコミ4媒体の広告費全体を超えたというデータもあります。

マスコミ4媒体とネットの広告費の比較

そんな中、インターネット広告の競争が激化して広告費が高額になるとともに、Cookie規制の影響などで分析の精度が低下しています。

ネットの広告費の高等
Cookieの規制と広告

こうした状況下で、今回改めて「ウェビナーとは何か」を定義します。

1対多かつオンライン

ウェビナーの1対多、オンラインの特徴

まず、「『1対多』と『オンライン』の2要素による顧客接点」と定義できます。

ウェビナーは、「1対1」の商談と異なり「1対多」なので、仕事や家事をしながら「とりあえず」という感覚で視聴できます。また、セミナー会場に移動する必要がなく、職場や家からオンラインで参加できます。

このように、ウェビナーは「気軽な顧客接点」として注目される施策です。

ウェビナーは“一石三鳥”のマーケティング施策

また、ウェビナーには3つの要素があるととらえております。

リード情報の取得

一石三鳥のマーケティング施策

1つ目の要素は、申し込みフォームによるリード情報の取得ができることです。今回皆様にも入力いただいたと思いますが、申し込みフォームを通してお客様のメールアドレス、電話番号、会社名などを取得できます。

興味の促進

2つ目の要素は、音声や映像といった情報伝達効率の良い媒体を活用して興味の促進ができることです。

お客様の時間を30分なり1時間なり「ウェビナー」という形で拘束できるため、態度変容を起こしやすくなります。

感度の見極め

3つ目の要素は、アンケートの回答や参加ログの可視化によって感度の見極めができるということです。

参加前の申し込みフォームと参加後のアンケート回答を見ることで、ウェビナーというインパクトのあるコンテンツによる態度変容があったかどうかを確認できます。

ウェビナーはいわば、「一石三鳥のマーケティング施策」なのです。

ウェビナーバブルの崩壊

このような価値のあるウェビナーですが、昨今さまざまな企業が開催するようになったことでウェビナーが一般化しています。

情報収集チャネルの利用割合

とある会社のレポートによりますと、BtoBマーケティングにおけるお客様の情報収集手段として、「インターネット検索」に次いで「ウェビナー」もしくは「セミナー」を活用しているというデータが示されています。

過去5年のウェビナーの検索数推移

実際、皆さんもウェビナーの告知を目にしない日はないのではないでしょうか。コロナ禍の直後には、「ウェビナー」というキーワード検索数が一気に伸びました。そこから徐々に落ち着いています。

アフターバブルの課題

ウェビナーが登場した直後、競合他社が開催していなかった当時は、ウェビナーを開催しさえすれば集客できるボーナスタイムのような時期がありました。

ところがウェビナーバブル期を経て競合が増え、質の良いコンテンツと悪いコンテンツが乱立するようになりました。これにともない、お客様の目も肥えてきています。

ウェビナーやっても集客できない、商談化しない

今では多くの企業が、「ウェビナーを開催しても集客できない」「集客した後に商談化しない」といった課題を抱えているのではないでしょうか。

これを私は「ウェビナーバブルの崩壊」と呼んでいます。

アフターバブルにおけるウェビナーの在り方

では、ウェビナーバブルが崩壊した今、どのようなウェビナーを行えば良いのでしょうか。

参加者目線で考える

1点目は「参加者目線で考える」ということです。参加者がどのような目的でウェビナーに参加しているのかを考えましょう。

例えばこのように、「製品・サービス導入の検討」を参加目的として挙げている方は複数回答でも20%にとどまっています。一方、「今の業務に対するスキルアップ、ノウハウ吸収」や「業界・トレンドの調査」など、お役立ち情報のインプットを目的に参加している方が多く見受けられます。

2021年のウェビナー参加の目的の調査結果

よく目にする「残念なウェビナー」の例としては、タイトルなどに「お役立ち情報を発信します」と掲げていながら、実際は商品紹介に終始するウェビナーです。そのようなウェビナーの顧客体験はあまり良いものではないでしょう。

お客様はさまざまな目的を持ってウェビナーに参加しています。企画の際には、自社の目的に合わせた企画をすると同時に、「参加者ファーストの運営」で顧客体験を最大化しましょう。

マーケティングファネルに沿って目的を考える

ウェビナーを考える上でも、マーケティングファネルに沿った図は効果的です。

ウェビナーのあり方

こちらの階段状の図では、認知獲得のためのウェビナー、興味醸成のためのウェビナー、そして事例紹介やサービス紹介、デモなどを行うウェビナーに分けて考えています。

認知獲得のためのウェビナーでは、「BtoBマーケティング」など広めのテーマ設定で展開します。ここでは商談化率は低めに推移すると思います。一方、事例紹介やサービスデモのウェビナーに参加されたお客様は、商談化しやすいホットなお客様だといえます。

このように、それぞれの企画で「この企画はどのフェーズのお客様に向けたものなのか」を考えます。その上で「どれくらいの商談化率を見込めるか」「商談化しなかったお客様に対してはどのようなウェビナーに誘導すべきか」といったことを考慮しつつ、全体を設計してください。

集客を最大化するウェビナー運営のノウハウ

ここからは、具体的に「集客を最大化するウェビナー運営のノウハウ」を、Tipsやデータを交えてご紹介します。

開催時間は午前中、開催曜日は火水木

参加者を引き付けやすい時間帯

ウェビナー開催時間ですが、BtoBに関しては午前中の開催がおすすめです。午前10時、11時あたりが最も参加しやすいというデータが出ています。

ウェビナーに参加しやすい曜日

曜日も重要です。例えば、火曜日、水曜日、木曜日の参加率が高く、月曜日と金曜日はどちらも申込登録が低い傾向が見られます。特に月曜日は、「申し込んでいても当日の参加率は低い」というケースが多々あります。月曜日が祝日の場合は、この法則が火曜日に当てはまります。

集客チャネルはメルマガが有効

集客を最大化する上で欠かせないチャネルが、メールマガジンです。

2021年のウェビナー参加きっかけの調査結果

2021年に集客したセミナーのアンケートでは、「どこで知りましたか」という問いに対する回答で最も多かった項目が「会社からの指示」でした。次に多かったのが「メールマガジン」です。

メールマガジンを送る時間帯も重要です。

メールの配信時間と開封率

この点はウェビナーというよりメルマガ戦略に関する部分ですが、朝11時半のメルマガ開封率が最も高いというデータがあります。

切り口を変えたメール例

また、メールの切り口を変えて複数回送ることで、申し込み率を上げられます。ただし、同じ内容のメールを何度も送るのは悪手です。

シンプルな告知やノウハウをまじえたメルマガの中に、ウェビナー告知や当日の資料の一部を入れ込んだりしながら、さまざまな切り口でウェビナーを告知しましょう。

案内メールの事例1

こちらは、私が実際に送っているメールの事例です。

冒頭でシンプルにウェビナーの告知画像を載せた上で、複数日程を示したり引き文句を記載したりしています。

そして何より、「とりあえず申し込む(無料)」というハードルを下げるコンバージョンボタンを設置しておくことが大切です。これによってコンバージョン率を向上させましょう。

案内メールの事例2

こちらは、当日の資料やデータ、スライドの一部をメールに掲載したものです。このような「チラ見せ」で興味を引くメールも効果的です。

告知は直前まであきらめない

告知のタイミングは、多くの場合、2週間から10日前にスタートします。そして、当日の朝、セミナー開催の直前まで集客をあきらめないでください。

当日参加申し込みの割合

実際に、「申し込みの17%は開催当日に発生している」というデータがあります。例えばSNSやメールで流れてきた情報を見て「この時間なら空いているから見てみよう」という考えが起きるのです。最後まで粘って集客しましょう。

複数の開催日程を用意する

また、ぜひ実践していただきたいテクニックとして「複数の開催日程を用意する」ということについて説明します。これによってコンバージョン率を伸ばせます。

私は実際、自社のウェビナーを開催する際、1つの企画につき初日、2日目、3日目と3日程を用意します。

参加希望者のなかには、「ウェビナーの内容に興味はあるが予定が入っていて参加できない」という方もいます。これは、主催者にとっても参加希望者にとっても機会損失にほかなりません。

1日程と比較した3日程での総申込数の割合

そこで私は、初日はライブで開催し、2日目、3日目はその録画動画を流して開催することで、3つの日程から選べるような導線を引いております。

これによって、申し込み率が1.5倍から2倍ほど変わってきます。ぜひこの運用方法を採り入れてみてください。

録画配信は、ほとんどの場合、ライブ配信の録画を編集せずにそのまま流します。「ライブの方が良いのでは?」を思われるかもしれませんが、データを見ると思い込みだったことが分かります。

ウェビナーのライブ回と録画配信会の比率

弊社のデータでライブと録画配信のウェビナーを比較してみると、「参加率」と「アンケート回答率」は録画配信のほうが良好です。「平均滞在時間」はあまり変わりません。

複数日程を用意したり、3日に限らず週に1回定期配信したりすることで、社内の口コミや友人・知人、SNSでの拡散を通じて紹介による流入も見込めます。他のウェビナーを見て別のウェビナーを視聴するリピーターも期待できます。

積極的に録画ウェビナーを活用してください。

まとめ

本日は、ウェビナーバブルが終了した後のウェビナー施策の在り方と、集客を最大化するウェビナー運営方法のノウハウを説明しました。

アフターバブルのウェビナーは、自社の目的に沿った企画を立てるだけでなく、参加者目線で役立つ企画を立てましょう。

集客を最大化するには、開催日時の設定や告知を効果的に行いましょう。録画配信を活用した複数日程の開催もおすすめです。

今後開催予定のセミナー一覧はこちら>>https://attendee.bizibl.tv/companies/couskAFkFaaS

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