基本ノウハウ
今までエクセルで顧客管理を進めてきた企業では、「新しいツールを導入することで、逆にパフォーマンスが落ちるのでは?」と不安に感じるでしょう。そのような企業には、無料版のツールで使用感などを確認するのがおすすめです。
本記事では無料プランや、無料トライアルがある顧客管理ソフト・アプリについて解説します。無料ならではのメリット・デメリットも、あわせて紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
まずは無料プランがある顧客管理ソフト・アプリを、5つ紹介します。
ユーザー数 | 無制限 |
登録データ数 | 100万件まで |
主な機能 | ・コンタクト管理 ・パイプライン管理 ・レポート作成 など |
有料プラン | 5,400円/月~ |
HubSpot Sales Hubは、HubSpot社が提供する顧客管理ソフトです。15万社以上の企業で導入されており、世界的なシェアを誇るCRMとなっています。同社が保有する1,000種類ものアプリとシームレスな連携もでき、使用用途の広がりに合わせて自由度の高いカスタマイズも可能です。
ただし無料版プランでは、メールの開封とクリックの通知数が200件/月になっています。顧客管理の情報を踏まえてメールマーケティングを展開する場合は、通知の制限がない有料版へ切り替えるのも1つの方法です。
ユーザー数 | 無制限(無料トライアル中) |
登録データ数 | 無制限(無料トライアル中) |
主な機能 | ・見込み顧客管理 ・案件管理 ・アカウント/連絡先管理 など |
有料プラン | 3,375円/月~ |
monday sales CRMは、monday.comが提供する顧客管理ソフトです。10万社以上の企業で導入されており、HubSpot社と並んで世界的な人気を集めているCRMとなっています。
無料プランを利用できるのは、学生や非営利団体など条件が限られています。ただし14日間の無料トライアルはどの企業も参加できるため、製品比較は十分にできるでしょう。
ユーザー数 | 無制限 |
登録データ数 | 100件まで |
主な機能 | ・法人番号データベース連携 ・企業資料と名刺のひも付け ・名寄せチェック など |
有料プラン | 715円/月~ |
feelsは、株式会社AMG Solutionが提供する顧客管理ソフトです。「なんでもできるではなく、誰でも使える」をモットーに、シンプルで利用しやすいツールとなっています。SFAも内包しており、営業やマーケティングなど部門間の情報共有もスムーズになるでしょう。
ただし行動履歴管理は1カ月前までとなっているため、顧客管理を正確に進めるには記録漏れのないようにより一層注意する必要があります。有料プランは非常にリーズナブルなため、機能を拡張したいタイミングで切り替えを検討してみるのも1つの方法です。
ユーザー数 | 無制限 |
登録データ数 | 1万件まで |
主な機能 | ・顧客スコアリング ・Webアンケートの集計や分析 ・SNS連携 など |
有料プラン | 29,480円/月~ |
Ambassador Relations Toolは、株式会社コンファクトリーが提供する顧客管理ソフトです。メール送信数は無料プランでも1万件まで可能なため、メールマーケティングの運用にも向いています。また業種別のテンプレートがあり、メール作成の手間を省ける点も魅力的です。
データ項目の個別カスタマイズはできませんが、MAや売上分析など機能面では有料プランとほとんど遜色がありません。特に中小企業の顧客管理体制の構築に向けて、手始めに導入するツールとしておすすめの製品となっています。
ユーザー数 | 無制限 |
登録データ数 | 3,000件まで |
主な機能 | ・顧客管理システム作成 ・エクセルとの互換機能 ・帳票テンプレート など |
有料プラン | 8,800円(買い切り) |
Fullfreeは、株式会社フリースタイルが提供する顧客管理ソフト作成アプリです。自社の業務フローに合わせて、自由にデータベースをカスタマイズできます。UIはエクセルに比較的近いため、中高年者が多い企業でも取り入れやすいでしょう。
またマイクロソフト社のクラウドを使用している上、データセンターを通じたコピーは6重にもなり堅牢性も十分確保されています。特に「エクセルと同じような操作で、かつ業務効率を上げたい」という企業におすすめです。
ここでは無料トライアルがある顧客管理ソフト・アプリを、3つ紹介します。
より多くの顧客管理ソフトを比較したい方は、こちらのCRM選び方ガイドをぜひ利用してみてください。
関連記事:「【2022年版】BtoBマーケにおすすめのCRM選び方ガイド!機能・価格・立ち位置を解説」
無料トライアルの期間 | 30日間 |
ユーザー数 | 無制限 |
登録データ数 | 無制限 |
主な機能 | ・取引先管理 ・見込み顧客管理 ・商談管理 など |
有料プラン | 3,000円~ |
Sales Cloudは、セールスフォース社が提供する顧客管理ソフトです。データの入力や見込み顧客の獲得・維持におけるコストが、一般的なCRMよりも約30%削減されるとしています。
有料のアドオンでは、AIによる自動記録やデータ分析も可能です。業務を効率化しつつ、成果を最大限引き出したい企業におすすめの製品となっています。
無料トライアルの期間 | 15日間 |
ユーザー数 | 3名まで |
登録データ数 | 無制限 |
主な機能 | ・見込み顧客管理 ・取引先管理 ・案件管理 など |
有料プラン | 1,680円/月~ |
Zoho CRMは、Zoho社が提供する顧客管理ソフトです。25万社以上の企業に導入され、国内外ともに評価の高いツールとなっています。同ツールの導入効果について、Zoho社は次のようなデータを公表しています。
MAやSFAも内包しているため、事業全体の業務効率や成果を上げたい企業におすすめの顧客管理ソフトです。
無料トライアルの期間 | 30日間 |
ユーザー数 | 要問い合わせ |
登録データ数 | 要問い合わせ |
主な機能 | ・名刺管理 ・人脈可視化 ・反社チェック など |
有料プラン | 要問い合わせ |
ホットプロファイルは、株式会社ハンモックが提供する顧客管理ソフトです。SFAやMAのほか、名刺管理も内包しているにもかかわらず、他社製品より約40%もコストを削減できるとしています。
有料オプションでは、Salesforceとの連携で登録作業をゼロに近づけることも可能です。人脈可視化など他のツールにはない独自の機能も多いため、無料トライアルでじっくり比較検討すると良いでしょう。
無料の顧客管理ソフトならではのメリットは、次の3つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
無料の顧客管理ソフトにおける最大のメリットは、導入ハードルが低い点です。そもそもCRMやSFAなどマーケティングや営業をサポートするツールは、比較的費用が高めに設定されています。
しかし無料の顧客管理ソフトであれば、導入を検討する際に費用がネックになりません。その分早期に利用でき、効果的なマーケティング施策や業務効率化をより早く進められます。
操作性を確認できる点も、無料の顧客管理ソフトならではのメリットです。新しいツールの導入では、従業員への定着が課題になる企業も少なくありません。操作性が悪いと、従業員は少しずつ面倒に感じて敬遠しがちになります。最終的に使用者がいなくなり、宝の持ち腐れ状態になりかねません。
しかし無料の顧客管理ソフトであれば、操作性をあらかじめ確認し、従業員から評価が高いものを導入できます。無料プランや無料トライアルは実際に利用する従業員が必ず参加し、定着しやすいツールを選ぶと良いでしょう。
無料の顧客管理ソフトは従業員からの評価が高くツールの定着も順調な場合、有料プランへの切り替えもできます。有料プランになれば利用ユーザー数や使える機能などが増えるため、活用範囲がより広がり、企業全体の業務効率化につながるでしょう。
また無料プランでの導入実績を示せれば、上長などへアップグレードを進言しやすくなります。将来的に有料プランへ切り替えたい場合は導入前後の変化を伝えられるよう、分析の記録や従業員の声などをきちんと残しておくと良いでしょう。
無料の顧客管理ソフトならではのデメリットは、次の2つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
使用できる機能の数が少ない、あるいは使えても制限がある点は、無料版の大きなデメリットです。
特に外部ツールとの連携や、分析・レポーティング機能などを活用できないケースが少なくありません。顧客管理はもちろん分析も効率的に進めたい場合は、無料の顧客管理ソフトでは対応しきれない可能性が大きいといえます。
顧客分析の情報収集方法やコツについて詳しく知りたい方、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
関連記事:「顧客分析とは?データの集め方から活用できるフレームワークまで解説」
無料の顧客管理ソフトにおけるデメリットは、手厚いサポートを受けられない点にもあります。新しいツールの導入では、使い方やマニュアル作成について提供元と相談しながら進めたいところです。しかし無料の顧客管理ソフトでは、有料版のような充実したサポートはなかなか受けられません。
ただし顧客管理ソフトによっては、サポートサービスについて別途有料で設けているケースもあります。定着までの準備にリソースを割けない場合は有償サービスを利用するか、思い切って有料プランへ切り替えるのも1つの方法です。
顧客管理ソフトの中には、無料プランや無料トライアルを設けている製品があります。初めてCRMを利用する企業は、無料版で使用感を確認すると導入イメージがわきやすいでしょう。特にエクセルで顧客管理を進めていた企業では、従業員へスムーズに定着させるためにも試行期間を設けるのが得策です。
ただし長期的に利用する場合は、無料版の顧客管理ソフトでは対応しきれないケースが出てきます。成果を十分確認でき予算も確保可能なら、頃合いを見て有料版への切り替えも検討したいところです。
顧客管理ソフトの導入を検討中の方は、無料版の製品から試していきましょう。