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MAとSFA/CRMの違いとは?各ツールの役割と活用場面を解説

MAとSFA/CRMの違いとは?各ツールの役割と活用場面を解説

「マーケティング効率化のためにツールを導入したいけれど、MAとかSFA/CRMとか、いろいろあって何を導入すべきなのかよく分からない」

「そもそも、MAとSFAとCRMって一体何がどう違うのだろう?」

この記事では、上記のような悩みをお持ちの方、MA・SFA・CRMのツールの違いが把握できていない方のために、それぞれがどんな特徴を持っているのか、どのような場面で活用できるのか、各ツールを使い分ける方法について解説します。

目次

1.MAとSFA/CRMそれぞれのツールの特徴

MA・SFA・CRMは、マーケティングにおける代表的な業務効率化ツールです。一部で似た機能を有してはいますが、それぞれが違った特徴や役割を持ち、ツールがサポートできる業務範囲も異なっています。

MAの特徴

MAとは、Marketing Automation(マーケティング・オートメーション)の略語であり、主にリード(見込み顧客)育成・絞り込みの業務を効率化し、営業の成果を伸ばそうとするツールです。

MAについて詳細を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

MAの役割

BtoBにおけるMAの役割は、主に見込み顧客の興味・関心を深める働きかけを行い、受注の可能性が高いと判定できたリードを営業へ届けることです。
見込み顧客が自社製品・サービスに対してどれくらいの興味・関心段階にあるのかを把握し、その興味・関心段階に応じて継続的なメール配信などのアプローチを行います。継続したアプローチと分析の結果、受注の可能性が高いと判断できたリードを営業へ渡すことで、実のある商談を増やし、営業の成約率を高めます。

中心的な機能はリード育成・絞り込みですが、リード獲得を効率化する機能もあるため、MAはリード全体をマネジメントするツールといえます。

MAの誕生経緯

MAは2000年前後にアメリカで誕生しました。
アメリカは国土が大きいため、営業担当者が現地へ商談に赴くのにも時間がかかります。商談を成立させるために何度も足を運ぶとなるとその労力は計り知れず、「商談に行く前に、マーケティングで顧客の関心をできるだけ高めたい」「受注の可能性が高そうな顧客にだけ商談したい」といった需要がありました。
見込み顧客の育成や、顧客のニーズ段階の見極めをサポートしてくれるMAは、そういった需要に応えてくれるツールとして発展したのです。

日本では、2014年ごろからMAの普及が始まりました。アメリカでMAが流行してから、数年以上経っての普及でした。日本は国土面積が狭く、足繁く顧客を訪問する営業活動が長きに渡って有効であり、MAの必要性が認識されるまでに時間がかかったのです。
顧客の嗜好が多様化し、個々に寄り添ったマーケティングの重要性が見直されるにしたがって、リリース以降の国内MA市場は拡大傾向にあります。

しかし、マーケティング専任の担当者がいない・マーケティング体制が整っていない日本企業はまだまだ多いのが現状です。MAを導入しても、単なるメール配信のツールとして利用されているだけの場合もあり、MAの活用が課題の企業は多いようです。

SFAの特徴

SFAとは、Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)の略語であり、日本では営業支援システムとも呼ばれる通り、個々の営業活動を一元管理する営業支援ツールです。

SFAについて詳細を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

SFAの役割

SFAの役割は、個々の営業プロセスを可視化し、営業を効率化して成約率を高めることです。
商談の内容や進捗状況が可視化されれば、問題が生じたときにも営業全体で状況を共有でき、課題の発見がしやすくなります。蓄積したデータは、分析することで別の商談にも活用できます。
また、SFAによって定型業務が効率化されれば、その分現場にかける時間を増やすことができ、成約率の向上につなげられます。

SFAは、営業が自らの業務内容や案件を目に見える形で確認できるようにし、成果を生むために何が足りないのかを把握できるツールといえます。

SFAの誕生経緯

SFAは1990年代のアメリカで生まれました。
昔から転職することが当然の文化であるアメリカでは、営業担当者が転職した際に、個別に獲得した顧客情報がそのまま企業から失われてしまう問題がありました。また、個々の営業スキルに頼った状況で、案件への対応も属人化してしまったり、成功した営業活動に再現性がないことも問題視されていました。
そこで、営業担当者が獲得した顧客情報や、抱えている案件の情報などを企業の資産として管理・活用するツールとして、SFAが生まれたのです。

日本では、営業日報の管理を行ったり、名刺管理を行うツールとして受け入れられやすく、2000年代にはSFAの導入企業が増えていきました。
ただ、当時はデジタルデバイスも普及していなかったため、活用の範囲は限定的であったと考えられます。ITが発達し、デジタルデバイスが普及して導入のハードルが下がったことや、営業の生産性を高める必要性から、導入する企業数は加速度的に増加しました。

矢野経済研究所による2016年以降の市場調査に見られるように、国内SFA市場は拡大を続けています。

CRMの特徴

CRMは、Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)の略語であり、日本では顧客関係管理とも呼ばれます。

顧客情報(担当者氏名、所属企業、役職、購買履歴など)を蓄積・分析することによって、顧客情報に基づく適切なアプローチを行い、利益を上げようとする概念やツールを指します。

CRMの役割

CRMの役割は、蓄積した顧客情報を分析・活用し、顧客との信頼関係を構築することです。
顧客の行動履歴を把握し、顧客に応じた細やかなアプローチを続けることで、自社製品・サービスに対する信頼感や安心感を醸成します。

CRMは、顧客の満足度を高めて、自社製品・サービスを長期間にわたって購入してくれる優良顧客を増やすツールといえます。

CRMの誕生経緯

CRMは、SFAと同時期にアメリカで誕生しました。
情報技術の発展などの背景により消費者のニーズが多様化したことで、不特定多数に向けた画一的なマーケティングでは成果を出しづらくなり、顧客一人ひとりに対応した「One to Oneマーケティング」の考え方が注目されるようになったのです。

「One to Oneマーケティング」を実現するためには、膨大な顧客情報を間違いなく管理し、継続的に運用する必要があります。その観点から、顧客情報管理を担うツールとしてCRMが生まれました。
SFAとCRMは、顧客管理など親和性の高い機能が多いことから統合され、やがて1つのパッケージとして販売されることが多くなりました。

日本では、1998年にアンダーセン・コンサルティング社によって発表された「CRM−顧客はそこにいる−」という書籍が、CRMの概念を普及させたといわれています。

2.MAとSFA/CRMそれぞれの役割の違い

MAとSFA/CRMの役割の違いについて項目別にまとめると、下記のようになります。

ツール名 MA SFA CRM
主な利用目的 見込み顧客の育成・絞り込み 営業の効率化 顧客関係の維持・満足度の向上
ツールの利用者(職種) マーケター 営業担当者 マーケター
営業担当者
その他部門
ツールの利用者(対象) BtoC・BtoB BtoBが多い BtoC・BtoB
担当領域 リード獲得⇒育成⇒絞り込み 商談⇒成約 商談⇒成約⇒カスタマ―サクセス⇒アップセルクロスセル
ツールの機能 リード管理
シナリオ作成
リード行動履歴
Webマーケティング補助
メール配信
スコアリング
顧客管理
案件管理
予算・実績管理
データ分析
スケジュール管理
顧客管理
顧客分析
問い合わせ機能
アンケート機能

MAとSFAの違い

MAとSFAの大きな違いは、MAはマーケティング領域、SFAはセールス領域をサポートしていることです。

MAはリードの育成・絞り込みを行い、営業へ渡すことが使命です。何処までもリードが主軸であり、リードを次の購買ステップへ進めるべくマーケティング業務に取り組む、マーケターのためのツールです。

一方で、SFAは営業を効率化することが使命です。業務を効率化し、成約率を向上させるべく活用することが主眼の、営業担当者のためのツールといえます。

MAとCRMの違い

MAとCRMの大きな違いは、MAがリードを管理するのに対し、CRMは成約した後の顧客を管理するということです。

この対応領域の違いは、スコアリング機能の有無に表れています。
購買意欲の高いリードを営業へ渡す判断基準とするため、MAにはリードの属性・行動に応じて点数をつけるスコアリング機能が搭載されています。しかし、CRMは既に絞り込まれた後の顧客や、成約済みの顧客を扱うことを想定しているため、スコアリングが必須ではありません。
CRMにスコアリング機能が搭載されている場合もありますが、MAほど一般的ではないことを覚えておきましょう。

SFAとCRMの違い

SFAとCRMの違いは、SFAが営業ツールとして利用者を限定するのに対し、CRMは営業に限らず、さまざまな部門で利用できるツールであるという点です。

ただし、BtoBマーケティングにおいて、両ツールは一体化したパッケージ販売が主流になっています。営業においても顧客情報が必須であることや、CRMのサポート範囲である「商談からカスタマーサクセス」も実質的には営業が担当することが多いため、セットで提供されるケースが多いようです。

なぜツールの選定が難しいのか

いざMA・SFA・CRAのツールを選定しようとして戸惑うのは、3つのツールが一見して同じ機能を持っているように思われるからです。

例えば、MAもSFAも、CRMと同じく顧客管理の機能を持っています。なぜなら、MAが担うマーケティング領域も、SFAが担うセールス領域も、蓄積した顧客情報をもとに施策を行うからです。
必然的に、SFAやMAはCRMの機能を簡易的にでも併せ持つか、別のCRMツールと連携可能になっています。

同様に、MAの機能を持つCRMがあったり、MAの機能を持つSFAがあったりと、提供されるサービスは多機能になり、複雑化しています。一体どんなサービスを選べば良いのか、初めてツール選びを行う方が混乱してしまうのも無理はありません。

自社にとって必要な機能・活用場面を洗い出した上で、条件を満たすツールを絞り込んでいくことをおすすめします。

3. MAとSFA/CRMの効果的な活用場面

MAとSFA/CRMは、どのような状況で力を発揮できるのか、各ツールの活用場面をまとめました。自社の状況に当てはまる場面があれば、ツールを選ぶ際の参考にしてください。

MAはリードの課題解決に活用する

MAは、

  • 「商談数を増やしたいがリードを獲得できない」
  • 「展示交換で大量に得たリード情報をもっと活用したい」
  • 「営業にリードを渡したが見込み度合いが低く無駄足を踏ませてしまった」
  • 「リード情報を得られても、営業にどのリードから渡すのが良いか判断がつかない」

といった、リードに関する課題を抱えている場合、活用を検討したいツールです。

リード育成・絞り込みのためのMAは、リード一人ひとりにパーソナライズしたマーケティングを可能とします。
BtoBの場合は、BtoCと比較してリードの購買検討期間が長くなることを踏まえ、リード育成に関する機能が豊富なものを選びましょう。

SFAは営業の課題解決に活用する

SFAは、

  • 「案件の進捗状況を共有し他の部門とも連携したい」
  • 「営業活動を可視化・分析して成約率が低い原因を突き止めたい」
  • 「売上予測や日報のように時間のかかる定型作業を効率化したい」
  • 「漠然としていた成果目標を現実の数値をベースに改めたい」

など、営業活動における課題を抱えているとき活用を検討したいツールです。

SFAは日々の営業活動をサポートする機能が多く含まれています。案件ごと・企業ごとに取引履歴を残すことができるため、過去の案件を簡単に参照でき、引き継ぎも容易になります。
営業活動全体を見直し、最適化を目指す企業にとって、SFAは大きな力になるでしょう。

CRMは継続した顧客のフォローに活用する

CRMは、

  • 「顧客に満足してもらい、新しい成約(アップセル・クロスセル)につなげたい」
  • 「成約した顧客をその後もフォローし続けたい」
  • 「大量の顧客情報や取引記録を一元管理したい」
  • 「顧客情報を部署の垣根を超えて共有したい」

など、多くの顧客をフォローし続けたい場合に活用を検討したいツールです。

蓄積した顧客情報を分析し、手厚くフォローを続けるために、CRMを活用しましょう。
BtoBは、BtoCと比較して購買検討期間が長く、1件あたりの取引価格も高額になる傾向があります。それだけに、一度成約に至った顧客を失うことは、企業にとって大きな損失です。
顧客に自社製品・サービスへの満足度を高めてもらうことが、新しい製品・サービスの切り替え時に再び自社を選択してもらうための一歩になります。

4.まとめ

MA・SFA・CRMは、一部似た機能を持ってはいますが、基本的には担当する業務領域も使用シーンも違うツールです。自社の課題を解決するためにはどのツールが適しているのか、まずは自社の課題の洗い出しから始め、適切なツールを選択しましょう。

また、MAとSFA/CRMは、連携させることでBtoBマーケティング全体をカバーでき、一貫した戦略立案が可能になります。ツール選定の際には、拡張性や、外部サービスと連携可能かどうかといった点も確認しておくと良いでしょう。


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この記事を書いた人

BeMARKE編集部
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