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顧客分析ツールとは?代表的な製品の比較一覧から選び方まで解説

顧客分析ツールとは?代表的な製品の比較一覧から選び方まで解説

顧客分析では膨大な量のデータを扱うため、ツールによる効率化がおすすめです。しかし「費用を払ってまで利用する価値はあるのか」「実際にはどの製品を利用すれば良いのか」と悩み、なかなか活用までたどり着かないケースも多いでしょう。

本記事では顧客分析ツールとは何か、メリット・デメリットとともに解説します。目的別のツール比較一覧や、選び方もあわせて紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

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目次

1.顧客分析ツールとは?

まずは顧客分析ツールとは何か、メリット・デメリットともに解説します。具体的なツールを知る前に、基礎知識として押さえていきましょう。

顧客データを分析し売上アップをサポートするツール

顧客分析ツールとは、次の3つを実現し売上アップをサポートするものです。

  • 受注傾向の分析
  • 商談内容の分析
  • 顧客理解を深めるための分析

そもそも顧客分析とは顧客の属性情報や購買履歴などのデータを分析し、マーケティング戦略の立案や製品の開発・改良などに役立てる方法です。顧客分析に役立つツールとしては、次のようなものが挙げられます。

  • CRM
  • SFA
  • MA
  • VOCツール
  • エクセル など

顧客分析の目的やコツについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

関連記事:顧客分析とは?データの集め方から活用できるフレームワークまで解説

また顧客分析に役立つフレームワークは、こちらの記事で解説しています。分析項目や成功事例は、こちらをぜひ参考にしてみてください。

関連記事:目的別】顧客データ分析の方法9選|契約件数1.5倍!活用事例も解説

3つのメリット

顧客分析ツールを活用するメリットは、次の3つです。

  • 顧客データの収集や分析を効率的に進められる
  • 部門間の情報共有がスムーズになる
  • (上記2つにより)効果的な戦略を立案し、売上アップが期待できる

BtoBマーケティングのターゲット数はBtoCよりも少ないとはいえ、集める情報の量は非常に多くなります。戦略立案や営業・マーケティング施策の実行に集中するためにも、顧客分析はツールの有効活用がおすすめです。

2つのデメリット

顧客分析ツールを利用するデメリットは、次の2つが挙げられます。

  • 定着までに時間がかかる
  • 費用がかかる

ただしツールの定着にかかる時間は、提供元のサポートを受けながら導入準備を進めることで大幅に短縮できます。また次のような導入体制を整えておくと、よりスムーズでしょう。

  • 運用人員を確保する
  • マニュアルを作成・周知する
  • 導入時期を調整する(繁忙期を避ける) など

顧客分析ツールが定着すれば十分効果を実感できるため、費用に関するデメリットもそれほど大きくなりません。なおコストを抑えつつ、使用感や効果を確認したい場合は無料版の利用もおすすめです。

2.【目的別】顧客分析ツール比較一覧

ここでは顧客分析ツールを、次の3つに分けて解説します。

  • 受注傾向を分析できるツール
  • 商談内容を分析できるツール
  • 顧客理解を深めるツール

受注傾向を分析できるツール

受注傾向を分析できるツールとして解説するのは、次の2つです。

  • Mazrica Sales
  • FORCAS

それぞれ詳しく見ていきましょう。

Mazrica Sales

導入企業の例 ・東芝テック株式会社
・ソフトバンク株式会社
・Chatwork株式会社 など
料金プラン ・スターター:27,500円/月~
・グロース:110,000円/月~
・エンタープライズ:330,000円/月~
主な機能 ・企業データ自動収集
・企業データベースによる自動入力
・案件(商談)管理
・案件進捗レポート
・AI案件予測 など

Mazrica Sales株式会社マツリカが提供する、SFA(営業支援システム)です。顧客満足度や使いやすさでは、業界No.1を誇ります。

例えばSpready株式会社はMazrica Salesに情報をすべて集約することで、受注後の顧客管理を半分以下のコストで進めているとのことです。売上管理も同ツール内で行い、LTV(顧客生涯価値)を伸ばすビジネスモデルを着々と成長させています。

FORCAS

導入企業の例 ・NECソリューションイノベータ
・アドビ株式会社
・株式会社パソナ など
料金プラン 固定月額制(詳細は要問い合わせ)
主な機能 ・顧客分析/企業リスト作成
名寄せ機能
・企業リサーチ
・Salesforce/MA連携
・データ入力効率化機能 など

FORCAS株式会社ユーザベースが提供する、ABMツールです。企業データベースには国内150万社もの高品質な情報が格納され、受注しやすい顧客の可視化が可能です。

例えば株式会社DearOneインサイドセールスの立ち上げにともない、同ツールを導入しました。過去に獲得した見込み顧客の情報をもとに、有効リードを判定するプロセスを確立します。その結果インサイドセールスのアポイント獲得率が2倍になり、商談や成約へ効率的につなげているとのことです。

商談内容を分析できるツール

商談内容を分析できるツールとして解説するのは、次の2つです。

  • MiiTel
  • ベルフェイス

それぞれ詳しく見ていきましょう。

MiiTel

導入企業の例 ・株式会社マネーフォワード
・KDDI株式会社
・GMOデジタルラボ株式会社 など
料金プラン ・5,980円/月
(10ID以下の単月契約は事務手数料あり)
主な機能 ・自動録音
・自動全文文字起こし/要約機能
・通話内容の定量評価
・キーワード自動認識
・外部SFAなどとの連携 など

MiiTel株式会社RevCommが提供する、クラウドIP電話です。電話営業や顧客応対の内容を自動で録音・可視化し、商談獲得率や成約率の向上に役立てられます。

例えば株式会社ウィルゲートは、見込み顧客獲得以降の歩留まりが非常に悪い状態でした。そこで同ツールを導入し、商談内容の分析とフィードバックを徹底します。その結果商談数は約1.4倍にもなり、セールスイネーブルメントを着実に進めているとのことです。

ベルフェイス

導入企業の例 ・みずほ銀行
・朝日生命
・野村不動産グループ など
料金プラン ID数によって異なる(詳細は要問い合わせ)
主な機能 ・録音/録画機能
・画面共有
・スマホ画面サポート
・組織管理機能
・CRM連携 など

ベルフェイスベルフェイス株式会社が提供する、電話面談システムです。金融業界を中心に、3,600社以上の企業で導入されています。

例えば株式会社SMBC信託銀行は24時間365日、迅速に顧客対応することをポリシーとした企業です。しかし商談のリモート化により、顧客へ素早くかつ分かりやすく情報を伝えることに課題を感じていました。そこで同ツールの画面共有機能などを有効活用し、結果として商談率は従来の2倍にまで向上したとのことです。

顧客理解を深めるツール

顧客理解を深めるツールとして解説するのは、次の2つです。

  • ビザスクinterview
  • SPEEDA

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ビザスクinterview

導入企業の例 ・トヨタ自動車株式会社
・オムロン株式会社
・三菱UFJ銀行 など
料金プラン 謝礼の支払い(詳細は要問い合わせ)
主な機能 ・リサーチ/アドバイス依頼
・インタビュー相手とのマッチング など

ビザスクinterview株式会社ビザスクが提供する、スポットコンサルサービスです。40万人以上のアドバイザーが登録しており、500もの業界・職域カテゴリにおける一次情報を素早く取得できます。

例えば株式会社丸の内キャピタルは、顧客分析に活用する情報のデスクリサーチに多くの時間がかかることを課題として感じていました。そこでビザスクinterviewを活用したところ、従来であれば1日かかっていた情報収集が1時間で完了したとのことです。

SPEEDA

導入企業の例 ・住友不動産株式会社
・セールスフォース・ジャパン
・経済産業省 など
料金プラン 月額制(詳細は要問い合わせ)
主な機能 ・業界やトレンド情報の収集
・各企業の業績可視化/分析
・M&A情報の調査 など

SPEEDA株式会社ユーザベースが提供する、経済情報プラットフォームです。多様な業界分析や企業調査のデータが格納されており、インサイトの取得やトレンドの素早い把握を後押しします。

例えば株式会社アドウェイズは、事業戦略を立案する上で必要な情報の質もスピードも不足している点に課題を感じていました。そこで同ツールでセグメント別の情報を取得しつつ、データに基づいて仮説検証を繰り返します。その結果市場や顧客への理解が深まり、効率的かつ効果的な戦略立案に役立っているとのことです。

3.顧客分析ツールの選び方

最後に顧客分析ツールの選び方を、3つに分けて解説します。

  • 求める機能があるか確認する
  • 導入事例を参考にする
  • 見やすさ・使いやすさを確認する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

求める機能があるか確認する

顧客分析ツールを選ぶ際は前提として現状を把握し、必要な機能を洗い出す必要があります。初めて顧客分析ツールを導入する企業は、複数のツールが一体化しているものがおすすめです。また別個のツールを導入する際も同じ提供元のものを選ぶと、よりスムーズにサポートを受けられます。

一方ある程度ツールを導入している企業は、現状の穴を埋めるような製品を導入しましょう。例えばCRMやMAと連携できるSFAがある場合は、VOCツールを新たに導入すると定性データの分析も進めやすくなります。保有している顧客データを有効活用できるよう、既存ツールとの連携具合を確認することも大切です。

ただし機能が多いからといって、必ずしも優れたツールとは限りません。煩雑なあまり、使い勝手が悪くなるケースもあります。そのため顧客分析ツールを選ぶ際は目的の機能を中心に考え、多機能はあまり求めない方が良いでしょう。

導入事例を参考にする

顧客分析ツールの選定では、導入事例を参考にするのも1つの方法です。特に自社と業界・業種が近い事例は、導入の流れや利用後の効果などをイメージしやすくなります。

ただし期待が大きすぎると実際使用する際にギャップが大きくなり、従業員のモチベーション低下を引き起こしかねません。すると定着に時間がかかったり、途中で使用を諦めてしまったりする事態になる可能性が出てきます。

そのため導入事例はあくまでも参考程度に留め、詳細や活用方法については提供元に直接相談すると良いでしょう。

見やすさ・使いやすさを確認する

顧客分析ツールを選ぶ際は、見やすさや使いやすさも重要なポイントになります。たとえ非常に便利なツールを導入しても、使い勝手が悪いと定着しません。特に顧客分析では膨大な量のデータを扱うため、見やすさ・使いやすさは精度をも左右します。

具体的にはクリックやドラッグ&ドロップで操作できると、エクセル管理に慣れている中高年の従業員も扱いやすいでしょう。またモバイル対応のツールであれば、時間や場所を問わず手軽にデータ入力できます。

顧客分析ツールが定着し効果を最大限引き出すためにも、見やすさ・使いやすさは実際に使う従業員とともに必ず確認しましょう。

4.まとめ

顧客分析ツールは受注傾向や商談内容などを分析し、顧客理解を深める上で重要なものです。ツールを活用することで顧客データの収集・分析を効率的に進められ、早期に戦略を立案・実行できます。その分売上の発生が早まり、失注要因の発見・防止にも役立てられるでしょう。

顧客分析ツールの種類はさまざまですが、選定時は多機能ではなく求める機能を中心に考えることが大切です。また見やすさ・使いやすさも確認し、従業員に定着しやすいものを選ぶと将来的に大きな費用対効果を実感できます。

顧客分析を効率的かつ効果的に進めたい企業は、ツールの導入を前向きに検討していきましょう。


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BeMARKE編集部
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