基本ノウハウ
ステップメールとメルマガは、どちらもメールマーケティング手法の1つです。しかし聞き慣れない方にとっては、「2つの違いはどこにあるのか」「どのように使い分ければ良いのか」などの疑問があるでしょう。
本記事ではステップメールとメルマガの違いを、目的と配信形態に分けて解説します。2つの使い分け方や効果的な連携方法も、あわせて紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
ステップメールとメルマガの違いは、配信の目的や形態にあります。
そもそもステップメールとは、あらかじめ設計したシナリオやスケジュールに沿って複数のメールを配信する手法です。一方メルマガとは、見込み顧客にとって有益な情報を盛り込んだメールを定期的に配信する手法になります。
それぞれについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてチェックしてみてください。
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ステップメールの主な目的は、購買意欲の向上や販促です。一方メルマガの主な目的は、見込み顧客と接点を持ち続けることによる自社や自社製品・サービスの認知度向上、信頼関係の構築にあります。
しかし最終的な目的は、どちらも見込み顧客の育成(リードナーチャリング)です。育成の中でもメルマガは検討段階が低い初期からアプローチでき、ステップメールは検討段階が高まりつつある中期から効果的と覚えておきましょう。
ステップメールとメルマガは、配信形態も異なります。具体的な違いは、下表の通りです。
ステップメール | メルマガ | |
---|---|---|
配信開始のタイミング | ・配信条件(トリガー)※1の達成 | ・メールアドレスの取得、配信リストへの追加後 |
配信回数 | ・設定したスケジュールによる ・基本は1シナリオにつき3通~5通 |
・自由 ・BtoBでは週1回~2回が多い |
自動配信の有無 | ○ | ×※2 |
過去の配信内容 | ・トリガー達成後に1通目が配信されるため、当該シナリオのメールはすべて閲覧可能 | ・基本的に閲覧できるのは、登録した時点以降の内容 |
※1:資料請求といった特定の行動や、セミナー参加から1週間経過など特定の日時から設定されるケースが多い
※2:高い反応率のメルマガを自動化して定期的に配信する方法もある
表の内容を分かりやすく表した図も見てみましょう。
ステップメールは必ず始まりと終わりがある一方で、メルマガは購読を解除されない限りは配信が続きます。また自動送信の可否も、ステップメールとメルマガとの間にある大きな違いの1つです。自動配信のステップメールは、定期的な作成を必要とするメルマガよりも人的コストを削減できる点も特徴的といえるでしょう。
ステップメールとメルマガの違いが分かったところで、それぞれの使い分け方について解説します。
ステップメールとメルマガ、両方の効果を最大限引き出したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ステップメールが効果を発揮しやすいシーンは、主に次の3つです。
トリガーとセールスポイントの例を見てみましょう。
トリガー | 最終メールでのセールスポイント |
資料請求 | 個別セミナーの案内など |
無料トライアル | 個別相談の案内、導入時の料金照会など |
セミナー(ウェビナー)参加 | 他社製品の比較情報、導入時のコスト試算など |
いずれのトリガーも、自社製品やサービスに対する見込み顧客の興味は強いと推測されます。そのためステップメールで見込み顧客の関心を引きつけるコンテンツを配信できれば、早期の成約も可能です。
なおBtoBでのステップメール運用については、「BtoBのステップメール運用術|コツやシナリオ別の例文集も」の記事で解説しています。作成におけるコツや例文を知りたい方は、あわせてチェックしてみてください。
メルマガが効果を発揮しやすいシーンは、主に次の3つです。
具体的な活用シーンは、次のようなものが挙げられます。
ステップメールと似ている活用シーンもありますが、どちらかというとメルマガはすべての見込み顧客に広く浅く情報を伝えるイメージです。認知拡大の観点から、お役立ちコンテンツの配信や自社紹介という内容がある点も特徴的でしょう。
なお効果的なメルマガを作成するためには、件名や本文などの各要素を工夫する必要があります。すぐに実践できるコツについて知りたい方は、「読まれるメルマガのコツ9選!すぐできる開封率やクリック率を高める書き方を解説」の記事をぜひ参考にしてみてください。
最後にステップメールとメルマガの効果的な連携方法として、2パターン解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
見込み顧客との接点を維持してファン化やリピーター化を狙いたい場合は、成約の有無にかかわらずステップメールからメルマガへつなげましょう。イメージとしては、次のような流れです。
例えばBtoBの顧客分析について学びたい人をステップメールからメルマガへつなげる手順は、次のようになります。
1.
見込み顧客が顧客分析のノウハウを集めたホワイトペーパーをダウンロード(LP)
2.
顧客分析講座を配信(ステップメール)
3.
ステップメール内で顧客分析ツールを紹介(販売)
4.
申し込みの有無にかかわらず、BtoBマーケティングをテーマにしたメルマガへ合流
またBtoBのWebサイト運営について学びたい人は、次のような手順でステップメールからメルマガへつなげられるでしょう。
1.
見込み顧客がWebサイト運営に関するセミナーへ参加(LP)
2.
Webサイト運営講座を配信(ステップメール)
3.
ステップメール内でSEOツールを紹介(販売)
4.
申し込みの有無にかかわらず、BtoBマーケティングをテーマにしたメルマガへ合流
2つの例は興味がある小テーマは異なるものの、BtoBマーケティングという大テーマに関心がある点は共通しています。そのためステップメールの終了後も大テーマのメルマガに合流させても、興味関心度を損なわせないまま接点を持ち続けられます。
メルマガ内のURLクリックをトリガーに設定することで、ステップメールへ連携できます。またステップメールからメルマガへ合流した方も、別のステップメールへ誘導することも可能です。イメージとしては、次のような流れになります。
メルマガから別テーマのステップメールへ誘導する理由は、見込み顧客に他の製品・サービスも知ってもらい、アップセル・クロスセルを狙うためです。先の例でいくと、BtoBの顧客分析に関するステップメールからメルマガに合流した人は、Webサイト運営講座やSEOツールを知らないケースも少なくありません。
そこで「こちらもどうぞ参考にしてみてください」と別テーマのステップメールへつなげると、「そういうものもあるんだ」「自社でも役立ちそう」と見込み顧客は新たな気づきを得られます。結果として課題と改善策の認知を促してくれた配信元に対する信頼感が増し、成約率の向上が期待できます。
アップセルやクロスセルを狙いたいときは、メルマガからステップメールへの連携も積極的に進めていきましょう。
ステップメールとメルマガは一見すると似ていますが、目的や配信形態に違いがあります。ステップメールは購買意欲の向上や販促、メルマガは認知拡大や信頼関係の構築が主な目的です。また前者はあらかじめ設計したシナリオに沿って自動配信するのに対し、後者は送信内容をその都度準備する必要があります。
とはいえステップメールとメルマガは見込み顧客の育成を目的とする点は共通しており、シーンによって使い分ける、あるいは連携させることも可能です。特に2つの連携は見込み顧客との接点を維持しつつ、アップセル・クロスセルを狙う際に役立ちます。
メールマーケティングの担当者はステップメールとメルマガの違いを理解し、上手に活用していきましょう。
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