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メルマガ配信とは?開封率の高いメールマガジンの作り方やテンプレートまで徹底解説

メルマガ配信とは?開封率の高いメールマガジンの作り方やテンプレートまで徹底解説

メルマガは、商品やサービスの魅力やメリット、自社やブランドの想いを顧客に伝えるのに役立つプッシュ型のマーケティング手法です。顧客にとって有益な情報や顧客が必要とする情報を定期的に届けることで、さまざまなメリットが期待できます。

この記事では、メルマガの基本的な知識に加え、開封率の高いメルマガのメルマガの作成方法やテンプレートについて解説します。

目次

1.メルマガとは?

メルマガとは「メールマガジン」の略語で、自社の顧客や会員に対して企業が配信するメールのことです。メルマガでは読み手の役に立つコンテンツやキャンペーンなどの情報を掲載することで、自社商品の購入やサービスの申し込みにつなげます。

メルマガは掲載する情報を任意で決められる他、配信する日時を自由に設定可能です。インターネットが普及し始めた2000年前後から販促手法として利用されており、メールマーケティングの一手法として現在も活用されています。

また、メール配信システムやアクセス解析サービスを使うことで、メルマガが開封されたことを示す開封率や、メールに掲載したURLのクリック数、さらにはメルマガ経由で商品の購入やサービスの申し込みが行われた数(コンバージョン数)なども計測できます。こうした効果測定を通じて施策の効果を把握し、次回への改善につなげられることもメルマガの大きなメリットの1つです。

2.メルマガを配信する目的

メルマガには大きく分けて3つの役割があり、その役割を果たす目的で配信します。

メルマガで「伝達」するため

1つ目は情報伝達としての役割です。代表的なものでは、企業やブランドの理念を記したメルマガ、商品の活用方法やFAQを案内するメルマガなどが挙げられます。

なお、顧客の購入に関する行動をトリガーとして自動で送信するメールを「トランザクションメール」と呼び、メルマガと区別して扱う場合もあります。

メルマガで「送客」するため

2つ目は送客としての役割です。マーケティング手法には大きく分けて「プル(Pull)型」と「プッシュ(Push)型」の2種類の方法があり、プッシュ型に代表されるものがメルマガです。

オンラインでプッシュ型のマーケティングを効率的に行うには、メルマガでのアプローチが適しています。自社の商品やサービスに興味を持った顧客に対し、魅力や優位性といった顧客が知りたい情報を届けることで、顧客の購入意欲を高め、購入への動線に顧客を誘導するわけです。

メルマガで「購買を促す」ため

3つ目が購買を促す役割です。顧客の購買意欲が高まる大きなきっかけの1つに、キャンペーンやセールなどのイベントがあります。また、物販であれば新着商品のご案内、サービスであれば新たなコンテンツのご案内なども顧客の購買を後押しする大事な情報です。こうした期間限定のイベントをいち早く顧客に伝えることで、効果的に購入促進へとつなげられるでしょう。

3.メルマガを配信するための4つの方法

メルマガを配信する方法は大きく以下の4つに分けられます。

  • BCCで配信する
  • OutlookとExcelで配信する
  • GmaiとGoogle ドキュメント・スプレッドシートで配信する
  • メール配信システムで配信する

BCCで配信する

個人用のメールソフトを使用してメルマガ本文を作成し、宛先欄のBCCにメールアドレスを貼り付けることで配信できます。メルマガが登場した当初はこの方法が多く用いられていました。ただしこの方法はヒューマンエラーが起きやすく、もしBCCでなくCCでメルマガを配信してしまうと、個人情報漏えいの致命的なリスクがあります。宛先の数が少なく、配信前に複数人でチェックできる社内体制が十分に整っていない場合、現在はあまりおすすめできない方法です。

OutlookとExcelで配信する

ExcelのVBAを使うと、Outlookでメールの時間指定送信や複数の宛先への送信を自動化できます。この機能をメルマガの配信にも応用可能です。BCCで配信と比べると、ヒューマンエラーが起きやすい作業を大きく削減できるというメリットがあります。また、ベースとなるVBAを最初に組んでおけば、2回目以降は少ない工数で運用できることも特徴です。ただし、一般的にVBAを自在に扱えるマーケティング担当者は通常社内にあまり多くはありません。その場合はシステム部門などの力を借りることになり、日々のルーティン業務として運用に落とし込みにくいことが難点です。

GmailとGoogle ドキュメント・スプレッドシートで配信する

GmailをはじめとしたGoogleの各種サービスを、専用の言語であるGoogle Apps Scriptで連携することで、メルマガを配信できます。作業のほとんどをブラウザ上で完結できるという利点を十分に活用できる環境であれば検討の価値があるでしょう。なお、Gmailには不正防止のため1日あたりのメール送信可能数が制限されているほか、メールのサイズ(容量)やメール1通あたりの受信可能者数などにも上限があります。そのため、大量配信には不向きだといえます。

メール配信システムで配信する

専用のメール配信システムを利用することでもメルマガ配信が可能です。大量のメールを配信する作業に特化していることから、配信先をインポートして一斉配信を行う、HTMLファイルを読み込んでメールを作成する、時間指定送信や配信結果の確認など、非常に多彩な機能を網羅しています。さらに、専門知識を必要としない、複数人での編集とチェックが容易、オンラインで作業できるなど、運用しやすく事故が起こりにくい点も大きなメリットです。

メルマガの配信自体はさほど難しくなく、特別な環境も必要ありません。しかし、方法によっては膨大な工数がかかったり、最悪の場合は重大な配信ミスにつながったりするリスクも起こりえます。配信する宛先の数やコンテンツのボリュームによって、自社に適した方法を検討しましょう。

ここで紹介した4つのメルマガ配信方法の中で、BtoBマーケティングの場合は「メール配信システム」の利用がおすすめです。ただし、メール配信システムは無料から有料のものまで多数のシステムが存在し、機能もそれぞれ異なります。どのメール配信システムを選んだら良いのか決めかねている方は「無料で試せるメール配信システム20選【有料版も含めたDL比較表付き】」をご覧ください。

4.メルマガの配信を成功させる5つのコツ

メルマガはただ配信すれば良いわけではなく、多くの方に開封してもらい、中身を読んでもらう必要があります。開封されやすく、中身を読まれやすいメルマガにはどのような条件があるのでしょうか。ここからは、メルマガの配信を成功させるための5つのコツをご紹介します。

開封率アップのためにタイトルを工夫する

メルマガの配信を成功させる一番のコツは、開封率アップのためにタイトルを工夫することです。メルマガにおける最初のハードルは、「開封してもらうこと」です。中身を読んでもらうためには、まず送ったメールを開封してもらわなければなりません。メルマガの効果を測る重要な指標として、メルマガが開封された数を表す「開封率」があります。まずはこの開封率をアップさせることが目標となります。

開封率にもっとも影響するのは「タイトル(件名)」です。メルマガの読者は、届いたメールのタイトルを読んで、自分にとって「役に立つか」「興味があるか」「必要かどうか」を瞬時に考え、開封するかどうかを判断します。そのため、メルマガのタイトルは中身を短く簡潔にまとめ、左から順に重要なことを盛り込むことが重要です。また、「あなただけの」や「特別な」といった希少性のある言葉、「今だけ」や「期間限定」など緊急性のある言葉、世間で流行の「バズワード」を入れることでも開封率アップが期待できます。

訴求力をより高めるためにプリヘッダーを活用する

開封率に影響する要素としてタイトルを挙げましたが、プリヘッダーの内容も同様にメルマガの開封率を左右する重要な要素であるといわれています。プリヘッダーとは、メールソフトのメール一覧で「差出人」と「件名」に続いて表示される短いテキストのことです。通常、プリヘッダーではメール本文の冒頭がプレビューとして表示されるようになっていますが、メール配信システムによってはこのプリヘッダーに表示するテキストを自由に変更できます。

近年ではスマートフォンのプッシュ通知にプリヘッダーが表示されることも多いことから、タイトルとあわせて読者の期待値を上げるような文章を挿入することを意識しましょう。

スルーされないように差出人名を工夫する

メールが注目されやすくなるテクニックとして、「差出人名を企業の担当者個人の名前にする」というものがあります。具体的には「○○株式会社 山田一美」のようなものです。差出人名が企業名でなく個人名の場合、読者が「自分宛てに直接送られた重要な内容である」と認識しやすくなるためです。

到達率アップのために配信リストを定期的に精査する

メルマガの成功にかかわる「到達率」が下がる問題を解決するために、配信リストは定期的に精査を行って読者のメールアドレスを最新のものに更新しておくことが重要です。到達率とは、配信したメルマガが読者の受信トレイに届いた割合のことです。GoogleやYahooなどのISP(インターネット・サービス・プロバイダ)が配信元をブロックしたり、メルマガが迷惑メールと認識されてしまったりすると、受信トレイに届かず到達率が下がります。

こうした原因の1つが「配信リスト」です。配信リストは、メルマガを配信するメールアドレスをまとめたリストを指します。読者のメールアドレスが変更になった際に配信リストのアップデートを行わないと、使われなくなったメールアドレスにメルマガが送られてしまい、エラーが発生します。このエラーが多いと配信元をISPがスパムと判定し、配信元のブロックや迷惑メールへの振り分けが発生するという仕組みです。

顧客情報を管理できるデータベースを導入している企業であれば、自動連携を行うことで配信リストを最新の情報に維持しやすくなります。一方、配信リストを別途保有している場合は手動連携が必要です。

開封率をさらにアップさせるために曜日や時間帯をねらって配信する

メルマガの開封率は、送信する日時や曜日、時間帯によって変化します。例えば読者層が企業担当者であれば、業務が忙しくなりがちな朝一番や月初・月末はメルマガを開封できず、そのままスルーしてしまう可能性があります。また、休み明けの月曜日にはメールがたまっており、本当に必要なメール以外は削除されてしまう可能性も捨てきれません。自社がターゲットとするメルマガ読者の属性を考慮して、もっとも開封してもらいやすく、じっくり読んでもらいやすいタイミングをねらいましょう。

5.メルマガの構成とテンプレート

ここからは、メルマガの基本的な構成について解説します。

タイトル(件名)

メルマガの開封を左右する、もっとも重要な要素です。数あるメルマガの中で自社のメルマガに目が留まるように、先に挙げた要素を盛り込んだ魅力的なタイトルを作りましょう。

差出人

差出人は企業名を記載することが一般的です。また、差出人を担当者の個人名とすることで開封率アップをねらえる場合があります。さらに、メルマガの内容に合わせて複数の個人名を使い分けても良いでしょう。

ヘッダー

メルマガにおける、いわゆる「ファーストビュー」です。HTMLメールの場合はキービジュアルを掲載することがあります。装飾を加えつつ会社名や見出しを入れ、すべてのメルマガに統一感を持たせると、読みやすく、親しみやすい構成になります。

リード文

メルマガでは、本題からではなく簡単なあいさつや時事ネタなどから始めると、好意的に受け取られることが多いようです。自社の企業イメージを印象づける部分でもあります。

メール配信システムによっては、リード文の箇所に読者の名前を差し込む機能が搭載されていることがあります。一斉送信のメルマガの中でも自分宛てだという特別感を出せるので、可能であれば使用してみてください。

本文

読ませたいコンテンツを1〜2つほど掲載する構成が一般的です。メルマガは雑誌やブログ記事ほどには時間をかけて熱心に読んではもらえない媒体です。そのため、伝えたい内容が多すぎてコンテンツの多くなってしまったメルマガは、情報が分散しすぎて途中から読んでもらえなくなる可能性があります。また、現在はパソコンだけでなくスマートフォンでメルマガを読む方も多いことから、文章量は長くなりすぎないように調整してください。

コンテンツは最上部がもっとも読まれる傾向があるため、もっとも伝えたいメインコンテンツは最初に持ってきましょう。「詳しくはこちら」といったボタン(CTA)を配置し、リンク先のアクセス解析を行うことで、メルマガ経由でどのくらいのアクセスがあったかという反応を見ることもできます。

フッター

メルマガで自社商品やサービス、ウェブサイトを宣伝する内容が掲載されている場合、特定電子メール法により、フッターに発行元の情報と配信停止のリンクを必ず掲載する必要があります。メール配信システムには配信停止リンクを自動で作成する機能がありますが、システムを使わない場合は、配信停止を受け付けるフォームを別途用意する必要があるので注意してください。その他、問い合わせ窓口やウェブサイトのURLをあわせて掲載すると親切です。

メルマガテンプレート

【テンプレ1】セミナーのお知らせ

タイトル:
最新の流行が分かる!効果的なメールマーケティングの手法とは

本文:
○○様

お世話になっております。
株式会社○○の△△です。

自社のメルマガ配信が、形だけで成果の上がらないものになっていませんか。
現在は顧客のニーズに合わせてパーソナライズしたコンテンツのメルマガ配信が注目を集めています。
今回は、メールマーケティングに関する無料ウェビナーのお知らせです。

より効果的なメール配信を実現するシステムの機能紹介や、海外の最新動向、具体的に成果を出したメルマガの成功事例など、メルマガマーケティングにおける最新の流行をお伝えいたします。

タイトル:メールマーケティング成功事例紹介
開催日時:○月△日(□)12:00~13:00
対象:マーケティング担当者様
こんな方におすすめ:メールマーケティングについて学びたい方
URL:http:~

ご参加をお待ちしております。
以上、宜しくお願いいたします。

~署名~

【テンプレ2】お役立ちコンテンツの配信

タイトル:
【コンバージョンが10倍に!?】反応されるメルマガとは?

本文:
○○様

お世話になります。
株式会社○○の△△です。

自社のメルマガは、読者からきちんと「反応」をもらっていますか。
どれだけ内容の濃い内容であっても、反応のないメルマガでは意味がありません。
読者からの反応を集めるには、効果的なメルマガのテクニックを知る必要があります。

今回は、実際にたくさんの反響があった弊社の事例を紹介しながら、読者が反応するメルマガのテクニックをお伝えします。
また、実務ですぐに生かせるよう、pdf資料「これだけは押さえる!反応されるメルマガのテクニック」をご用意しました。

ご希望の方は以下のURLからダウンロードできます。


メルマガの改善にお役立てください。

~署名~

【テンプレ3】イベントのお知らせ

タイトル:
【マーケティング担当者様へ】異業種交流会のお知らせ

本文:
○○様

お世話になっております。
株式会社○○の△△です。

リモートワークが普及してから、社外の方との交流が減り、情報収集を行いにくくなったという声をよく耳にします。
そこで今回は、マーケティング担当者様を対象とした異業種交流会を実施します。

特別ゲストとして株式会社☆☆のマーケティングリーダーである**氏をお呼びし、メールマーケティングを牽引する同社の最新事例をご紹介いただきます。

また、交流会では各自の自己紹介の場を設けておりますので、他社のマーケティング担当者様と交流を深めたい方は以下URLよりお申し込みください。

URL:http:~

〇〇様のご参加お待ちしております。

~署名~

6.まとめ

メルマガはインターネットが登場した初期から使われている古いマーケティング手法ですが、現在でもとくにBtoBの分野では廃れることなく、むしろさらに進化し続けています。読者によってコンテンツを出し分けたり、ABテストが容易に行えるようになったり、特定のアクションを起こした読者を囲い込んで別のメルマガを送ったりなど、情報を求める方に対してピンポイントで欲しい情報のメルマガを配信できるようになっています。また、表現の部分も大きくアップデートし、従来は敬遠されていたHTMLメルマガも今では主流の形式となっています。これにより、さらにリッチな表現のメルマガが可能となりました。

今回解説した内容は、メルマガ施策を行う上で欠かすことのできない基本的な知識です。業務でメルマガを使用する方は、ぜひ身につけて実務に生かしてみてください。


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この記事を書いた人

BeMARKE編集部
BeMARKE編集部

BeMARKE(ビーマーケ)は、BtoBマーケティングの課題解決メディアです。 BtoBマーケティングのあらゆる局面に新しい気づきを提供し、リアルで使える「ノウハウ」を発信します。

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