基本ノウハウ
メルマガは多くの企業が活用しているメールマーケティング手法の1つです。施策の成果を判断する際、メルマガの開封率が重要視されます。しかしマーケティングに関わって間もない担当者などは、「開封率とはどんな指標なのか」「どのように改善すれば良いのか」など疑問があるでしょう。
本記事ではメルマガ開封率の計算方法や平均値を解説します。数値の調べ方や、改善のために実施したい施策もあわせて紹介。ぜひ参考にしてみてください。
メールマーケティングのについては「メールマーケティングとは?5つの手法や進め方などこれから始める方へ必須知識を解説」をご参考ください。
メルマガの開封率とは、送付先でメルマガが開かれた割合です。ここでは、計算方法やBtoBで重視される理由について見ていきましょう。
メルマガ開封率の計算方法は、下記の通りです。
開封数÷有効配信数×100
例えば配信数1,000回、開封数200回の開封率は下記のように算出できます。
開封数÷有効配信数×100
=100÷1,000×100
=20%
開封率が高ければ見込み顧客はメルマガの内容を読み、本文内のリンクもクリックする確率も高まるでしょう。逆に開封率が低い場合、そもそもメルマガの内容やリンクをチェックしてもらえません。つまり力を入れてメルマガを配信しても、成約(CV)につながらないのです。
メルマガの目的はさまざまありますが、最終的に達成したいのは自社製品やサービスの利用・購入による売上アップになります。効果的なメルマガを配信し確実に成約へつなげる上で、開封率は重要な成果指標の1つといえるでしょう。
メルマガの開封率は、BtoBマーケティングでも重要な指標の1つです。その理由はKPIの1つとして開封率を設定することで、マーケティング施策の効果測定を進めやすい点にあります。
例えば現在の開封率が15%の場合、KPIを20%に設定して改善策を講じることも可能です。また下記のように、見込み顧客の興味・関心度に合わせて段階的にKPIを設定するのも良いでしょう。
開封率を使ったKPIの設定と効果測定を繰り返せば、成約確度の高い見込み顧客へのマーケティング施策をより集中的に展開できるようになります。BtoBのメールマーケティングについて詳しく知りたい方は、下記の記事もぜひ参考にしてみてください。
関連記事:BtoBのメールマーケティングのコツ5選!KPIの目安や目的別の配信例も解説
メルマガ開封率の平均値は調査会社によって若干の誤差はあるものの、おおむね20%~30%といわれています。また開封率は業種によって異なる点も特徴的です。2022年11月時点における、代表的な業種の開封率とクリック率を見てみましょう。
業種 | 開封率 | クリック率 |
---|---|---|
全産業平均 | 33.9% | 1.1% |
マーケティング | 26.9% | 1.1% |
金融 | 28.1% | 1.0% |
ビルサービス(建設や清掃など) | 37.9% | 1.1% |
輸送 | 35.5% | 0.7% |
表を見ると開封率は25%~35%、クリック率は1%前後となっています。メルマガのKPIを設定する際は、自社が属する業界の平均値を参考にするのも1つの方法です。
メルマガ開封率の調べ方は、大きく分けると2つあります。
なお開封率は、メルマガ内の画像が表示された回数をもとに算出されます。そのためメルマガ開封率の効果測定には、画像を挿入できるHTML形式が必須です。文字だけで構成される一般的なテキストメール形式では、計測できない点に注意しましょう。
Googleアナリティクスを利用したメルマガ開封率の調べ方は、下記の通りです。
なおHit Builderに入力する各項目の意味は、下表の通りです。
項目 | 意味 | 設定例 |
---|---|---|
v | プロトコルのバージョン | 1 |
t | ヒットタイプ | event |
tid | トラッキングID | GoogleアナリティクスのID |
ec | イベントカテゴリ | |
ea | イベントアクション | open |
el | イベントラベル(配信日) | 20230228 |
Googleアナリティクスでは開封数を確認できるため、計算式「開封数÷有効配信数×100」に当てはめると開封率を算出できます。
メルマガの開封率は、メール配信システムやMAのメール配信機能なども活用できます。Googleアナリティクスのような設定を必要としないため、簡単かつ正確に開封率を計測できる点がメリットです。
メルマガの効果測定や配信で役立つツールについて詳しく知りたい方は、下記の記事もぜひ参考にしてみてください。
関連記事:メールマーケティングツールのおすすめ5選|比較ポイントや導入手順も解説
最後に開封率を上げるポイントを5つ解説します。
なお企業担当者が受信するメールは、平均で66通/日※1といわれています。膨大な数のメールから自社のメルマガに気づいてもらい、かつ開封してもらうためには工夫が必要です。
※1出典:一般社団法人日本ビジネスメール協会|ビジネスメール実態調査2022より
メルマガのコツは、下記の記事でも詳しく解説しています。クリック率を上げるコツや配信を継続させる工夫についても知りたい方は、ぜひあわせてチェックしてみてください。
関連記事:読まれるメルマガのコツ9選!すぐできる開封率やクリック率を高める書き方を解説
メルマガの開封率を上げるためにまず必要なのが、ターゲットや配信内容の整理です。属性や興味の度合いなどで見込み顧客を分類し、それぞれに見合った内容のメルマガを配信することで「自分に関係がある内容だ」と開封する可能性が高まります。
このようなターゲットの分類はセグメント化とも呼ばれ、効果的なメールマーケティングの展開で重要な工程です。セグメントの方法やコツについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
関連記事:セグメントメールとは?一斉送信との違いや具体的な成功するやり方まで解説
メルマガの宛名には担当者の名前も記載すると、開封率が上がりやすい傾向にあります。見込み顧客との関わりが浅い段階だと、企業名やメルマガ名だけの宛名では「身に覚えがない」と不信感が募り、迷惑メールに分類されかねません。
そのため購入や利用まで長い検討期間を必要とするBtoBマーケティングでは、良好な関係で接点を持ち続けることが大切です。何度も名前を目にすることで、無意識下でも徐々に関係性が深まる単純接触効果(ザイオンス効果)も得られやすくなります。
メルマガを開封する確率を上げるのはもちろん、担当者を覚えてもらうという意味でも宛名には名前も併記すると良いでしょう。
メルマガの開封率は、件名の内容にも左右されます。ポイントは簡潔、かつ興味を引く内容にすることです。件名の文字数はPCが25文字以内、スマートフォンは15文字以内が目安となります。おおむね20文字以内と覚えておくと、どちらのデバイスでも見やすい件名が作成できるでしょう。
また配信相手の興味が強いと想定されるワードは左に寄せて、目に入りやすいように工夫することも大切です。さらに「30日間限定の無料トライアルキャンペーン」など、具体的な数字を盛り込むと見込み顧客の興味を引きやすくなります。
メルマガの本文も件名と同様に、長くなりすぎないように注意しましょう。基本的に1つのメルマガで扱うテーマは1つに絞り、忙しい企業担当者でも要点をつかめるように配慮します。どうしても複数のテーマを扱う場合は、冒頭に目次を挿入すると見やすくなるでしょう。
なお本文には、下図のような内容を記載します。
基本的なメルマガの書き方や例文について知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
関連記事:【例文付き】メルマガのテンプレート|作成に役立つ無料サイトも解説
メルマガの開封率を上げるためには、配信する曜日や時間帯にも工夫が必要です。BtoBの場合、最も開封率が高いのは次のような時間帯だといわれています。
また配信する曜日は、業務の調整で忙しくなりがちな月曜日と金曜日を避けましょう。スタンダードな配信スケジュールは火曜日〜木曜日のいずれか、週に1回〜2回です。メルマガの内容や運用体制に合わせて、配信のタイミングや回数を検討してみてください。
メルマガの開封率とは配信先で開封された割合を指し、数値が高いほどクリック率や成約率が高まる傾向にあります。見込み顧客との主なコミュニケーションツールがメールであるBtoB企業でも、KPIに開封率を設定して効果測定する工程は重要です。
開封率の調べ方は、Googleアナリティクスとツールの2つがあります。手軽に確認・分析したい場合は、ツールの活用がおすすめです。
メルマガからの流入や売上を増やしたい方は、今回解説したポイントを実践して開封率を上げていきましょう。