基本ノウハウ

インバウンドマーケティングとは?注目される背景や実施のステップを紹介

インバウンドマーケティングとは?注目される背景や実施のステップを紹介

時代やニーズの変化に伴い、近年注目度を高めているマーケティング戦略の1つに、インバウンドマーケティングがあります。インバウンドマーケティングとは一体どのようなマーケティング戦略のことを指すのか、また対となるアウトバウンドマーケティングとの違いは何なのか。その概要やメリット、実施のための方法などについて詳しく解説します。

目次

1.インバウンドマーケティングとは?

インバウンドマーケティングは、従来のマーケティング手法とは考え方に大きな違いがあります。そのため、意味を正確に理解することが大切です。ここでは、インバウンドマーケティングの意味について解説します。

インバウンドマーケティングの意味

インバウンドマーケティングとは「見込み顧客にとって価値のあるコンテンツを発信し、見込み顧客との関係性を築いて売上につなげていく」マーケティングの考え方やコンセプトです。この概念はHubSpot社の創業者であるブライアン・ハリガン氏とダーメッシュ・シャー氏によって提唱されました。

具体的には、SNSやオウンドメディア、メルマガなどの接点を通じて見込み顧客にとって価値のあるコンテンツを発信し、見込み顧客側から自発的に自社や自社製品・サービスを見つけてもらい、購入したいと思ってもらえるように導線を設計します。

アウトバウンドマーケティングとの違い

アウトバウンドマーケティングとは、テレアポや広告出稿など、直接顧客に商品やサービスを売り込むセールス手法です。

アウトバウンドマーケティングの手法は、顧客に対して自社からアプローチすることが中心である点にインバウンドマーケティングとの違いがあります。

インバウンドマーケティングが登場する前は、このアウトバウンドマーケティングが主なセールスの手段でした。

しかしネットの普及により、見込み顧客が自ら情報収集しての商品やサービスの比較検討が容易になり、興味のない広告には関心をもたれなくなってきています。その結果、「売り込まれること」自体に不快感を抱く層も増えてアウトバウンドマーケティングの効果は下がり、インバウンドマーケティングの注目度が高まってきたのです。

項目 インバウンドマーケティング アウトバウンドマーケティング
目的 ユーザーに自社サイトやサービスを見つけてもらい、信頼関係を構築後、商品の購入やサービスの利用をしてもらう 商品やサービスを直接的に認知してもらい、商品購入やサービス利用を直接促す
マーケティングの対象 顧客 企業
コミュニケーション 双方向 一方的
効果測定 容易 困難
コスト 低〜中
期間 長期 短期

インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの違いについて、より知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

関連記事:インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの違いとは?

コンテンツマーケティングとの違い

インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングの大きな違いは、インバウンドマーケティングがマーケティングの考え方・概念を指しているのに対し、コンテンツマーケティングは手法を指している点です。

コンテンツマーケティングは価値あるコンテンツを継続的に提供することで、ユーザーが自社商品のファンになるよう図り、最終的に売上につながるよう行動変容を促す手法です。そのため、コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティングの一部ともいえます。

コンテンツマーケティングについて、より詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

関連記事:コンテンツマーケティングとは?基本・実施の手順・成功事例まで分かりやすく解説

2.インバウンドマーケティングが重要視される理由 

インバウンドマーケティングはネットが普及したことで、徐々に重要度が高まっています。ここでは、なぜインバウンドマーケティングが重要視されているのか解説します。

顧客の情報源がデジタルにシフトしている

インバウンドマーケティングの重要度が高まった理由は、顧客の情報源がTVなどのマスメディアからデジタルにシフトしていることです。

顧客はインターネットで事前に情報を収集し、候補を絞り込んでから問い合わせるようになってきています。反対に興味がない広告や売り込みについては顧客から避けられるケースが増え、CMや広告などの従来のアウトバウンドマーケティング手法は大きな成果を上げづらくなっています。

そのため顧客が自発的に行う検索行動などを通して、顧客側から自社を発見してもらい、顧客との信頼関係を構築するインバウンドマーケティングが注目されるようになったのです。

B2Bマーケティング株式会社と株式会社ITコミュニケーションズが共同で行った「BtoB商材の購買行動に関する実態調査」によると、商品検討時に収集した情報源はWebメディアが47.9%と突出しており、テレビの37.1%を上回る結果になっています。

以上のことから、製品選定者の情報収集源がデジタルにシフトしているといえるでしょう。

参照:共同調査「BtoB商材の購買行動に関する実態調査レポート2023」

インバウンド型体制により営業活動を効率化できる

インバウンドマーケティングの営業体制は営業活動の効率化にもつながります。

従来の営業活動は飛び込み営業やテレアポ、展示会などのアウトバウンド営業が主体でした。また営業担当者は、テレアポや訪問営業によるアポイント獲得・提案・見積もり・商談・クロージングまで基本的には1人で担う必要があったため、1社あたりに割く時間も長くなります。そのため、多くの見込み顧客にアプローチするためには営業担当者を数多く確保する必要があり、営業人材や人件費の確保が問題になりがちでした。

営業担当者が担う業務

しかし、インバウンド型体制における営業手法では、情報発信を通して見込み顧客からの接触を促します。

リードの創出から育成、抽出まではインバウンドマーケティングの領域のため、営業担当者は提案・見積・商談・受注までを担当すればよく、営業担当者の負担は軽くなります。また、創出される見込み顧客はすでに商品に対して一定以上の興味・関心がある状態であるため、商談や受注につながりやすく、営業活動の効率化につながるのです。

インバウンドマーケティングにより営業担当者が担う業務を削減・効率化できる

3.インバウンドマーケティングのメリット

ここからは、インバウンドマーケティングのメリットについて見ていきましょう。

受注確度の高いリードを獲得・育成できる

インバウンドマーケティングのメリットは、受注確度が高い見込み顧客を獲得できることです。

インバウンドマーケティングでは見込み顧客の側から資料請求や問い合わせなどのアプローチがあるように導線を設計します。見込み顧客にとって役に立つ情報をWebサイトやSNSなどを通じて継続的に発信することで、自社に対しての信頼感が醸成され、自社の商品やサービスに対してニーズが生まれたときに見込み顧客の購買意欲も深まるのです。そのため、見込み顧客からアプローチがあった時点で、多くの見込み顧客は既に一定の購買意欲がある点がインバウンドマーケティングの特徴です。

テレアポなど従来の営業手法の場合は、営業担当者がアプローチの主体となっており、見込み顧客は受け身でいることも少なくありません。そのため、見込み顧客の購買意欲は高くなく、まったく商談に結びつかないケースも多々あります。

潜在顧客の発掘ができる

インバウンドマーケティングのメリットは、現状ではニーズを自覚していない潜在顧客を発掘できることです。

潜在顧客は実際には「◯◯の悩みを解決したい」というニーズを抱えていても、自らのニーズを自覚していないため、企業が広告やテレアポでニーズを訴えかけても関心を引けず、場合によってはかえって不快に思われる場合もあります。

インバウンドマーケティングの施策は、情報発信時点で商品やサービスの購入・契約を目指していないものも多く、潜在顧客に対して不快感を与えにくい点が特徴です。潜在顧客はある課題に対して情報収集の必要性を感じてはじめて自分から検索し、自発的に自社のコンテンツに接触します。

潜在顧客が自社が発信する情報に触れ、ニーズを自覚し、商品やサービスの必要性に気づくことで、一気に購買行動につながる可能性があります。

コンテンツを資産として蓄積できる

例えばオウンドメディアの記事やSNSでの投稿などのコンテンツは、一度制作し発信すれば、その後も半永久的に残すことができます。これらはマーケティング資産となり、積み上げていくことでさらに効果を発揮してくれるようになるかもしれません。一方で、広告出稿などのアウトバウンドマーケティングは、あくまでも一過性のものであり、出稿期間が終わってしまえば効果もゼロになってしまいます。コストを掛け捨てにせず、少しずつでも積み上げていけるのも、インバウンドマーケティングならではのメリットと言えるでしょう。

顧客との信頼関係が構築できる

インバウンドマーケティングであれば、顧客が自ら動いたところに情報を届ける形になるため、押し売りのようになってしまうことがなく、悪い印象を持たれる可能性が非常に低くなっています。さらに発信する情報が有益なものであれば、それをきっかけに商品やサービスのファンになってもらえる可能性もあるでしょう。

一方のアウトバウンドマーケティングは、既に興味を持ってくれている顧客に対しては非常に有効ですが、逆にそこまで興味を醸成できていない顧客に対して行っても、効果が期待できないばかりか、場合によっては煩わしいと感じられてしまい、商品やサービスへの印象も悪くなってしまうこともあります。

効果測定を行いやすい

インバウンドマーケティングで活用するオウンドメディアやSNSなどは、どのような人に届き、どのようなアクションを起こしたのかを分析することができます。「Aの情報を発信した際は多くの人が見てくれた」「Bの情報を発信した際はアクションを起こす率が高かった」などのデータを収集することができれば、より効果的なコンテンツの指標とすることができるでしょう。また商品やサービスの購買には至らないまでも、コンテンツは見てくれている人をリード(見込み顧客)とし、正式に顧客になってくれるように専用のアプローチ方法を考えていくことも可能です。ただ闇雲にアプローチをするのではなく、リードを獲得して効果的なアプローチを検討していけるようになるのも、インバウンドマーケティングの大きなメリットです。

4.インバウンドマーケティングのデメリット

インバウンドマーケティングを実践する上では、デメリットについて知っておくことも大切です。どのようなデメリットがあるか、次で解説します。

成果がでるまでに時間とコストが掛かる

インバウンドマーケティングは成果が出るまでに時間とコストがかかります。インバウンドマーケティングでは、見込み顧客のニーズに応えるコンテンツを作り、見込み顧客に認知してもらい、見込み顧客との関係を構築してからでなければ受注という成果につながりません。

また、インバウンドマーケティングではオウンドメディア運営のためのSEO対策が重要ですが、SEO対策が効果を発揮するのにも時間がかかります。SEO対策とは検索エンジンの上位に自社サイトが掲載されるようにする施策で、Webサイトの技術的な部分に手を入れるテクニカルSEOと、ユーザーにとって役立つ良質なコンテンツを制作するコンテンツSEOがあります。

これらのSEO対策の成果が出るまでには、3ヶ月〜半年程度の期間が必要です。また成果が出るまでの期間、コンテンツは継続して配信し続ける必要があるため、少なからず制作と運用にコストがかかります。成果が出始めると制作に関するコストは減らせますが、初期段階ではどうしてもある程度の本数が必要であるため、コンテンツ作成と運用の費用はあらかじめ見込んでおきましょう。

以上のことから、インバウンドマーケティングでは、中長期的な目線での取り組みが求められます。

リソースの確保が必要になる

インバウンドマーケティングの実施にはリソースの確保が必要です。継続的なコンテンツ作成やSNS運用などやるべきことが多く、仮に営業業務と兼ねるといった場合に満足に施策を行えない可能性があります。実施の際には、なるべく専任の担当者をつけるようにしましょう。

アウトソーシングを利用する方法もありますが、アウトソーシングをする場合には継続的な運用コストがかかり、社内にノウハウを蓄積できません。アウトソーシングを導入する場合は、アウトソーシングと並行しながら社内の担当者育成も進めるといった工夫が必要です。

インバウンドマーケティングを始める前に、継続的に運用し続けられるだけのリソースと予算があるのか、運用体制まで確認しておくことが大切です。

Webで情報を調べないターゲットとは相性が悪い

インバウンドマーケティングは、Webで情報を調べないターゲットとは相性が悪いという特徴があります。インバウンドマーケティングは、基本的にはWeb上で顧客に自社サイトやSNSを見つけてもらうことが前提となっています。見込み顧客の多くがWebを利用しない場合には、成果を出すのは難しいでしょう。

そのため、見込み顧客がどのような行動を取るのか分析を十分にし、インバウンドマーケティングの対象として適切かどうかを確認することが大切です。

5.インバウンドマーケティング4つのステージ

インバウンドマーケティングでは、顧客の状況に応じて求められる内容が変わります。顧客のステージにあわせた情報発信によって、より効果的なアプローチが可能です。

ここでは、インバウンドマーケティングで重要な4つのステージについて解説します。

ATTRACT(惹きつける)

ATTRACTは、顧客に自社サイトを見つけてもらうためのステージです。顧客は自分のニーズを把握しておらず、自社についても知りません。そのため、やみくもに自社の商品やサービスについて紹介しても興味を持ってもらうことは難しいでしょう。

このステージの顧客に対しては、顧客が興味を持ちそうな情報の発信が大切です。具体的には以下の方法があります。

  • オウンドメディアで顧客の悩みを解消するためのコンテンツを発信する
  • 他社メディアへの寄稿や他社イベントへの参加を行う
  • 大手メディアを利用したプレスリリースを出す

このステージでは、顧客に寄り添うことが大切なため、商品やサービスについての広告は主目的ではありません。

CONVERT(転換する)

CONVERTは顧客に自分の課題やニーズに気づいてもらうステージです。このステージの顧客は自分の悩みを解消することを目的に、積極的な情報収集を始めています。

このステージでは、以下のような情報発信によって顧客に応えます。

  • 顧客の業界や課題にあわせた内容をメールマガジンで発信する
  • オウンドメディアで個別の悩みにあわせた情報を発信する
  • 顧客の課題や業種ごとの成功事例を紹介する
  • 顧客の悩み解消に役立つセミナーを開催する(オンラインも含む)

顧客の業種や課題、疑問を想定し、その内容を解消できるような情報発信が重要です。

CLOSE(顧客化する)

CLOSEは顧客はすでに悩みを解消するために施策やツールの導入を決定している段階です。このステージにいる顧客は、競合他社との比較や予算の調査をし始めています。

このステージの顧客に対しては、購買に関してより具体的な情報発信が必要です。具体的には以下のような情報が挙げられます。

  • 商品やサービスの体験版やデモ版
  • 導入事例やお客さまの声
  • 契約からサービス導入までのスケジュールイメージ
  • 導入前のよくある質問とその回答

ここでは顧客との打ち合わせが伴うケースも多いため、営業担当者に情報共有し、うまく連携できるようにしましょう。

DELIGHT(満足させる)

DELIGHTは商品を購入した顧客が満足し、企業や提供製品・サービスに対してファンになってもらえるように促すステージです。顧客満足度を向上させるためのサービスの拡充に加え、商品やサービスの契約後も継続的にアプローチを行います。具体的には以下の方法があるでしょう。

  • アンケートやソーシャルリスニングによる顧客の意見収集・反映を行う
  • カスタマーサポートで顧客の導入・運用の手伝いをする
  • 会員や利用者限定の情報発信を行う
  • 会員や利用者を中心にしたコミュニティを準備する

顧客にファンやリピーターになってもらい、継続的な売上の確保や紹介による新規顧客の獲得を目指しましょう。

6.インバウンドマーケティング実施の5ステップ

インバウンドマーケティングは、無目的にメディアを立ち上げるなど、やみくもに行っても効果が期待できません。目的を設定し、ペルソナを想定したうえで情報発信することが重要です。ここからは、インバウンドマーケティングを実施する際の5つのステップについて、詳しく解説します。

  • 【ステップ1】目的を設定
  • 【ステップ2】ペルソナを設計
  • 【ステップ3】ペルソナの動きを考えてコンテンツを制作
  • 【ステップ4】情報を発信
  • 【ステップ5】PDCAを使って改善

【ステップ1】目的を設定

マーケティング効果を最大化しつつ、各施策の振り返りをしっかり行うために、インバウンドマーケティングを行う目的を設定しましょう。一口に目的と言っても、リードの獲得、自社ブランドの強化、認知度向上などさまざまなものが考えられます。だからこそ、自社は何のためにインバウンドマーケティングを行うのかを整理し、その目的に沿ったコンテンツを用意する必要があるのです。

目的を設定した後は、その結果どうなってほしいかを具体的に描きます。リードの獲得を目的とした場合、SEOやホワイトペーパー、メルマガなどでリードを創出、育成、獲得し、実際の提案や商談は営業が担うといったような筋書きを考えます。また、毎月50件のリードを獲得する、といったような具体的な数値目標を設定すると良いでしょう。

【ステップ2】ペルソナを設計

ペルソナとは、サービスや商品の典型的なユーザー像のことです。似たような概念にターゲットがありますが、これは「30代男性」といったように、抽象的なユーザー像のことを指します。一方ペルソナは、より具体的にユーザー像を描きます。「31歳男性/杉並区在住/マーケティング部門チームリーダー/後輩の育成方法に悩んでいる/休日は子どもと公園で遊ぶ」といったように、あたかもその人物が存在するかのように、リアルな設定を検討します。これまで取引のある企業の担当者を思い浮かべながら、ペルソナを設計するのも良いでしょう。

リアルなペルソナを設計することで「この人は何の情報を求めているのか?」「何を提供すれば自社に興味を持ってくれるのか?」といったことが具体的に検討できるようになり、コンテンツの方向性が定まりやすくなります。ペルソナの作り方については、「ペルソナの作り方とは?徹底解説【無料設定シートダウンロード】」で詳しく解説しています。

【ステップ3】ペルソナの動きを考えてコンテンツを制作

ペルソナが設計できたら、購買に至るまでの間にペルソナがどのような行動をとるかを考えて、フェーズごとに最適なコンテンツを制作します。

BtoBにおける購買までのフェーズは「認知→興味→比較検討→購入→継続」という流れが一般的です。例えば認知段階では、ペルソナが抱える課題を解決する一般的なノウハウ・情報コンテンツが有効でしょう。自社に興味を持ったペルソナに対しては、商品やサービスのスペック情報を届け、比較検討段階に移ったら導入事例を提供します。このように、フェーズごとに求められる情報は異なるので、各段階にあわせたコンテンツを検討して制作していきます。

ユーザーにとって価値ある情報を提供して購買意欲を情勢

【ステップ4】情報を発信

コンテンツを制作したら、その情報を発信します。一般的には企業ブログなどのオウンドメディアで発信することになりますが、ただ情報をアップするだけでは効率的にリーチできません。その際に重要になるのがSEOです。検索エンジンでコンテンツを上位表示させるための手法で、キーワードを適切に盛り込むなど対策を施すことで、見込み顧客にリーチできる可能性が高まります。

SNSを活用するのも一つの手です。TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSは拡散性が高く、潜在顧客にリーチできる可能性があります。また、セミナーを開催したり、ダウンロード資料を用意したりすることも有効です。

【ステップ5】PDCAを使って改善

インバウンドマーケティングは、コンテンツを制作して発信して終わりではありません。どのコンテンツに反響があり、コンバージョンにつながっているかを分析して、コンテンツをブラッシュアップすることが大切です。また、反応の悪いコンテンツに関しては、その原因を突き止めて内容を見直しましょう。

インバウンドマーケティングの成功には、マーケティング部門以外との協力が大切です。例えば、営業部門と協力できていなければ、見込み顧客を獲得できてもうまく引き継ぎができず、成約につながらない可能性があります。そのため各部門で相互に情報交換しながら進めることが大切です。

PDCAを回してコンテンツの精度を高め、より多くのコンバージョンにつなげられるようにしましょう。

7.インバウンドマーケティングの事例

インバウンドマーケティングのパイオニアでもあるHubSpotは、自社で実際に下記のような取り組みを行っていることを明かしています。

  • 「HubSpot 日本語公式ブログ」にてトピッククラスターに基づく高品質な記事を制作・公開する
  • 外部のパートナーと協力しながら数十名体制で月に30本~40本の新規記事・リライトに対応する
  • 記事のトピックは、顧客の声を徹底的に聞いて顧客のニーズを分析した上で選定する

こうした顧客視点に立った有益なコンテンツ提供を徹底し、またユーザーの満足度を高めるためのユーザーコミュニティなどの施策も併用することで、受注したリードのほとんどはマーケティング活動により創出しているといいます。HubSpotの日本法人は設立から5年で有料顧客数が約15倍に達しているとのことです。

8.まとめ

インバウンドマーケティングの概要について解説しました。営業などで自社側から見込み顧客にアプローチするアウトバウンドマーケティングとは異なり、見込み顧客が自ら問い合わせる仕組みをつくるのがインバウンドマーケティングです。まずは目的を設定し、ペルソナの行動に応じたコンテンツを発信しましょう。そして、反応を分析してコンテンツをブラッシュアップすれば、より効率的なインバウンドマーケティングが実現できます。


この記事に関連するお役立ち資料

この記事を書いた人

BeMARKE編集部
BeMARKE編集部

BeMARKE(ビーマーケ)は、BtoBマーケティングの課題解決メディアです。 BtoBマーケティングのあらゆる局面に新しい気づきを提供し、リアルで使える「ノウハウ」を発信します。

SNS:XYouTube

著者の最新記事

もっと読む >

あわせて読みたい