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【具体例付き】メルマガの効果測定|代表的なKPIや分析手順を解説

【具体例付き】メルマガの効果測定|代表的なKPIや分析手順を解説

効果的なメルマガ運用には、ターゲット選定から配信までのPDCAサイクルを回し続けることが必要です。配信後の効果測定も、大切な工程の1つになります。しかし「何を指標にして分析すれば良いか分からない」「測定方法が合っているか不安」と、お悩みの担当者もいるでしょう。

本記事ではメルマガの効果測定における、具体的な分析手順やKPIについて解説します。効果測定が必要な理由や、役立つツールもあわせて紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

目次

1.メルマガに効果測定が必要な理由

メルマガに効果測定が必要な理由は定期的に内容をブラッシュアップし、配信前に設定した目標を達成するためです。メルマガの目標には、主に次のようなものが挙げられます。

  • 自社や自社製品・サービスの認知拡大
  • 見込み顧客との信頼関係の構築
  • 購買意欲の促進 など

メルマガをはじめとしたメールマーケティングの最終的な目的は、自社製品やサービスの売上アップです。中には見込み顧客の検討段階が上がらず、売上につながらない、効果が見込めないからとメルマガ配信を途中で中止してしまう企業もあります。

しかしそのような場合は、そもそもきちんと効果測定できていないケースが少なくありません。効果の有無を正確に把握しデータを改善策に生かす、そして最終的に売上へつなげるためにもメルマガには効果測定が必要なのです。

2.メルマガで効果測定したい5つのKPI

メルマガの効果測定で押さえておきたい指標は、主に次の5つです。

それぞれの計算方法や平均値などを見ていきましょう。

配信成功率

配信成功率は相手にメルマガがきちんと届いた割合であり、到達率とも呼ばれる指標になります。計算方法は、次の通りです。

配信成功率

配信成功数÷配信数×100

配信成功率の平均値は98%〜99%ですが、他の指標を正確に測定するためにも100%を目指したいところです。配信が成功しない、つまりエラーになるパターンは2つあります。

継続的なエラー 一時的なエラー
・メールアドレスが間違っている
・メールアドレスが消去されている など
・一時的にメールサーバーがダウンしている
・受信ボックスが満杯でメールを受け取れない
・メールの容量が大きすぎる など

特に継続的なエラーは放置すると配信リストの質が下がるため、早期に発見・除外しましょう。

開封率

開封率とは配信先でメルマガが開かれた割合であり、次のような計算式で算出できます。

開封率

開封数÷配信成功数×100

開封率の平均値は20%~30%ですが、業界や取り扱うテーマによって異なります。また開封率が高いと見込み顧客の興味関心度が高いと推測され、次に解説するクリック率も上がりやすい傾向にあります。

メルマガの開封率について詳しく知りたい方は、「メルマガ開封率を上げる5つの方法|平均値や調べ方も解説」の記事もあわせてチェックしてみてください。

クリック率(CTR)

クリック率はメルマガ内のURLがクリックされた割合であり、次のような計算式で算出できます。

クリック率(CTR)

クリック数÷配信成功数×100

多くの場合メルマガ内のURLは本文終盤(クロージング)に設置されますが、ヘッダーやリード文などのファーストビューにも設けるケースも少なくありません。

なおクリック率の平均値は1〜2%のため、開封率の10分の1ほどと考えると覚えやすいでしょう。

反応率

反応率はクリック率と同様にメルマガ内のURLがクリックされた割合を算出する指標ですが、計算式が若干異なります。

反応率

クリック数÷開封数×100

開封数を分母にすることで、開封後に目にした内容に対する読者の反応を調べられます。つまり本文の内容やレイアウトなど、クリエイティブ面がクリックにどのくらい影響しているかをダイレクトに評価できるのです。

コンバージョン率(CVR)

コンバージョン率は問い合わせや資料請求の件数など、あらかじめ設定した目標の達成具合を見る指標です。計算方法は2種類あり、それぞれ向いている効果測定が異なります。

メールマーケティング単体の効果測定に向いている計算式

目標達成数÷配信成功数×100

他のマーケティング施策も踏まえた効果測定に向いている計算式

目標達成数÷クリック数×100

なおコンバージョン率の平均値は0.1%〜0.2%のため、クリック率の10分の1ほどと考えると覚えやすいでしょう。

3.メルマガの効果測定にあわせて分析したい3つの指標

メルマガの効果測定では、他にも定期的に分析しておきたい指標が3つあります。

  • 購読解除(オプトアウト)率
  • クリック先の直帰
  • 費用対効果(ROI)

それぞれの計算方法や特徴などを見ていきましょう。

購読解除(オプトアウト)率

購読解除率はメルマガの購読を中止した見込み顧客の割合であり、次のような計算式で算出できます。

購読解除(オプトアウト)率

購読解除数÷配信成功数×100

購読解除は配信側にとって痛手ですが、解除理由を分析することで見込み顧客の満足度を上げるきっかけにもなるでしょう。購読解除の理由は、次のようなものが挙げられます。

  • コンテンツ内容が期待と異なる
  • 配信がわずらわしく感じる
  • メルマガ購読の目的を達成した(無料プレゼントの受け取りなど)

解除手続きを進めるページでは理由を尋ねるアンケートを設置し、今後のメルマガ運用に生かしましょう

クリック先の直帰率

クリック先の直帰率はメルマガでクリックされたURLのページで、問い合わせや資料請求などの行動を起こさずに離脱した見込み顧客の割合です。計算方法は、次のようになります。

クリック先の直帰率

直帰数÷クリック数×100

直帰率は購読解除率と同様に、理由を分析することが大切です。例えばクリック後に直帰した場合、次のような理由が考えられるでしょう。

  • クリック先のページに記載された内容が期待したものと異なる
  • 売り込みが強すぎて興味がうせる
  • 問い合わせや申し込みのフォームの位置が分かりにくい など

直帰率が高い場合はメルマガだけでなく、リンク先のページも改善する必要があります。手間はかかりますが、最終的な売上アップのためにも労力を惜しまずに改善策を施しましょう。

費用対効果(ROI)

費用対効果はメルマガ配信にかけた費用に対し、どれくらいの売上が得られたかを見る指標です。費用対効果が高ければ、コストパフォーマンスが良いといえます。代表的な計算方法は、次の通りです。

費用対効果(ROI)

利益÷費用×100
※利益(粗利)=売上-売上原価

なおメルマガ配信にかかる費用は、大きく分けると3つあります。

コストの種類
メール配信コスト 各種ツールの導入費用
・メール配信ツール
・MA
・CRM など
リスト作成コスト ・広告
・セミナー開催
・LP作成 など
メール運用コスト ・メールコンテンツの作成費用
・送信、分析など実務担当者の人件費 など

表を見ると分かるように、メルマガ配信にはさまざまなコストがかかります。漫然と配信を続けていると膨れ上がるコストを放置してしまい、費用対効果の低下に気づかないことにもなりかねません。健全かつ効果的なメルマガ運用のためにも、費用対効果は定期的に確認・見直すことが大切です

4.メルマガにおける効果測定の方法

ここではメルマガにおける効果測定の方法について、全体的な流れを踏まえた上で具体的な内容を解説します。効果測定の手順や分析方法を知りたい方は、順に確認していきましょう。

全体的な流れ

メルマガはPDCAサイクルに沿って、配信と効果測定を繰り返します。メルマガ運用におけるPDCAの方針と施策の例は、下表の通りです。

PDCAサイクル 方針 施策の内容
【1】Plan(計画) KPIに基づき計画を立案する ・KPIの設定
・ターゲットの絞り込み
・配信コンテンツの設計
【2】Do(配信) メルマガを配信する ・コンテンツ作成
・配信
【3】Check(効果測定) 配信後の反応を確認する ・各KPIの効果測定
・レポーティング
【4】Action(改善) 分析結果をコンテンツに反映する ・件名や本文の見直し
・画像の変更
・クリック先ページの改善
メルマガのPDCAサイクル
メルマガのPDCAサイクル

Action(改善)で実施すべき施策についてより詳しく知りたい方は、「読まれるメルマガのコツ9選!すぐできる開封率やクリック率を高める書き方を解説」の記事をぜひ参考にしてみてください。

具体的な方法

メルマガの効果測定では、主に次のような項目についてABテストを行います。

 
テスト対象 ABパターンの例
パターンA パターンB
件名 メルマガ分析について 【3分で読める】メルマガ分析の始め方
差出人名 ○○(企業名) ○○(企業名)□□(担当者名)
配信タイミング 15:00〜16:00 11:00〜12:00
ファーストビュー 特になし 案内資料の画像を挿入
レイアウト 改行なし 25文字前後で改行

各項目の検証は一度きりではなく、何度も繰り返して自社なりの最適解を見つけていきましょう。

またメルマガを配信した翌日以降は、各KPIのレポートをまとめておくと継続的に効果測定しやすくなります。レポートには次のような項目を盛り込み、担当者や部署間で定期的に共有すると良いでしょう

  • メルマガの担当者
  • 件名や内容の概要
  • 開封率
  • クリック率
  • 購読解除数
  • 成約数
  • 効果測定の結果を踏まえた考察 など

なおテンプレートを活用するとデザインや構成がある程度統一されている分、変更点の効果測定や分析が進めやすくなります。メルマガのテンプレートについて詳しく知りたい方は、「【例文付き】メルマガのテンプレート|作成に役立つ無料サイトも解説」の記事もぜひ参考にしてみてください。

5.メルマガの効果測定で役立つツール

最後にメルマガの効果測定で役立つツールを、3つ紹介します。

メルマガをはじめとしたメールマーケティングで活用できるツールは、「メールマーケティングツールのおすすめ5選|比較ポイントや導入手順も解説」の記事でも解説しています。具体的なツールを知りたい方は、あわせてチェックしましょう。

Googleアナリティクス

Googleアナリティクスではメルマガの開封率はもちろん、クリック数やクリック先での直帰率などを確認できます。実際に効果測定するためには、メルマガに特殊なURL(パラメーター付きURL)を挿入することが必要です。

Googleアナリティクスによる効果測定のやり方は、こちらの記事で解説しています。図解付きのため、記事を読みながら実践してみてください。

メール配信ツール

メール配信ツールは、メールの作成や配信に特化したツールです。ABテストが可能なツールも多く、一連のメルマガ業務を1つのツールで完結したい方におすすめのツールといえます。

また費用も比較的安いため、メールマーケティング自体が初めてだという方も導入しやすいでしょう。ただし配信上限数が設けられているツールもあるため、あらかじめ配信予定数を算出し超過がないか確認しておくと安心です。

MA(マーケティングオートメーション)

MAはマーケティング業務の効率化を支援するツールであり、機能の一部としてメール配信が利用できます。MA最大のメリットは管理された顧客情報から属性や興味の度合いでターゲットを分類し、質の高い配信リストを作成できる点です。

またMAでは、継続的なエラーが生じているメールアドレスを発見し、配信リストから除外できるものもあります。結果として配信成功率が上がり、開封率など他の指標についてより正確に分析できる点もMAの大きなメリットです。

6.まとめ

メルマガの効果を引き出すためには開封率やクリック率など、さまざまな指標の効果測定と配信を繰り返す必要があります。ABテストでは件名やファーストビューなどの各要素について、1つずつかつ定期的にチェック

することが大切です。

とはいえメルマガは作成するだけでも、多くの時間と労力を必要とします。効果測定を含めたメルマガ運用全体の効率化を図りたい場合は、便利なツールを活用するのも1つの方法です。

正確な効果測定をもとにメルマガをブラッシュアップし、より多くの見込み顧客へリーチできるように工夫していきましょう。


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BeMARKE編集部
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