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BtoB営業が新規開拓で成果を出すコツ10選

BtoB営業が新規開拓で成果を出すコツ10選

BtoB営業において新規開拓は、多くの営業担当者やマネージャーにとって重要でありながら難しい課題のひとつです。市場が成熟し競争が激化するなかで成果を上げるためには、戦略的なアプローチが必要です。

本記事では、新規開拓で成果を出すための10の具体的なコツをご紹介します。

なお新規開拓の営業手法については「新規開拓の営業手法とは?8つのアプローチ方法と成功のポイントを紹介」をご覧ください。

目次

【1】既存顧客を分析・理解を深める

ターゲットを明確にするための第一歩として、既存顧客を深く理解することが重要です。既存顧客のニーズや購買動機を分析することで、自社の製品やサービスがどのような企業に受け入れられやすいかを把握できます。

さらに既存顧客との成功事例を基に、新規顧客開拓に役立つアプローチ法や戦略を見極められます。既存顧客のデータを活用し、類似の企業をターゲットに設定することで新規開拓の成功確率を高めることも可能です。

【2】ターゲットの明確化

既存顧客に対する分析を基に、新規顧客となるターゲットを明確化しましょう。

ターゲット選定の重要性

BtoB新規開拓営業において、ターゲットを明確に選定することが重要です。ターゲットの選定が不適当であれば、多大な時間とリソースを無駄にしてしまいかねません。特に、BtoBビジネスでは契約単価が高額になることが多いため、効果的なターゲット選定が営業効率と成果に直結します。例えば、既存顧客と類似した企業をターゲットに設定することで、営業活動の成功率を高められます。

またターゲットを明確にすることで、営業活動の方向性が定まり、効果的な営業リストの作成や具体的なアプローチが行えます。ターゲット選定の際は、業界、企業規模、地理的条件、取引履歴などを考慮することが必要です。

ターゲットのペルソナを設定する

ターゲットをより具体的に理解し適切な営業戦略を立てるためにも、ペルソナ設定が欠かせません。ペルソナとは顧客の属性や行動を具体化し、ニーズや課題を明確にするための手法です。

ペルソナ設定の例としては既存顧客のデータを参考に、企業の業種業態、役職、年齢、課題、意思決定プロセスなどを洗い出し具体的な顧客像を設定します。さらに顧客インタビューやアンケートを行うことで、より深く顧客のニーズや購買行動を理解できるでしょう。

【3】ターゲット企業に関する情報収集と課題の把握

BtoB新規開拓営業で成果を出すためには、ターゲット企業に関する情報収集が重要です。

営業先の情報収集方法

情報収集の方法として、インターネット検索や業界専門のデータベースを活用する方法があります。また、LinkedInなどのビジネス向けSNSでターゲット企業の担当者情報を取得することも効果的です。さらに展示会やセミナーに参加して直接、現場の声を聞くことができます。情報収集はターゲットをより深く理解し、適切なアプローチを行うための基盤となります。

顧客課題の把握と解決策の提案

営業先の情報収集が完了したら、次に重要なのは顧客の課題をしっかりと把握することです。顧客が抱える課題やニーズを理解することで、最適なソリューションを提案できます。顧客インタビューやアンケート、既存のデータ分析を通じて課題を明確化することが大切です。その上で、自社商品の強みを活かした具体的な解決策を提案することで、信頼感を醸成できるでしょう。限られたリソースを最適に活用し、効果的な提案を行うことが成功の秘訣です。

【4】自社商品の強みを明確化する

製品やサービスの独自性を理解し明確化することが営業活動の大きな武器となります。

商品・サービスの特徴の整理

製品の強みを見つけるために、以下のポイントに着目しましょう。

  • 主要な機能とそのメリットをリストアップする    
  • 顧客が直面する課題に対する解決策を明示する
  • 競合他社と比較した際の優位性を見つける

これらの特徴を整理することで顧客に対して自信を持って提案が可能になります。また自社独自の強みを理解していることは、提案力強化のためにも重要です。

競合との差別化ポイントのアピール

BtoB新規開拓営業では、多くの場合で競合他社が存在します。そのため、顧客にとってなぜ自社商品を選ぶべきなのかを具体的に伝える必要があります。

差別化ポイントを探す際には以下の点に注目してください。

  • 価格面での優位性
  • 独自の技術や特許
  • サービスの質とアフターサポートの充実度
  • 導入実績や導入事例    

これらの差別化ポイントを効果的にアピールすることで、顧客に対する説得力が増し、競合他社との差を鮮明にすることができます。また、差別化ポイントを明確にすることは、営業活動における成功の鍵と言えるでしょう。

【5】効果的な営業リストの作成

ターゲットを明確化し営業リストで整理することで、営業活動を効率的に進められます。

リストの作成方法

まずターゲット市場を絞り込み、そのなかで潜在顧客のペルソナを設定します。次に、収集した情報を基に見込み顧客リストを作成します。リストの作成方法としては、オンライン上に公開されている商業データベースや業界団体のデータ、既存顧客からの紹介などが有効です。また有料のリスト作成サービスの活用も検討すべき選択肢のひとつです。

これらの手法を組み合わせることで、質の高いリストを作成し、新規開拓の成功率を高めることができます。

リストの更新と保守

営業リストは一度作成したら終わりではなく、定期的な更新と保守が重要です。市場環境や顧客の状況は変化するため、最新の情報を反映させることで営業効率を高めることができます。定期的なデータクレンジングを行い、不正確な情報や重複データを除去することが求められます。

顧客管理ツール(CRM)を活用することで、自動的に連絡先情報を更新し、見込み客の進捗状況を追跡することが可能です。これにより、営業活動のKPIを設定してPDCAサイクルを回すことが容易となり、効果的な新規開拓営業が実現できます。

【6】営業手法を把握する

新規開拓の手法には、大きく分けてアウトバウンド型とインバウンド型の2種類があります。プッシュ型、プル型ともいいます。

アウトバウンド型には訪問営業や電話営業、展示会やDM送付などがあります。またインバウンド型にはメールマーケティングやオウンドメディア運用、広告出稿やウェビナー開催などがあります。

  • 訪問営業
  • 電話営業
  • 展示会での営業
  • DM(ダイレクトメール)の送付
  • メールマーケティング
  • オウンドメディア運用
  • 広告出稿
  • セミナー・ウェビナーの開催

ターゲットの業界や企業文化に応じて、どの手法が最も効果的かを見極め、適切に活用することで、営業活動の効率を最大化します。特にBtoB営業においては、複数の営業手法を組み合わせたクロスチャネル戦略が有効です。

【7】ターゲットに合ったアプローチ法を選ぶ

ターゲットに合ったアプローチ法を選ぶことは、新規開拓の成功に直結します。例えば、大手企業と中小企業では、意思決定のプロセスや重要視するポイントが異なるため、それぞれに最適なアプローチが必要です。大手企業には、具体的なデータや成功事例を用いた信頼性の高いアプローチが効果的である一方、中小企業には、より柔軟でパーソナライズされた提案が有効です。

ターゲットの業界や規模、ニーズに応じたアプローチ法を選び、営業活動を展開することで成果を最大化できます。

【8】マーケティングツールの導入

BtoBの新規開拓営業において、顧客管理ツール(CRM)の導入は非常に重要です。

顧客管理ツールの選定と活用

営業活動を円滑に進めるためには、ターゲットを明確にし、各営業先の情報を詳細に把握することが求められます。顧客管理ツールを適切に選定して活用することで、これらの情報を一元管理でき、営業活動の効率が飛躍的に向上します。

顧客管理ツールの選定にあたっては、自社の営業フローに適した機能が備わっているかを確認することが重要です。例えば、顧客情報のデータベース機能や見込み顧客のステータス管理など、実際の営業プロセスに直結する機能が求められます。また、営業チーム全体での情報共有を円滑にするため、ユーザーフレンドリーなインターフェースも重要なポイントです。

顧客管理ツールを活用することで、各営業先ごとの課題やニーズを詳細に把握できるようになります。更に、そのデータを基に顧客ごとにカスタマイズされた提案を行うことで、営業効率が大幅に向上します。これにより、BtoBの新規開拓営業においても競争力を高めることができます。

効果測定と改善のサイクル

BtoBの新規開拓営業で成功するためには、KPI(重要業績評価指標)を設定し、PDCAサイクルを回すことが不可欠です。ここで役立つのが、マーケティングツールによる効果測定です。営業活動の結果を可視化し定量的に評価することで、次の行動につなげることができます。

まず、KPIを設定する際には新規獲得件数や問い合わせ件数、成約率などの具体的な指標を設けます。その上で、マーケティングツールを利用してこれらのデータを収集・分析します。こうして得られた数値データを基に、営業活動の効果を定量的に評価できるようになります。

効果測定の結果を元に、営業のアプローチ方法や提案内容を見直すことで改善を図ります。このPDCAサイクルを継続的に回すことで、新規開拓営業の品質を向上させ、より高い成果を出すことができます。また、各種マーケティングツールを連携させることで効率的なデータ管理が可能となり、分析の精度がさらに高まります。

効果的なツールの活用と継続的な改善のサイクルを取り入れることで、BtoBの新規開拓営業において大きな成果を上げられるでしょう。

【9】リードナーチャリングの実施

BtoBの新規開拓営業において、リードナーチャリングは非常に重要です。

リードナーチャリングの基本

ナーチャリングとは、見込み客であるリードを育成し購買意欲を高めるプロセスのことです。このプロセスを適切に行うことで、見込み客を成約まで導く確率を高めることができます。

まずターゲットを明確にすることで、お客様のニーズや課題を的確に把握し、効果的なアプローチを実行することができます。次に、情報収集と課題の把握を徹底することが重要です。これにより、見込み客が求める情報や解決策を提供することができ、信頼を築くことができます。

育成プロセスと有効な施策

リードナーチャリングの育成プロセスは、一般的に以下のステップに分かれます。

  1. リード獲得:見込み客のコンタクト情報を収集します。Webサイトの訪問者や展示会での名刺交換などの方法があります。
  2. 関係構築:獲得したリードと定期的にコミュニケーションをとり、関係を深めます。メールマーケティングやSNSの活用が効果的です。
  3. ニーズの把握:見込み客の具体的なニーズや課題をヒアリングし、その解決策を提案します。アンケートやヒアリング調査が有効です。
  4. 提案とフォローアップ:提案内容をリードに提示し、必要に応じてフォローアップを行います。ここでは、具体的な事例紹介や成功事例の共有が効果的です。
  5. 成約:最終的に見込み客が商品の購入や契約に至るよう誘導します。この段階では、迅速かつ丁寧な対応が求められます。

これらのプロセスを円滑に進めるためには、適切なマーケティングツールを導入することが有効です。たとえば、顧客管理ツール(CRM)やマーケティングオートメーションツールを活用することで、リードナーチャリングの効率を大幅に向上させることができます。

また、定期的にKPIを設定し、PDCAサイクルを回すことで、ナーチャリングプロセスの改善を図ることが重要です。効果的な施策を継続して実行し、結果を分析することで、リードナーチャリングの成果を最大化することができます。

【10】社内コミュニケーションの改善

社内コミュニケーションを改善するためには、情報共有と連携を強化することが重要です。

情報共有と連携を強化する方法

営業チーム間での定期的なミーティングを設定し、進捗状況や課題を共有することがポイントです。このようなミーティングを通じて、チームメンバーが持つ重要な情報や最新の市場動向をリアルタイムで把握できます。

またクラウドベースの顧客管理ツールやプロジェクト管理ツールの導入も効果的です。これにより、各メンバーが最新の営業状況にアクセスでき、必要な情報をすぐに共有できる体制が整います。さらに、メールやチャットツールを適切に活用することでスピーディーに情報共有できます。

営業チームの一体感を高める工夫

営業チームの一体感を高めるためには、チームビルディングの施策を取り入れることが効果的です。例えば、週に一度のランチミーティングやアフターファイブのカジュアルな交流会などを開催し、業務外での交流を促進することが良いでしょう。このようなイベントを通じて、メンバー同士の信頼関係を築くことができます。

またチームの成果を次々に認識し、褒める文化を作ることで、モチベーションの向上を図ることも重要です。さらに目標達成時には、全員で喜びを分かち合えるような報奨制度を導入することで、チーム全体の士気を高めることが可能です。最後に、個々の意見やアイデアを尊重し積極的に取り入れる姿勢を持つことで、一体感のあるダイナミックなチームが形成されます。

まとめ

新規開拓におけるBtoB営業の成功は、戦略的な取り組みと実践的なコツの積み重ねにかかっています。今回ご紹介した10の方法を活用し、効果的な営業活動を展開することで、確実に成果を上げることができるでしょう。新たな顧客獲得に向け、これらのコツを日々の営業活動に取り入れビジネスを加速させてください。


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この記事を書いた人

BeMARKE編集部
BeMARKE編集部

BeMARKE(ビーマーケ)は、BtoBマーケティングの課題解決メディアです。 BtoBマーケティングのあらゆる局面に新しい気づきを提供し、リアルで使える「ノウハウ」を発信します。

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