基本ノウハウ
顧客ニーズの多様化や市場の競争激化が進む現在、長期的に売上・利益を上げられる強い営業組織の構築が求められています。では、強い営業組織を作るためには、具体的にどのようなステップを踏めばいいのでしょうか。本記事では「そもそも営業組織とは?」という疑問に答えつつ、強い営業組織の特徴および最強の営業組織を作る具体的な7ステップについて解説していきます。
営業組織とは、企業の売上および利益の維持・向上のために営業活動を行う組織のことです。
アポイントや商談、アフターフォローなどの各フェーズにおいて、担当者を分けて対応させられるほか、チームとしてコミュニケーションを取りながら、目的達成のために連携できることなどが営業組織のメリットです。ここでは、そんな営業組織の課題や改革が求められる理由、あるべき姿を解説します。
営業組織が抱えやすい課題には、例えば以下が挙げられます。対策例と併せて確認しましょう。
課題例 | 対策例 |
営業ノウハウの共有ができていない | 営業支援ツールで事例共有をする |
業務が属人化している | 業務マニュアルの作成・共有をする |
人材の育成ができていない | 外部の研修サービスを活用する |
顧客管理ができていない | 顧客管理システムを導入する |
効果的な対策を講じるために、まずは自社の営業組織における課題は何なのか、正確に把握することが大切です。
現在は、新型コロナウイルス感染症や急速なIT技術の発展などにより、顧客ニーズは大きく変化し、またニーズの多様化も進んでいます。一方で各企業はユーザーの確保のために、DXを用いて新たなビジネスモデルを確立したり、高い技術力を持つ企業を買収したりするなど、市場は競争激化の様相を呈しています。
このような変化の激しい環境において、売上・利益を伸ばし続けるためには、営業組織も外部環境に合わせて改革し、変わらなければなりません。
また労働人口が減少していくなかで、貴重な人的リソースを最大限活用し、生産性向上を図る必要があります。そのため、これからは個人に依存した営業組織からの脱却がますます求められてくるでしょう。
営業組織のあるべき姿とは、売上目標や利益の維持・向上のために、営業員一人ひとりが何をすべきかを考え、そして実行できる組織といえます。そのためには、「共通の目標に向かって、協力しあう風土の醸成」や「チームとして連携していく体制の構築」が必要です。あるべき営業組織に近づくことで、営業員のモチベーションや生産性の向上も期待できるでしょう。
営業組織はさまざまな課題を抱える可能性があります。では、それらの課題を乗り越えた、強い営業組織にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは強い営業組織の4つの特徴を解説します。
営業プロセスとはアポイント獲得から商談、クロージングなどの営業活動における一連の流れを指します。そんな営業プロセスが明確な組織は、強い営業組織といえます。営業プロセスを明確にすることで、営業の属人化を防ぎ、営業活動の再現性を持たせることができるためです。
また営業プロセスが明確な場合、組織全体で営業プロセスの各フェーズにおける情報共有を進めやすくなり、より効率的なアプローチも可能になります。
マネジメント層は営業プロセスの策定を、また現場の営業員は営業プロセスへの理解を進めることで、強い営業組織へ近づくことができます。
強い営業組織は、ゴールが明確化されており、すべてのメンバーが目標に向かって取り組める体制が整っています。営業組織が掲げるべき目標には例えば、以下が挙げられます。
<営業組織の目標例>
目標を明確化し、共有することで、各営業員がコミュニケーションを図りながら、ゴールに向かって自発的に動きやすくなる効果が期待できます。
顧客属性や購買履歴などさまざまなデータが可視化・活用される現在は、一人の営業員がカバーできる範囲の情報量だけでは、好成績を上げることが難しい時代になりました。そのため、円滑なコミュニケーションを行い、成功事例や優秀な営業員のノウハウなどの積極的な共有ができているかが、強い営業組織になるためのカギになります。
<円滑なコミュニケーションを実現するアイデア例>
上記はあくまでアイデア例ですが、自社の実情に合わせた取り組みを行い、活発なコミュニケーションを醸成する仕組み・環境作りをすることが大切です。
強い営業組織を構築するためには、チームを引っ張るリーダーの存在も重要です。チームを管理し、目標に向かってかじ取りができるリーダーがいるからこそ、組織全体の生産性は向上するからです。
<リーダーに向いている人物像例>
チームの目標達成にあたり、各営業員の特性を生かした活動を促し、また鼓舞することで営業員のモチベーションを上げる。そんな役割を担えるリーダーを選定するようにしましょう。
では強い営業組織を作るためには、何をすれば良いのでしょうか。ここでは最強の営業組織を作るための、具体的な7ステップを解説します。
まずは営業組織の現状を把握することが大切です。組織全体で現状の共通認識を持つことで、組織の課題を洗い出し、効率よく組織体制を構築できるためです。把握すべき項目には、例えば以下が挙げられます。
<把握すべき項目例>
上記の項目を参考にチェックリストを作成して、現状を把握するようにしましょう。
ロールモデルとは「お手本とする人物」のことです。ロールモデルの活躍により、周囲の営業員にポジティブな影響を与えることができるため、ロールモデルを選任することは最強の営業組織構築のための大きなポイントです。
<ロールモデル選任によるポジティブな影響例>
ロールモデルについては、新入社員にとってのロールモデル、中堅社員にとってのロールモデル、ベテラン(管理職)にとってのロールモデルなど、経験・スキルなどのフェーズに応じて、適当な人物を選定するようにしましょう。
一口に営業組織と言っても、マーケティングとインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスとでは、業務内容・役割は大きく異なります。そのため、リーダーを筆頭に、営業員それぞれの得手・不得手を見定めた上で、役割分担を決めるようにしましょう。
<部門別 業務内容・役割の違い>
できるだけ営業員それぞれに得意な業務・役割をあてがうことで、組織としての生産性を高めることができます。
最強の営業組織を作るためには、組織の雰囲気づくりも重要です。具体的には、営業員一人ひとりに、「個人プレーから脱却し、組織として連携しながら営業活動に取り組む重要性」を共有することで、効率的な営業活動ができる環境・雰囲気を醸成することができるでしょう。
営業組織の重要性を共有したあとは、営業活動の可視化のステップに入ります。営業活動の見える化を行うことで、成功・失敗事例やノウハウの共有が盛んになり、組織全体の生産性向上および連携強化につながります。
<可視化すべき営業活動例>
例えば、受注までのプロセスを可視化・共有することで、組織にノウハウが蓄積されます。すると、過去の成功事例と似た案件を担当することになった営業員は、そのノウハウを営業活動の参考にできるかもしれません。
そのほか、各営業員が持っている情報を出し合うことで、よりよい営業活動のあり方を模索する土台を構築することができるでしょう。
変化の激しい市場ニーズに柔軟に対応し、成果を上げる営業組織を作り上げるためには、マーケティング部門との連携強化は欠かせません。マーケティング部門と営業組織が連携することで、より顧客ニーズに響く営業活動が実現するためです。
具体的に連携強化のためには、まずは互いの役割をそれぞれ理解すること。そして定期的な情報共有を行うことが大切です。
現状、マーケティング部門と営業組織の連携に苦戦している企業は珍しくありません。そのため、マーケティング部門と連携強化を実現することで、競合他社よりも強い営業組織を作れる可能性が高まるでしょう。
組織力強化のためには、現在だけでなく、将来を見据えた取り組みが必要です。長期的に利益を上げられる強い営業組織を作るためにも、教育プロセスを確立し、人材育成にも注力するようにしましょう。教育プロセスを確立できれば、新たなメンバーが入ったときにも、円滑な教育および迅速な営業能力の向上を図ることができます。
<教育プロセス例(新入社員向け)>
そのほか、教育プロセスを明文化することで、営業業務の属人化を防ぐ効果も期待できます。
本記事では、営業組織の課題や改革が求められる理由、強い営業組織の特徴・作り方などを解説してきました。IT技術の進展や顧客ニーズが多様化している昨今、売上・利益を継続的に上げるためには、営業員一人ひとりが目標に向かって、自分の頭で考えながら行動できる営業組織を構築する必要があります。本記事で紹介した「最強の営業組織を作る7ステップ」を土台として、組織の構築プロセスを描き、強い営業組織を作る第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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