基本ノウハウ
「部署内の営業スキルのばらつきが気になる…」
「営業力を強化するにはどうすれば…?」
営業部のマネージャーや管理者の方は、常に部内やチームの営業力を高めるための施策に頭を悩ませているのではないでしょうか。この記事では、営業力がある人の特徴を考察し、チームや個人でそれぞれ取り組める6つのポイントを解説します。営業力を強化し、成果につなげるためにぜひ活用してください。
営業力とは人間性や幅広い知識、コミュニケーション能力などの顧客から契約を獲得するために必要な総合的な力のことです。営業力は以下のように大きく5つに分類できます。
契約獲得のためだけではなく、受注に至るまでの準備やアポイントを取る過程、顧客との持続的な関係強化のために必要なスキルなど、営業活動すべてに関わる能力や知識レベルを高めることが営業力の強化につながります。この記事では営業に必要な力を詳しく解説します。
まず営業力がある人の5つの特徴を紹介します。
営業力がある人は人間力も高いという特徴があります。いわゆる誰にでも好かれるようなタイプの人も、人間力が高いといえるでしょう。多くの人に好感をもたれるタイプは、天性のもので一朝一夕には身につかないかもしれませんが、人としての魅力や、顧客からの信頼を得られるかどうかといった部分については、努力や工夫で身につけられる部分もあります。
例えば信頼関係を築き「この人なら本音を話せる」「この人からなら買っても良いかな」と思ってもらえるようにするためには、表面的に取り繕ったり相手をおだてたり良いことばかり述べたりするのではなく、素直さや正直さも必要です。
顧客の悩みや課題に親身に寄り添い、行動で示す必要があります。自社製品の弱点やデメリットについては隠そうとするのではなくできるだけ正直に語り、さらに弱点をカバーできる要素をアピールするほうが信頼を得やすくなるでしょう。
営業力がある人は、自社製品やサービスに限らず幅広い知識を持っています。他社の製品との違いをアピールできたり、顧客が関心のある事柄の話題を広げられたりするため、知識の幅が広いに越したことはありません。
優秀な担当者は、普段からニュースや業界の動向、顧客や自社の情報から趣味のゴルフに至るまで幅広い分野にアンテナを張り、ミーティングや商談中に必要な情報について語れるように準備しています。
コミュニケーション能力の高さも、営業力において重要です。自社の商品について分かりやすく説明したりプレゼンしたりするだけではなく、顧客の話を聞く傾聴力の高さもコミュニケーション能力に含まれます。
相手をリラックスさせて情報を引き出したり、相手に気持ちよく話してもらったりするためには、相手が話しやすい会話の流れを作ったり、適度な質問によって深掘りする質問力も重要です。上手な質問を繰り返すことによって顧客に必要な情報を伝えられ、適切な商品をそれぞれの顧客に合った形で提案できます。
営業力のある人は、顧客の話から課題を見つけ出したり、顧客が気づいていない問題点を発見したりする能力が高いといえます。日ごろから、物事をさまざまな面から分析したり、表面的には見えていない事柄にまで思考を巡らせることで、気づきにくい視点を見つけたり、斬新なアイデアで課題を解決します。
潜在的なニーズを読み取り、課題として発見できることは、顧客との信頼関係の構築と持続的な関係維持に大いに役立ちます。
仕事において、レスポンスや対応が迅速な人は信頼されやすく、営業力の高い人はできる限り迅速に対応できるよう工夫しています。すぐに答えられる内容はできるだけ即レスを心がけ、すぐに対応できないときでも回答までにかかる時間の目安を伝えることによって、返事を待っている相手の時間を無駄にしません。
例えばスケジュールに関する連絡の場合、早めに返事をしないと相手も候補日を空けたままで待っておく必要があり、スケジュールの調整ができないかもしれません。困りごとの場合にも、できるだけ早く相手の悩みを解決できれば信頼につながります。
営業力を上げるためのポイントを、チームと個人でできること
チーム内では、情報共有やコミュニケーションを活発に行うことが重要です。
効果的なミーティングは失敗経験を共有して次に生かしたり、戦略を多様化させたりするのに役立ちます。また経験の浅い人や営業成績が思わしくない人のフォロー体制を確立しておくことは、チーム全体や組織として継続的に営業力を上げるために必要なことです。
営業チーム内での情報共有に役立つ以下の関連記事も併せてご覧ください。
参考記事:「SFA導入で営業チームが得られる4つのメリットと成功のポイント」
参考記事:「実現したい営業別おすすめSFA/CRMツール13選【比較表つき】」
優秀な営業担当者や経験豊富な担当者の営業力を社内の財産として継承するために、社内セミナーやロールプレイングは有効です。テーマを決めて勉強会を開いたり、過去のさまざまな経験談を記録に残しておき、必要な時にそれらの事例を検索できるようにしたりすることは経験の浅い人や営業力を上げる方策が分からない人にとって役立ちます。
しかし注意しなければならない点として、優秀な営業担当者が必ずしも人に教えるのが上手とは限りません。天性のもので営業力が高い人は、往々にしてなぜ他の人が同じようにできないのか理解できず、つまずきポイントが分からないことがあります。後進の育成には、営業力がずば抜けて高い人ではなく、2番手、3番手で努力して営業スキルを向上させた人の方が向いている可能性があります。教え方が上手な人や根気よくロールプレイングなどができるのは誰なのか、マネージャーや管理者は慎重に検討する必要があります。
部署内にノウハウを蓄積していくことも重要です。日ごろからアプリやツールも活用しつつ、成功パターンをあぶりだし共有しましょう。顧客獲得事例はどのような悩みがあったのか、自社のどこに魅力を感じてもらえたのか、契約獲得までにネックになった部分は何か…など、徹底的に分析し、ヒアリングシートなどの型に反映していくことでブラッシュアップを図れます。
また迅速な対応ができるよう、必要なデータの管理や効率化を図ることも大切です。メールや書類の作成には、定型文や予測変換の辞書登録機能などを有効活用しましょう。フィルタリング機能なども活用して、急ぎで対応の必要な案件が埋もれてしまわないようにすることも大切です。スケジュール調整などの返事も迅速にできるよう、クラウドなどでどこにいても同じ情報を把握できる環境を整える工夫も必要です。
次に、営業担当者個人レベルではどのようにして営業力を上げられるのか考えましょう。
営業力を上げるために、情報収集は欠かせません。世の中で話題になっていることにはできる限りアンテナを張っておき、直接営業には関係がないように思える事柄でも浅く広く知識の幅を広げておくことは大切です。新聞やニュースの社会情勢はもちろん、顧客の趣味嗜好に合う内容や雑談など商談以外の話題が盛り上がれば、親近感や安心感を抱きやすく、心理的なハードルを低くできます。
営業担当者が無知な印象を与えてしまうと顧客を不安にさせてしまうので、自社の製品やサービス、業界に関しては日ごろから深く詳しい知識を蓄えておくことが大切です。
また社外セミナーや異業種交流会などへの参加により、新しい情報や知識を仕入れ、営業スキルの向上を図ることも有効。社内でのロールプレイングなどで新しい手法を実践し、身につけましょう。
日ごろの情報収集により幅広い分野の知識を身につけ、質問力を向上させることが傾聴力の向上につながります。年代を問わずにいろいろな人と話し場数をこなすことで、少しずつ質問の仕方や話題の振り方も上手になります。売れる営業担当者から学んで良いところを真似たり、ロールプレイングなどで実践したりすることも有効です。
傾聴力はニーズを引き出すだけではなく、情報を語る際にも役立ちます。例えば顧客に商品についての説明を求められた場合、一般的な営業担当者は事前に準備しておいた通りに説明したり、A社・B社どちらの会社にも同じように説明したりするかもしれません。一方営業力がある人は、説明の前に相手にさりげなく質問を投げかけてニーズを聞き出します。それに沿ってどのように問題が解決できるのか、その顧客にとって興味のある内容に厚みを持たせ、どう役立つのかを分かりやすく説明できます。
第一印象は3秒で決まるといわれるように、営業担当者にとって第一印象の良さは重要なポイントです。第一印象を良くするために、汚れやシワのない清潔感ある服装をし、きちんと磨かれてかかとがすり減っていない靴を履きましょう。ピンと背筋を伸ばしてきれいな姿勢を保つだけでも、見た目の印象がガラッと変わります。
また、話し方にも気を配りましょう。小さな声でおどおど話すと自信がなく聞こえてしまうので、大きめの声かつ聞き取りやすいトーンで、ハキハキと話すことが大切です。慣れないとどうしても緊張してしまったり、スムーズに話せなかったりするので、ロールプレイングなどで練習をしてもらいましょう。
営業力とは何か、営業力がある人の特徴やチーム・個人それぞれが営業力を上げるためにできるポイントを解説しました。営業力は一朝一夕に身につくものではなく、日々の積み重ねが大切です。記事を参考に、自分やチームに足りない部分は何か分析し、営業力向上に役立ててください。
成績が伸び悩んでいるときに実施したい営業分析については『【営業効率を上げよう】営業分析の4つの手法を解説 メリットや分析ツールも紹介』の記事もご覧ください。
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