基本ノウハウ
テレアポはインターネットが発達した現代においても、営業活動で欠かせないアプローチの1つです。しかし初めて任された方からすると、「どのような仕事なのか」「ネガティブな話をよく聞くが、自分に務まるだろうか」など不安も多いでしょう。
本記事ではテレアポの仕事内容や、上達させるための取り組みを解説します。「時代遅れ」と言われても利用される理由や、きつい状況が起きても乗り越えられるようなコツやマインドの持ち方も紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
まずはテレアポの基礎知識として、以下の2つを解説します。
テレアポはテレフォンアポインターの略称であり、顧客リストをもとに電話をし、訪問や商談の約束を取り付ける仕事を指します。仕事全体の流れは、以下の通りです。
架電中の流れは、おおまかに言うと以下のようになっています。
上記は必ずしも流れに沿ってすべてを実行できるわけではなく、途中で断られる可能性があります。相手の返答に合わせて上手に切り返すなど、臨機応変な対応も必要です。
テレアポが「時代遅れ」と言われても利用される理由には、以下に挙げるような特徴があるためです。
そもそもテレアポが「時代遅れ」と言われる理由には、下記のような状況が関係しています。
デジタルツールの活用でより効率的に営業できるようになり、かかる手間のわりには成果を得にくいテレアポが古い手法のように感じる方も多いでしょう。しかし前述したように独自の強みやメリットもあり、現代でも十分通用する営業方法の1つです。
Webマーケティングで得た情報をテレアポで活用するなど、新旧の手法を上手に併用すると、営業活動の効率化や成果向上が期待できるでしょう。Webマーケティングの基礎知識について振り返りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
関連記事:「Webマーケティングとは?進め方のコツから役立つ本・資格まで徹底解説【未経験・初心者マーケター必見】」
ここでは、テレアポと似た用語との違いを解説します。
コールセンターとは、電話を介して顧客とコミュニケーションを取る仕事です。テレアポは、コールセンターにおける業務の1つとなります。
なおコールセンターには電話を受けるインバウンド業務と、電話をかけるアウトバウンド業務があり、テレアポは後者です。インバウンド業務の例としては、注文や問い合わせなどの電話に対応するテレオペレーション(テレオペ)が挙げられます。
コールセンターはテレアポも内包する電話業務全般を指す、と覚えておくと良いでしょう。
インサイドセールスとは、見込み顧客の獲得や育成を主に担う営業担当者を指します。つまりテレアポは、インサイドセールスにおけるアプローチ方法の1つです。
インサイドセールスの目的は企業によって異なり、テレアポと同じようにアポイントを取る場合もあれば、見込み顧客のニーズを把握するといった場合もあります。いずれにしても、インサイドセールスでは目的を達成するための手法として架電のケースがある、と覚えておきましょう。
テレマーケティングとは電話を利用したマーケティング手法であり、テレアポとの違いはターゲットや目的にあります。
項目 | テレアポ | テレマーケティング |
---|---|---|
ターゲット | 見込み顧客 | 見込み顧客・既存顧客 |
目的 | アポイントの獲得 | ニーズをはじめとした顧客の声のすくい上げや販促、サポート窓口など |
テレマーケティングはテレアポに比べると業務範囲が広く、アップセル・クロスセルを達成する上でも必要になってくる手法といえるでしょう。
テレアポは以下のような理由から、きつい・病むといったマイナスイメージを持たれがちです。
上記のような状況を回避しながら、テレアポで成果を出したい方は以下のコツを押さえましょう。
テレアポを上手に進めるコツについて詳しく知りたい方は、下記の記事もぜひ参考にしてみてください。
関連記事:「効果的なテレアポのコツ11選を解説【準備・実践・モチベーション】」
テレアポ時の精神的な負担を軽減するためには、以下に挙げる3つのマインドが必要です。
テレアポ時は売り込みに注力するのではなく、相手との会話を楽しむ意識で取り組んでみましょう。
「相手が抱えている課題は◯◯で合っているだろうか」「もしそうなら解決策としてぜひ自社製品を知ってもらいたい」と、相手への興味関心や価値提供の気持ちが強ければ、電話越しでもテレアポの作業感が伝わりにくくなります。
流れ作業ではなく、相手に向き合った話し方をすることで好印象を持ってもらえる可能性があり、アポイント獲得の確率を高められるかもしれません。
ただし自分の伝えたいことばかり話すのはNGです。アポイント獲得が目的であることを忘れずに、トークスクリプトを踏まえながら臨機応変に対応しましょう。
テレアポ時は、何事も前向きにとらえるよう心がけるマインドも必要です。たとえ断られたり、冷たい言葉を浴びたりしても「断られることが当たり前」と考え、気持ちを切り替えられる力が大切になります。
例えば断られた場合は、単にタイミングや相性が合わなかったと考えると良いでしょう。また冷たい言葉を浴びた場合は忙しいときに電話してしまったのだと考え、「今回は縁がなかったということで、次に行こう」と気持ちを切り替えると精神的な負担が生じにくくなります。
ただし常に前向きであることと、反省しないことは同義ではありません。自己分析や練習は欠かさず、テレアポのスキルアップを図る姿勢は持ち続けましょう。
テレアポに携わる際は、自身の状態を把握することも大切です。セルフコントロールできるようになれば、大きなストレスを溜めずに、ベストなパフォーマンスを発揮できるようになります。
具体的には自分なりのストレス解消法を知り、実践できるようにしておきます。休憩時間に軽く体を動かす、休日にじっくり趣味を楽しむなどもおすすめです。場合によっては自分だけで抱え込まず、同僚や上長などへ相談しましょう。
またテレアポ担当者たちの精神的な負担が大きい場合は、代行会社へ依頼するのも1つの方法です。テレアポ代行会社に委託できる業務範囲や費用について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
関連記事:「おすすめのテレアポ代行会社13選|業務委託できる範囲から費用相場まで解説」
最後にテレアポの技術を上達させる取り組みとして、以下の3つを紹介します。
テレアポの技術を上達させる上で、ロールプレイングが有効です。テレアポの仕事では顧客との対話が中心であり、臨機応変な切り返しを身に付けるにはイメージトレーニングだけでは限界があるためです。
なおロールプレイングは、同僚などが複数人集まって実施するのが効果的です。体験できるシーンの種類が多い分、返答や対応の引き出しを増やせます。
臨機応変な対応ができるように日頃からチームなどでロールプレイングを実施し、トークスクリプトに反映していきましょう。
テレアポがうまい人をまねるのも、スキル向上に有効です。アポイント獲得率が高い担当者の架電内容を聞き、下記を中心に自分のやり方と何がどのように違うのかを観察・分析しましょう。
また架電時の思考など行動の背景や意図も共有してもらうと、より理解が深まりテクニックも身に付きやすくなります。テレアポが上手い人のまねを通じて得られた気づきは、即座に実務に生かし成果向上へつなげていきましょう。
テレアポを上達させるためには、自身の行動を記録・分析することも必要です。録音した架電内容を聞くことで、客観的な視点で振り返り、改善のイメージをつかみやすくなります。
また成功の再現性を高めるには、成果が上がった場合の要因分析も大切です。例えば次のような状況があれば成功のヒントとしてメモなどに控えておき、次回以降のテレアポへ生かします。
断られた架電内容は原因を分析し、前述したロールプレイングの中で切り返し方などを練習すると良いでしょう。
テレアポはWebマーケティングが台頭した現代でも、有用なアプローチ方法の1つです。業界によってはインターネットよりも電話での接触が基本の企業も多く、相手の反応に合わせて臨機応変な対応ができる点はテレアポ最大のメリットでもあります。
しかしテレアポはノルマなどが厳しいことから、きつい・病むと言われやすい仕事であるのも事実です。精神的な負担を軽減するためには気持ちの切り替え方法を身に付ける、事前準備や練習を入念に行うなどが必要になります。
テレアポによるアポイント獲得率を上げたい方は、チームメンバーの協力を得ながらスキルアップしましょう。