基本ノウハウ
業務の効率化は生産性向上につながるため、売上拡大などの事業目標を達成する上で不可欠な要素です。
その際に役立つのがLooker Studioをはじめとしたビジネスツールであり、有効活用できると大幅な工数の削減が期待できます。しかし親しみがない方にとっては「どのような機能があるのか」など、疑問も多いでしょう。
本記事ではLooker Studioとは何か、Googleデータポータルとの違いや機能を解説します。基本的な使い方や活用方法について学べる本も、あわせて紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
まずはLooker Studioとは何か、基礎知識を解説します。混同されやすいGoogleデータポータルとの違いも、あわせて確認していきましょう。
Looker Studioとは、Google提供のBI(ビジネスインテリジェンス)ツールです。ビジネス情報を一元管理できるため、情報の共有やレポート作成における工数削減を実現します。
利用料金は基本無料であり、Googleアカウントさえあれば誰でも利用が可能です。なお有料版としてLooker Studio Proというツールもあり、こちらは1ユーザーあたり7ドル/月かかります。
初めて利用する方は使い勝手を無料版で確認し、有償サポートを受けたい場合やワークスペースを拡充したい場合に有料版への移行を検討すると良いでしょう。
GoogleデータポータルはLooker Studioの前身であり、違いがあるのは名称のみです。機能や操作性などに違いはありません。
Looker Studioへ名称が変わった背景には、Googleの方針が関係しています。同社はデータの信頼性向上やコンプライアンス対応の強化に向けて、Lookerの技術を取り入れることにしました。
具体的には2020年にBIツール・Lookerの開発元をGoogleが買収し、2022年にGoogleのBI製品をLookerブランドへ統一しています。同時にGoogleデータポータルからLooker Studioへ名称を変更し、有料版のProも追加したとのことです。
Looker Studioで使える機能は、主に次の3つです。
Looker Studioは800以上のデータソースと連携でき、ツールごとに画面を切り替える手間が減ります。例えば接続できるGoogleのサービスは19にも上り、その一部が下記の5つです。
接続先について詳しく知りたい方は、下記の公式サイトをチェックしてみてください。
参考:Looker Studio|Access your data from 1000+ data sets from over 840 connectors.
Looker Studioは連携したデータソースの情報を、さまざまな形で可視化できます。出力方法の例は、下記の通りです。
なお上記は前月比や昨年対比など、期間を区切った比較もできます。受注が多い時期を分析し、マーケティング施策や商談のタイミングを計画する際にも役立つでしょう。
Looker Studioには公式のテンプレート集があり、これらを利用するとレポートの作成や共有における工数削減も可能です。共有方法はGoogleドライブ以外にも、次のようなやり方があります。
なおGoogleドライブ上であれば、閲覧・編集権限をユーザーごとに設定が可能です。また一度作成したデータのダッシュボードは、自動的に更新されます。毎月のレポートも連動しているため、最新のデータを手間暇かけずに出力できる点も大きなメリットです。
Googleの公式動画でも確認できます。字幕を日本語設定にして御覧ください。
ここではLooker Studioの基本的な使い方を、5つのステップに分けて解説します。
Looker Studioへのログイン手順は、次の通りです。
なおGoogleアカウントは公式サイトで簡単に作成できるため、まだ持っていない方はLooker Studioの利用前に準備しておきましょう。
Looker Studioへのログイン後は、作成データを以下の3つから選びます。
作成データの種類 | レポート | データソース | エクスプローラ |
特徴 |
グラフや表などでデータを可視化し、 ダッシュボードとしても利用できる |
連携するデータのアクセス条件や定義を格納、 モデリングする |
データを加工し、さまざまな視点から分析する |
上記3つは、Looker Studioの画面上部より選択可能です。
また画面左側からは、テンプレート集にアクセスできます。
慣れないうちは積極的に利用し、自社の実情に合わせて徐々に作りかえると良いでしょう。
例えば【2】でレポートを選択する場合、データソースの連携手順は次の通りです。
今回はWebサイトの分析で利用することが多い、Googleアナリティクスを選択しています。
データソースやエクスプローラは画面左上の作成ボタンをクリックし、表示された指示に従って操作を進めましょう。
【3】の承認後、アカウントや可視化したいデータを選択すると、無題のレポートとして出力されます。画面上部のバーからグラフなどを追加し、レポートの完成を目指しましょう。
なおグラフなどは、項目やスタイルの変更も可能です。情報共有や分析をスムーズに進められるよう、より見やすい形へブラッシュアップしてみてください。
レポートなどが完成したら、画面右上にあるボタンから他のメンバーへ共有します。
GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートと同じように、ユーザーの招待や各メンバーの権限変更も可能です。また下図の通り、メール配信の設定もできます。
共有する相手や人数を踏まえ、最も効率的な共有方法を選択しましょう。
マーケティング部門におけるLooker Studioの活用アイデアは、主に次の3つです。
Looker StudioはGoogleサーチコンソールやGoogleアナリティクス4(GA4)と連携できるため、Webサイト分析の効率化に役立ちます。例えば次のようなデータを一画面で閲覧する、あるいはレポートとしてチームメンバーと共有することが可能です。
情報の収集や整理にかかる時間を短縮し、分析や改善策の検討に集中したい方におすすめの活用方法となります。なおGoogleサーチコンソールやGA4の基本的な使い方を振り返りたい方は、以下の記事をあわせてチェックしてみてください。
関連記事:「Googleサーチコンソールとは?機能や使い方をご紹介」
関連記事:「これから始めるGA4の使い方!基礎・初期設定の手順・実践例まで解説」
Looker Studioは、広告レポートの作成も効率化できます。具体的な活用方法は、主に次の3つです。
例えばパナソニック株式会社ではLooker Studioを活用したことで、クリック率が低いもののCVの多い広告を発見しました。その後セグメントやターゲティングを最適化しながら、高精度のPDCAサイクルを回し続けます。結果として広告からWebサイトへ流入したあとの直帰率を、90%超から80%前半に抑えたとのことです。
Looker Studioによって情報の可視化や共有がスムーズになると、Webマーケターの育成もスピードアップします。レポート作成の工数が減り、新人や中途採用者も現状分析や戦略・施策の検討など、よりコアな業務に集中することが可能です。
後進の育成という点においても、Looker Studioは大いに役立つでしょう。
Looker Studioについて学べる本は、主に次の2冊です。
『「BIツール」活用超入門』は、Looker StudioをはじめとしたBIツールの基礎知識を学べる本です。具体的な記載内容は、次のようなものが挙げられます。
練習用のサンプルデータもダウンロードできるため、実際にLooker Studioにを触りながら操作に慣れたいという方にもおすすめの1冊です。
『Googleアナリティクス4 設定・分析のすべてがわかる本』は、GA4による目標設定やレポート分析などの進め方について学べる本です。Looker Studioと連携するケースが多いため、GA4自体の知識を深めておくとよりスムーズに使えるでしょう。具体的な記載内容は、次のようなものが挙げられます。
応用部分の解説が多い分、どちらかというと中級者以上に向いている本です。ただし具体例が多く掲載されているため、折りに触れて調べるといった使い方が最適といえます。
Looker Studio(旧Googleデータポータル)は、ビジネス情報の一元管理や共有などによって業務効率化をサポートしてくれるツールです。800以上のデータソースと連携できる上、グラフや表などさまざまな形で情報を可視化できるため、特にWebサイト分析や広告レポートの作成に向いています。
ログイン自体はGoogleアカウントさえあれば可能ですが、操作に慣れるには相応の練習と基礎知識の学習が必要になります。関連書籍を読むのはもちろん、YouTubeなどの動画を見ながら使い方について学ぶのも1つの方法です。
BIツールで業務効率化を進めたい企業は、無料で使えるLooker Studioを試してみましょう。