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トピッククラスターとは? SEO上もユーザーのためにも有効な理由

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トピッククラスターとは? SEO上もユーザーのためにも有効な理由

昨今主にSEO対策の側面で注目を集めているトピッククラスターという手法があります。この手法を取り入れることで、SEO上の評価も高まりコンテンツ管理をしやすくなるほか、ユーザビリティも向上するといわれています。メディア運営をしているならばぜひとも取り入れたいトピッククラスターについて、その意味と、なぜ重要か、また実際に取り組むにはどうすべきか解説します。

目次

1.トピッククラスターとは

トピッククラスターとは、あるテーマの中心となるコンテンツ(ピラーコンテンツ)に対して、関連するコンテンツ(クラスターコンテンツ)をリンクでつなげるコンテンツ制作の手法を意味します。

ピラーコンテンツは、より広い概念、SEO用語でいえば検索ボリュームが大きいビッグワードに対応するよう制作します。一方でピラーコンテンツでは、より具体的な悩み、SEO用語でいえばミドルワードスモールワードに対応するように制作します。ピラーコンテンツで広く浅く説明をし、クラスターコンテンツで詳細な内容を細かいニーズごとに解説していく方法です。

例えば、ピラーコンテンツを「メールマガジン」と設定した場合、クラスターコンテンツには、「メルマガの書き方」「メルマガタイトルの付け方」「メルマガ配信に最適な曜日・時刻は?」「メルマガの数値分析の仕方」などが並ぶと考えられます。

2.トピッククラスターのメリット

トピッククラスターはWebサイトの運営者はもちろん、ユーザーにとっても大きなメリットのある手法です。3つの観点でメリットを解説します。

サイトが体系化される

トピッククラスターの導入によってサイトが体系化されることで、戦略的にコンテンツ企画や管理が行えるようになります。サイト運営側にとっては、ユーザーニーズに対して重複や抜け漏れに気づきやすく、コンテンツ管理がしやすくなります。

一方、ユーザーにとってもサイト構造が分かりやすくなり、求めている情報へアクセスしやすくなるため、利便性が向上します。

SEOとしての評価が向上する

ユーザーが求める情報にアクセスしやすいコンテンツは検索エンジンからの評価も高まり、結果的にSEOとしての評価が向上します。SEOというとテクニック論が先行してしまいがちですが、Googleの検索エンジンも、ユーザビリティの向上につながるコンテンツの提供を評価していこうという姿勢があります。

また、トピッククラスターを導入することで、Webサイトの主要な成果指標の一つであるPV数を向上させる可能性もあります。関連コンテンツへの導線が増え、回遊性が向上し結果として1セッションあたりのPV数が向上するという仕組みです。

テクニカルSEOについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:テクニカルSEOとは?Googleから評価を得るための技術的な10の施策

ロングテールキーワードを網羅できる

ロングテールキーワードとは、3~4語のキーワードで構成されたものです。検索ボリュームは1,000未満と比較的少ないですが、同時に競合性も低いため、検索結果の上位表示を狙いやすいのが特徴です。

 ▼「メールマガジン」の例

  • ビッグキーワード:「メールマガジン」/li>
  • ミドルキーワード:「メールマガジン ツール」「メールマガジン 送信頻度」
  • ロングテールキーワード:「メールマガジン ツール 選び方」「メールマガジン 開封率 高い 送信頻度」

このように、構成するキーワードが増えるほどユーザーの検索意図もより明確になります。トピッククラスターが構築できていれば、クラスターコンテンツのコンバージョン率が高まるとともに、内部リンクによってピラーコンテンツ自体のアクセスも高められます。

SEOキーワードの選び方や便利なツールはこちらの記事で解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

関連記事:簡単SEOキーワード選定方法!5つの手順とおすすめツール5選

3.トピッククラスターの始め方

ここからはトピッククラスターの実践方法について紹介します。すでにコンテンツがありそれをまとめ直す場合と、新しくコンテンツを作る場合の2つのケースで解説します。

すでにコンテンツがある場合

すでにコンテンツがある場合は、以下の3ステップで行います。

  • 【ステップ1】コンテンツを分類する
  • 【ステップ2】ピラーコンテンツを作成する
  • 【ステップ3】リンク再設定やリライトを行う

【ステップ1】コンテンツを分類する

公開しているコンテンツにどのようなものがあるか見直し、テーマごとに分類します。例えば下の図のようなコンテンツが展開されている場合は、MAに関するコンテンツとメールマーケティングに関するコンテンツに分類できます。

コンテンツの分類

【ステップ2】ピラーコンテンツを作成する

分類ができたら、トピックの中心となるピラーコンテンツを作成します。その後、ピラーコンテンツごとにトピックを深堀りしたクラスターコンテンツのリンクを付与します。

【ステップ3】リンク再設定やリライトを行う

今回の例では、「MAとは」と「メルマガの基本」という2つのピラーコンテンツに複数のクラスターコンテンツがリンクで結ばれる構造です。加えて、「MAとは」と「メルマガの基本」同士も、「MAとメール配信ツールの違い」というコンテンツを通してつなぐことで、さらに広いクラスターを形成できます。この基本構造にしたがって内部リンクの再設定とリライトを行い、コンテンツ全体を整えればトピッククラスターの完成です。

トピッククラスターの完成

コンテンツの質を高めるコツは、こちらの記事でも解説しています。あわせて参考にしてみてください。

関連記事:SEO内部対策とは?初心者でもすぐできる7つの手法【チェックリスト付】

新しくコンテンツを作る場合

新しくコンテンツを作成する場合は、以下の4ステップで進めます。

  • 【ステップ1】ピラーコンテンツでの対策キーワードを定める
  • 【ステップ2】クラスターコンテンツでの対策キーワードを定める
  • 【ステップ3】コンテンツを作る
  • 【ステップ4】内部リンクでつなぐ

【ステップ1】ピラーコンテンツでの対策キーワードを定める

まずは、トピック、すなわちどのようなテーマでコンテンツ群を作成するかを定めます。この部分はメディアの目的やターゲットなどから考えます。

次にピラーコンテンツでの対策キーワードを定めます。ビッグワード〜ミドルワードと呼ばれるような、月間の検索ボリューム数万〜数千程度のキーワードを選択するのが一般的です。最初に定めたトピックに関するキーワードをいくつか書き出し、検索ボリュームを確認しつつ、より抽象的なキーワードを選ぶと効果的です。

【ステップ2】クラスターコンテンツでの対策キーワードを定める

ピラーコンテンツで対策するキーワードを定めたら、そこからより具体的なキーワードを書き出し、対策キーワードを定めます。ミドルワード〜スモールワードと呼ばれる、月間の検索ボリュームが数千〜数百のキーワードを選定するのが一般的です。ただしBtoB領域のテーマの場合、月間の検索ボリュームが数百に達するキーワードですら珍しいこともあるので、数十程度で制作する場合もあります。

【ステップ3】コンテンツを作る

ここまでできたら、コンテンツごとに対策すべきキーワードがリストアップされるので、対策キーワードの検索ニーズに応えるコンテンツを制作します。

【ステップ4】内部リンクでつなぐ

各コンテンツが完成し公開され次第、内部リンクでつないでいきましょう。

SEO対策の失敗事例をまとめた記事もあります。コンテンツ作成の前に確認し、事前の準備を整えておきましょう。

関連記事:SEO対策で失敗する11の原因|上位表示させるために必要な対策も解説

まとめ

SEOをはじめとしたコンテンツ制作者にとってだけでなく、ユーザーにとってもメリットの多いトピッククラスターについて解説しました。この手法を取り入れると、戦略的かつ着実にコンテンツを制作でき、検索エンジンからも評価されやすいため、これからコンテンツマーケティングに取り組む企業やメディアはぜひ取り入れてみてください。


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この記事を書いた人

BeMARKE編集部
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