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Webマーケティングの支援を依頼するなら知っておきたい手順・費用相場・会社の選び方とは

Webマーケティングの支援を依頼するなら知っておきたい手順・費用相場・会社の選び方とは

企業の競争力の維持や成長のため、Webマーケティングを実施または改善しようとするとき、外部のマーケティング支援会社に依頼したいという企業も多いのではないでしょうか。しかし、企業が適切なパートナーを選ぶためには、Webマーケティングの業務や支援会社についての基礎知識を知っておく必要があります。

本記事では、Webマーケティング支援を依頼する際の基礎知識から始め、具体的な手順やポイントまでを解説します。Webマーケティングの世界に足を踏み入れたいと考える企業や、既存の取り組みを見直したい企業の方は、参考にしてみてください。

目次

1.Webマーケティング支援を依頼するための基礎知識

WebマーケティングはWeb上で完結するマーケティング施策を指します。Webで情報収集を行うような顧客が多い事業であれば、競争上の優位を確保するためにもWebマーケティングに取り組むべきでしょう。

Webマーケティングを始める、または改善するために外部の会社への依頼を検討しているなら、まずどのような業務について支援を依頼できるのか、Webマーケティングの基本を押さえておきましょう。

Webマーケティングの業務内容

Webマーケティングは、Web上で実施する施策に限定したマーケティングの一部であり、業務内容の大枠はマーケティングと変わりません。マーケティング業務は、基本的にはマーケターや、マーケターの役割を負った営業などが担当します。

マーケティング業務の分類内容
自社・市場・競合の分析、ターゲット選定市場や競合他社を分析し、自社のターゲットを明確にする。
戦略設計自社の目的達成のため、「どのような対象に」「どのような情報を」「どのようなタイミングで届けていくか」を定めて戦略を設計する。
個別施策の企画・実行戦略に基づき個別の施策を策定、スケジューリングし実行する。
アクセス解析を始めとするデータの解析、効果検証効果検証を行い、施策の改善を図る。

上記以外にも、マーケティング体制構築のためのチームづくりや部門間の調整、ツール導入の手引きなども担うケースがあります。

また、Webマーケティングの主な個別施策としては下記が挙げられます。

Webマーケティングの主な個別施策

・Web広告の出稿・運用
・SNSの運用
・オウンドメディアの運用
・Webサイトの改善
・SEO対策
・メールマーケティング
ウェビナーの企画・実施
・コンテンツの企画・制作(記事・ホワイトペーパー・動画など)

外部に依頼する場合は、どの業務、どの施策の支援を依頼したいのかによって依頼先が変わる点に留意しておきましょう。

Webマーケティングについてより詳細に知りたい場合は、下記の記事を参照してください。

関連記事:「Webマーケティングとは?進め方のコツから役立つ本・資格まで徹底解説【未経験・初心者マーケター必見】

Webマーケティングを支援する会社の種類

Webマーケティングを支援する会社の種類は、大きく下記のように分類できます。

支援会社の分類内容
広告代理店総合広告代理店など。顧客のさまざまなメディアへの広告出稿を代理で行う。オフライン広告も含めた包括的な広告出稿ができる。
マーケティング・コンサル会社マーケティング活動に対するコンサルティングが業務の中心となる会社。なかでも市場調査に強い企業、SEOに強い企業など得意分野が分かれる。
制作会社・その他Webサイト制作会社、動画制作会社、SaaS提供会社など。主力事業は別にある会社が、自社の主力事業に関連して一部コンサルティング的なサービスも提供している。

Webマーケティング業務を外部に依頼する際は、自社のどのような業務範囲・施策について依頼すべきか整理した上で、適切な支援会社を選択する必要があります。

広告を中心に展開するWebマーケティングを想定している場合は、広告代理店も選択肢に上がります。自社でWebマーケティング体制を1から構築したい場合や、広告以外の施策も含む総合的な支援を必要としている場合は、マーケティング・コンサル会社を選択した方が広範囲の支援を期待できるでしょう。

関連記事:「マーケティング支援会社とは?種類と選び方、依頼の際の注意点まで解説

2.Webマーケティング支援を依頼する手順

Webマーケティング支援を依頼する手順は、下記です。

  • 【1】自社の現状・課題・予算を整理する
  • 【2】依頼先のコンサルティング会社を探す
  • 【3】契約を完了する

【1】自社の現状・課題・予算を整理する

Webマーケティングの支援会社を探し始める前に、まず自社の現状・課題・予算を整理します。これらの情報を、自社にとって適切な支援会社を選択するための根拠にするのです。また、情報を整理できていれば、支援会社に相談する際もスムーズに話を進められます。

ただし、実際に支援会社に相談してみると、最初に想定していた課題とはまったく別の問題が判明したというケースもよくあります。あくまで支援会社の候補を選ぶための仮の課題と考えておきましょう。

【2】依頼先のコンサルティング会社を探す

Web検索、比較サイト、口コミサイト、各支援会社のサービスサイトなどを参考に依頼先を検討します。各会社の公式サイトを確認し、自社の予算感にあっているか、依頼したい内容と得意な支援領域が合致しているか、事例があるか、実績のあるコンサルタントが在籍しているかなどに注目し候補を絞り込みましょう。

関連記事:「マーケティングコンサルティングとは?コンサルティング会社を選ぶポイントとBtoBビジネスに強い会社も紹介

【3】提案内容を検討し契約を結ぶ

各社の提案内容や相見積もりなどを吟味し、決めた会社と契約します。支援会社の提案に基づいて自社で施策を行うのか、代行を含むのかなど、後から食い違いが起きないよう支援内容についてはよく確認しておきましょう。

3.Webマーケティング支援を依頼する費用相場

Webマーケティング支援を依頼した際にかかる費用は、依頼する会社や支援内容、支援規模によって大きく変動します。下記は、費用の一例です。

支援内容費用
SEO対策数万円~数十万円(月額)
ロードマップ作成、シミュレーション策定20~50万円(月額)
アクセス解析・サイト改善案数十万円(一括)
マーケティング戦略設計数十万~数百万円(一括)

中には自社サイトに目安金額を掲載しているコンサルティング会社もありますが、多くの場合、正確な金額を知るためには問い合わせが必要です。候補を絞り込んだら、見積依頼を出しましょう。

4.Webマーケティング支援を依頼する会社の選び方

Webマーケティング支援を依頼する際にどのように会社を選ぶべきか、選び方の基本を解説します。

  • 解決したい課題の実績・事例があるか
  • 担当者を選べるか

解決したい課題の実績・事例があるか

Webサイトに解決したい課題の実績があるか、自社に似たシチュエーションの事例があるかを確認しましょう。

マーケティング支援会社の中には、「Webマーケティングの支援すべてに対応している」とサービスページでうたいながらも、事例ページにはWeb広告運用の事例しか掲載していないといったケースがあります。実績豊富な企業であれば、Webマーケティングにおけるさまざまな課題について、どのような施策を選択し解決に至ったのか具体的な成果を記載しているはずです。信頼の置ける会社かどうかを知るために、実績や事例にあたるようにしましょう。

BeMARKEでは、BtoBマーケティングの支援会社を検討するとき、参考にできる資料を公開しています。

担当者に実績があるか

マーケティング支援会社の中のどの担当者から支援を受けられるのか、契約前に確認しておきましょう。

専門的な知見を必要とするWebマーケティングは、同じマーケティング支援会社所属のコンサルタントであっても、人によって支援の質に差が出るケースがあります。大型案件のほとんどを優秀なコンサルタントが1人で担っている場合もあり、こうした優秀な担当者から支援を受けられないと、会社の過去の実績から想像していたような結果が出ない可能性もあります。

支援会社によっては、Webサイトに担当者の紹介ページを設け、担当者の経歴やこれまで扱ってきた案件を公開しています。参考にすると良いでしょう。

5.Webマーケティング支援を依頼して成果につなげる成功させるポイント

支援会社に依頼する場合、Webマーケティングを成果につなげるために下記3つのポイントを押さえておきましょう。

  • 全社的な取り組みであることを周知する
  • 丸投げせず定期的にコミュニケーションを取る
  • 依頼する範囲をあらかじめ明確にする

全社的な取り組みであることを周知する

Webマーケティングについて、部署を横断して取り組むべき活動であることを社内の共通認識にしましょう。

Webマーケティングは営業活動の効率化や質の向上にもつながる施策を行うため、マーケティングを担当する部門のみの問題ではなく、時には社内構成や営業体制の変革にまで踏み込みます。特に外部に支援を依頼する場合は、自社の営業情報を支援会社に共有したり、支援会社からの提案を社内で共有・対応したりといったプロセスが必要です。しかし、Webマーケティングの重要性が社内で共有されていないと、いざ施策を実行しようとして変化を嫌がる営業チームからの反発にあったり、十分な協力が得られなかったりとプロジェクトが頓挫するおそれがあります。

あらかじめマーケティングの必要性について知るための講習会やワークショップを開催する、成果は速やかに他部署にも共有して理解を得る、他部署のWebマーケティングへの貢献も評価対象とするなど、Webマーケティングに全社一丸となって取り組む環境づくりを継続的に実施しましょう。

丸投げせず定期的にコミュニケーションを取る

Webマーケティングの支援を依頼する際には、外部に丸投げするのではなく、定期的にコミュニケーションを取りマーケティングに対する理解を深めながら進めるようにしましょう。

支援会社に丸投げしてしまうと、自社にノウハウが蓄積しないため、依頼を打ち切った時点でまた元の状態に戻ってしまうおそれがあります。また、丸投げの場合は戦略面での舵取りができないため、望んでいた方向性での成果が出ない可能性もあります。

認識のズレが生じないように密なコミュニケーションを意識した上で、今後内製化していく可能性も踏まえ、疑問点はつど解消しつつ二人三脚の意識で進めることが大切です。

依頼する範囲をあらかじめ明確にする

マーケティング支援会社と契約する際には、どの程度の支援を期待するのか、支援してもらう業務や予算、実施期間などを明確にしておきましょう。上流も下流もあわせた包括的な支援を依頼したつもりが、実際は戦略設計が中心で、コンテンツの継続的な制作支援は別途料金だったといった行き違いを防げます。

6.まとめ

Webマーケティング支援を依頼する際には、ビジネスの成果を最大化するために、自社の現状・課題・予算を整理し、適切なコンサルティング会社を選ぶ必要があります。また、費用相場を把握し、解決したい課題の実績や事例を確認すれば、信頼性の高いパートナーを見極められます。

Webマーケティングの実施によって売上拡大などの経営目標を達成したいのであれば、長期的な視野を持った取り組みが必須です。外部に丸投げするのではなく、将来の内製化も見据えたマーケティング支援会社との密なコミュニケーションによって、Webマーケティングの成果の最大化と、社内のマーケティングチームのノウハウ獲得を目指しましょう。


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BeMARKE編集部
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