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新規顧客を獲得する営業手法は信頼の構築がカギ!代表的な施策を解説

新規顧客を獲得する営業手法は信頼の構築がカギ!代表的な施策を解説

新規営業がうまくいかずに悩んでいる方、顧客との信頼関係を築けていますか?新規営業においては、適切な4つのステップを踏んで顧客との信頼を構築していくことが大切です。

この記事では、新規顧客との信頼関係を築いていく上で欠かせない4つの段階と、代表的な営業手法、新規営業のコツについて紹介します。これから新規営業に取り組まれる方、新規営業に課題を感じている方はぜひ参考にしてください。

目次

1.新規の顧客を獲得する営業手法とは

新しい顧客を開拓しなければならない新規営業においては、いかにして顧客からの信頼を得て、自社または自社が扱う商材を魅力的に思ってもらうかが大切です。

ただ一方的に自社の商材を提案するだけでは関係を築けません。優秀な営業社員であっても、関係の構築を怠ると少しのミスで顧客は離れてしまいます。新規の営業であればなおさら、段階を踏んで顧客との間に信頼関係を築く必要があるのです。

関係を築く営業フローの段階には、主に「接触」「育成」「ヒアリング」「提案」という4つのステップがあります。各ステップに対応した営業手法で、信頼関係の構築を目指しましょう。

ステップ 内容 営業手法の例
接触 見込み顧客から認知を得る/見込み顧客の情報を獲得する 電話、メール、飛び込み営業、オウンドメディア、Web広告など
育成 見込み顧客の自社製品・サービスへの関心を引き上げ信頼感を醸成する
※最初から関心の高い見込み顧客であれば育成が必要ない場合もある
電話、メルマガ、ウェビナー、オウンドメディアなど
ヒアリング 見込み顧客から直接ニーズを聞き出す 面談
提案 見込み顧客に課題の解決策として製品・サービスを提案する 面談

2.新規営業の手法【接触・育成】

新規営業の「接触」における営業手法は、アウトバウンド型の営業とインバウンド型の営業の2つに分けられます。

アウトバウンド型の接触 営業社員から見込み顧客に直接アプローチをする手法
インバウンド型の接触 見込み顧客からの接触を待つ手法

能動的にアプローチを行うアウトバウンド型は、対象となる見込み顧客を一覧化したリストなどに基づき行われます。営業といえばこの手法を思い浮かべる方が多いかもしれません。対してのインバウンド型は見込み顧客をWebサイトへ誘導してCVにつなげる形が多く、Webマーケティングとの相性の良さが知られています。

アウトバウンド型の接触

営業社員から見込み顧客に対してアプローチを行いアポイントを獲得する、アウトバウンド型の代表的な手法は以下の通りです。

  • 電話
  • DM・メール
  • 展示会への参加
  • 飛び込み営業

電話

見込み顧客に対して、直接電話をかけてアポイントを取る手法で、テレアポとも呼ばれます。電話をきっかけに、訪問や資料送付につなげることが目的です。

現地に赴く飛び込み営業などと比較して、顧客の電話番号が分かればすぐにアプローチができる点がメリットです。また、メールなどを用いた営業と比べると、直接話をするぶん商材の魅力を会話の中で伝えやすく、相手から寄せられる疑問もその場で解消できます。営業社員の話し方、声色などの情報によって見込み顧客の印象に残りやすい利点もあります。

デメリットは顧客側の担当者まで電話をつないでもらうのが難しく、つながったとしても訪問のアポイントをとるためには高い交渉能力が必要になる点です。

DM・メール

メールや、相手企業のWebサイトの問い合わせフォームからメッセージを送りアポイントを取る手法です。定型文を送ることがほとんどのため、少ないリソースでアプローチできる点がメリットです。特にメールは営業フローの「育成」ステップでも力を発揮し、定期的なメールマガジンの配信や、前回の接触から間が空いた場合の伺いメールなど、見込み顧客との接点の維持にも利用できます。

ただしDMやメールは相手に読まれない場合も多く、「接触」を図っても次につなげることが難しい点には注意が必要です。開封率や返信率を上げるため、興味を抱いてもらえるようなタイトルや内容の工夫が求められます。

展示会への参加

展示会やフォーラムに出展・参加をして、企業担当者と名刺交換をし営業訪問のアポイントをとる手法です。直接的なアプローチだけでなく、新商品のPRなど、多くの来場者に自社商材をアピールする場にもなります。

商談や訪問アポイントに至らなくても、展示会後に定期的なメール配信などを行い、見込み顧客の育成を行うようにします。

なお、展示会への出展は費用や労力がかかるため、イベントの特徴や規模、時期などから費用対効果の大きいイベントに出展できるような見極めが肝心です。

飛び込み営業

一定の地域を定めた上で企業に飛び込みで訪問し、アプローチを行う手法です。対面で商材をアピールできるため、企業担当者に顔を覚えてもらいやすくなります。また、直接商材の実物を持っていく、資料を求められた場合にすぐに現物を手渡せるなど、対面でなければ行えないさまざまなアプローチが可能になる点がメリットです。

一方で、訪問をしても担当者が不在の場合も多く、労力と時間に見合った効果を得にくいというデメリットもあります。感染症対策やセキュリティの関係から、飛び込み営業を受け付けていない企業、快く思わない企業が増えてきている問題もあります。

インバウンド型の接触

見込み顧客のアクションを起点とし、見込み顧客からの自発的な接触を待つインバウンド型の代表的な手法は以下の通りです。

リスティング広告

GoogleやYahoo!などの検索エンジンを利用して情報を集めようとしている見込み顧客に対して広告を表示し、自社のWebサイトへ誘導する手法です。「検索連動型広告」とも呼ばれており、ニーズが明らかになっている見込み顧客へのアプローチに適しています。近年はスマートフォンの普及により多くのユーザーがWeb検索を利用しているため、リスティング広告の有効性が高まっています。

掲載はオークション方式で決まっており、集客効果が高いキーワードほど落札は困難です。キーワードの選定を工夫して競合企業を避け、費用を抑えた上で効果的なアプローチを目指す必要があります。

Webサイト(オウンドメディア)

自社のWebサイト上で見込み顧客にとって役に立つ情報を発信することで、Webサイトへの集客を図り、問い合わせやCVにつなげる手法です。

見込み顧客が必要な情報を検索して能動的に企業のWebサイトに訪問するため、企業は自社製品・サービスに関連するお役立ち情報を発信することでターゲット層を集めやすくなります。さらに、見込み顧客が価値を感じるような情報を定期的に発信していれば、企業への信頼感を醸成し、CVにつながりやすくなるというメリットもあります。

実践にあたっては、見込み顧客のニーズを想定した上で検索キーワードの選定を行い、コンテンツの制作を行います。検索順位を上げるSEO対策など、自社のWebサイトが目に留まるような工夫も重要です。

セミナー・ウェビナー

自社のノウハウを活用して関心を持たれやすいテーマのセミナーを主催し、ターゲットとなる企業の担当者を集めCVにつなげる手法です。集客や会場の確保などの面で単独セミナー開催が難しい場合は、他社と共同で開催する方法もあります。

近年ではZoomなどのツールを用いたオンライン上での「ウェビナー」も主流となってきています。定期的に開催することで、見込み顧客の育成の手段としても活用できます。

SNS

TwitterなどのSNSで企業のアカウントを作成し、自社の商材や活用事例などを紹介する手法です。また近年ではユーザー(顧客)との交流の場としても利用されており、普段の会社の様子などを発信するアカウントも多い傾向にあります。ユーザーのファン化を促進するツールであるといえるでしょう。

SNSは拡散性が高いため多くのユーザーの目に留まるというメリットがありますが、不利益な情報もすばやく広がってしまうという危険性もはらんでいます。リスク管理を徹底した上での運用が大切です。

3. 新規営業の手法【ヒアリング・提案】

新規の見込み顧客へのヒアリングおよび、製品サービスの提案のステップにおける営業手法のポイントを解説します。

ヒアリングのポイント

新規営業におけるヒアリングでは重要な3つのポイントが挙げられます。

【1】顧客が解決したい課題を理解する
顧客が求めていること、悩んでいること、現状はどうなっているのかを通して顧客の課題を理解します。顧客の課題やニーズを把握すれば、適切な自社製品の提案ができるようになります。明らかに見てとれる顕在ニーズだけでなく、潜在ニーズやインサイト(隠れた心理)も探りましょう。

【2】顧客との信頼関係を築く
面談を通して顧客の本音(悩みや課題)を引き出し、顧客が気持ちよく話せる状況を作ります。

【3】自社の製品・サービスが貢献できる顧客であるか見極める
自社製品・サービスが顧客の課題を解決または改善できるかを見極めます。「顧客が望んでいること」と「自社が貢献できること」が合致しないようであれば、ヒアリングの後は無理に営業活動を行わないようにしましょう。

ヒアリング作業においては、ノウハウの共有や作業の効率化の面からヒアリングシートのテンプレート作成をおすすめしています。詳細は下記より確認できます。

関連記事:ヒアリングシートのテンプレートを営業に活用するには

提案のポイント

ヒアリングを終えた後は、そこで現れた課題に対する最適なソリューション(製品やサービス)を提案しましょう。

その際、ソリューションコンセプトをまとめた提案書を作成する必要があります。記載項目は主に下記7つです。

  • 解決方法
  • 解決範囲(組織や業務の範囲)
  • 解決策によって提供できる価値
  • 投資対効果
  • 解決方法の代替案
  • 提案する解決方法がベストな理由

提案書は自己中心的な内容にならないように注意しましょう。どのような状況でも使える解決策を使いまわすようなやり方では、他社との差別化が図れず顧客が離れてしまう原因になりえます。ヒアリングの内容に基づいた、顧客に寄り添った個別の提案が重要なのです。

4.うまくいかない悩みを解決する新規営業のコツ5選

新規顧客の獲得に課題を感じている方は、以下の新規営業のコツを意識してみてください。

  • 顧客目線で考える
  • 良い印象を残す
  • PDCAをすばやく回す
  • 適切なターゲットを設定する
  • 他社との差別化を図る

顧客目線で考える

初対面ばかりの新規営業は、顧客目線でのアプローチが重要です。ほとんど信頼関係を築けていない状態では、自社に有益であるという判断がつかない限り顧客には営業社員と会うメリットがありません。そのため、顧客のニーズや要望を推測して「あなたの課題解決に貢献したい」という姿勢でアプローチを行い、顧客の心を動かす必要があります。

顧客のニーズは企業や担当者の数だけあると考え、面談前に情報収集し顧客の課題について仮説を立てておくことはもちろん、実際にヒアリングした後は仮説を検証し、徹底した顧客目線の提案を心がけましょう。

良い印象を残す

顧客に良い印象を与えられるように、身だしなみには普段から気をつけておきましょう。また、顧客と接する際の表情や声のトーンも大切にし、説明は簡潔に分かりやすく伝えることを心がけます。加えて、訪問や電話営業を行う際は、相手の忙しい時間帯を避けるようにしてください。

PDCAをすばやく回す

効率的に新規営業を行うために、目標を達成するための評価指標(KPI)を設定した上でPDCAをすばやく回すことが大切です。

営業目標と実績や進捗状況を比較した上で、目標との差異や遅れが生じているようであれば、その都度課題を洗い出し、対策を考えて行動に移しましょう。このサイクルを継続的に回すことで、より効率の良い営業ができるようになるはずです。

適切なターゲットを設定する

営業をかける前に自社の商材を購入してくれそうな企業をリストアップし、ターゲットとする企業の規模・業界・業種・エリアなどを選定し方向性を定めます。自社の既存顧客の分析を行った上で、傾向を把握してそれに似通ったターゲットを設定する方法も有効です。

新規営業がうまくいかないときは、そもそもこのターゲット設定が間違っている場合があります。ターゲット層を見直した上で、再度適切な相手を設定しましょう。

他社との差別化を図る

自社の商材を購入してもらうためには、当然競合企業の製品・サービスと比較してより優れた点をアピールする必要があります。

まずは、自社の強みと弱みを分析して把握するようにしましょう。その上で、価格、品質、サービス面などにおいて訴求できるポイントを定め、商談の際にアピールします。この際自社の優位性を示す具体的な数字を示せるとより効果的です。なお、自社の強味・弱みの分析の際は、3C分析やSWOT分析などのフレームワークが役立ちます。

5. まとめ

新規営業においては、一歩一歩適切な手順を踏んだ上で、顧客との信頼関係を築くことがなによりも重要です。顧客目線を忘れずに、本記事で紹介したさまざまな手法を取り入れて、ぜひ成約件数アップを目指してみてください。


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この記事を書いた人

BeMARKE編集部
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