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9つの営業スキルとは?成果が出る営業活動を実現するスキルアップ方法

9つの営業スキルとは?成果が出る営業活動を実現するスキルアップ方法

「営業スキルを伸ばしたいけれど、どんなスキルが必要なのか、スキルアップする方法が分からない」と悩んでいませんか。

営業は常に成果を求められる、ハードな職種です。営業活動で良い結果を出すためには、企業が営業組織の効率化を図ることはもちろん、個々の営業も自身を成長させなければなりません。しかし、自らの営業力を伸ばしたいと考えつつ、具体的に何をすれば良いかまでは分からないという方も多いでしょう。

本記事では、営業活動で結果を出すために伸ばしていきたい9つの営業スキルと、スキルアップのポイントを解説します。営業としてどんなスキルを磨くべきかを把握し、スキルアップさせていくためのヒントを見つけるために活用してください。

目次

1.営業に必要なスキル一覧

営業社員が営業活動で成果を上げるために必要なスキルとは、日々の業務を効率的に、重要な営業業務においては質の高い内容で実施できるようになるスキルであるといえます。

営業業務は大きく分けて「顧客の情報収集」「対人の営業活動」「製品サービスの手配・納品」「アフターフォロー」の4つに分類できるため、この4つの業務に活用できる営業スキルを伸ばすことで、業績アップにつなげられると考えられます。

業務内容に対して必要な3つの営業スキルを示した図
分類営業スキル
ビジネスの基本スキル自己管理力、行動力、タイムマネジメント力
対人スキルコミュニケーション力、ヒアリング力、交渉力
問題解決スキル情報収集力、論理的思考力、課題発見・対応力

2.ビジネスにおいて基本の営業スキル

営業社員が最初に身に付けておきたい基本的なスキルとして、以下3つのスキルがあります。これらのスキルは、営業はもちろんすべてのビジネスパーソンに必要とされるスキルです。

  • 自己管理力
  • 行動力
  • タイムマネジメント力

自己管理力

自己管理力は、自分自身を肉体的にも精神的にも安定した状態に維持するスキルです。特に営業社員は厳しい受注ノルマが課せられていたり、日々KPIに追われてストレスを感じていたり、対人業務でも頻繁な外出や出張が求められたりと、多忙でストレスを抱えやすい職種といえます。自分自身をケアし、心身ともに健康でいられるように努める自己管理力は重要なスキルです。

自己管理力を高めるためには、モチベーションを保てるように常に目的意識を持って業務に取り組むことが大切です。またストレスを緩和する方法として、日常に瞑想を取り入れて心身を整えるマインドフルネスの思考法が注目されています。自身がどういうときにストレスを感じ、どういうときに満たされるのかを見つめ直し、適したケア方法を見つけられるようにしましょう。

行動力

行動力は、「すぐに動く」「主体的に動く」というマインドを持ち、実践するスキルです。これは何も考えずにやみくもに動くという意味ではありません。例えば入念な計画が必要なタスクを見つけたら、計画を立てるために必要な情報を迅速に集めにかかるなど、物事への着手が早い状態を指しています。着手が早ければその後の試行錯誤の回数を増やせるため、不足を見極めて対応しやすく、成果を出せる可能性が高まります。

行動力を高めるためには、最初から完璧にやろうとせず、PDCAを回すなかで成功に近づけていく姿勢が大切です。

タイムマネジメント力

タイムマネジメント力は、限られた業務時間内で重要な業務に多く時間を割き、成果を最大化できるよう時間を管理するスキルです。営業の業務には事務的な作業も含まれており、主に日報・営業報告書の提出やメールのチェック、もらった名刺の整理やSFAの入力などがあります。しかし売上に直結するアポ獲得や商談、クロージングといった対人業務が営業にとってコアの業務であるため、営業社員はタイムマネジメントによって重要な業務に多く時間を割けるようにする必要があります。

タイムマネジメント力を高めるためには、各業務にかかっている時間を算出し、重要ではないタスクは短縮できないかを一つずつ考えて実行してみると良いでしょう。何にどれくらいの時間がかかっているかを可視化するだけでも自分の意識を見直す機会になります。

3.対人業務の質を高める営業スキル

受注に直結する営業のコア業務が対人業務です。顧客と直接接触するため、営業社員には以下3つのスキルが求められます。

  • コミュニケーション力
  • ヒアリング力
  • 交渉力

コミュニケーション力

コミュニケーション力は、双方向にスムーズな意思疎通を可能にするスキルです。対人業務の多い営業において、コミュニケーション力は必須のスキルといえます。新規の顧客から受注を獲得するためには、営業社員の1からのコミュニケーションによって、初めて直接接触する顧客との間に信頼関係を築く必要があるからです。

コミュニケーション力を高めるためには、上司や優秀な営業社員などコミュニケーション力が高い人を見つけ、その人を手本にして話し方をまねるところから始めます。自分とコミュニケーションが上手な人の話し方を比べてみて、差がどこにあるのかを考えてみると良いでしょう。

また、顧客とのコミュニケーションでは本題に入る前のアイスブレイクなど雑談が必要な場面もあるため、話のネタに困らないように、日頃から業界のニュースや情報を仕入れて話題を準備しておくことをおすすめします。

ヒアリング力

ヒアリング力は、顧客から必要な事柄を聞き出すスキルです。相手から信頼されなければ話してもらえないことも多いため、前項で述べたようにコミュニケーションで信頼を構築した上で臨む必要があります。顧客が自分自身の課題やニーズを整理できていないケースも多いため、営業社員は自らの仮説をもとに適切な質問を投げかけ、顧客から答えを引き出します。

ヒアリング力を高めるためには、必要な情報を聞き漏らさないように、ヒアリングシートを準備しておきましょう。またあらかじめ質問したい項目について仮説を立てておき、ヒアリングしながら修正していく聞き方がおすすめです。

ヒアリングシートの準備については「ヒアリングシートのテンプレートを営業に活用するには」の記事で詳しく解説しています。

交渉力

交渉力は、顧客の要望と自社の利益をすり合わせる交渉を行うスキルです。受注を獲得する、またその後も契約し続けてもらうためには、顧客の要望を柔軟に受け入れることも時には必要になります。しかし要望を何から何まで受け入れ、自社の利益を損なうようでは企業が立ち行かなくなります。お互いが妥協し利益を最大化できるポイントを探る必要があるのです。

交渉力を高めるためには、双方の利益が最大になる着地点を意識しておくことが大切です。自社が妥協できる限界をあらかじめ把握した上で、お互いが十分に利益を得られるようなストーリーを考えておきます。着地点から逆算して、最初の提案内容を通常よりやや高めに設定しておくなどのテクニックも検討しましょう。

4.問題解決能力を高める営業スキル

営業社員は顧客のニーズ・課題を引き出し、その解決策として自社製品・サービスを提案します。物を売るのではなく、ソリューションを提供するのです。そうした問題解決能力を伸ばすためには、以下3つのスキルが必要です。

  • 情報収集力
  • 論理的思考力
  • 課題発見・対応力

情報収集力

情報収集力は、営業活動のために情報収集を行うスキルです。営業活動においては顧客のニーズや課題に対する仮説立てが重要ですが、仮説のベースとなる情報がなければ質の高い仮説立て・検証ができません。顧客の解像度を上げ、受注につながるような提案を行っていくために、効率の良い情報収集を行っていく必要があります。

情報収集力を高めるには、情報収集の場面・目的に合わせて収集項目を決めておくと良いでしょう。最初のうちは「何の情報を収集すれば良いか分からない」「関連情報をすべて調べようとして結局何も身に付かない」と収集方法に迷って非効率になってしまうケースがあります。「初めて接触する顧客に関してはこの情報を漏らさず調べておく」「既存顧客に対しては直近の状況をコーポレートサイトやニュースサイトで確認する」のように収集項目を決めておけば、効率的な情報収集が可能になります。

論理的思考力

論理的思考力はロジカルシンキングともいわれ、筋道を立てて物事を整理するスキルです。論理的思考があれば、顧客が持つ課題について個々の因果関係を整理して伝えられるようになるため、提案に説得力を持たせられます。また日頃から論理的思考を活用することで、業務上の課題についても整理し、可視化できていなかった課題の発見や解決策の仮説立てに役立ちます。

論理的思考力を高めるには、メールや日報など日々の業務の中で、論理的な表現にこだわって作成するところから始めてみましょう。論理的思考を活用するための代表的なフレームワークである「ロジックツリー」を普段から利用し、思考法に親しむ方法もおすすめです。

ロジックツリーについては「ロジックツリーとは? 種類や手順、作成時のポイントなどを紹介」の記事でも詳しく解説しています。

課題発見・対応力

課題発見・対応力は、顧客が抱える課題、携わるプロジェクトがはらむ課題、日々の営業活動における課題などを特定し、解決策を講じるスキルです。営業社員はこれらの課題解決を進めることで業績アップにつなげられます。特に顧客自身が課題を見つけられていないケースは多いため、営業社員が課題を導き出し、解決策までをセットで提示できれば大きな信頼獲得につながります。

課題の定義を「理想と現実のギャップ」とすると、顧客の課題を発見するためには顧客が思い描く理想と現実を把握しなければなりません。顧客の理想と現実を把握するには、これまでに解説した「情報収集力」や「論理的思考力」を生かして仮説を立て、「ヒアリング力」を駆使して必要な情報を聞き出し検証する必要があります。

課題発見・対応力を高めるには、先述した理想と現実を把握するスキルを伸ばすほかに、明確な改善指標を設けて課題に対する対応を評価・改善していく仕組みを作りましょう。

5.まとめ

営業活動で成果を上げるためには、「顧客の情報収集」「対人の営業活動」「製品サービスの手配・納品」「アフターフォロー」という個々の営業業務に活用できる営業スキルを伸ばしていく必要があります。本記事では、営業スキルを「ビジネスの基本スキル」「対人スキル」「問題解決スキル」とカテゴリ分けして、それぞれのカテゴリに属する営業スキルの内容とスキルアップのポイントについて解説しました。

優秀な営業として活躍するため、自らのスキルを伸ばしていきたい方は、本記事を参考にスキルアップに取り組んでみてください。


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この記事を書いた人

BeMARKE編集部
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