セミナーレポート

強い営業組織の実現におけるデータ活用の重要性と実現の障壁【セミナーレポート】

強い営業組織の実現におけるデータ活用の重要性と実現の障壁【セミナーレポート】

BeMARKEは2023年8月30日、「BtoB Sales&Marketing SESSIONS 2023」と題したセミナーを開催しました。本セミナーでは、「マーケティング・営業組織変革の舞台裏」をテーマに、マーケティング・営業の組織変革を実現するために起こりうる障壁や組織を動かしていくためのポイントをディスカッション形式で登壇者の皆様にお話いただきました。本記事では、セミナーの4部にて株式会社マツリカのCRO山本 剛義氏と株式会社アールスクエア・アンド・カンパニー代表取締役CEOの山下 貴宏氏に解説いただいた、強い営業組織を実現する方法についてお届けします。

目次

【登壇者】

山本 剛義氏(株式会社マツリカ CRO)

株式会社光通信にて営業職/管理職に従事し、配属二年目で30人の組織を統括。 更なる顧客への貢献を胸に株式会社セールスフォース・ジャパンへ入社。 インサイドセールスでは商談創出数において、グローバルにおけるギネス記録を樹立し史上最速でフィールドセールスへ昇格。フィールドセールスにおいては受注金額、件数ともにJapan No.1を獲得。 日本市場における圧倒的な顧客主義の実現を果たすべく2022年9月に株式会社マツリカへ入社。

山下 貴宏氏(株式会社アールスクエア・アンド・カンパニー 代表取締役CEO)

法政大学卒業後、日本ヒューレット・パッカードにて法人営業、船井総合研究所を経てマーサージャパンに入社。人事制度設計、組織人材開発のコンサルティングに従事。その後、セールスフォース・ドットコム入社。セールス・イネーブルメント本部長として、イネーブルメント部門の規模を4倍に拡張し、グローバルトップの営業生産性を実現。2019年同社を退社しセールスイネーブルメント特化企業(株)アールスクエア・アンド・カンパニーを立ち上げ、大手から中堅企業まで数々の企業のイネーブルメント組織構築に尽力。イネーブルメント分野の日本での第一人者であり、講演実績多数。著書に『セールス・イネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方』(かんき出版)、『トップセールスだけに頼らない組織を作る 実践セールス・イネーブルメント』(翔泳社)がある。

営業改革プロジェクト成功と失敗の差分とは

2つの視点から見る営業改革の「本質」

――営業改革プロジェクトといっても三者三様であるため、まず営業改革プロジェクトがどのようなものを指すか、お二人の認識を教えてください。

山本剛義氏(以下、山本氏):会社が目的を掲げていても、それぞれの事業部や事業部内のマネージャー、プレイヤーでは読み取り方が違います。会社が掲げる目的を「自分ごと」として考える場合に、達成のための具体的なプランを各個人が持っている状態、また達成が難しい場合にどのようなリカバリープランを用意するかが可視化されている状態が、営業改革プロジェクトのスタートであると考えています。

株式会社マツリカ CRO 山本 剛義氏
株式会社マツリカ CRO 山本 剛義氏

山下貴宏氏(以下、山下氏):営業組織が置かれている環境の変化に合わせて、売り物・売り方を変えて売上目標を達成することが営業改革のコアの部分であると考えています。今までの売り方で売上目標が達成できるのであればあえて変える必要もないわけで、目標を達成できていないからこそ「何かを変えなきゃいけない」という考えが営業改革の前提にあります。何を変えるのかについては、売り物・売り方の両方を同時に取り組まれているケースが多い印象です。

株式会社アールスクエア・アンド・カンパニー 代表取締役CEO 山下 貴宏氏
株式会社アールスクエア・アンド・カンパニー 代表取締役CEO 山下 貴宏氏

――営業改革プロジェクトを行うとき、大企業・中小企業によって、どういった課題を持っていることが多いのでしょうか。

山本氏:「営業改革によって実現したいこと」が企業の規模によって大きく変わるわけではなく、目の前の困りごとや本質的な課題について大きな差はないという認識です。ただ、大きな企業であればあるほど経営層からトップダウンで「営業DXをやるべきだ」のような抽象度の高い号令が飛び着手するケースが多く、一方で中規模・小規模の企業様は「ここを効率化できればもっと売上が上がるはず」とより具体的な課題を現場が感じているケースが多い印象です。

山下氏:実際にご支援させていただいている企業様の例でいうと、既存事業は置いておいて新しい領域での売上や利益を伸ばしていきたいけれども、営業パーソンの行動や仕組みが旧来のままであるといった課題があるケースがあります。そういったところを変える観点でのご支援もさせていただいています。

営業改革の成功には3つの要素が必要

――挙げられたような課題を持つ企業の中でも、成功するパターンとうまくいかないパターンがありますが、違いはどこから生まれるのでしょうか。

山下氏:3つあると考えます。

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この記事を書いた人

野坂 早希
野坂 早希 | ライター

文章での価値創出に関心があり、製造業から転身後、BeMARKE編集部でBtoBマーケティングを専門に年間およそ70本の記事執筆・編集を担当。「読者に分かりやすく品質の高い記事を届けること」をモットーに日々制作に励んでいる。

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