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ユーザーテストのやり方|実施の目的からユーザビリティテストとの違いまで解説

ユーザーテストのやり方|実施の目的からユーザビリティテストとの違いまで解説

ユーザーテストは、プロダクトの成果を上げるために必須の工程です。しかし馴染みがない方からすると、「どのような内容を実施するのか」「ユーザビリティのチェックと何が異なるのか」など疑問も多いでしょう。

本記事ではユーザーテストとは何か、目的や種類のほか、ユーザビリティテストとの違いを踏まえながら解説します。具体的なやり方や必要な準備はもちろん、実施するメリット・注意点もあわせて紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

目次

1.ユーザーテストとは?

ユーザーテストとは実際に利用するであろうユーザーに、Webサイトやアプリといったプロダクトを試してもらうテストです。ここでは基礎知識として、以下の3つを解説します。

  • 主な目的
  • ユーザビリティテスト
  • 代表的な種類

主な目的

ユーザーテストの目的は聴取した意見や観察された操作の様子をもとに、プロダクトの必要性を検証するためです。「多少使いにくくても、まずは受け入れられるか」という、製品・サービス開発の進行可否について確認できます。

またユーザーテストはコンセプトのブラッシュアップや、ペルソナカスタマージャーニーマップにおける仮説の立案と検証にも役立ちます。プロダクトの成功に向けて、必ず実施したい工程の1つといえるでしょう。

ユーザビリティテストとの違い

ユーザーテストとユーザビリティテストの違いは、下表の通りです。

ユーザーテスト ユーザビリティテスト
主な目的 ・プロダクトが受け入れられるか、コンセプトやペルソナの仮説検証 ・プロダクトが使いやすいか、ユーザビリティ上の課題発見
実施方法 ・インタビュー
・アンケート(操作する対象物がなくても実施できる)
・プロトタイプや実装レベルに近いプロダクトの操作
得られるもの ・解像度が上がったペルソナやカスタマージャーニー
・よりユーザーの心に刺さるコンセプト
・UI/UXが改善されたプロトタイプなど
・UI/UXが改善されたプロトタイプ
・より満足度の高いプロダクト

上記より名称は似ていても、目的や実施方法は大きく異なることが分かります。しかしいずれも、プロダクトの企画・開発には欠かせない工程です。テスト結果から何を得たいかを明確にした上で、シーンに合わせて使い分けると良いでしょう。

代表的な種類

ユーザーテストは定性調査の1つであり、手法によってさまざまな種類があります。代表的なものとその概要は、下表の通りです。

ユーザーテストの種類 概要
ABテスト 2つのパターンを準備し、どちらの方が成果が上がりやすいかを比較・検討する
インタビュー ユーザーとの対話を通じて、意見やフィードバックを収集する
アンケート アンケート用紙を通じて、選択式・自由記述式の回答を収集する
ベータテスト 完成形に近いプロダクトを準備し、改良が必要な点の情報を集める
アクセシビリティテスト 障がいがある人や高齢者など、特定のユーザーグループの意見やフィードバックを収集する

上記は複数を組み合わせる、あるいは互いのデータを裏付けるといった使い方をするとより効果的です。なおABテストの進め方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

関連記事:「ABテストとは?意味がない?注意点・具体的なやり方からおすすめのツールまで紹介

またユーザーインタビューについては、下記の記事で解説しています。具体的なやり方や成功のコツを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:「【3STEP】ユーザーインタビューのやり方|目的や種類から成功させるコツまで解説

2.ユーザーテストに必要な3つの準備

ユーザーテストに必要な準備は、以下の3つです。

  • 仮説の設定
  • 対象者の募集
  • テストの種類に応じた準備

仮説の設定

まずはプロダクトの開発・運用段階に応じて、次のような事項について仮説を立てましょう。

  • ペルソナ
  • ニーズ
  • 改善策 など

例えば開発初期はペルソナ、運用開始後は改善策などにおける仮説の検証が有効です。設定した仮説はチームメンバー内で共有し、テスト観点などにブレが生じないようにします。

また仮のユーザーシナリオを検討しておくと一連の流れが可視化され、テスト観点を抽出しやすくなるでしょう。

対象者の募集

ユーザーテストの対象者は5人ほど集めると、課題の85%を発見できるといわれています。課題の半数以上を見つけるためには、最低でも3人は必要です。

5人ほど集めると課題の85%を発見できる
5人ほど集めると課題の85%を発見できる

引用:Nielsen Norman Group|Why You Only Need to Test with 5 Users

調達方法は、主に以下の3つです。

  • 人脈の利用
  • パネル会社の使用
  • ビザスクなどのスポットコンサルサービスの活用

なおユーザーテストの活用シーンによって、適した対象者は異なります。具体的には、下表の通りです。

ユーザーテストの活用シーン 適した対象者
基本的なユーザーテストを実施したい場合 ペルソナと基本属性(年齢や性別など)が似ている人
プロダクトの開発にともない、ニーズやコンセプトを検証したい場合 プロダクトに対する興味関心や知識レベルがペルソナに近い人
プロダクトのリニューアルにともない、その影響を検証したい場合 問い合わせや成約など特定の利用状況を満たす既存ユーザー

対象者の募集(リクルーティング)には時間や金銭がかかるため、テストの実施が無駄にならないよう適切な対象者を選定していきましょう。

テストの種類に応じた準備

最後にユーザーテストのタスクを分解し、必要な文書や機材などを準備します。実施すべき項目は、「いつまでに何を誰がやるか」を1枚のシートにまとめておくと分かりやすいでしょう。

例えばユーザーテストとしてインタビューを行う場合、以下のようなものが必要です。

  • プロダクトをイメージできるもの(プロトタイプやストーリーボードなど)
  • 質問内容や順番を記載したインタビューガイド
  • 録音機材 など

オフライン開催であれば会場を準備し、オンライン開催であればZoomなどのツールや通信環境もあわせて整えておきましょう。

3.ユーザーテストのやり方【3STEP】

ユーザーテストのやり方を、3つのステップに分けて解説します。

  • 【1】事前説明
  • 【2】ユーザーテストの実施
  • 【3】テスト結果の集計と分析

【1】事前説明

はじめにユーザーテストの目的や流れを、対象者へ丁寧に説明します。特に「あくまでもプロダクトのテストであり、対象者自身を評価するものではない」という点は明確に伝えましょう。緊張をほどいてリラックスしてもらい、ユーザーの本音を最大限引き出すためです。

対象者との信頼関係を築く意味では、参加の打診時にも実施主体の基本情報やテストの目的など開示できる部分を伝えておくのも良いでしょう。

【2】ユーザーテストの実施

プロトタイプなどがある場合は実際に触ってもらいながら、あるいはストーリーボードなどを見てもらいながら、ユーザーの意見や印象などをヒアリングします。このとき以下のような観察項目も、重要な情報源です。

  • 表情
  • 行動
  • 声色 など

なおヒアリングは次のような順番で進めると、対象者も自身の意見を整理でき、より話しやすくなります。

  1. 普段の利用シーン(類似サービスなど)を聴取する
  2. 具体的な状況を設定し、自社プロダクトの利用イメージを膨らませてもらう
  3. 自社プロダクトの価値について聴取する

ただし質問する際は意見を深掘りするためにも、Yes/Noで答えられるクローズ・エンド型ではなく、自由に回答できるオープン・エンド型を意識しましょう。またテスト結果にバイアスがかからないよう、回答を誘導しないように注意してください。

【3】テスト結果の集計と分析

最後にユーザーテストの結果を集計・分析し、仮説とのズレを明確化します。下表のようにテスト結果から抽出された課題を質と量で分類し、改善すべき点の優先度を決定します。

分類 分析
質に着目した分類 効果:当初設定したゴール(予約完了など)まで無事にたどり着けたか
効率:ゴールまでスムーズに進めたか
満足度:不満や不安を感じる部分はなかったか
量に着目した分類 上記の状態がどれくらいのユーザーに見られたか(全員/半数/1人など)

特に「効果が低い」かつ「多くのユーザーに見られた課題」は、優先的に改善策を検討していきましょう。

4.ユーザーテストを実施するメリット

ユーザーテストを実施するメリットは、主に以下の3つです。

コスト面などの課題を発見できる

ユーザーテストは長期的に見ると、コストやリソースを削減できるメリットがあります。特に新しいプロダクトの開発では、早期に実施することで課題の発見や改善が可能です。ある程度形ができあがってから大幅な修正を加えるよりも、金銭や人員を削減できる可能性が高まります。

もちろんユーザーテスト自体にも、コストやリソースがかかります。しかし小規模かつオンラインであれば比較的取り組みやすく、かつ複数回実施できれば幅広い意見の聴取が可能です。プロダクトの完成度を上げ、より素早く世に送り出したい場合は、ユーザーテストもなるべく早く取り入れると良いでしょう。

コンバージョン率の向上が期待できる

ユーザーテストは下記によってプロダクトが利用満足度の高いものへ仕上がり、最終的にコンバージョン率の向上も期待できます。

  • ペルソナやカスタマージャーニーの解像度向上
  • コンセプトのブラッシュアップ
  • UI/UX面をはじめとした課題の早期発見と改善 など

実際Nielsen Norman Group社の調査では、ユーザーテストによる改善でコンバージョン率が平均1.83倍に増えたとのことです(※1)。

※1参考:Nielsen Norman Group|Usability ROI Declining, But Still Strong

上記はあくまでも平均値ですが、テスト実施の有効性は十分感じられるでしょう。

ただしユーザーテストの費用対効果を最大化するためには、テストの設計や参加者の選定を入念に行う必要があります。準備不足や不適切な対象者を選定した場合、テストしても有益な情報を得られないためです。

投じた費用や人員を無駄にしないためにも、ユーザーテスト本番だけでなく、その前段階の準備もチームメンバー全員で協力しながら丁寧に進めましょう。

5.ユーザーテストにおける2つの注意点

最後にユーザーテストを実施する際に注意したいポイントを、2つ解説します。

  • テスト中は対象者の質問に答えない
  • テスト内容を未公開にする場合は秘密保持契約を結ぶ

テスト中は対象者の質問に答えない

ユーザーテストの実施中は、対象者の質問に答えないでください。前述した「効果(当初設定したゴールまで無事にたどり着けたか)」を、正確に評価するためです。質問に答えてしまうとヒントを与えることになり、テスト結果に影響が出てしまいます。

とはいえ事前説明もなく、対象者を無視する態度は信頼関係にヒビが入りかねません。そのためユーザーテスト中は質問に答えられない旨について、あらかじめ説明し承諾を得ておきましょう。また「〇〇さんはどうお考えですか?」など、逆質問によって対象者の主体的な声を引き出すのも1つの方法です。

テスト内容を未公開にする場合は秘密保持契約を結ぶ

テスト内容を未公開にする場合は秘密保持契約に関する同意書を準備し、サインしてもらいましょう。

ただしアクセシビリティテストでは、障がい者が対象になるケースも少なくありません。同意書の閲覧やサインが難しい場合に備え、代読・代筆の許容範囲も社内で検討しておくことが大切です。

6.まとめ

ユーザーテストとはプロダクトの必要性を検証する手法であり、コンセプトのブラッシュアップや課題の早期発見・改善などに役立てられます。ユーザビリティテストと混同しやすい傾向にありますが、こちらはあくまでも使いやすさをチェックする方法です。目的やシーンに合わせて、使い分けることが大切になります。

またユーザーテストを実施する前には、仮説の設定や対象者の募集などの準備を入念に行うことが必要です。実施中はユーザーの発言はもちろん、表情や行動なども重要な情報源となります。プロダクトの成果を最大化させたい企業は、ユーザーテストを積極的に取り入れていきましょう。


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この記事を書いた人

アイランド暁子
アイランド暁子

広報コンサルティング、上場企業の広報宣伝部、人事部のマネージャーを経て独立。海外移住をきっかけにライターを始める。10年以上企業のオフィシャルサイト、マーケティング・人事系のサイトや記事制作に多数関わる。BeMARKEの理念に惹かれ編集部に在籍中。

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