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売上管理とは?把握すべき指標やおすすめツール・アプリを紹介

売上管理とは?把握すべき指標やおすすめツール・アプリを紹介

企業の売上状況を確認・把握し、今後の施策に役立てるためにも欠かせないのが売上管理です。しかし、売上金額をまとめた資料を作るだけでは不十分です。課題に対する対策を立てて、さらに売上を伸ばすためには、多角的な指標から売上を分析する必要があります。この記事では、売上管理の概要と重要性や把握すべき5つの指標、売上管理におすすめのツールやアプリを紹介します。

目次

1.売上管理とは

売上管理とは、その名の通り現状の売上情報を集計し、それらを分析していく作業のことです。週次、月次、年次など、売上管理を行うタイミングは企業や組織によってさまざまですが、営業活動の成績表と言っても過言ではない売上を管理していくことは、企業経営において非常に重要です。

2.売上管理の重要性

売上管理は単に数字を追うことが目的ではなく、ビジネスを成長させる上で欠かせない業務です。売上管理の重要性について、具体的に3点紹介します。

売上の傾向や課題の特定につながる

売上管理をすることで、何のサービスが売れているか、どの地域や市場でニーズが高まっているか、また営業担当者のうち売上が低迷しているのは誰かなど、さまざまな傾向や課題を把握できます。サービス別、部門別、地域別、担当者別、顧客別など、カテゴリごとに絞って分析することも大切です。

営業戦略に生かせる

売上を伸ばすためには、売上管理で収集・分析した情報を基に営業戦略を最適化しなければなりません。例えば、売上が高い順に顧客リストを整理し、優先度ごとにアプローチ方法を探るのも良いでしょう。ほかにも、売上が上がっている要因を探ることで、営業フローやサービス自体など、自社の強みに気づけるかもしれません。

施策の効果測定ができる

前月や前年の売上データと比較すれば、特定の期間に行ったどの施策が効果的だったか、またどの部分に改善の余地があるかなどを分析する助けになります。例えば、新しい広告キャンペーンを実施したあと、その期間の売上が前月や前年同期と比較してどのように変化したかを詳細に分析するなどです。

3.売上管理で見る項目

売上管理において、売上数字そのものを見ることは当然重要なことですが、それ以外にも、以下の数値を確認しておくことが大切です。

見るべき数値理由
目標目標となる数値が把握できていないと、現在の売上情報が良い状況であるのか悪い状況であるのかが判断できず、売上管理を行うことができなくなってしまいます。目標数字は必ず把握しておくようにしましょう。
達成率達成率は、目標に対する現在の売上の進捗を把握するために重要な指標です。達成率の高低によって、適切な対策を取っていく必要があるでしょう。
前月・前年比前月比や前年比といった過去の売上数字との比較は、現在行っている施策の有効性や市場の状況変化を把握するのに有効な指標です。数字が良くない場合はもちろんですが、良い場合でも、なぜ良い状況なのかの原因を探るようにしてください。
仕入原価仕入原価を把握すれば、おおよその粗利が計算できるようになり、より詳細な営業成績を把握することができます。仮に売上が1割上昇していても、仕入原価が倍増している場合などは、決して良い状況とは言えません。場合によっては仕入原価を抑えるための施策を検討すべきと判断される場合もあります。

4.売上管理で把握すべき5つの指標

売上管理は売上高の推移を把握し、落ち込みの原因を分析したり将来の売上高予測に役立てたり、さらに売上を伸ばすための施策に活かしたりすることが目的です。そのため、ただ全体の売上高を表などにまとめるのでは、深い分析ができません。

売上管理を今後の対策に最大限に生かすためにも、これから紹介する5つの売上指標を活用しましょう。これらの指標を組み合わせて分析すれば、より現状を把握でき対策を立てやすくなります。

【1】時系列の売上

過去の売上と現在の売上を比較するのが時系列の売上指標です。月や季節ごとに過去の売上と比較することで、その時期のトレンドや売上の増減を把握できます。

月や季節ごとに伸び方の傾向があれば、その時期は顧客ニーズが高まっていると判断できます。キャンペーンを実施するなど、さらに売上を伸ばすための施策を展開することもできるでしょう。同じ時期であるのに過去に比べて売上が低下していた場合は、何が原因であるのかを追求することで、今後の改善や対策に活かせます。

【2】部門、チーム別の売上

部門やチームごとに立てられた目標に対する達成状況を管理する指標です。

定期的にこの指標をチェックすることで、目標に対して後れをとっている部門やチームを明らかにできます。その部門に対してコミュニケーションを取り原因を探り、対策を練ることで目標達成に近づけられるでしょう。また、目標をコンスタントに達成している部門やチームがあれば、そこでの取り組みを他部門にも展開することで、営業活動スキルの全社的な底上げができるかもしれません。

【3】商材別の売上

自社で取り扱う商材がそれぞれどれぐらい売れているのかを比較するのが、商材別の売上指標です。良く売れているものとそうでないものがあるのであれば、なぜ売れているのか、なぜ売れていないのかを分析し、対策を講じるようにしましょう。売れている商品にもっと注力するのか、売れていない商品にテコ入れをするのか、はたまたまったく新しい商材を導入するのかなど、対策の方法に決まりはありませんが、今後の営業戦略を練る上で重要な指標となることは間違いありません。

【4】担当者別の売上

担当者ごとの売上状況をまとめる指標です。目標に対する達成状況を担当者別に明らかにすることで、より具体的な対策やアドバイスを講じられます。

コンスタントに目標を達成している優秀な営業担当者がいれば、工夫していることやナレッジなどをヒアリングし、展開することで、その他の担当者の対策や今後の取り組みに生かせるでしょう。

【5】顧客別の売上

担当者別とは逆に、顧客ごとの売上状況をまとめるための指標が、顧客別の売上です。どの顧客にどのような商材がどれぐらい売れているかを把握することで、組織として注力すべき顧客をピックアップする際などに役立ちます。特定の顧客の売上が多ければ、フォロー体制を強化してより大きな取引を提案してみるのも良いでしょう。逆に売上が少ない顧客がいれば、その原因を探ることで、新たな提案の種が見つかるかもしれません。

関連記事:KGIとKPIの違いは?設定方法や目標達成のポイントも解説

5.売上管理の方法とおすすめのアプリ・ツール

売上管理はアプリやツールを活用すると便利です。ここからは、売上管理におすすめのアプリやツール、そのメリットとデメリットを紹介します。特徴やメリットなどを把握した上で、目的ややりたいことに応じて使い分けましょう。

Excel、Googleスプレッドシート

Excelは最も手軽な売上管理のツールです。Googleアカウントを取得して利用できるGoogleスプレッドシートであればExcelと同じ機能を無料で使えますし、他のメンバーにも簡単に共有できるのでおすすめです。

ExcelやGoogleスプレッドシートは指標や管理する項目を自由に設定できるので、柔軟な運用がしやすいというメリットがあります。部門別、商品別、得意先のカテゴリー別などカテゴリに分けて集計すれば、深い分析もしやすいでしょう。関数を活用すれば、効率的に売上管理をできるようになります。

一方、管理する項目や数字が多くなると集計に負担がかかりやすくなり、効率的に作業ができないというデメリットがあります。また、分析のためのグラフなどは関数などを用いて自ら表示させなければならないため、一定のスキルが求められます。簡単に始められるのが特徴ですが、手間もそれなりにかかるというのが弱点です。

会計ソフト

日々の支出や収入を管理するための会計ソフトは、売上管理にも活用することができます。月次や年次といった全体の数字はもちろん、上でも紹介した時系列の売上、商材別の売上などが把握しやすいのがメリットです。さらに会計ソフトのデータを出力すれば、エクセルとして新たに情報を追加していくことも容易になるため、拡張性があります。

SFA/CRM

SFAやCRMといった営業支援のツールでも、売上管理を行うことができます。こうしたツールにはグラフ化などの便利な機能が搭載されていることも多く、単純に見やすく分析がしやすいというのも大きなメリットと言えるでしょう。また顧客ごとの数字や営業担当者ごとの数字が見られるため、深く精度の高い売上管理が可能。ツールによって搭載されている機能は異なるため、売上管理という視点から導入するものを検討するのも一つの手です。

関連記事:SFAとは?CRMとの違いや現場に定着させるためのコツを紹介

6.売上管理を成功させるためのポイント

最後に、売上管理を成功させるためのポイントを解説していきます。この内容を参考に、効率的かつ戦略的な売上管理を実施しましょう。

ルールを策定しテンプレートを用意する

売上管理のアプリやツールは複数人で使用することになります。誰が記入しても一定のクオリティを保ち、正確に分析できる状態にするためにも、あらかじめルールを策定しておきましょう。記載する項目や備考欄に記入すべき内容などのルールがなければ、入力される内容がバラバラになってしまい、データを十分に活用できません。策定したルールは売上管理を行う全員が遵守するよう、周知徹底することも大切です。

また、売上管理のテンプレートを作成するのも効果的です。テンプレートの内容に沿って項目などを記入するだけなので、担当者によってバラつきが出づらく、業務効率化にもつながります。

定期的に数値を確認する

売上管理は不定期に行うのではなく、タイミングを決めて定期的に行うことが大切です。そうしなければ、現状のボトルネックや改善点を探すことが困難になってしまったり、仮に課題を発見することができても改善が間に合わなくなってしまったりしてしまいます。鉄は熱いうちに打てではありませんが、良い結果であっても悪い結果であっても、すぐに分析・対応することが、大切。部では毎月、課では毎週、チームでは毎日など、組織の大きさに応じて売上管理の頻度を調整するのも良いでしょう。

売上管理の業務効率化を図る

売上管理を成功させるためには、売上管理自体の業務効率化も大切です。データの収集や分析作業を迅速かつ正確に行えるよう、フローやツールを見直しましょう。また、売上データを簡単に可視化できるダッシュボードを活用することで現状の把握と共有がしやすくなります。売上管理のやり方を最適化すれば、日々の売上追跡から長期的な戦略立案まで、さまざまな場面で生産性の向上が期待できます。

7.まとめ

売上管理は、現状を把握するだけでなく、次なる一手を考えるためにも重要な作業です。ただし、ただ闇雲に数字を集めれば良いというわけではありません。今回紹介した指標やポイントをしっかりと押さえ、意味のある売上管理をしていくことが大切。そうして洗練された売上管理ができれば、問題発生時の軌道修正なども容易になり、より安定した営業結果を残すことができるようになるはずです。


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