基本ノウハウ
最初にGA4へのバージョンアップで定義が新しくなった直帰率と離脱率の意味と両者の違いについて解説します。
直帰率とはサイトの訪問(セッション)数のうちエンゲージメントされず離れた数の割合です。そのため、「非エンゲージメント率」とも呼ばれています。エンゲージメントされていない状態とは以下の3つを満たした状態です。
例えばあるサイトの1日の訪問数が100、そのうち最初のページでコンバージョンが起こらずに10秒未満でサイトを離れた数が40だとすると、直帰率は40%になります。
基本的には直帰率は低ければ低いほど、サイト内のさまざまなコンテンツを見ているユーザーが多いことを意味するため、サイトに対するユーザー満足度も高いことが推測されます。
Googleアナリティクスは、2023年7月1日に従来のUA(ユニバーサルアナリティクス)バージョンからGA4(Googleアナリティクス4)に一本化されました。直帰率の定義も上記で紹介した内容に変更されているので混同しないよう気をつけましょう。
離脱率とはサイトの訪問(セッション)数のうち、指定のページを最後にサイトを離れた数の割合です。例えばサイトのAページを含む訪問数が100、そのうちAページを最後にサイトから出た数が20の場合、Aページの離脱率は20%になります。
直帰率と同様に、離脱率が低いページはユーザーに興味・関心を持たれている可能性が高いと考えられがちですが、実は一概に「離脱率が低い=良いページ」とは限りません。
例えば、お問い合わせページや申し込みページは、そのページで目的を達成したため「離脱するユーザーが多い=離脱率が高いこと」が考えられます。他にも、とある課題の解決策を探しているユーザーがいたとして、知りたい情報がそのページに分かりやすく書かれていれば、目的を達成して離脱するケースもあります。離脱率を分析してページの評価に活用する際には、ページの性質や目的が果たせているかを基準に考える必要があるのです。
直帰率と離脱率の違いはユーザーの行動がエンゲージメントされずに1ページ目でサイトを離れた「直帰」なのか、エンゲージメントされたり複数ページを見たりして離れた「離脱」なのかです。前者の割合が直帰率、後者の割合が離脱率になります。
上記の図の場合の直帰率と離脱率を見てみましょう。
GA4においてはエンゲージメントの有無が「直帰」か「離脱」かの判断の基準となります。
回遊やCVなどにつなげる意図を持って制作されたコンテンツは、直帰率と離脱率が低ければ低いほど、ユーザーに興味・関心を持たれるコンテンツを提供できている可能性が高いと推測されます。ではそれぞれどれくらいの数値を目安にすれば良いのでしょうか。ここではBtoC・BtoBサイトの直帰率・離脱率の目安を紹介します。
BtoBサイトの目安は「37%以下」BtoCサイトの目安は「29%以下」です。直帰率は非エンゲージメント率とも呼ばれていることから、アメリカの企業によるエンゲージメント率の調査を元に算出しています。
参照:FirstPageSage「What’s a Good Engagement Rate in Google Analytics 4?」より
直帰率はコンテンツの特性やジャンル、時期などさまざまな要因により上下します。そのため直帰率の数値は参考程度に捉え、サイトの改善を進めましょう。
BtoCサイト・BtoBサイトともに離脱率の目安はありません。どのサイトでも最後には1つのページから離れることになるため、目安の数値は改善の参考にならないからです。このためサイト内で相対的に離脱率の高いページと低いページを整理し、離脱率の改善が必要なページについては、パーセンテージを下げる施策を進めるようにしましょう。
Googleが提供するアクセス解析ツール「GA4(Googleアナリティクス4)」を用いた直帰率と離脱率の確認手順をそれぞれ紹介します。GA4を初めて使う方はこちらの記事で初期設定の仕方や基本の使い方をわかりやすく解説しているので確認してみてください。
関連記事:「これから始めるGA4の使い方!基礎・初期設定の手順・実践例まで解説」
左のメニューバーの「探索」→「自由形式」を開きます。
「指標」タブの+を押し、指標の選択画面で「直帰率」と検索してインポートします。
指標に「直帰率」が追加されるので、「値」の欄に移動させると右側の分析結果に直帰率が表示されます。
GA4では直帰率のように離脱率を確認することはできません。離脱率は離脱数÷セッション数で計算して出す必要があるので、離脱数とセッション数の表示手順を解説します。
直帰率と同様に「指標」タブの+を押し、指標の選択画面で「離脱数」「セッション」と検索して両方インポートします。
「ディメンション」タブの+を押し、ディメンションの選択画面で「ページタイトルとスクリーン クラス」を検索し、インポートします。
インポートしたディメンションと値をそれぞれ移動し、表示された離脱数をセッション数の数値で割ることで離脱率を算出できます。
最後に、直帰率・離脱率が高くなる原因およびその改善方法を紹介します。
ページの表示速度が遅いと、ユーザーはストレスを感じ、直帰率・離脱率が高くなります。Googleも「通常、高速なページは低速なページよりもユーザー満足度が高くなります。」としてページの高速化を推奨しています。
参照:Google検索セントラル「ユーザー エクスペリエンスの管理」より
2017年の調査では、ページのロード時間が1秒から3秒になると直帰率が32%増加、1秒から5秒になると90%増加・・・というように、ロード時間が増えるのにしたがい、直帰率も増加することが示されています。これは離脱率も同様の傾向になると考えられるでしょう。
参照:Think with Google「Find Out How You Stack Up to New Industry Benchmarks for Mobile Page Speed」より
改善方法としては、ページの表示速度を速くするしかありません。例えば、性能の良いサーバーに乗り換えたり、ファイルや画像を圧縮・軽量化したりして、ページの表示速度の改善を進めましょう。
ユーザーの検索ニーズに沿わないコンテンツを提供していると、ユーザーは見る必要性を感じずすぐに直帰・離脱してしまいます。そのためユーザーがサイトに何を求めているのかを考え、コンテンツを改善することが大切です。具体的には、検索キーワードを再検討した上でリライトしたり、Q&Aサイトで投稿されている質問内容を盛り込んだりすることで、よりニーズを満たすコンテンツが作れます。
スマホやタブレットでの閲覧を想定したレスポンシブデザインに対応していないと、パソコン以外で見た際にユーザーが見づらさを感じてしまいます。その結果、直帰率・離脱率の増加につながるでしょう。総務省の調査によると、インターネット利用者の約7割がスマホを使って検索などを行っています。スマホで閲覧する人の多さからも、現在はレスポンシブデザインの実装は必須です。
まずはGoogle Search Consoleの「モバイルユーザビリティレポート」などで対応しているか確認し、必要に応じて既存のソースコードを書き換えたり、WordPressで作ったサイトの場合はレスポンシブ対応のテーマを使用したりしましょう。
サイト内で次に欲しい情報への導線が分かりづらいとユーザーはすぐにサイトを離れ、直帰率・離脱率の増加につながってしまいます。そのため、どこに何があれば他ページへの遷移やコンバージョンがしやすくなるかをユーザーの身になって考えることが大切です。例えば、見出しの内容に応じて関連記事のリンクを貼ったり、サイト内におけるユーザーの位置を示す「パンくずリスト」を設けたりするなど、ユーザーがストレスなく行動できる導線とデザインを作りましょう。
主に離脱率に関することですが、ユーザーが閲覧したページで満足してサイトを離れた場合も値は上昇します。例えば資料請求やお問い合わせのページでアクションを起こしてからページを離れた場合です。この場合は、離脱率の高さを危惧する必要はありません。このように元々離脱を想定していたページからの離脱は気にすることはありませんが、サービス紹介や事業内容のページなど想定していないページから離脱した場合は回遊の導線やコンテンツを見直しましょう。
直帰率も離脱率も基本的には低ければ低いほど、ユーザーのニーズに応えるコンテンツを提供できていると考えられます。まずは直帰率・離脱率を確認し、もし高いと判断した場合、サイトのパフォーマンスを向上させるために、改善策を講じてみてはいかがでしょうか。