セミナーレポート

BtoB企業こそSNS活用を!顧客のLTV向上を実現するSNSマーケティング戦略とは【セミナーレポート】

BtoB企業こそSNS活用を!顧客のLTV向上を実現するSNSマーケティング戦略とは【セミナーレポート】

BeMARKEは2022年12月15日に、「BtoB企業のための、2023年を見据えた最新リード獲得施策総まとめ」と題した5社共催セミナーを開催しました。本セミナーでは、BtoBビジネスにおけるWeb活用を先導してきた企業様を登壇者にお迎えして、それぞれSEO、広告運用、SNS活用、Web改善、ウェビナー運用の5つのテーマで語っていただきました。

株式会社フルスピード マーケティング部 マーケティンググループの小野寺 翼 氏には、「BtoB企業こそSNS活用を!~顧客のLTV向上を実現するSNSマーケティング戦略とは~」と題して講演いただきました。本セミナーでは、BtoB企業のSNSマーケティングの現状について解説し、BtoB企業におけるSNS活用の具体的戦術を事例とともに紹介しています。

目次

【登壇者】
小野寺 翼 氏(株式会社フルスピード マーケティング部 マーケティンググループ)
複数のウェブ制作会社やBPOベンダーにて、企業のサイト運用を担当。
2011年より、Facebookを中心としたBtoC企業のソーシャルメディア・マーケティングの支援や研究業務、ソーシャルメディアを活用したカスタマーサポート・サービス導入支援を経験。2020年2月株式会社フルスピードに入社、コンサルタントとして複数企業のソーシャルメディア・マーケティングの支援を経て、現在は自社のマーケティング部門ならびにセミナー主幹を担当。自社セミナーをはじめ、宣伝会議やSNSマネージャー養成講座にて企業のSNS活用をテーマに講師を担当。
著書に『Facebook プロフェッショナルガイド(マーケティング編・デザイン編)』(マイナビ)、『現場のプロが教える Webマーケティングの最新常識』(エムディエヌコーポレーション)などがある。

SNSおよびBtoBマーケティングの現状

小野寺 翼 氏:BtoB企業の担当者様からよく、「BtoB企業ではどのようにSNSを活用すべきか分からない」「どのようなコンテンツを発信すべきか分からない」といった声をお聞きします。

BtoB企業のSNS活用は、BtoC企業と共通する部分も多い一方で、マーケティングの根本的な部分の違いがあったり、発想の転換が必要だったりします。

本講演をぜひ、SNSマーケティング推進にご活用ください。

BtoB企業もSNS活用に取り組み始めている

最初に、SNSマーケティングの現状について説明します。

SNSアクティブユーザー数の推移

こちらは、株式会社ICT総研による日本国内のSNS利用動向に関する調査結果です。

青い棒グラフがSNS利用者数、緑の折れ線グラフがSNS利用率を示しています。いずれも2017年以降右肩上がりで増加しており、2023年以降の予測値も増加が見込まれています。

BtoB企業担当者のマーケティング施策現状

続いてこちらは、マッチングサービス「マーケティングプロパートナーズ」がBtoB企業のマーケターを対象に行った調査結果です。

「実践している施策」の第3位に「SNS運用」が入っています。すでにSNS運用に取り組んでいるBtoB企業が増加していることが伺われます。

一方で、マーケティング施策全般について「外部環境の変化にあわせたマーケティングを実施できているか」という問いに対しては、「そう思わない」との回答が半数以上を占めています。

「BtoB企業もSNS活用の重要性に気づいて取り組み始めているけれども、成果につながる取り組みが見えていない」という現状が見えてきます。

BtoC企業とBtoB企業におけるマーケティング活動の違い

実際にSNS活用の戦略を考える前提として、BtoC企業とBtoB企業におけるマーケティング活動の違いを理解する必要があります。

特に着目すべき違いは、次の3つです。

・BtoCでは意思決定者が不特定多数の個人であるのに対して、BtoBでは組織や部長など意思決定者が明確。

・BtoCではターゲット顧客の範囲が広いのに対して、BtoBのターゲット顧客は限定的。

・BtoBはBtoCに比べて商材単価が高額、検討期間も長期に及ぶ傾向がある。

B2CとBtoBマーケティングの違い

BtoB企業のマーケティングで重要なこと

このような違いを踏まえると、BtoB企業のマーケティングでは次の2点が重要になります。

  1. 適切なターゲット顧客(リード)への認知拡大。
  2. 顧客(リード)との長期的な関係構築と好意度やLTV(ライフタイムバリュー)の向上。
BtoBマーケティングにおけるSNSの強み

BtoB企業では、「SNSのフォロワー数やリーチの獲得が数値に反映されにくい」という難しさがあります。しかしながら、「適切なターゲットに情報を届けること」、そして「ファンやフォロワーと長期的な関係構築を行うこと」は、SNSの得意領域です。ぜひこれら2点を大切にして、SNSを味方につけましょう。

BtoB企業のSNS活用戦略

次に、BtoB企業におけるSNS活用戦略について説明します。

当社の戦略は、BtoBのマーケティング活動における重要なフレームワーク「デマンドジェネレーション」に基づいて設計しております。

デマンドジェネレーションの枠組みに基づく戦略設計

「デマンドジェネレーション」は、BtoB企業のマーケティング活動を大きく3つのプロセスに分けて展開する考え方です。

デマンドジェネレーションの各プロセスで見るSNS

まず、認知を高める「リードジェネレーション」フェーズがあります。次に、認知された方との関係構築を通じて自社サービスに興味・関心を持ってもらう「リードナーチャリング」フェーズ、さらに興味・関心を持った方を問い合わせや商談といった具体的なアクションにつなげていく「リードクオリフィケーション」フェーズがあります。

それぞれ「見込み顧客獲得」段階、「見込み顧客育成」段階、「見込み顧客絞りこみ」段階とも呼ばれます。デマンドジェネレーションは、これら3つのフェーズで成り立っています。

SNS活用が重要になる2つのフェーズ

これら3つのフェーズのうち、SNS活動が重要になるのは「リードジェネレーション」と「リードナーチャリング」の2つのフェーズです。

1つ目の「認知拡大」にあたる「リードジェネレーション」フェーズでSNSを活用する話はよく耳にしますが、当社としてはその次の「見込み顧客育成」のための「リードナーチャリング」フェーズにおけるSNS活用を重要視しています。

当社が考える戦略を、縦軸を「認知」、横軸を「好意度」とした図で整理すると、このようになります。

デマンドジェネレーションにSNS戦略

左下にいる「見込み顧客」に対して「リードジェネレーション」で適切なターゲティングを行い、認知を高めて左上に持ち上げます。さらに、「リードナーチャリング」での関係構築を通じて好意度を高めて右上に移動させることで、自社の顧客へと育成します。

活用すべきメディアの選定

活用すべきSNSメディアは、自社商材と展開に合わせたものを選定しましょう。

自社商材および展開にあわせたSNS選定

情報発信という軸では、日本国内の利用者が多く、リツイートによる拡散が見込める「Twitter」や、しっかりとした情報発信が可能でビジネスパーソンが多く利用している「Facebook」の活用が、業種を問わず有効です。

また、商材の写真をはじめ画像や動画といったクリエイティブを用意できるなら、「Instagram」や昨今話題の「Pinterest」の活用が考えられます。「YouTube」で動画を公開しても良いでしょう。

また、グローバル展開を考えるならば、ビジネス利用に特化した「LinkedIn」の活用もおすすめです。日本ではまだ300万人程度の規模ですが、グローバルでは8億3000万人と、多くのビジネスパーソンがビジネス目的で利用しています。

顧客獲得フェーズにおける認知拡大

それではここから、具体的戦術についてお話します。まずは顧客獲得フェーズにつなげる「リードジェネレーション」における戦術をご紹介します。

デマンドジェネレーションの各プロセスで見るSNS戦略

リードジェネレーション(認知拡大)におけるKPIは、ファン数、フォロワー数、発信した投稿のリーチ数やインプレッションです。

ターゲットの明確化

まずは、ターゲットを明確化するために具体的かつ詳細なバイヤーペルソナを作成します。

バイヤーのペルソナ作成

ペルソナ設計1

こちらは、当社が実際にBtoB企業のご支援で利用している事例です。このように、勤務先、性別、年齢層、家族構成さらには趣味嗜好まで落とし込んでバイヤーのペルソナを作成します。

当然ながら、ターゲット顧客であるBtoB企業の担当者も、普段は日常生活でSNSを利用する生活者の1人です。だからこそ、SNSをBtoB企業のマーケティングに活用できるのです。「BtoB企業の担当者もSNSを利用する生活者の1人」という視点を意識して、ペルソナを作成しましょう。

意思決定者のペルソナ作成

ペルソナ設計2

BtoB企業の場合はBtoC企業と異なり、購入に至るプロセスが複数になることもあります。実際に私たちがBtoB企業を支援する際も、クライアントから「意思決定者をターゲットとしたい」というご要望をいただくことがあります。

このため、先ほど紹介したような「担当者のペルソナ」とは別に「意思決定者のペルソナ」を作るケースもあります。

ソーシャルリスニングの活用

ソーシャルリスニングを活用しての見込み顧客リサーチ

ターゲットを明確にイメージする手法として「ソーシャルリスニング」の活用も有効です。

繰り返しになりますが、BtoB企業の担当者も、普段はSNSで情報発信したり、友達や企業の発信を見たり、「いいね」やシェア、リツイートをしたりする一生活者です。

だからこそ、「自社や自社製品についてSNS上で言及している人はどのような人なのか」を知り、ターゲットになり得る人の発信を分析することで、発見できることがあります。バイヤーのペルソナづくりにも生かしてみてください。加えて、ソーシャルリスニングでは自社や自社製品に対する評判やニーズも把握できます。

ターゲットに向けた発信

こうして具体化したターゲットに対して、どのようにリーチを拡大すれば良いでしょうか。リーチ拡大には、年代や性別といった特性、さらには趣味嗜好などが明確化されたターゲットへの認知拡大を強みとするSNS広告の活用が有効です。

SNS広告

広告配信による適切なターゲティングへの認知拡大

SNS広告の出稿は、見込み顧客であるターゲット層のファンやフォロワーを増やして認知を拡大するのに有効です。また、自社が発信した投稿やツイートを広告化することでより多くのターゲット層に対しコンテンツを届けることで、認知を高めることができます。

自社社員のSNSアカウントの活用

個人アカウント活用による認知拡大

BtoB企業の認知拡大には、自社社員のSNSアカウントや個人アカウントの活用も効果的です。

ご参考までに、こちらは当社のチームメンバーの個人アカウントです。自社社員のアカウントで、自社のビジネスに関する内容を積極的に発信します。個人アカウントから自社SNSアカウントをシェアしたりリツイートしたりしても良いでしょう。

他チャネルからのSNSアカウントへの流入導線を作る

SNS外部からのアピールによる認知拡大

こちらも参考手法ですが、他チャネルからのSNSアカウントへの流入導線を積極的に作ることで、自社のSNSの認知を高められます。公式Webサイトやブログ、自社社員のメールの署名欄などで積極的に紹介しましょう。

オフラインイベントの参加者に向けたアピールも有効です。展示会やセミナーといったオフラインの接点は、BtoB企業では特に重要かつ貴重です。有効活用しない手はありません。

関係構築フェーズにおける戦術

続いて、情報発信やコミュニケーションを通して関係構築につなげる「リードナーチャリング」フェーズについてご紹介します。

デマンドジェネレーションの各プロセスで見るSNS戦略

このフェーズにおけるKPIは、自社が発信した情報が多くの方に届いたかを測るリーチ数やインプレッション数もさることながら、コミュニケーションや関係構築の評価資料になるエンゲージメントです。

例えば、投稿に集まった「いいね」や「コメント」などのアクション数、あるいは、それらを「リーチ」や「ファン」「フォロワー」の数で割ったエンゲージメント率の数値をKPIとします。

定番コンテンツの積極的発信

SNSの定番コンテンツ

続いて、BtoB企業に有効なコンテンツやコミュニケーション手法を紹介します。

まずはBtoCの場合と同様、定番かつ広くアピールすべきコンテンツを積極的に発信しましょう。

例えば、製品紹介や各種リリース、CMやメディアの露出情報、自社がスポンサードしているスポーツチームの活躍などの発信です。これらは、BtoB企業にとって自社のファンやファン見込みの生活者、つまりターゲット顧客との貴重な接点の一つゆえに積極的に発信しましょう。

BtoB企業こそ大切にしたいコンテンツ

BtoBにおけるマーケティングの特徴を踏まえた発信も行います。

別チャネルへ誘導する発信

BtoBにおけるマーケティングの特徴として、「長期的な関係構築が重要」という点が挙げられます。

別チャンネルへの誘導

そのため、BtoBマーケティングでは、展示会、セミナー、体験会など、別チャネルにおけるコミュニケーションも重要になります。検討期間が長期かつ商談が複雑になりやすいBtoB領域では、オフラインでの接点を持てる機会の紹介や別チャネルへの誘導に、SNSを有効活用していきましょう。

「好意度の向上」という視点での発信

パーパスやSDGs視点でのコンテンツ

「好意度の向上」という視点では、パーパスやSDGs視点の発信がポイントです。自社の深い部分まで知ってもらい、好きになってもらうために、自社の存在意義や社会とのつながりを示すコンテンツを発信しましょう。

昨今、BtoCとBtoBを問わず、企業のパーパスやSDGsに対する取り組みや情報発信が求められるようになっています。特に、顧客との長期的な関係構築や好意度、ひいてはその先にあるLTVの向上が必要なBtoB企業においては、より重要度を増しているといえるでしょう。

SNSユーザーとのコミュニケーション

サポートをはじめとしたコミュニケーション

企業発の情報発信のみならず、SNSユーザーとのコミュニケーションも大切です。SNSは企業だけではなく、生活者も企業と同様、むしろ主役として情報発信ができる場であるからです。

例えば、自社の投稿にコメントした方への返信という形でのコミュニケーションや、自社について言及したユーザーの投稿やツイートへの「いいね」やコメント、あるいは自社の商材についての課題や困りごとを発信しているユーザーに対して悩みを解決できるようなコメントを発信する「アクティブサポート」と呼ばれる取り組みが考えられます。

サポートをはじめとしたコミュニケーション実績

こちらは、実際に我々が支援した事例です。

SNSで一方的に発信するのみならず、双方向のコミュニケーションを積極的に行いました。いただいたコメントに丁寧に返信する取り組みを重ねることで、ユーザーをよりコアなファンへの醸成につなげることができたと考える実績です。

コメントのコミュニケーションを行う前と比べ、ナーチャリングフェーズにおけるKPIである「エンゲージメント率」の平均値が約1.7倍に増加しました。1つの参考数値からの判断にはなりますが、コアファンへと醸成につながったものと考えられます。

まとめ

昨今コロナ禍ということもあり、国内でSNSの利用者数が増加しています。オンラインでのマーケティング施策やSNS活用の重要性も高まっています。また、BtoB企業の場合はBtoC企業のマーケティング以上に、適切な顧客への認知拡大と関係構築によるLTVの向上が大切です。

また、デマンドジェネレーション視点で考えると、SNSは「リードジェネレーション」フェーズにおける認知拡大や「リードナーチャリング」フェーズにおける関係構築にこそ活用すべきメディアです。

戦術視点では、ターゲットや商材特性をとらえた上でのコンテンツ設計、そしてファンやフォロワーとのコミュニケーションが重要であると解説いたしました。本セミナーでご紹介した戦術を、SNSマーケティングの施策に活用してみてください。

株式会社フルスピードが贈るブログ | Growth Seed
Growth Seed株式会社フルスピード

フルスピードの「SNS運用代行サービス」
https://growthseed.jp/service/sns_consulting/
BtoB企業を含む累計300アカウント以上の運用実績があるSNSの専門部署を有しています。貴社専任の担当者が、SNS運用におけるリスクを踏まえたうえで広告配信から投稿ライティングやスケジューリング、効果測定までのPDCAサイクルを設計し、お客様のSNSアカウントの成長のお手伝いをいたします。

今後開催予定のセミナー一覧はこちら>>http://www.fullspeed.co.jp/news/newest/seminar/

セミナー取材(レポート記事掲載)のお願い

現在、セミナーレポートの掲載を強化しています。BtoBマーケター向けセミナーを開催している企業様で、BeMARKメディアへのレポート記事掲載が可能な企業様はお問い合わせフォームよりお知らせください。
【募集要項】
■対象:サービス紹介がメインのプログラムではなく、BtoBマーケター向けにナレッジやノウハウを紹介する内容の今後開催予定セミナー。
※サンプル:https://be-marke.jp/categories/seminar-report
■条件:記事制作用にセミナーの録画データが提供可能、またはセミナーを直接取材が可能
■費用:謝礼および記事掲載料はかかりません。※プロモーションを主目的としない記事制作を行うため
■注意事項:応募多数の場合やセミナープログラムによってはお断りする場合がございます。
【お問い合わせフォーム】https://be-marke.jp/contact
→取材希望するセミナー概要、開催日、告知ページURLなどをお知らせください。編集部より折り返し連絡いたします。  


この記事に関連するお役立ち資料

この記事を書いた人

BeMARKE編集部
BeMARKE編集部

BeMARKE(ビーマーケ)は、BtoBマーケティングの課題解決メディアです。 BtoBマーケティングのあらゆる局面に新しい気づきを提供し、リアルで使える「ノウハウ」を発信します。

SNS:XYouTube

著者の最新記事

もっと読む >

あわせて読みたい