ニュース解説
Sansan株式会社が、クラウド名刺管理サービス「Sansan」を営業DXサービス「Sansan」へとコンセプトを刷新し、「営業を強くするデータベース」としての機能強化を行うことを発表しました。注目すべき機能強化のポイントとは。
Sansanは、株式会社帝国データバンク(以下、TDB)との連携を強化し、2022年6月を目処に、TDBが有する100万件を超える企業情報を、Sansan上にデータベースとして標準搭載予定です。 Sansanサービス内に「企業DB」タブが新たに設置され、Sansan上で、TDBが有する100万件を超える企業情報(※1)を、接点のあるなしに関わらず閲覧することができるようになります。 データベースとして閲覧が可能になる企業情報は、産業分類、売上、従業員数、資本金など。 これらの情報は、営業やマーケティングにおいて活用しやすいCSVファイルの形式でダウンロード可能(※2)です。
Sansan上に蓄積・可視化された、名刺、メール署名、ウェブフォームなどの接点情報と、企業データベースを組み合わせることで、既に接点がある企業のみならず接点のない企業情報も含む、利用企業独自のデータベースをSansan上に構築することができます。
コロナ禍において営業活動のオンライン化が加速するなか、Sansanは、オンライン名刺機能をいち早く提供開始。 Microsoft TeamsのTeams会議や、Google Workspace™ の Google カレンダー™ 上でオンライン名刺の利用を可能にするなど(※3)、外部サービスとの連携も拡大させています。 Microsoft Teamsの予定表と連携し、事前の名刺交換を通してあらかじめ相手の情報を把握することで、商談前の営業戦略に役立てることも可能です。 また、ビデオ会議中にオンライン名刺を送ることもできます。
また、2021年12月にはメール署名もSansan上で蓄積が可能になる「メール署名取り込み」の提供を開始しました(※4)。
加えて、企業のホームページの問い合わせフォームと、Sansanを連携した「スマートフォーム」機能も、2022年5月に提供開始を予定しています。 氏名や会社名、メールアドレス、電話番号等、フォームに登録された顧客情報のSansanへの登録を可能にします。 これら機能を活用することで、Sansan上には、名刺のみならずあらゆる顧客との接点情報が蓄積・可視化されるとのこと。
Sansanのデータベースは、CRM・SFA、MAツールなどの外部システムと連携・統合が可能です。 「Sansan Data Hub」のデータ統合機能によって生成された、精緻化されたデータを、Salesforce、Marketo、SATORIといったCRM・SFA、MAツールと連携させることで、マーケティング活動に活かすことができます。
Open APIを使うことで、Sansanに取り込んだ顧客情報を、外部アプリケーションで利用できるようになります。 連携を簡単に行うことができるプラグインが用意されているので、開発が不要。 さまざまなアプリケーションでも使うことができるようにCSV出力機能も備わっています。
営業活動における企業データベースの活用メリットは、最新の顧客データを入手できる、時間やコストをかけずに新規の顧客を見つけることができる、廃業や閉店情報をいち早く知ることができる、など、ビジネスチャンスの創出だけでなく、営業活動の効率化という点も挙げることができるでしょう。
また、企業独自のデータベースと、CRM・SFA、MAツールとの連携によって、データの二重登録を防ぎ、名寄せ・クレンジングの工数を削減する効果も期待できます。 SFA内で管理している営業部門のデータだけでなく、その他の部署の名刺情報を扱えることで、新規顧客開拓の可能性が広がります。
さらに、営業のオンライン化が進む昨今では、顧客の正確な人物情報の把握には、名刺だけでなくメール署名や問い合わせフォーム、セミナー登録情報など、様々なデータ形式の活用ニーズの高まりが見られます。
BtoB企業にとって、顧客の正しい情報をいかに効率的に取得、精査した上で管理し、営業活動に活かしていくことができるか、という課題の重要度がさらに高まりそうです。