基本ノウハウ
名寄せはSFAやCRMを用いて顧客との信頼関係を維持するために必須の作業です。昨今、多くの社員が顧客情報の入力・管理に携わっているBtoB企業にとって、名寄せの必要性が増してきていると考えられます。
そこでこの記事では名寄せの意味や名寄せが必要な状態になる理由、名寄せの流れなどについて解説します。名寄せについて基本的なことから理解したい方はぜひ参考にしてください。
名寄せとは、氏名・住所・メールアドレスなどの情報を参考に、データベース上に複数存在する同一人物もしくは同企業のデータを1つに統合する作業を指します。例えば、以下の作業が代表的です。
昨今は、SFAやCRMといった営業支援システムの普及により、複数の担当者が同じ企業に関するデータを手軽に入力できるようになりました。その結果、同一もしくは異なるデータベース上に「同じ企業のデータが複数ある」というデータの重複に困る企業も出てきています。
名寄せは、対象となるリストの量が少なければExcelでも対応可能です。一方、リストの量が多い場合には名寄せを自動化できるツールを活用した方が、負担を軽減できたり、人為的なミスも防ぐことができたりするためおすすめです。
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名寄せを行わないと顧客リストのデータが重複し、正確なステータスを把握できなくなります。名寄せを怠ることで以下のような事態が起こり、顧客からの信頼を失いかねません。
これらの対応をされると、「管理が徹底されていない」「断ったはずなのにしつこい」といったイメージダウンにつながります。顧客からの信頼関係を維持し、失わないためにも、名寄せは必須だと覚えておきましょう。
データの重複がなければ名寄せをする必要はありません。しかし、下記に記載するような理由が重なって名寄せが必要になるケースが見られます。
表記ゆれとは「同じことを表しているものの表記が違う」という現象を指します。例えば、同じ企業名を「株式会社日本」と「(株)日本」、2パターンで表記してしまうのが表記ゆれです。
複数の担当者が別々に顧客情報を入力した場合、この表記ゆれが生じて、データが重複してしまう恐れがあります。加えて、「(株)ではなく株式会社と記載する」といった入力ルールを決めていない、または十分に浸透していないことや単純な入力ミス・スペルミスなどでもデータの重複が生じます。
名寄せを実施するときの流れは、以下の4ステップです。各ステップでどのようなことを行うのか詳しく紹介します。
最初に、名寄せの対象となる保有データの確認と名寄せの方針・基準を決定します。保有データの確認とは、社内データベース上に散在している、既に登録されている属性情報やデータの入力状況をチェックする作業です。
保有データの確認を終えたら、名寄せの方針・基準も決めましょう。例えば、「氏名・住所・電話番号が完全一致した場合にのみ同一のデータとしてまとめる」「カタカナと英語表記が同一の場合も名寄せをする」など、名寄せの目的に応じて方針・基準を設定します。
【1】で設定した名寄せの方針に沿って、名寄せするデータを各データベースより抽出していきます。このとき、注意したいのがデータベースによって項目が異なる可能性があることです。例えば、データベースによって項目が異なる例として以下が挙げられます。
上記のように住所を入力する項目でも、データベースAでは「住所」という項目にすべての住所を入力する仕様である一方、データベースBでは「都道府県・市町村・番地・ビル名」と項目を分けて住所を入力する仕様になっているケースがあります。項目が異なる場合は、同一の情報であることを確認した上で、どちらの形式でデータ抽出を実行するのか決定しましょう。
続いて、抽出したデータに対し、データのクレンジングを実施します。クレンジングとは表記ゆれや入力漏れ、入力ミスを修正する作業です。クレンジングを実施しないと、同じデータにもかかわらず違うデータと見なされてしまい、名寄せ後も重複したデータが存在しかねません。
項目別にルールを設け、データクレンジングを実行しましょう。以下がデータクレンジング時に決めるべきルールの具体例です。
このようなルールを設定し、正確にクレンジングすることで、精度の高い名寄せを実施しましょう。
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最後にデータのマッチングを行います。マッチングとは、同一だと判断した情報に同じIDを付与し、システムが同じ情報だと認識できるように紐付ける作業です。
名寄せツールを活用すれば、対象となる情報の中から会社名・住所・電話番号など、名寄せのヒントとなる要素を設定することで、自動でマッチング作業を実行してくれます。名寄せの対象となるリストが多い場合は、ツールの活用も視野に入れましょう。
マッチングを実施することで、データベース内に存在していた複数の情報をまとめることができ、重複がない状態に整えられます。
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名寄せは、データベース上に分散する同一人物・同一企業の情報を1つにまとめる作業です。名寄せを行わないことで、同じ企業に同じ内容のメールを送ってしまうといったミスが発生する可能性があります。複数の担当者が各々で入力できる営業支援システムが普及している現在、名寄せの必要に迫られている企業は増えています。多くの顧客情報を蓄積している方は、ツールの活用も検討して、名寄せに取り掛かってみてはいかがでしょうか。