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LTVの計算方法をサービス別で解説!活用方法・改善策まで丸っと理解

LTVの計算方法をサービス別で解説!活用方法・改善策まで丸っと理解

顧客が生涯にわたってもたらす利益を示すマーケティング指標であるLTV。特にSaaSやサブスクサービスのマーケティング担当者であれば一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。しかし「自社の商材に適したLTVの計算式が分からない」といった悩みを持つこともあるはず。

この記事では、LTVの計算式をサービスタイプ別に解説します。本記事を読むと、LTVの活用方法や改善方法、併せて知っておきたい解約率・CACについてまで理解できます。

目次

1.LTV(ライフタイムバリュー)とは

LTV(Lifetime Value:顧客生涯価値)とは、顧客が生涯にわたってもたらす利益を示すマーケティング指標です。長期間継続して購入・利用する顧客ほどLTVは高く、一度きりの購入やすぐに解約する顧客はLTVが低いといえます。

BtoBビジネスにおいて、市場の飽和により新規顧客の獲得が困難になってきていたり、サブスクリプションモデル・SaaSモデルのサービスが増えていたりするため、いかに1人の顧客から継続して利益を得るか、という視点がマーケティングにおいて重要になってきているのです。

LTVの活用方法

LTVは、マーケティング施策を検討する際の1つの指標として活用できます。例えば、以下のような場面でLTVを活用できます。

【1】投資先の選択と集中

【2】予算の上限設定

【1】投資先の選択と集中

LTVは、どの施策やセグメントにどれだけリソースを投資すべきか意思決定する際の1つの指標として活用できます。施策や顧客セグメントごとにLTVを算出することで、それぞれの評価や比較を定量的に行えるようになり、意思決定の精度の向上が期待できます。

例えば、ターゲットの年齢層別にLTVを算出した場合、以下のような結果になったとします。

総売上顧客数LTV
20代2億円1,000人20万円
40代6億円6,000人10万円

総売上の大きい40代の方が高い成果を出しているように見えますが、顧客数を加味してLTVを算出してみると、20代の方が1人あたりにもたらす利益が大きいと分かります。この結果から、20代の顧客の獲得単価を40代の獲得単価以下に抑えることで、より効率的に収益を上げられる可能性があると考えられるのです。

また、例に挙げた顧客セグメントごとの比較だけでなく、施策ごとのパフォーマンス比較にもLTVを活用できます。なお、サービスのタイプによってLTVの算出に必要な項目は異なります。詳しいLTVの計算式については次章で解説します。

【2】予算の上限設定

LTVを算出することで、マーケティング活動における顧客獲得単価の上限を設定しやすくなります。1人あたりのLTVを算出することで、1人の顧客の獲得にかけられるコストの上限を考えられるため、より明確に根拠をもって予算を設定できるようになります。

2.LTVの計算方法【サービス別】

代表的なLTVの計算式を5つご紹介します。用途やサービスタイプに合わせて参考にしてください。

まずは、最もシンプルなLTVの計算式を以下2つご紹介します。

  • LTV = 顧客の平均購入単価 × 平均購入回数
  • LTV =(売上高 - 売上原価) ÷ 購入者数

大まかな数字を把握したいという場合などに活用しやすい計算式といえます。

以降では、3つのサービスタイプ別にLTVの計算方法をご紹介します。

【1】長期契約サービス(BtoB商材など)
【2】リピート購入商材(ECなど)
【3】サブスクリプションサービス(SaaSなど)

LTV計算方法【1】長期契約サービス(BtoB商材など)

BtoBサービスなど、契約期間が長期にわたるサービスのLTVを算出する際に適した計算式は、以下の通りです。

  • LTV = 年間取引額 × 収益率 × 継続年数

長期契約サービスの場合、受注額の大きさだけではその取引の良しあしを正しく評価できない場合があるため、LTVの算出が有効です。例えば、以下の2つの受注内容を比較した場合、単純な取引額は受注Aの方が大きいものの、得られる利益は受注Bの方が大きいということが分かります。

年間取引額収益率継続年数LTV
受注A100万円50%2年100万円
受注B70万円80%2年112万円

LTV計算方法【2】リピート購入商材(ECなど)

リピート購入される商材の場合には、以下の計算式でLTVを算出できます。

  • LTV = 顧客の平均購入単価 × 平均購入頻度 × 平均継続期間

LTVの計算方法の中でも基本的な計算式で、事務用品といったリピート商材を対象としてLTVを算出したい場合に適した計算式です。

また、上記の計算式に、顧客獲得や維持に必要な費用を考慮する場合には以下の計算式を利用できます。前者の計算式と比べて、実際に得られる利益をより具体的に把握できます。

  • LTV = 顧客の平均購入単価 × 平均購入頻度 × 平均継続期間 -(新規顧客獲得コスト + 既存顧客維持コスト)

LTV計算方法【3】サブスクリプションサービス(SaaSなど)

サブスクリプションタイプのサービスを対象としたLTVの計算方法は以下の通りです。

  • LTV = 平均顧客単価 × 粗利 ÷ 解約率

サブスクリプション型サービスの場合、いかに長い期間継続して利用してもらえるかが企業の利益に直結するため、解約率が非常に重要な要素となります。

3.LTVを計算するために知っておきたい2つの用語

本章では、LTVを計算する上で知っておきたい次の2つの用語について解説します。

  • 解約率(チャーンレート)
  • CAC

解約率(チャーンレート)

解約率(チャーンレート)とは、どれだけの顧客が契約を解約したかを示す数値です。

サブスクリプション型ビジネスやSaaSビジネスは、顧客に長く継続的に利用してもらうことが利益の向上に大きく影響するサービスです。したがって、解約率は、サブスクリプションやSaaSタイプのサービスのLTVを算出する上でとても重要な項目であるといえます。

解約率には、「カスタマーチャーンレート」「グロスレベニューチャーンレート」「ネットレベニューチャーンレート」の3種類に分けられます。それぞれの計算式は以下の通りです。

  • カスタマーチャーンレート:顧客数と解約数を基準に算出

解約した会員数 ÷ 解約前の会員数 × 100

  • グロスレベニューチャーンレート:収益や損失額をもとに算出

期間内の損失額÷期首の定期収益額×100(%)

  • ネットレベニューチャーンレート:収益や損失・増収額をもとに算出(期間内の損失額-期間内の増収額)÷期首の定期収益額×100(%)

CAC

CAC(Customer Acquisition Cost)とは、新規顧客を1人もしくは1社獲得するためにかかったコスト、つまり「顧客獲得コスト」という意味です。CACは、サブスクリプションモデルの健全性を測る際に使われる「ユニットエコノミクス」という指標の算出に、LTVと併せて使われます。「LTV÷CAC」でユニットエコノミクスを求められます。

算出されたユニットエコノミクスの数値が高ければ採算性が高いといえますし、低ければ採算が取れない状況だといえます。サブスクリプションサービスを提供している場合には、CACについてもLTVと併せて覚えておくことで、経営指標を測る際に活用できます。

4.LTVを改善する3つの方法

以下の3つの方法に沿った施策を行うことで、LTVの改善を図れます。

【1】購入単価を高める
【2】購入頻度を高める
【3】継続期間を延ばす

【1】購入単価を高める

購入単価を高めることで、LTVの改善につながります。例えば、次のような施策で購入単価を高められます。

  • 値上げ
  • アップセル:すでに利用している商品・サービスの追加購入や上位商品を購入してもらうこと
  • クロスセル:すでに利用している商品・サービスとは別の商品を併せて購入してもらうこと

値上げも購入単価を高めることになりますが、その前にまとめ売りやセット売り、レコメンド機能の強化など、売り方の工夫を検討してみましょう。アップセルやクロスセルを狙うことにより、顧客満足度を下げずに単価アップにつなげられます。

【2】購入頻度を高める

LTVの改善には、購入頻度を高めることも有効です。購入頻度を高めるためには、既存顧客のフォローに注力する必要があります。例えば、追加購入を促すメールやキャンペーン情報に関する情報などを、既存顧客へ定期的に発信するといった施策です。

なお、効率的に既存顧客をフォローできるメールマーケティングやマーケティングオートメーションサービスの利用を検討してみても良いでしょう。

【3】継続期間を延ばす

顧客がサービスを利用する期間を延ばすことで、LTVの向上につながります。例えば、次のような施策で継続期間を延ばせます。

  • 顧客満足度を上げる
  • 既存顧客と定期的に接点を持つ

商品やサービスへの満足度を向上させるのはもちろんですが、定期的に顧客と接点を持つことで顧客のブランド・サービスへの親しみや愛着が高まり、サービスの長期利用につながります。長期的な継続利用による特典の付与や、メルマガの配信などで既存顧客をしっかりフォローし、解約率をできる限り下げることを目指しましょう。

5.まとめ

LTVとは、顧客が生涯にわたってもたらす利益を示すマーケティング指標のことを指します。LTVは、どこにどれだけリソースを投資すべきかを決定する場面や、顧客獲得にかける予算上限を設定する場面などに活用でき、施策の精度を向上させるためにも有効な指標となります。

自社サービスのLTVを分析することで現状のパフォーマンスを適切に把握し、より精度の高い意思決定や施策の立案を目指しましょう。


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BeMARKE編集部
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